社会
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社会 2017年07月11日 14時00分
またも弾道ミサイル! 金正恩の“挑発”とトランプの“暴発”『北vs米』開戦X秒前
最近、政府がテレビで「ミサイル発射時の、身を守る方法」を流しているのがやたらと気になる。そのキナ臭さが現実に起きようとしている。北朝鮮が7月4日に発射した弾道ミサイルについて、菅官房長官は5日の会見で、ICBM(大陸間弾道ミサイル)である可能性が高いとの見方を示した。 韓国国民から弾劾され塀の中に堕ちた朴槿恵前大統領は、2015年12月の南北当局者会談決裂の際、北朝鮮・金正恩党委員長の交代を目指す決裁書にサインしたという。同政策は情報機関の国家情報院が主導し、正恩委員長の引退や亡命、斬首作戦まで含まれていた。 「しかし、露骨に北朝鮮寄りの政策を打ち出して発足した文在寅政権には、当然ながら引き継がれませんでした。軍事手段を含む北朝鮮への圧力強化で緊密に連携する日米と異なり、米韓間では“戦略”にズレが生じているのです」(朝鮮半島ウオッチャー) それが如実に表れたのが、6月30日に行われた米韓首脳会談だ。 「トランプ大統領は『北が核実験とミサイル発射を停止し、それが検証された後ならば北との対話に応じる用意がある』という“最初から対話の余地なし”の立場ですが、韓国側は『核実験、ミサイル発射など挑発的行為を“中断しさえすれば”対話する』と表明し、それ以上の要求を控えている。となれば、北側得意の瀬戸際外交が復活し、韓国からのおいしい土産物を手に入れた後、核・ミサイル開発を再開するか、密かに開発を継続する危険性が排除できないわけです。トランプ大統領が文大統領に差し出した握手はたったの4秒間。安倍晋三首相との29秒間とは比較になりません」(同) 煮え切らない韓国に対して怒りを隠せないトランプ大統領。一方、韓国にも腹に忍ばせている不満がある。 「トランプ大統領は『習近平国家主席によると韓国は歴史的に中国の一部だった』と語っています。日本の専門家はこの発言を『米国は韓国を見捨てる伏線を張り始めたな』と捉えました」(国際ジャーナリスト) 韓国は今、「THAAD(高高度ミサイル防衛システム)を見せろ」という中国の要求に対し、米中の板挟みとなって厳しい状況に置かれている。 「6月24日には、政府の認可したデモとしては史上初の米国大使館を取り囲むデモが行われました。主催者発表によると、3000人が『THAAD反対』を訴えて米大使館の周囲を巡るコースを行進し、『人間の鎖』で包囲したと誇示したのです」(同) THAADを配備して韓国を守ろうとする米国の大使館にはデモをし、韓国に嫌がらせをする中国の大使館にはデモをしない韓国人。 彼らに処方する薬はない。 北朝鮮の弾道ミサイル発射を受けて、日本・アメリカ・韓国の3か国は国連安全保障理事会の緊急会合の開催を要請した。 開戦X秒前! 北朝鮮と米国のボタン戦争に指がかかった今、日本に恐怖の大王が降ってくるのは絵空事ではない。
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社会 2017年07月11日 10時00分
古文書から紐解く巨大地震発生デー 第4弾
平安時代に京都で編纂された歴史書『日本三代実録』には、このような記録が残っている。 《貞観10年(868年)7月8日。播磨諸郡の官舎・諸定額寺の堂塔ことごとく倒れた。京都では垣屋に崩れたものがあった》 播磨は現在の兵庫県西部。これは姫路市付近を震源とした、播磨国地震(M7以上)の様子だ。 868年といえば、南海トラフ地震の一つに数えられる仁和地震(887年)の19年前にあたる。 「南海トラフ地震の前には、内陸部で直下型の大地震が頻発することが分かっています。直近の南海トラフ地震である1944年(昭和東南海地震)と'46年(昭和南海地震)の直前にも北丹波地震や鳥取地震が発生したが、1000年前にも同じようなことが起こっていたのです」 こう語るのは、地震学が専門で武蔵野学院大特任教授の島村英紀氏。 歴史は繰り返されると言うが、日本の地震史についても、これが当てはまるというのだ。 「南海トラフ巨大地震が発生する前に内陸部で直下型地震が起きる理由には、太平洋側のフィリピン海プレートからの強いプレッシャーがあります。それにより、日本列島側のユーラシアプレートの弱い部分が耐え切れなくなり、悲鳴を上げ続けているということ。このことは、昨年4月に起きた熊本地震についても言えるのです」(サイエンスライター) 『日本三代実録』には、播磨国地震の翌年に起きた、貞観地震の模様も克明に描かれている。この地震は“1000年前の東日本大震災”と呼ばれ、三陸沖を震源とした巨大地震だったという説がある。 《5月26日癸未の日、陸奥国で大地震が起きた。(空を)流れる光が(夜を)昼のように照らし、人々は叫び声を上げて身を伏せ、立つことができなかった。ある者は家屋の下敷きとなって圧死し、ある者は地割れに呑まれた。驚いた牛や馬は奔走したり互いに踏みつけ合い、城や倉庫・門櫓・牆壁などが多数崩れ落ちた。雷鳴のような海鳴りが聞こえて潮が湧き上がり、川が逆流し、海嘯が長く連なって押し寄せ、たちまち城下に達した》 この城とは、現在の宮城県にあった多賀城のことだ。さらに『三代実録』は、被害の様子を生々しくもこう伝えている。 《人々は叫び、倒れた人は起き上がることができない。家が崩れ圧死したもの、地滑りや地割れで生き埋めになったもの。その被害の多さは数えることができないほどだ。(中略)荒れ狂う海は渦巻きながら膨張し、巨大な波はまたたくまに城下を襲う。野も道もすべて水の中。船で逃げることも、山に登ることもできない。溺死したものは一千人》 兵庫、東北地方を立て続けに巨大地震が襲い、今度は南海トラフに舞台を移してM8.5前後の規模とされる仁和地震が発生する。続けて『日本三大実録』の記録を見てみよう。 《午後4時頃に大地震が起き、数刻をへても震動が続いた。(中略)役所の倉屋および東西京の民衆の家は、相当部分が、転倒・倒壊し、その下になって殺されたものが多い。あるいは失神して頓死したものもある。10時ごろにまた地震が三度。全国でも、この同日に大地がおおいに震えた。官舍が多く損壊して、海潮が陸に漲ってきて、その津波によって溺死したものは数えることができないほどである》 地震が頻発する時代を見ると、やはり南海トラフ沿いの超巨大地震の合間に、直下型の大地震が発生していることが分かる。 島村氏はこう続ける。 「阪神・淡路大震災も、後から考えると、フィリピン海プレートが押してきたことによるもの、つまりフィリピン海プレートが起こす海溝型地震の先駆けとして発生したと考えられるかもしれない。