社会
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社会 2017年12月03日 15時00分
韓国蚊帳の外 北朝鮮を先制攻撃する「5015作戦」準備完了(2)
北朝鮮は、大陸間弾道ミサイルと潜水艦発射弾道ミサイルを保有し、核弾頭小型化に成功したとまで言い切り「核強国は完成した」と威嚇しているが、これは“言うだけ番長”レベルだという。 「潜水艦からのミサイル発射は、極めて特殊な技術が必要です。北の技術は、まだ潜水可能な試験艇を使ったものにとどまっており、海上ミサイル計画は実戦レベルにはほど遠い。核に関しては、3回目の核実験で1トン〜1.5トンクラスの核弾頭の小型化に成功したとみられますが、その重さの弾頭をミサイルで飛ばすのは300キロメートルが限界です。1万キロメートル以上離れた米本土まで運ぶには、その半分以下まで小型軽量化しなければなりません。ですから、軍事技術的に見て、核搭載ミサイルが完成レベルにあるのは韓国を攻撃するケースのみです。米軍の情報サイドは、当面は核ミサイルが米本土には飛んで来ないと見積もっているのでしょう。この認識は日米韓が共有しているはずです」(同) 『5015』にGOサインを出すには、トランプ大統領による自衛権の発動か国連の武力制裁決議が必要となる。だが、現時点ではどちらの条件も整っていない。さらに、正恩委員長が2カ月以上も挑発行動に出ていない(※11月28日時点)のは、ミサイルの技術的な壁に直面しているのと『5015』発動を恐れてのことだ。 「米韓合同演習は'15年夏以降、すでに5回行われています。部隊だけでなく司令部要員が敵の戦力動向や展開状況に応じて作戦を修正し、現場部隊を指揮する“指揮所演習”も行っていることから、韓国に向けてミサイル発射の兆候ありとみれば『5015』はすぐ実行に移せます。ただ、現状は経済制裁を最大限にまで強化することで、北を孤立させて締め上げる戦略になっているだけのことなのです」(国際ジャーナリスト) 11月20日、トランプ大統領は北朝鮮をテロ支援国家に再指定することを発表した。そして、すぐさま翌21日に、電話で米ロ首脳会談を行っている。 「ホワイトハウスの発表によると、トランプ大統領とプーチン大統領は1時間以上にわたって話し込んでいます。通訳を入れても電話首脳会談としては異例の長さです。即座に米財務省も動きました。北朝鮮の核・ミサイル開発の資金源を断つため、同国と巨額の取引があり大量破壊兵器に関わる北朝鮮のフロント企業とも関係があった中国人実業家1人と企業4社、北朝鮮の政府機関と企業の計9団体と北朝鮮船籍の船舶20隻を新たに米国の独自制裁の対象に指定し、今や最大の外貨獲得手段である北朝鮮労働者を受け入れ斡旋した代理店なども制裁対象リストに加えました」(同) 北朝鮮へのテロ支援国家再指定で窮地に追い込まれるのは、同国だけではなく韓国も、だという。 「文在寅政権は今年9月、国際社会が北朝鮮への制裁を検討している最中、人道支援を理由にユニセフや世界食糧計画などの国連機関を通じて北に800万ドルの支援を決定しました。文大統領お得意の二枚舌作戦で、国際世論を気にしてまだ実施はしていないようですが…。加えて、トランプ大統領の訪韓直前に、THAAD(高高度ミサイル防衛システム)の追加配備中止、アメリカのミサイル防衛システムに参加しない、日米韓の軍事同盟には発展させない、という『三不約束』を中国との間で合意してしまいました。これも二枚舌で韓国側は『約束ではない』と主張していますが、今回のテロ支援国家再指定は、中国と『三不約束』を交わした韓国に踏み絵を踏ませるためであり、これにより文政権は対北融和姿勢を見せづらくなったことは確かです」(在韓通信社記者) 実際、11月11日から14日まで、日本海で計画されていた日米韓の合同演習が韓国の反対で中止になっている。米空母3隻を中心とする大掛かりな訓練となるはずだったが、結局、日米と米韓は別々に合同演習を実施するハメになった。 「韓国は偵察衛星を持っていません(現在、予算計上中)。ですから、北朝鮮のミサイル発射を瞬時に把握する能力に乏しいだけでなく、対潜能力も低い。自衛隊の持つ情報をもらえる3国軍事協力は願ってもないことのはずですが、日本との軍事演習を拒否することで『三不約束』のコウモリ外交のツケが回って、日米ばかりか中ロもあきれ果て、四面楚歌状態です。起死回生の施策があるとすれば、韓流ドラマやK-POPを上空からバラまくくらいでしょう」(前出・国際ジャーナリスト) ソ連・東欧圏は軍事力ではなく、市民の資本主義経済への渇望によって崩壊した。北朝鮮も着々と同じ道を歩み始めている。
