「外国人選手を獲る場合、日本の野球に適応できるかどうかを見極めなければなりません。ベテランの渉外担当者が見誤るケースだってあるのに、短期間で好選手を見極められるはずがない」(プロ野球解説者の1人)
支配下登録人数の問題もある。現在、横浜DeNAは「69人」を登録しており、選手枠は「1人分」しか残っていない。その貴重な「1人分」を“ギャンブル”に使ってしまうのは「もったいない」のひと言。1人を獲る代わり、1人を放出する国内トレードの方が得策に思うが、ライバル球団の職員がこう否定する。
「横浜DeNAが『右の大砲』を探しているって話は有名ですよ。こんな言い方をしたら失礼ですが、向こう(DeNA側)にはこちらが欲しいと思う選手が少ないし、そういう選手は向こうも出したがらないので…」(ライバル球団の1人)
今回の高田GMの『外国人補強』発言は、「交換要員の問題」も影響していると見ていいだろう。
しかし、横浜DeNAの外国人補強は『新体制』の手腕の見せどころになるのではないだろうか。新フロントには、メジャー球団、米・代理人事務所とのネットワークを持つ人物もいる。GM補佐の嘉数駿氏だ。氏の前職はサンフランシスコ・ジャイアンツの日本駐在スカウト。さらに逆上れば、ボビー・バレンタイン監督時代の千葉ロッテで、同監督とスカウト、外国人選手を売り込んでくる代理人の間に立つ調整役も務めてきた。その嘉数氏のネットワークを使うのなら、それ相応の外国人選手を獲得できるのではないだろうか。
「横浜DeNAは池田純・球団社長が7月に渡米するスケジュールになっており、マリナーズの本拠地などを視察する予定。球場におけるファンサービスを見るためとされていますが、本当はもっと大きなプロジェクトが隠されているのでは…」(球界関係者)
タンパベイレイズとマイナー契約した松井秀喜に対しても、そうだった。横浜DeNAは本気で松井を口説いていたため、今回の外国人補強にしても、
「本当はマイナー落ちした西岡剛、レギュラーから外された福留孝介を狙っているのではないか?」(前出・同)
といった見方もされている。松井獲得に本腰を上げたときもそうだったが、「何故、横浜DeNAが大物獲りに動くのか」と聞かれれば、それ相応の軍資金があるからだ。
4年連続最下位のチームを建て直すのは並大抵ではない。ペナントレースの方は最下位脱出も難しいようだが、フロント内部は“戦う人材”が揃いつつあるようだ。