南海トラフ地震は分かっているだけで13回起きているが、やはり、その合間には西日本で直下型の大地震が発生しているんですよ」 1995年1月17日未明、淡路島北部沖の明石海峡の地下約16キロを震源とする阪神・淡路大震災が発生し、負傷者4万3000人以上、死者も6400人を超えた。 「地震規模はM7.3で、震度7を記録。淡路島の西北に位置する北淡町では、地震によって野島断層が出現した。この断層に沿って地面が1メートルから2メートルも横にずれ、山沿いの地面も50センチから1.2メートル隆起したほどです。巨大地震の際は、自然や動物などが異常を示す様々な宏観現象がありますが、この時も“地震発生の3日前に淡路島の海がボラの大群で埋まった”“4日前に三重県度会郡の海で地震の前触れとされる深海魚のリュウグウノツカイが上がった”という話が方々から聞こえたものです」(前出・サイエンスライター) さて、現在注目されているのは、冒頭の播磨国地震を起こしたとされる兵庫県内を走る山崎断層帯だ。国の地震調査研究推進本部によると、山崎断層帯の主部は、岡山県美作市から兵庫県三木市にまで延び、大原断層・土万断層・安富断層及び暮坂峠断層までの北西部と、琵琶甲断層及び三木断層の南東部に区分されるという。 「山崎断層帯は、868年に活動してから1000年以上も大きな被害地震を起こしていないことから、専門家の間では近い将来に内陸地震が発生する可能性が高いと指摘されています。地層を観察するトレンチ調査で、活動間隔はおよそ千数百年〜二千数百年と見られている。そのことからも、いつ起こっても不思議ではない状況と言われているのです。すでに観測中の1984年には、この断層帯での地震が発生しており、前兆と見てもおかしくない揺れも生じているといいます」(同) 阪神・淡路大震災の原因となった野島断層と、この山崎断層帯とは「共役断層」と呼ばれ、兄弟のような関係にあるという。 「国の発表によれば、山崎断層帯での地震発生確率は30年以内に最大でも1%。この評価は専門家の間でも分かれるところです。いずれにせよ、フィリピン海プレートからのプレッシャーにより山崎断層帯が大きく動けば、阪神・淡路大震災の再来となる。20年経った今も、実は予断を許さない状況なのです」(同) 熊本地震でもそうだが、内陸部で起きる地震で今、注目を集めているのが、九州から四国を貫き関東へ続く中央構造線。この近辺で起きる地震においては、連動地震の可能性も指摘されている。野島断層も近くを走る断層の一つだ。 数々の火山噴火や地震を予知し的中させている琉球大学理学部名誉教授の木村政昭氏は、中央構造線について、やや見解は異なるものの、こう指摘する。 「昨年動いた熊本地震は、フィリピン海プレートとユーラシアプレートの境界で起きたものです。その一部が動いたためにクローズアップされているが、その元をたどれば太平洋プレートが押してくるために起きたと考えられる。年間10センチ程度ですが、確実に歪みは溜まっているはずです。また、中央構造線は、四国あたりで私が“日本列島断層”と名付けた能登半島へと続く断層帯と重なっており、それが阪神・淡路大震災でも動いたと考えています」 木村氏は熊本地震の影響が中央構造線の東部にまで及ぶことはないと見ているが、一方で滋賀県の琵琶湖周辺には地震が発生し得る場所にもかかわらず、長期間起きていない“空白域”があるため、「M8クラス以下ですが、大地震が起こる可能性があるかに見える」としている。 また、多くの専門家が「日本でもっとも危険な活断層」と口を揃えるのが、大阪の上町断層帯だ。全長42キロに及ぶこの活断層は、大阪府豊中市から大阪市の中心部を貫いて岸和田市にまで至り、都市の真下に存在する世界でも稀有の活断層だという。 「上町断層の幅は約300メートルに及ぶ。もし動いたとすれば、大阪の中心部に落差2メートルの崖が出現するというシミュレーション結果も出ており、淀川には高さ2メートルの滝が出現して堤防は決壊。結果、あっという間に大阪の街に流れ込み、地下鉄なども一瞬にして濁流に飲み込まれるとされます」(前出・サイエンスライター) '07年に策定された中央防災会議の想定被害報告では、上町断層帯による地震が発生した場合はM7.6規模の地震が発生し、死者4万2000人、建物の全が壊97万棟と予想している。大阪は比較的地震が少ないと言えるが、市内を貫く活断層が動けば被害は阪神・淡路大震災以上の甚大なものになるという。 しかし、上町断層についても、地震調査研究推進本部は「M7.5程度の直下型地震を30年以内に2〜3%の可能性で引き起こす」と、やはり比較的低い確率を予測している。 「南海トラフ巨大地震が発生すると、大阪は地震動による被害はともかく、津波による被害はかなり大きいものとなる。しかも、市内には活断層が走っている。熊本地震を引き起こした布田川活断層帯での地震発生確率も、『30年以内で10%以下』と、低いものでした。こうした確率には、フィリピン海プレートや太平洋プレートによるプレッシャーが考慮されていないのです」(同) 日本列島の上に住む我々は、内陸で起きる地震に海側のプレートはそれほど関係がないと思いがちだが、巨大地震を呼ぶものほど、地下深くに入り込んでいる太平洋側のプレートが大きく関係しているということだ。 「先ほどお話した“年間10センチ”という圧力は、太平洋側に等しくかかっている。そのため当然、関西地方にもかかっているはずです」(前出・木村氏) 阪神・淡路大震災から22年が経った兵庫や、貞観地震から約1150年経った京都、これまで直下型の巨大地震の記録がない大阪と、西日本でも多くの場所に危機が迫っている。 果たしてそれらは、南海トラフ巨大地震の先なのか後なのか。
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社会 2017年07月10日 15時00分
天下の猛妻 -秘録・総理夫人伝- 石橋湛山・うめ夫人