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社会 2017年12月02日 15時00分
韓国蚊帳の外 北朝鮮を先制攻撃する「5015作戦」準備完了(1)
金正恩党委員長の政権下から亡命した中で最も地位の高い太永浩元外交官は、北朝鮮の若者たちが隠し持つ韓流文化を記録したマイクロSDカードについて、「見つかった場合、下手をすると死刑になる。そのため、鼻の穴に入れて隠すことから“鼻カード”と呼ばれている」と語っている。こうした西側に憧れる所業は「国家に反逆する不純な行為」と見なされ、処罰の対象となる。 「日韓など西側の音楽や映画、そしてアダルトビデオが北朝鮮に来襲しています。北朝鮮の人々は、中国やロシア、中東などへ出稼ぎに行き、そこで『わが国は世界最貧国だ』という現実を知って帰国します」(北朝鮮ウオッチャー) 米国の戦略国際問題研究所が、昨年、北朝鮮国民の複数人を対象に対面調査を行った。その全員が、国から十分な生活物資を供給されていると思うと模範的な回答をしたという。 ところが、政権について陰口を言ったことはないと回答したのは、わずか1人だけだった。 「米軍による空爆が現実に差し迫っている現状、さまざまな流言飛語が北朝鮮国民の間で飛び交っています。そのため当局は、これまで忠誠を誓うよう強いてきた金日成・正日親子の肖像画や銅像が破壊されるかもしれないと、警備強化に走っているのです」(同) 先頃、ナンバー2と目された朝鮮人民軍の黄炳瑞総政治局長と、秘密警察である国家保衛省のトップを長く務めた金元弘総政治局第1副局長らが、“不純な行為”を理由に処罰されたとの情報が駆け巡った。主導したのは、正恩委員長の最側近の座を争ってきた崔竜海党副委員長とされる。 「北朝鮮にとって、これはいつもの内紛では済まないかもしれません。何しろ、トランプ大統領が命令すれば、いつでも『作戦計画5015』が実行される状況にあるからです。米国は“最大限の圧力”で正恩政権を崩壊させようとしていますが、その切り札に成り得るのがこの作戦なのです」(軍事アナリスト) 同作戦は、北朝鮮が'13年に3回目の核実験を行ったことから、核攻撃を抑止する先制攻撃のために練られた。米韓軍は、それまでの『5027作戦』の修正を余儀なくされたのだ。 「'16年、韓国の崔潤喜合同参謀本部議長とスカパロッティ米韓連合司令官は、韓国に対する核攻撃を前提にした同作戦書に調印しています。同作戦は、それまでの『5027』よりも迅速かつ積極的で、北の韓国に対する核ミサイル攻撃の“兆候”を探知したら“攪乱”に出る。韓国への核攻撃は正恩委員長の命令がないとできませんから、情報のコミュニケーションラインをサイバー攻撃などで攪乱するのです。これはイラク戦争でも実行されました。その混乱に乗じて先制攻撃で北のミサイル基地や司令部などを“破壊”する。その副次作戦として特殊部隊による正恩委員長の拿捕ないしは殺害を実行するというものです」(同) 兆候探知→攪乱→破壊と鎖のようにつながっていることから『5015作戦』は“キルチェーン”とも名付けられている。
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社会 2017年12月01日 13時00分
世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第249回 日本国の亡国と「皇統」
現在の安倍政権は、猛烈な勢いで日本国の安全保障を破壊している。 ちなみに安全保障とは「防衛」のみを示すのではない。 食料安全保障、医療安全保障、エネルギー安全保障、防災安全保障など、日本国民が日本国内で安全に、豊かに生きていくためには必須の「保障サービス」こそが安全保障だ。 安倍政権は農協改革、種子法廃止、そして来年の減反廃止と、日本国の農業生産能力を毀損し、食料安全保障を弱体化させる構造改革を推進している。さらに医療については患者申出療養(混合診療)の拡大、医師の給与と直結する診療報酬の削減を図るなど、医療サービスの供給能力弱体化にもご執心だ。 安倍政権の構造改革路線が進む限り、わが国はいずれ、 「カネがある国民は、安全な食物を食べられる。カネがない国民は、安全かどうか分からない食物しか口にできない」 「カネがある国民は医療を受けて助かる。カネがない国民は助からない」 という国家に変貌を遂げるだろう。 あるいは、安倍政権の電力自由化路線、特に「発送電分離」は日本国のエネルギー安全保障を決定的に破壊する。何しろ発電会社を電力会社から切り離し「自由参入」を認めるのだ。しかも、外資規制はない。最悪、日本国の発電会社がすべて「中国資本」ということにもなりかねない。 そして、安倍政権は相変わらず公共投資、公共事業の削減を続け、土木・建設企業の仕事を減らし続けている。このままでは震災大国であるわが国において、土木・建設の供給能力が不足するという形の「亡国」に至るだろう。分かりやすく書くと、次なる大震災が発生した際に、誰も助けてくれないという話だ。 筆者は食料安全保障や防衛安全保障、医療・介護安全保障などが失われることによる「亡国」について警鐘を鳴らすことを続けている。筆者は「亡国」について、 「日本国民に主権がなくなること」 と、定義している。 主権とは国家の法律、規制、経済政策、安全保障確立などを「国民が自ら決めること」を意味する。すなわち日本がEU(欧州連合)のようなグローバリズムの国際協定に加盟した場合、「亡国」の条件を満たす。あるいは、医療や農業、エネルギーや防災安全保障について、日本国民ではいかんともしがたい状況になったときは、紛うことなき「亡国」である。亡国に至ると、日本国民は「主権」により、自分たちの安全や豊かさ、つまりは「経世済民」を追求できなくなってしまう。 もっとも、一度、亡国の状態に陥ったとしても、主権回復できないと限った話ではない。実際、2016年6月23日、イギリス国民は「主権回復」を求めて、EUからの離脱を国民投票で決めた。あるいは、大戦争でも起きれば、さすがに「ナショナリズム」が重視され、国民をないがしろにし、特定のグローバル資本のみを富ませる「構造改革」は後退を強いられることになる。戦争は、さすがにグローバリズムの対極に位置するナショナリズムなしでは遂行できない。 とはいえ、わが国には「二つ」、亡国が永遠化する未来の可能性があるのだ。 一つ目は、日本が移民国家と化したとき。そして二つ目が、皇統が途絶えたときである。 日本政府は、天皇陛下の退位について2019年4月30日、もしくは年度替わりの3月31日を軸に検討しているとの報道が流れている。政府は'17年12月1日の皇室会議で意見を聴収し、陛下の「退位」に至る具体的な日程を決定。元号を改める改元などの検討を、本格化する方針とのことである。 陛下の退位問題ならぬ「譲位」問題であるが、この件は第一報から「胡散臭さ」満載であった。何しろ、第一報を報じたNHKが、「生前退位」なる不可思議な言葉で報じたのだ。生前退位でも、退位でもなく、譲位である。皇統が継続することが確定している以上、「譲位」と表現しなければならない。 さらに不思議だったのだが、陛下のお役目が難しくなった場合の措置は、皇室典範にきちんと定められているのだ。すなわち、摂政を置くことである(皇室典範 第十六条)。なぜ摂政の話がすっ飛ばされ、いきなり譲位という結論になるのか。今でも分からない。ちなみに、皇室典範に「譲位」の条文は存在しない。 安倍政権は皇室典範にない「譲位」を実現するために、特例法(天皇の退位等に関する皇室典範特例法)を制定した。この時点で問題なのだが、さらに奇妙なことに、特例法の採択に際し、『一、政府は、安定的な皇位継承を確保するための諸課題、女性宮家の創設等について、皇族方のご年齢からしても先延ばしすることはできない重要な課題であることに鑑み(後略)』 と、女性宮家創設に関する付帯決議を押し込まれてしまった。現状の皇室典範では、女性宮家は創設できない。 「譲位」にせよ、「女性宮家創設」にせよ、「皇室典範を改定したい」勢力が存在するのは間違いない。そして、皇室典範改定勢力が何を欲しているのかと言えば、もちろん『第一条 皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する』を廃止し、女系天皇(女性天皇ではなく)を実現することだ。 まずは女性宮家を創設。女性宮家から女性天皇を誕生させ、皇室とは無関係の誰かと結婚し、子供(女系)を天皇に就ける。 何しろ「グローバリズム」の時代である。日本人云々の「血統」やら「国籍」にこだわるなど、古い古い。女性天皇を中国人と結婚させ、その子供を天皇の座に就ければ、まさに「皇室のグローバル化」だ。