「夫唱婦随」を絵に描いたような夫人が、鮮やかな“引き際”で名を残した石橋湛山の妻・うめであった。 石橋は山梨県の日蓮宗僧侶の子として生まれ、幼名は省三だったが、僧籍に入って湛山と改名した。一時は宗教家や教育者を志し、早稲田大学文学科を首席で卒業したが、東京毎日新聞の記者となり、軍役後は東洋経済新報社に入社した。やがて同社の社長となるが、一貫して自由主義を主張、論陣を張り続け、そして、鳩山一郎退陣を受けての首相就任ということであった。この間、うめは己の信念を貫く中で軍部などからの圧力、反発を受け続けた夫に従い、「気丈妻」をまっとうしたのだった。 石橋は、生来、権力欲がなかったが、昭和31年(1956年)12月の自民党総裁選に、石橋の経済理論と清廉な人物を買う仲間たちに担がれる格好で出馬した。岸信介、石井光次郎と3人で争ったが、第1回投票で岸がトップだったことにより、2位の石橋と決選投票となった。決選投票で石橋陣営は石井陣営と「2・3位連合」を組み、知将として知られていた石橋の側近、参謀の石田博英による世に言われた「ウルトラC」裏工作、演出も手伝って、わずか7票差で岸を逆転したのだった。 その首相就任時の挨拶では、国民の支持率が欲しいゆえに己の信念を曖昧にする政治家が多い中、石橋はこう言い切ったものだった。 「私は皆さんのご機嫌を伺うことはしない。ずいぶん皆さんから嫌がれることをするかも知れないが、そのつもりでいてもらいたい」 そのうえで、軍部による植民地支配などは拒否、日本は積極財政ともに自由貿易によって繁栄していくべきとする「小日本主義」、自らの目指す経済合理主義のもとでの経済理論の実践、あるいは中国との友好関係構築など新たな戦後構想の必要性を訴えたのだった。「“和尚”ガンバレ」の国民の期待は高く、就任時、当時では異例の高さの支持率40%を記録したのである。 しかし、好事魔多し。元々、三叉神経痛に悩まされ続けていた石橋だったが、首相就任から間もなく、これに加えて肺炎を引き起こし、医師団は「今後しばらくの国会出席は不可能」と判断、早期の復帰が困難だったことにより、石橋は断腸の思いのなかで退陣を決意せざるを得なくなった。 石橋は首相退陣への決意の書簡を、時の首相臨時代理の岸信介、自民党幹事長の三木武夫宛に、こう記したものだった。 「私は新内閣の首相として最も重要な予算審議に1日も出席できないことが明らかになりました以上、首相としての進退を決すべきだと考えました。私の政治的良心に従います。(中略)私の自民党総裁として、また首相としての念願と決意は、自民党にありましては党内融和と派閥解消であり、国会におきましては国会運営の正常化でありました。私の長期欠席が、この2大目的をかえって阻害いたしますことに相成りましては、私のよく耐え得るところではありません」 この潔い首相退陣の決断は、その後、政権亡者に陥りがちな政治家への“頂門の一針”として、今日まで永田町、国民に感銘を与えることとなった。このわずか63日の首相在任は、内閣史上、戦後初の首相であった東久邇宮内閣の49日間に次ぐ超短命内閣でもあったのだった。 その後、妻のうめは昭和46年8月、83歳で死去。その約1年半後の48年4月、石橋もうめの後を追うように88歳で没した。退陣後、うめの必死の看病、療養生活で健康を回復した石橋は、その後、二度の訪中をするなど「日中友好」に心血を注いだものであった。 円満これ以上なき湛山・うめ夫妻の間には、一つだけ心痛この上ないことがあった。昭和19年2月、海軍主計中尉だった次男・和彦がマーシャル群島のケゼリン島で戦死したことであった。戦死公報は1年遅れで届いたが、その追弔会の席上、石橋は「此の戦、如何に終わるも汝が死をば、父が代わりて国の為に生かさん」と詠んだ。この思いが、石橋を最終的に政界へ向かわせたとの見方もあるのである。この席上、一方のうめは、昭和17年10月に和彦が休暇で一度だけ帰宅した折、自らの手料理で、一家で夕餉を囲んだ思いにひたるように、涙を見せることなくひたすら瞑目し続けていたそうである。 「人を見る明(めい)」で、一番的確なメルクマール(目印、指標)は、「出処進退」に見られると言われている。とくに、その人の「退」の有様、過程を見れば、人物の大きさ、器量が、まず見えてくるということである。 越後・長岡藩の名家老、河井継之助による出処進退の原則についての名言がある。「進ム時ハ人マカセ。退ク時ハ自ラ決セヨ」。 「反骨のジャーナリスト宰相」としての石橋の“引き際”の潔さ、人生の燃焼は、「夫唱婦随」に徹した妻・うめの思いに依ったところが多かったとも言える。=敬称略=(次号は岸信介・良子夫人)小林吉弥(こばやしきちや)早大卒。永田町取材48年余のベテラン政治評論家。抜群の政局・選挙分析で定評がある。著書に『決定版 田中角栄名語録』(セブン&アイ出版)、『21世紀リーダー候補の真贋』(読売新聞社)など多数。
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社会 2017年07月07日 14時00分
店舗の売上減が止まらない ユニクロの苦悩
百貨店や衣料品小売業などでは、店舗での衣料品売上が急激に落ち込み、国内各企業とも苦しんでいる。2兆円に届こうかという日本最大級のファッション衣料品販売企業『ユニクロ』を運営するファーストリテイリングも、例外ではない。 「ファーストリテイリングの2月中間連結業績はユニクロ事業が好調で、純利益は前年比約2倍の972億円と、一見、絶好調に見える。しかし、これは中国や東南アジアでの海外のユニクロ事業の営業利益が6割以上押し上げられたことと、円安での為替差益が大きかったからです。しかし、国内事業での直営店売上は、ほぼ横ばいか'16年後半から'17年前半は前年を下回ることもしばしば。そのため、'15年に出した“'20年に売上5兆円”の長期目標を、3兆円に引き下げたほどです」(経済アナリスト) 今や“経営の魔術師”とも呼ばれる柳井正ファーストリテイリング社長が率いるユニクロでさえ、なかなか国内店舗での販売が苦しいのだから、他の衣料品販売業は当然苦しい。 「ユニクロの売上の乱高下は売上推移を調べてみると、'15年6月あたりから。価格破壊の中、ファッショナブルなものを低価格販売することが好調の理由でしたが、市場全体の価格が一時的にアップしたことと、飽きがきたことでユニクロ離れが起きたと言われている。加えて、若い消費者の店舗での購入離れ。つまり、ネット購入の急増です。これはユニクロのみならず、すべての衣料品販売店を直撃しています」(同) その厳しい直撃を受けている顕著な例は、百貨店だ。日本百貨店協会が発表した'16年国内全百貨店売上高は、'15年比2.9%減の5兆9780億円と、36年ぶりに6兆円を割り込んだ。 「百貨店で売上の大きなウエートを占めるのは衣料品で、約3割にのぼる。それが子供服、紳士服、婦人服と4〜6%前後も対前年比マイナスなのです。東京地区の5月の百貨店速報値では、紳士服がマイナス4.7%、婦人服がマイナス5.8%、その他の衣料品がマイナス6.4%。特に婦人服は19カ月連続マイナス。ましてや、若者はカジュアル店やスマホ購入が大半で、百貨店離れが著しいのです」(百貨店アパレル関係者) 加えて、オシャレの感覚も大きく変わりつつある。 「シンプルなファストファッションの台頭です。これを子どもから若者、年配の人まで低価格と多様性のあるオシャレ感覚として持っている。百貨店はその流れに乗りきれていない」(同) ファストファッションが流行ならば、本来、ユニクロの売上が伸びてもよさそうだが、実際はそう簡単ではない。 