こうして、神武天皇、いや天照大神から続いてきた「皇統」が、中国系に移る。この時点で、日本の皇統は途絶える。 移民国家化に加え、将来的に(数十年後、あるいは百数十年後にでも)皇統を途絶させようとする「意志」のようなものが、「生前退位」以降の陛下の譲位問題から見て取れるのだ。 われわれは日本を「亡国」に導こうとしている勢力が、間違いなく存在する時代に生きている。この事実を、まずは認識しなければならない。みつはし たかあき(経済評論家・作家)1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、分かりやすい経済評論が人気を集めている。
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社会 2017年12月01日 10時00分
森永卓郎の「経済“千夜一夜”物語」 高齢者はなぜ見捨てられるのか
総選挙で与党が掲げた、教育無償化の具体的な制度設計が始まった。現段階の報道では、幼児教育は2020年度から認可外保育所を含めた無償化、大学等の高等教育については、所得税の非課税世帯の無償化が実現する見通しだ。 国際的に見ても、日本の家庭の教育費負担は重く、それを軽減することには私も賛成だ。ただ、見すごせないのは、子育て世代の負担を減らそうという一方で、高齢者がどんどん切り捨てられてしまっているという現実だ。 「保育園落ちた、日本死ね」と題した匿名のブログで、待機児童解消は国民的な関心事となり、与野党がともに掲げる大きな政策目標となった。 厚生労働省の発表によると、今年4月の待機児童の数は、2万6081人と、前年より2528人増えた。確かに大きな問題だが、厚生労働省の調査によると、特別養護老人ホームの待機者数は、昨年4月時点で36万6000人だった。待機児童数の実に14倍もの待機高齢者がいるのだ。政府は、待機児童とともに待機高齢者をゼロにする目標を掲げているのだが、こちらは一向に目途がたっていない。 もちろん、待機高齢者の数は、2年半前の調査のときと比べて、16万人近く減少している。しかし、そこにはカラクリがある。 政府は'15年4月から、特別養護老人ホームの入居要件を厳格化し、認知症や家族による虐待などといった在宅生活が難しい場合を除いて、要介護1から2の高齢者は、入居させないようにしたのだ。 要介護2というのは、排せつや入浴などに部分的な介護が必要な状態であると同時に、歩行や起き上がりなどにも部分的な介護が必要な状態を言う。それだけ厳しい症状でも、特別養護老人ホームには入居できない。 '15年度に行われた介護保険制度の改悪は、それ以外にもまだある。介護サービスの際に本人が負担する金額を、高所得者については1割から2割に引き上げたのだ。高所得者といっても、単身世帯で年収が280万円以上と、けっして高い水準ではない。 さらに、要支援者は、地域支援事業となって、介護保険の適用から外された。要支援者に対するデイサービス等の事業は、自治体に財源が委ねられることになって、地域間で格差ができることになった。さらに、来年の制度改正では、一部の高所得者の自己負担割合を3割に引き上げ、介護サービス費用の月額自己負担限度額も、3万7200円から4万4400円に引き上げられる。 なぜ高齢者ばかりが、こんなイジメに遭わないといけないのか。恐らく、一億総活躍社会という名の富国強兵策のなかで、人口増に結び付いたり、女性の労働市場進出を促進する子育て支援は重要だが、兵力にも労働力にもならない高齢者は、どうなっても構わないという判断が政府の思想のなかにあるのではないだろうか。 日本の高齢者はお人好しで、選挙で圧倒的な票数を持つにもかかわらず、自らの権利を主張しないのが実情。そろそろ日本の高齢者は、「老人党」でも結成して、政治活動を始めた方がよいかもしれない。そうしないと、老後が暗くなるばかりだ。
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社会 2017年11月30日 10時00分
異業種が続々参入 ヤマダ電機EV電気自動車ビジネスの賞賛
家電量販最大手のヤマダ電機(本社=群馬県高崎市)が、電気自動車(EV)事業に参入すると公表し、同業他社や自動車業界に衝撃を与えている。 「ヤマダは10月末、川崎市にあるEVベンチャーのFOMM(フォム)と資本業務提携し、FOMMに10数億円を出資するという。'20年をメドに、FOMMが開発し量産化に踏み切ろうとしている4人乗りのEVを、100万円前後という安さでヤマダ電機店舗やネットで販売を始めるというのです」(自動車業界関係者) FOMMとは、どんな企業なのか。 「もともとは、主にスズキなどのオートバイ設計を担い、その後、トヨタの小型EV開発に携わった技術者の鶴巻日出夫社長が、'13年に設立したベンチャー。ヤマダで売り出されるEVは、排気ガスが地球温暖化に影響を与えていることからの脱却、水害を受けた際に水中に浮き、さらに安価で手ごろな価格、この三本柱を見据え、開発に取り組んだものと言われています」(同) しかし、このコンセプトは評価されたものの、いざ開発となると、なかなか出資先が見つからず苦労したという。 「それでも何とか開発までこぎつけ、これに海外が敏感に反応。特に水害の多いタイや中国、東南アジアの各国からの視察が相次いだ。しかし、国内では採算面を理由に手を挙げる企業がなかなか現れなかったのですが、そんな折、今回のヤマダが登場したのです」(同) なぜ、家電量販店のヤマダが目を付けたのか。その背景を、経営アナリストがこう説明する。 「家電量販店は今年、白物家電が買い替え時期で売り上げも順調。今後も、来年の平昌冬季五輪、'20年の東京五輪を見据えての4K、8Kテレビの買い替えが起きると見られている。しかし、問題はその後。かつてのアナログからデジタルへといった大ウエーブがない中で、どの電気量販店も生き残り策を模索しているのです。特に、業界ナンバー1のヤマダは、'11年に2兆1500億円あった売上高が、依然トップではあるものの1兆5630億円まで落ちた('17年3月期)。そのため、ヤマダが未来の収益ジャンルとして全力で取り組み始めたのが、ハウジング関連。特にITを駆使した省エネ家電などと連動したスマートハウス事業だったのです」 ここ数年のヤマダ電機は、急ピッチでハウジング事業に力を入れている。'11年には中堅ハウスメーカー『エスバイエル』を買収し、'12年は住宅設備機器会社『ハウステックHD』を買収。家電+ハウス事業に舵を切った。 「EV参入宣言直後の11月頭には、リフォーム業界大手の『ナカヤマ』を買収し、ハウジング事業への資本投下をさらにエスカレートさせているのです」(同) また、ヤマダ電機では今年6月から新たな店舗展開として『インテリアリフォームYAMADA』前橋店をオープンさせている。 「これは家具やインテリア、リフォームに特化させた形で、店内には一切、電気製品を置いていない。この型の店舗を今後、全国に展開するということからも、ハウジング事業に力を入れる新戦略が見える」(同) ところで、家電量販業界全体を眺めると、売上高トップのヤマダ電機に次ぐ2位はビックカメラ、3位がエディオン、4位ケーズHD、5位はヨドバシカメラとなっている。 「しかし、経常利益率で見ると、トップはヨドバシ、2位はケーズ、そして3位がヤマダ。ヨドバシはネット販売とインバウンドを相手に大成功。ケーズは、都市部より手堅い地方客をガッチリ掴み、そこに根を張る手法と、それぞれ個性を打ち出し将来の人口減を見据えた動きを見せている。その中にあってヤマダは、スマートハウスで家全体をヤマダ販売の家電で埋め尽くすという戦法。EV車はその延長線上にあり、家にEV充電装置を設置するなどして、車を家電の一部として売り出すことにより相乗効果を狙っているのです」(自動車メーカー関係者) そのEVビジネスには、英家電メーカーのダイソンも、'20年までにEV発売に乗り出すという。 「ダイソンは1500億円を投じて、400人のEVチームを編成し極秘開発を続けていて、オリジナリティー溢れるEVにすると自信満々です」(同) 英国のみならず、中国や欧州各国も、今は自動車メーカー以外もこぞってEV開発にシフトしている。その意味では、ヤマダのEVへのチャレンジは国内で先駆けとなる可能性もある。 しかし、こんな懸念もあるという。 「ガソリン車と異なり、EVは比較的技術が単純で、参入しやすい。それだけに、売れるとなれば、国内でもあらゆるジャンルから参入が相次ぎ、競合が激しくなる」(同) まずはヤマダ電機の行方に注目だ。
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社会 2017年11月29日 10時00分
マクドナルドが虫の息から黒字に転換した「意外な理由」