「ユニクロでも、若い人たちを中心にスマホ購入にどんどん人が流れている。その証拠に、ネット通販部門の売上では対前年比4割増と急増しています」(同) ユニクロでは11万平方メートルという巨大倉庫を東京の有明地区に展開し、ネット販売に備えている。その売上高は現在総売上の約5%だが、近い将来には30%から50%になるという。実際、昨年8月期時点で対前年比30%増と急増、421億円も売り捌いている。 消費者が、いかにネット通販に流れているかということを最も顕著に表しているのは、スタートトゥディが運営するアパレルのオンラインショッピングサイト、『ZOZOTOWN』の躍進だ。 「店舗での衣料品販売に全体的に陰りが見られる中で、異常な伸びを示しているのがスタートトゥディです。『ZOZOTOWN』を中心に、ネット通販で'17年3月期、第3四半期(4〜12月)で対前年比42%増の537億円を売上ている。営業利益は実に64%増の193億円です。'98年設立ですから、わずか20年足らずで東証一部上場企業に駆け上がり、さらに急成長を続けているのです」(アパレル業界関係者) 経済産業省によれば、日本のEC(電子商取引)市場は'15年統計で13.8兆円。そのうちアパレルは約1.4兆円だ。 アパレル全体の売上高が15.3兆円だから、10%未満でまだまだ割合は増えそうだ。 「特に今後、ネット通販が伸びる予兆はスタートトゥディ社の会員構成を見ると一目瞭然。会員の62%が女性で、しかも、男女とも平均年齢は32.9歳。20〜30代の若者がこぞってサイトを利用している。その伸びはシニア層にまで拡大しつつあるのです」(同) ここまで見ると、衣料品販売の今後は、ますますネットショップへの方向が強まる気配なのだ。 「その意味では、店舗販売を展開する経営サイドは、人件費や賃貸料が発生しても、消費者が試着以外に店舗に来店したいと思う必然性、付加価値をつけない限りますますネットに客を奪われていくでしょう」(同) ユニクロは店舗対策でどう出るのか。
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社会 2017年07月07日 10時00分
世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第228回 PB黒字化目標で「小国化」する日本
政府が閣議決定した『骨太の方針2017(経済財政運営と改革の基本方針2017)』の財政健全化目標に、「基礎的財政収支(プライマリーバランス。以下、PB)を2020年度(平成32年度)までに黒字化し、同時に債務残高対GDP比の安定的な引き下げを目指す」と、新たに「債務残高対GDP比(政府の負債対GDP比率)」の目標が入り、さらに消費税率10%に関するコメントが削除されたことを受け、財務省が大手紙を使い反撃に出ている。 日本経済新聞は6月11日の社説において《安倍政権は財政健全化から逃げるな》という見出しで、 「新目標が財政健全化の先送りにつながるようなことはあってはならない」 と、政府が新目標として債務残高対GDP比を盛り込んだことを攻撃した。また、産経新聞も6月13日の社説《財政健全化目標 規律を緩める理由あるか》で、 「ここで懸念されるのは、新たな目標を置いたことにより、PB黒字化で借金依存からの脱却を図る作業が失速しないかだ」 と、やはり政府の新目標を批判した。 日本の大手紙の記者や政治家、国民の多くが根本から勘違いしているのは、財政健全化の定義である。財政健全化とは、PB黒字化でもなければ、政府の債務残高を減らすことでもない。政府の債務残高対GDP比の引き下げだ。 財政健全化の「定義」から言えば、新目標はむしろ「まともな方向」に向かったことになる(PB黒字化目標が残ってしまったため、骨太の方針2017を“まともになった”とは表現できない)。 ところが、新目標に債務対GDP比が入ったことを受け、大手紙が社説で、 「財政健全化から遠ざかった!」 と、平気で書くわけだ。 話はまるで逆で「債務残高対GDP比の安定的な引き下げ」という、本来の財政健全化の定義が骨太の方針に加わった、というのが正しい認識なのである。 要するに大手紙のバックにいる財務省は、端から財政健全化など目的にしていないのだ。彼らが望むのは、あくまで「増税」と「政府支出の抑制」である。 何しろ「債務残高対GDP比の安定的な引き下げ」が目標になると、政府がデフレ脱却のために財政出動を拡大し、需要を創出し、実際にデフレ脱却。名目GDPが堅調に成長していく“だけ”で、目標達成となる。 つまりは、政府債務対GDP比の引き下げとは、わが国にとって「デフレ脱却」とイコールになるのだ。 それに対し、PB黒字化にこだわると、デフレ脱却のための財政出動を政治家が望んだ場合、 「他の予算を削減するか、もしくは増税」 という話になってしまう。PB黒字化目標とは、そういう話なのだ。 結果的に、日本はデフレ脱却が果たせず、政府の債務対GDP比は上昇していく。デフレ経済が続くと、税収は減り(実際に2016年度は税収が減った)、PB黒字化は逆に遠ざかることになる。 すると「財政が悪化した! PB黒字化の達成を!」と、財務省の御用マスコミが大合唱。さらなる増税や緊縮財政が繰り返されるというスキームになっているのだ。 そもそも、政府がPBを黒字化する必要などない。日本に限らず、徴税権と通貨発行権という強権を持つ政府は、国民経済を成長させ、国民を豊かにするためであれば、財政は赤字でも一向に構わない。何しろ、政府は「利益=黒字」を目的にした企業ではない。政府は「国民が安全に、豊かに暮らすこと」、すなわち経世済民を目的としたNPO(非営利組織)なのだ。 過去に日本政府が数年続けてPBを黒字化した時期がある。バブル期だ。 1985年から'92年にかけ、日本のPBは見事に黒字化した。統計的に確認可能な1980年以降、日本のPBが黒字化したのはバブル期のみだ。バブル景気により税収が激増し、景気対策も不要になれば、それはもちろんPBは黒字化するだろう。 というわけで、財務省が本気でPBを黒字化したいならば、政府の財政拡大と減税を繰り返し、景気を過熱させ、超好景気にすればいいのだ。 財務省の官僚が本気でPB黒字化を「目標」に掲げるならば、日本経済に超好景気をもたらすよう、財政拡大路線を認めるべきだ。それを認めないというのであれば、結局のところ、財務省はPB黒字化“すら”望んでいないという結論にならざるを得ない。 ところで、財政健全化の定義は「政府の債務残高を減らすこと」ではないと書いたが、過去の日本政府の債務がいかに増えてきたか、ご存じだろうか。評論家の島倉原氏が、明治期から近年に至る政府債務の推移をグラフ化し、公開している。 