日本マクドナルドホールディングスが11月8日に発表した2017年1〜9月期の連結決算は、純利益が前年同期約4.8倍の154億円となり、1〜9月期としては過去最高となった。売上高も13.2%増の1871億円で、10月まで23カ月連続で前年同月の実績を上回っている。 '17年12月期通期の純利益は過去最高の200億円を見通しており、来期は10年ぶりに新規出店への投資に力を入れる姿勢も見せている。 マクドナルドと言えば'14年7月に発覚した中国の協力工場で期限切れの鶏肉を使用した、いわゆる『鶏肉偽装問題』に加え、翌'15年には相次いで異物混入問題も発覚。信頼は地に落ち、上場以来最大の赤字を記録した。たった2年間で過去最大の大赤字から過去最高の黒字へと、驚異の回復を遂げたわけだ。 「一番大きな改革は、カサノバ社長が従業員の賃金水準を上げたことです。モチベーションが明らかにアップしました。前CEOの原田泳幸氏はコストカットを標榜する経営者で、目先の数字を作り出すことには長けていた。しかし、長い目で見た場合、それは劇薬でしかありませんでした。 カサノバ社長は就任当初、原田氏が残した負の遺産の多くをかぶりましたが、逆の経営手法を辛抱強く続けてきた。その結果が思いの外、早く出たということだと思います。先日、久しぶりにマクドナルドに行ったという人の話を聞きましたが、ビックマックの積み方が、以前は食べる前に整える必要があったが、きれいに揃っていたそうです。これもきっと、一つ一つ丁寧に作っている証しなのでしょう」(経済アナリスト) 従業員の賃金上昇は安倍政権が言い続けていることだが、企業側の重い腰はなかなか上がらない。しかし、従業員のモチベーションアップが業績の向上につながった、このマクドナルドのような事例が浸透すれば、経営者の発想も少しは変わるのではないだろうか。
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社会 2017年11月28日 18時00分
派閥旗揚げ 小泉進次郎が来年9月「自民党総裁選」出馬へ
ついに自民党の小泉進次郎(36)筆頭副幹事長が動き始めた。進次郎氏は来年9月の総裁選に向け、年内にも派閥形成を睨んだ勉強会開催に向け準備を始めるとの情報が、永田町を駆け巡っているという。 「これまで“雑巾がけ”に徹してきた進次郎氏は、閣僚経験もゼロで、常識的には、いきなりの総裁選出馬はあり得ない。しかし今は、世界を見てもフランスではマクロン氏が39歳で大統領になるなど、若さや経験の浅さは問題ではない風潮にある。むしろ、どの分野でもスピード性とダイナミックさがなければ各国首脳と対等に渡り歩くことはできない。そうした中、最近の進次郎氏自身にも大きな心境の変化が芽生え始めたようだ」(自民党ベテラン議員) 加えて、進次郎氏の父・小泉純一郎元首相が、三度の総裁選チャレンジでようやく首相になったことを身近に見てきたことも大きいという。 「いくら勢いに乗った時期であっても、それほど甘い世界ではないことは彼も肌で感じている。挑戦して駄目なら、閣僚や幹事長などの党の重要ポストを経験し、再度機会を狙うということだ」(同) 確かに、その“心境の変化”は、特に先の衆院選後から進次郎氏の言動の随所に見られる。安倍首相が衆院選後に打ち出した教育無償化への財源批判は、これまでにない激しいものだった。安倍首相が、無償化する2兆円の財源のうち3000億円程度の拠出を経済界に求め、経団連も了承したことに対し、11月1日、「(安倍首相に)頼まれれば出す。まるで経済界は、政治の下請けと言われてもおかしくない」「自民党は何も聞いていない。このままなら、自民党は必要ない」と猛然と噛みついた。 安倍批判はそれだけに留まらない。衆院選の結果について「自民の議席数が国民の信頼を物語っているとは思わない。国民の思いと議席には大きなギャップがある」と指摘し、国会での与党の質問時間を増やす動きについても「野党が質問時間を確保するのは当然。野党の言葉に耳を傾けるべきだ」とブチ撒けている。 「同じようなことを石破茂元幹事長や岸田文雄政調会長が言ったとしたら、安倍首相の意趣返しはハンパなものではないでしょう。しかし、進次郎氏の場合、党の集票スターでもあるだけに何も文句は言えない。進次郎氏も衆院選で全国を回り、自ら株を上げたことを利用しての発言。加えて、派閥立ち上げと総裁選出馬へ向け、その発言の影響力を見定めているのではないか」(全国紙政治部記者) さらに進次郎氏周辺関係者はこう言う。 「“小泉元首相の七光り”は選挙の看板としては必要だが、あとは役に立たない。