図の通り(※本誌参照)、日本政府の債務残高('15年時点)は名目の金額で1872年の3740万倍!(※3740倍ではない)。実質でも1885年の546倍! になっている。それにもかかわらず、日本政府はいまだかつて「財政破綻」をしたことがない。 そもそも、資本主義国においては、企業や政府の債務は増え続けるものなのだ。特に、企業が債務を増やしてまで投資をしようとはしないデフレ期には、政府が財政赤字を拡大し、国内の需要(消費+投資)創出に努めなければ、国民がひたすら貧困化してしまう。何しろ、誰かが支出しない限り、誰の所得も創出されないのである。 財務省が主導する財政破綻論を払拭できず、このままPB黒字化目標が維持された場合、政府は財政拡大による需要創出ができず、デフレ脱却も果たせない。PB黒字化目標は、今、この瞬間もわが国を「小国化」しているのである。みつはし たかあき(経済評論家・作家)1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、分かりやすい経済評論が人気を集めている。
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社会 2017年07月06日 14時00分
韓国内乱一直線! 文在寅大統領の「従中国・親北朝鮮」公約
韓国の聯合ニュースは、北朝鮮に1年半も拘束された揚げ句に昏睡状態で解放され、帰国後亡くなった米国人大学生オットー・ワームビア氏の遺族に「文在寅大統領が弔電を送った」と報じた。 「北朝鮮に代わって韓国の大統領が弔電を送った行為に、遺族もさぞ驚いたに違いありません。文大統領はどこかの国の元首相に似て、宇宙人的な思考回路をお持ちのようです」(北朝鮮ウオッチャー) その理由は、気分がすでに統一朝鮮“高麗連邦”の大統領になっているからだ。6月20日には突然「2018年の平昌冬季オリンピックでは、雪上種目の一部を北朝鮮の馬息嶺スキー場で行う案を検討している」と言い出した。 「文政権は北朝鮮に対話を呼び掛けるなど、融和的な姿勢を打ち出しており、スポーツ交流をきっかけに接触を増やしたい考え。さらに米国では、文大統領の外交ブレーン文正仁統一外交安保特別補佐官が北朝鮮の代理人のように振る舞っています。米国が北朝鮮に掛け続けている軍事的圧力を弱める融和策を提示したのです」(同) それは「米韓軍事演習の縮小」と、演習終了後も米国から朝鮮半島近海に増派されている空母打撃群の「派遣の中止」で、いずれも北朝鮮が強く求めているものだ。米国が仮にこれら二つを実行すれば、北朝鮮は軍事的圧迫を大幅に減らすことができ、万々歳だ。 「文政権中枢部は『韓国にとって最も重要な北朝鮮との和合・統一を米国が邪魔している』というスタンスです。米政権は盧武鉉大統領時代、事あるごとに米国に盾突く民族主義的で反米的な大統領の参謀たちを『韓国のタリバン』と呼んでいました。ですから、文新政権誕生時から『盧武鉉シーズン2』と位置付けています。文大統領は統一・外交問題の専門家として金大中政権以降の左派政権で参謀役を務め、盧政権では政府の委員会のトップも務めた“韓国タリバンの巨魁”と言える人物。ですから、米国は北朝鮮だけではなく、韓国も潜在的な仮想敵国と見なし始めており、6月29日からの米韓首脳会談で文大統領がTHAAD(高高度ミサイル防衛システム)問題での誤りを正さなければ、どんな結果となるか…。米軍兵士を後ろから撃つような国に自国軍を置いておけませんから、在韓米軍の撤退をチラつかせるでしょう」(国際ジャーナリスト) 文大統領の“離米従中親北”公約は、(1)早期の南北首脳会談の開催、(2)韓国へのTHAAD配備見直し、(3)開城工業団地と金剛山観光の再開、(4)戦時作戦統制権の返還、(5)日韓慰安婦合意の破棄または再交渉の五つだ。 韓国の青瓦台(大統領府)は5月末、米国保守派の重鎮であるマケイン上院議員から会談の要請を受けたにもかかわらず、面談日の指定をあやふやな理由で先延ばしし、結果的に会談を不成立に終わらせた。 「マケイン議員と会えば『なぜTHAADの即配備をしないのか』と問い詰められる可能性が高く、会談を受ければ中国が怒り出すので、大統領周辺は、中国を慮って正常な判断ができなかったのでしょう。文政権は反米政権で、米国の神経を逆なでする数多くの公約を掲げて当選した以上、米国には吠える番犬となり、中国にはポチにならざるを得ないのです」(前出・ウオッチャー) さらに文大統領は5月20日付の米ワシントン・ポスト紙のインタビューで、従軍慰安婦問題の日韓合意を「見直す」と述べている。しかし、日韓合意後に見直すに足る“重要な証拠”が見つかったというわけではない。反対派が韓国国民を煽り「国民が気に入らないと言っている」と主張しているだけだ。加えて、日本として看過できないのは文大統領の「北は今も韓国や米国の国民を拘束しているが、直ちに彼らを家族の元に戻すべきで、政府はあらゆる努力を尽くす」という発言だ。米韓が連携して米韓両国人の釈放を実現していこうと呼び掛けたのである。 韓国統一部によると、北朝鮮が拘束中の韓国人は6人で、米国国籍の3人とカナダ国籍の1人、計10人が拘束されているという。 「文大統領は北による日本人拉致を知らないはずがありません。にもかかわらず、拘束されている米国人と韓国人に言及する一方、日本人拉致犠牲者を意図的に無視しています。すなわち大統領は、北朝鮮に拘束された人の中から恣意的に日本人拉致犠牲者を外し、かつ日韓の慰安婦問題の合意問題には再考を要求しており、何も言わない日本にケンカを売っているわけです」(前出・ジャーナリスト) 米国は今のところ、軍事基地を提供し、後方支援をする日本の顔を立てている。その一方、中国とも頻繁に話し合っている様子がうかがえる。しかも、トランプ大統領の背後には「パンダ・ハガー(親中派)」と呼ばれたキッシンジャー氏の影もチラつく。 「キッシンジャー氏はニクソン政権で外交手腕を発揮した人物。日本の外交に“ニクソン・ショック”がよみがえるかもしれません。日本の頭越しに米中が手を結んだ1971年の悪夢の再来で、両国が大国益で結び付く可能性がないわけではない。そうなれば、日本は韓国に敗れたも同然です」(同) 福沢諭吉は『脱亜論』において、「隣国だからというだけで特別な感情を抱いてはいけない」と説いている。 「隣国だから」という考え自体が相手を甘やかせ、百害あって一利なしということを、日本人はもっと前に肝に銘じるべきだった。
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社会 2017年07月06日 10時00分
森永卓郎の「経済“千夜一夜”物語」 奢れる者久しからず
安倍内閣の支持率が急落した。毎日新聞の世論調査では、不支持が支持を逆転し、読売新聞の調査では、支持率が12ポイントも落ちた。もちろん直接の原因は、共謀罪法案を委員会採決せずに強引に成立させたことにある。 ただ、国会の会期を数日間延長すれば、通常の手順を踏んで採決することが可能だったのに、なぜ与党は禁じ手まで使って会期延長を避けたのか。理由は、たった一つだ。加計学園の問題で、これ以上、野党に追及されたくなかったからだろう。 文部科学省による内部文書の追加調査で、とんでもないメールが出てきた。11月1日付で萩生田官房副長官が獣医学部新設の認可条件を見直すよう指示したとするメールが、文科省に届いていたのだ。 萩生田官房副長官は、この修正指示を否定しているが、これが仮に本当だとすると、官邸にとって大きな問題になる。 もともと国家戦略特区指定の条件は「獣医師系養成大学等のない地域」というものだったのを、「広域的に獣医師系養成大学等のない地域」に改めろ、という指示になっていたからだ。 実は、国家戦略特区による獣医学部新設については、加計学園のほかに、京都産業大学も名乗りを上げていた。 京都には獣医学部はないが、大阪府立大学には、獣医学部に相当する獣医学類がある。そこで、京産大から「京都と大阪は同じ地域ではない」と主張されることを懸念して、あえて「広域的に」という言葉を入れて京産大を排除したのだ。これは、明らかに官邸の圧力が加計学園の選定に働いたことを意味する。 民進党などが国会で追及した「総理のご意向」、「官邸の最高レベルが言っている」などと書かれた文書も存在が確認されたが、これは官邸にとって怖くない文書だ。「総理のご意向というのは、岩盤規制に穴を開けることであって、加計学園の優遇ではない」と言い逃れることができるからだ。ところが、萩生田メールについては、そうはいかない。明らかに加計学園優遇だからだ。 どうやら起きていた事態は、次のようなものだったらしい。 内閣府は、獣医学部をいくつでも作ってよいと考えていた。ところが、麻生副総理を初めとする獣医師の利権を守ろうとする政治家と文科省が手を組んで、「認可は一つだけにしてくれ」と抵抗してきた。そこで、官邸と内閣府は、「だったら加計学園だけにする」ということで折り合ったのだ。しかし、京産大と加計学園のどちらが適切か、という比較検討が行われた形跡は、一切ないのだ。 加計学園は、10年以上前から獣医学部の新設を求めて準備をしてきた。一方、京産大は昨年になって突然割り込んできた。そのため、きちんと比較検討をしていさえすれば、加計学園のほうが適切という結論を導き出すことは十分に可能だったはずだ。しかし、それをせずに「広域的」という言葉を入れ込むだけで、京産大を排除してしまったことは、官邸の明らかなミスなのだ。 高支持率にあぐらをかき、きちんと手順を踏むことを忘れたら、国民の信任を一気に失う。そんな当たり前のことが改めて分かった国会だった。
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社会 2017年07月05日 14時00分
“みかじめ料”の次は道交法行使 ポーターと共に“銀座の灯”が消える日
「どうやって商売しろっていうのよ!」東京・銀座の灯が消える…。“みかじめ料”の次は道路交通法違反による一斉摘発か。そんな情報に、銀座のクラブ関係者が怯えている。 6月13日、銀座の高級クラブやキャバクラから、みかじめ料を脅し取ったとして、暴力団幹部ら8人が警視庁組織犯罪対策4課に逮捕された。そして、次は中国人観光バスのガイド関係者や、新規の白タク業者からも金を取っていた疑いも浮上している。 「2011年に暴排条例が施行されて以降、全国の観光地に中国人や台湾人の観光客が大挙して押し掛けるようになった。銀座も例外ではなく、夕方ともなれば観光客を乗せたバスが銀座8丁目辺りに列をなす。今となっては、一時の“爆買い”は鳴りを潜めましたが、相変わらず観光バスは止まっており、その短時間の違法な駐車に目を付けたんです」(クラブ関係者) 中国人観光バスの内情に詳しいバス会社関係者はこう言う。 「バスには必ずツアーガイドがついている。ガイドは観光客1人からガイド料として5000円もらい、拒否すれば途中でも降ろすようです。バスには50人程度は乗っているため、単純計算で1台25万円。暴力団関係者はガイド関係者に難クセをつけては、金を脅し取っていたようなのです」 白タクについてはこうだ。 「銀座8丁目の裏通りには昔から白タクがたむろしている。彼らは違法駐車ですが、既得権を持っているようなものですから暴力団関係者も見逃すしかない。一方で、銀座でも7丁目の新橋駅寄りには、数年前から新規の白タクが増えている。その連中から金を取っていたといいます」(8丁目のポーター) いまだに“みかじめ料”を払っていたクラブがあったことを知って、健全な経営をしてきた飲食店関係者はショックを隠せないというが、ここへ来て経営者は、次に来るとされる“道路交通法違反”の一斉摘発に頭を抱えているという。 「11年前の改正道交法により、客から車を預かって道路に無断駐車していたポーターが一斉摘発され、夜の銀座がパニックに陥ったことがあった。近々、同じように警視庁と所轄が合同で、ポーターを道交法違反容疑で一斉摘発するとの情報が流れているんです。となれば当然、客足にも影響することから、経営者たちは怯えているんです」(7丁目のクラブ店長) 文壇バーや、数々の美人ママが競い合っていた夜のダイヤモンド・銀座。その灯がいま消えようとしている。
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社会 2017年07月05日 10時00分
古文書から紐解く巨大地震発生デー 第3弾 九州地方の異変と長野震度5強