政治家は器の大きさや時代を世界的に俯瞰できる力、さらに豪胆さや度胸などが必要になってくる。そこで進次郎は、霞が関の超エリート官僚たちから、それらを学ぼうと考えたという。1年ほど前から、すでに将来の事務次官、局長を担う財務省エリートたちを集めた勉強会を作り、高齢化社会をテーマに政策作りを始めている。これはまさに、進次郎政権になった際の柱となるものだ」 関係者によれば、この勉強会によって進次郎氏の、早々にトップに立ち日本を変えたいという意識は相当強くなったという。しかも霞が関の進次郎勉強会は、財務省関係者を相手にしたものだけではないという。 「ここへ来て、経産省の若手らを中心に集めた勉強会も立ち上げ、産業界の知識を得ている。財務省も経産省も、近い将来、日本のトップリーダーに120%なることを見据えてのもの」(自民党若手議員) 二階俊博幹事長の後押しも、進次郎氏をその気にさせている。 「進次郎氏を筆頭副幹事長に抜擢したのは二階氏。しかも、二階氏の会見に立ち合いフォローさせるという、“党の顔役”も担わせている。次の総裁選こそ二階氏は安倍支持を打ち出しているが、進次郎氏には出馬するなとは言ってない。二階氏は、進次郎氏にアドバルーンを上げさせた上で党内外に存在感を示させ、総裁選で敗れた場合は幹事長抜擢で動く腹づもりなのではないか。二階派は衆院選で自民党が大勝する中、落選者が続出するという憂き目に遭っている。先を見据え、そうしたことも進次郎推しをする理由だろう」(前出・ベテラン議員) 幹事長となれば、安倍首相と同じルートに乗ることになり、いよいよ首相の座が現実味を帯びてくる。 「そのためにも、総裁選出馬に必要な推薦人20人を確保する国会議員の勉強会を立ち上げ、つまりは進次郎派閥の準備に取りかからなければならない。そこで年内をメドに今、急ピッチで若手議員らへの声掛けが進んでいるというのです」(前出・記者) 現時点で総裁選は、3選を目指す安倍首相ほか、石破氏、岸田氏、そして来春の政治塾設立を表明した野田聖子総務相らが出馬すると見られている。 「今のところ安倍優位の状況は動かない。しかし、若手は進次郎氏になびき、野田氏は女性の声を集める。そこでもし、進次郎氏と野田氏の間で合従連衡が成立するようなことがあれば、事態が引っ繰り返る可能性も出てくる」(前出・ベテラン議員) 反安倍勢力を“シンジロー”。
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社会 2017年11月28日 10時00分
麻原死刑執行間近に不穏な動き 『アレフ』強制捜査で内部に亀裂走る
オウム真理教の後継団体『アレフ』の信者が勧誘の際、必要な書面を渡さずに入会金を受け取ったとして、北海道警は11月13日、札幌市や福岡市などにある『アレフ』の施設、全国計5カ所を家宅捜索した。警察によると、2017年2月、男性信者が札幌市の20代女性を勧誘した際、必要な書類を渡さずに契約させていた特定商取引法違反の疑いがあるというもの。13日の捜索は約40人の捜査員により、午前7時すぎから午後3時30分前まで行われた。 これまで組織運営に関し徹底した秘密主義を貫いているアレフの実態は、信者や資金獲得について強制捜査が入った場合のみ、断片的に伝えられるばかりだったが、今回は図らずもその一端が明らかになった格好だ。 元アレフの脱会者がこう語る。 「現在、アレフが行っている信者獲得の方法は、仏教関係の勉強会とヨガ教室が基本。確かに、いずれもアレフとは名乗りません」 その中で彼らが特に狙うのは、人ごみに紛れやすい大型書店の宗教関連書売り場だという。 「“書店キャッチ”といって、もちろん宗教に関心を持っている人の方が話が早いからです。ヨガについても、今はスピリチュアルブームで関心が高く、勧誘としての効果がある。教室に連れて行くことができれば、あとは徐々に洗脳に近い教習を施すことになります。教室は札幌や福岡のほか、東京、大阪、名古屋などの主要都市で開かれています」(同) 道警によれば、昨年の段階で全国のアレフ信者は、分かっているだけで約1500人に上る。都道府県別では道内の信者が約300人と最多で、捜査が入った札幌市内の施設は国内でも最大級だった。 「彼らが団体名を伏せ勧誘活動をするのは、それだけいまだに麻原(彰晃・本名=松本智津夫〈死刑囚〉)信仰が強いということ。その手口は今に始まったことではなく、もちろん道警も把握していた。