熊本藩の地誌『肥後国志』の十四巻には、次のような一節がある。 「卯の刻(午前6時)より大地震い、午の刻(正午)にいたり、城楼崩壊す」 1619年、現在の熊本県八代市を震源としたM6とされる地震が襲い、同市にあった麦島城は何度となく襲いかかる激しい揺れのため、6時間後のお昼頃には、櫓などが崩壊してしまったという。まるで、昨年4月に発生し、熊本城を崩落させた熊本地震を思い起こさせる様だ。 さらに当時の地震は、熊本県のみならず、阿蘇山を越え大分県にも襲いかかっている。この時、大分県(豊後)の一部(竹田)を治めていた岡藩中川家の『中川史料集』によれば、地震発生当日の様子について、「岡大地震御城中所々破損」とある。竹田の岡城も被害を受けていたということだ。 「上益城郡益城町辺りを震源とした昨年の熊本地震の規模は、一度目がM6.5、二度目がM7.3。その大きな揺れは大分県に広がり、震度5強を記録している。これは専門家の間で中央構造線に沿ったものとされ、状況が約400前とそっくりなのです。さらに全国に目を広げれば、東北地方では1611年、青森県、岩手県、宮城県を中心に襲った慶長三陸地震が発生して大津波による被害が出たとされ、その8年後に熊本での大地震が起きている。東日本大震災後の5年後に熊本地震が発生している流れと似ている点も不気味です」(サイエンスライター) 中央構造線とは、九州から関東へと日本列島を貫く大断層だ。 6月25日午前7時2分頃、長野県南部を震源とする地震(推定M5.6)が発生し、同県の王滝村、木曽町で震度5強を観測し、その後も余震が続いた。 「気象庁では『直接的な関係はない』としているが、この地震がまさに中央構造線付近で起きた地震で、関連性を指摘する専門家も多い。つまり、同じく中央構造線上で起きた熊本地震との連鎖性も否定はできないのです」(同) 今年5月以降、大分県豊後大野市では大規模な地割れが発見され、時に1時間で2センチ以上亀裂が拡大する事態が起きた。この地域も、まさに中央構造線上に当たるため、専門家の間でも様々な憶測を呼んでいるのだ。 これまでに多くの地震や火山噴火を予測し的中させている、琉球大理学部名誉教授の木村政昭氏もこう言う。 「地割れが起きたところが問題です。昨年の熊本地震とも関係があり、中央構造線が影響を受けたことは間違いありません。熊本は昨年の大地震でストレスが取れましたが、逆に言えば、刺激を受けた中央構造線が動く可能性もあります」 6月20日には、大分県、愛媛県に挟まれた豊後水道を震源とするM5.0が発生し、大分県佐伯市で震度5強、九州と四国で震度1〜4の揺れを観測している。気象庁では「揺れの強かった地域では今後1週間程度、最大震度5強程度の地震に注意が必要」とした上で、地震の仕組みについて「陸側プレートの下に沈み込む海側プレートの内部で発生した地震で、活断層による熊本地震とはタイプが異なる」と説明している。 地震学が専門で武蔵野学院大特任教授の島村英紀氏は、この時の地震について以下のように警鐘を鳴らす。 「震源の近くでフィリピン海プレートが潜り込んでいるし、中央構造線にも近い。どちらが影響しているか微妙な位置なんです。言えることは、地下42キロの深い場所で起きたため、幸いにして大きな被害は出なかった。もっと浅ければ、津波が発生していた可能性もあるし、何と言っても伊方原発(愛媛県)に甚大な被害をもたらしていたかもしれないということです」 この伊方原発を巡っては、'96年、高知大学などの研究グループによる中央構造線の調査により、約6キロの距離に2本の活断層があることが判明している。原発付近では、約2000年おきにM7〜8クラスの地震が起きるとされ、調査を行った高知大学の岡村眞客員教授は、M8の地震が起きた場合、原発を震度7の揺れが襲うと指摘。安全審査が不十分として、地元住民が原発運転差し止めを求め提訴し、現在も係争中だ。 400年前の熊本地震に話を戻せば、中央構造線に沿って地震が連続して起きていることが分かる。 まず、1596年9月1日に愛媛県で発生した慶長伊予地震(推定M7前後)が、中央構造線上の川上断層セグメントと呼ばれる部分で発生。さらに、その3日後、愛媛県伊方町の佐多岬から豊予海峡を挟んで対岸の大分県で、慶長豊後地震(推定M7.0)が発生している。そして、その翌日の9月5日、今度は震源を一気に京都に移し、慶長伏見地震(M7.0)が起きている。これらはすべて関連性があるとされ、「慶長の連動地震」とも呼ばれている。 800人余りの死者を出したとされる慶長豊後地震の際、布教活動のため現地にいた宣教師のルイス・フロイスは、『イエズス会日本通信』で「ある夜突然、波が二度三度と、非常なざわめきと轟音をもって岸辺を洗い、4〜5メートル以上の高さで打ち寄せた」としており、別府湾にあった瓜生島と久光島と呼ばれる2島は、この地震により沈んだと伝えられている。フロイスは被害の凄まじさをこうも綴っている。「地獄のような深淵は、男も女も子供も雄牛も家もその他いっさいのものを一緒に奪い去り、あらゆるものが海に変わったように思われた」。 一方の慶長伏見地震においては、京都や堺で死者数が1000人を超えたと伝えられ、伏見城内では600人以上が圧死したとされる。当時の様子をイエズス会士ジアン・クラッセが記した『日本西教史』によれば、難を逃れた豊臣秀吉は、城中に残った台所で一晩を過ごし、翌朝1キロ北東にある山に仮小屋を建て、しばらくそこに籠ったという。 いずれにせよ、中央構造線上での地震は、今も昔も変わらず巨大地震を誘発する危険を孕んでいるということだ。 前出の島村氏が続ける。 「昨年の熊本地震によって中央構造線が刺激され、活性化した可能性もあります。昨年10月には阿蘇山が爆発的噴火を起こし、今年5月にも熊本で震度4の余震を記録している。そして、大野市の地割れ。20日の地震の場合は、南海トラフ絡みとも中央構造線絡みとも取れるが、今後、予想だにしない大地震が発生するかもしれません」 中央構造線を考えれば、当然、阿蘇山の噴火も無視はできない。 熊本県上益城郡の厳島神社の神主だった渡邊玄察は、1632年から1701年までの約70年間にわたる年代記を書いているが、その中には阿蘇山の噴煙の様子も書かれている。 「それによれば、1662年は6月に京都に甚大な被害を出した寛文近江・若狭地震、9月に日向灘沖を震源とした地震が発生。さらに10月、宮崎県や鹿児島県の大隅半島に被害が及んだ外所地震の際に阿蘇山が噴煙を上げ、1691年に比較的大きな噴火をしている流れが分かる。ここでもやはり、中央構造線上での連鎖の可能性が見受けられるのです」(前出・サイエンスライター) 阿蘇山で最も恐ろしいのが、破局噴火とも呼ばれるカルデラ噴火だ。カルデラとは直径2キロ以上の火山活動によってできた、すり鉢状の窪地を指し、阿蘇カルデラの大きさは南北25キロ、東西18キロに及ぶ。このような火山では、地下に溜まったマグマが一気に噴き出し、地形をも変える大噴火を起こす可能性がある。 「阿蘇山では、約30万年前から9万年前までの間に、計4回の巨大カルデラ噴火を起こしているとされます。特に9万年前の噴火は日本列島で起きたカルデラ噴火の中でも最大級のものとされ、放出されたマグマは富士山の宝永大噴火(1707年)の1000回分にあたるといい、スケールがまったく違う。現代に被害を当てはめれば、降灰によって広範囲にわたりライフラインはすべてストップ、人体にも深刻な影響を及ぼし、森林も壊滅して回復には200年かかるという予測もある。昨今は富士山の噴火ばかりが注目されがちですが、九州の異変、そして、中央構造線の存在を考えれば、何が起きてもおかしくはない状況なのです」(同) 9万年前の阿蘇山カルデラ噴火では、火砕流が四国にまで及んだとされる。その火砕流も数百度の超高温を保ったまま、時速100キロを超えるスピードで流れるというから、ひとたまりもない。 「直近で日本列島において発生したカルデラ噴火は、約7300年前に薩摩半島の南約50キロの海底で起きた鬼界カルデラ噴火。これにより九州南部の縄文文化は壊滅し、別の文化を持つ縄文人が入ってきたことが、出土する土器の種類により判明している。それほどの被害が出ていることは分かってはいても、7300年前に起こったことだけに対策も立てようがない。しかも、通常の噴火と異なり前兆現象のデータもまったくないため、直前になっても予測することができないのです」(同) 昨年から今年にかけ、神戸大学海洋底調査センターが調査した結果、鬼海カルデラ内に直径約10キロの溶岩ドームを確認、今後、これが成長していくかどうかを調べる状況だという。 「同センター長の巽好幸教授によれば、日本列島で今後100年間に巨大カルデラ噴火が起こる確率は約1%。しかし、あの阪神・淡路大震災発生前日における今後30年間に発生する確率も、同程度でした。様々な巨大地震や噴火の発生確率が出されていますが、日本に住む限り、それらがいつ起きるか分からないということです」(同) 九州地方の異変は今後、どのような影響を及ぼすのか。
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社会 2017年07月04日 14時00分
タカタの民事再生法申請が予言する日本製造業の崩壊
日米を中心にエアバッグの欠損による巨大リコールを抱えていたタカタが、東京地裁に民事再生法の適用申請をすることを決めた。 2008年にホンダがリコールし、翌'09年にアメリカで初の関連死亡事故が発生してから8年。「あのタカタがつぶれるわけがない」と、最初の事故の一報の際は誰もが思った大企業が、あっけなく崩れ去った。その要因として、経営者側の危機意識の低さ、関係各社との甘えの構造、消費者意識の非共有など、さまざまな指摘がなされているが、一番の大きな理由は多くの日本企業が陥っていた“驕り”ではなかろうか。 タカタのエアバッグは世界中の自動車メーカーに採用されており、そのシェアは世界の販売台数の2割とも言われる。その結果、リコール台数は世界中で1億台を超え、費用総額は1兆3000億円にも上る。 「事故の初期対応さえ間違っていなければ、ここまで事は大きくならなかった。オーナー企業としての弊害がはっきり出てしまった悪い例」(経済アナリスト) オーナー企業の悪しき習性は、同社の再生手法についても足を引っ張った。取引先の自走車メーカー各社が法的整理による速やかな再生を求めたのに対し、創業家は経営陣として残ることを重視し、私的整理を求め、再生のスピードを遅らせた。そんな状況を見透かすように最終的にタカタのスポンサーとなったのが、中国・寧波均勝電子傘下の米自動車部品メーカー、キー・セーフティ・システムズだ。つまり、実質、中国企業に買収されることになる。 中国による日本の技術の買収は着実に、かつ予想以上に早く進んでいる。中国の自動車メーカーの生産台数が、トヨタやフォルクスワーゲンを上回る日が10年以内にやってくる可能性も否定できない、と発表しているシンクタンクもある。 日本の製造業は、中国に狙い澄まされている。東芝もそうだが、今が正念場なのかもしれない。
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都知事選 ラストサンデーで石原氏を袋叩き
2007年04月02日 15時00分
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都知事選特集 占い師対決
2007年04月02日 15時00分
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2007年04月02日 15時00分
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2007年03月31日 15時00分
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2007年03月30日 15時00分
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都知事選 石原氏「厳戒歌舞伎町演説」で語った手柄話
2007年03月29日 15時00分
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2007年03月28日 15時00分
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都知事選政見放送で仰天マニフェスト
2007年03月27日 15時00分
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都知事選「浅草雷門で時間差対決、石原VSドクター中松」
2007年03月26日 15時00分
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都知事選 浅野スニーカー街頭演説でセクシーポーズ
2007年03月24日 15時00分
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都知事選 石原氏満員電車でGO!
2007年03月23日 15時00分
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都知事選きょう告示、石原氏ら第一声
2007年03月22日 15時00分
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桜金造都知事選正式表明
2007年03月20日 15時00分
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都知事選 黒川氏が石原知事をホリエモン呼ばわり
2007年03月19日 15時00分
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ホリエモン実刑
2007年03月16日 15時00分
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丸山弁護士東京都知事選出馬へ
2007年03月09日 15時00分
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上層部スタッフが告発 NOVA 怪文書
2007年02月21日 15時00分