今回の強制捜査で、ことさらその実態が強調されているのは、今後の観察処分継続へのアピールとも取れます」(宗教ライター) アレフは9月25日、東京地裁で団体規制法に基づく観察処分取り消し請求が退けられている。 「アレフ、アレフから分派した『ひかりの輪』、さらに最近になって分派した新組織の3団体の新組織は、アレフの元幹部が作った、より麻原色が強い団体とされているが、麻原死刑囚の刑執行が間近と言われる中、分裂によるドタバタでアレフ内には動揺が走っているという。そうした今が、徹底的に抑え込む好機なのです」(公安関係者) 公安調査庁は観察処分の更新期限の来年1月を迎えるにあたって、処分更新を公安審査委員会に請求する方針だ。
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社会 2017年11月27日 16時01分
スポーツ紙カメラマンのジャニーズ写真転売で浮上した生写真“密売グループ”の存在
一部スポーツ紙のカメラマンが、業務で撮影したジャニーズ事務所所属タレントの写真を、ネットオークションで転売していたことが、「週刊新潮」(新潮社)のWEB版「デイリー新潮」で報じられた。 記事によると、問題の発覚は今年7月。件のカメラマンが仕事で撮影した写真をネットオークションで出品しているという内部告発が寄せられ、販売されている写真と、会社にある写真データを照合させると、いずれもピタリと一致したという。 販売されていたのは嵐、関ジャニ∞、KinKi Kidsといったジャニーズタレント。ドラマの会見やNHK紅白歌合戦のリハーサルといったマスコミ関係者でなければ撮影出来ないものばかりだで、十数枚〜数十枚のセットで出品。4000円以上するものもあったというのだ。 「そのカメラマンについては同業者の間でも怪しい動きをしていることで有名だった。見せつけるように現場にブランド物の洋服や時計などを身に着けてきていたが、その“原資”はジャニーズ写真の転売だたようで、そのスポーツ紙には今後、ジャニーズから何らかのペナルティーがありそうだ」(他媒体のカメラマン) そのカメラマンのものかどうかは不明だが、ネットオークションをのぞいてみるとジャニーズの生写真はそこそこ出品されており、それなりのクオリティーのものもある。そこで浮上しているのが“密売グループ”の存在だというのだ。 「基本、ジャニーズのイベントは撮影は禁止だが、ファンに扮して会場に入り“盗撮”したものを組織的に販売しているという話も浮上している。カメラマンの転売騒動をきっかけに、ジャニーズが本腰を入れ、組織を一網打尽にする事態に発展しかねない」(芸能プロ関係者) 今後、ジャニーズの登場イベントでは、よりいっそう関係者が目を光らせることになりそうだ。
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社会 2017年11月27日 10時00分
天下の猛妻 -秘録・総理夫人伝- 大平正芳・志げ子夫人(中)
大平正芳という政治家は、のちに「鈍牛宰相」と言われたように、派手さとは無縁の男、その本質は、「哲人」「求道者」に近かった。 したがって、政治家に愛人の一人くらいいても、世間はとやかく言わなかった時代にして、そうした噂は皆無であり、妻・志げ子“一筋”であった。旧大平派担当記者の証言がある。 「総理のときです。玄関前がざわつき大平が私邸に戻ってくると、大平の“第一声”は『おかあさんは?』というものだった。家人が留守を伝えると、決まって機嫌が悪かった。一方、家にいればいるで、そうかといった感じ、何やらホッとした表情を浮かべるのが常だった」 二人は、折から日中戦争の火ブタが切られる直前の昭和12年(1937年)4月15日、見合い結婚をした。大平は、旧制高校当時、クリスチャンとしての洗礼を受け、東京商大(現・一橋大学)に進み卒業とともに大蔵省に入った。結婚は、その翌年。 一方の志げ子は「三木証券」創立者の鈴木三樹之助の二女で、「貞淑有馬の婦人を育成する」がモットーだった松陰女学校を出たばかりであった。大平の見合いは、3回目。前2回のそれは、大平が相手を気に入らなかったことによる。大平の知遇を得ていた古参の政治部記者の、こんな証言が残っている。 「大平によれば、見合いの席で志げ子さんがお茶を運んできたとき、手がぶるぶる震えていたのを見、これが好印象に残ったから決めたということだった。それにしても、見合いから挙式までわずか1カ月という“スピード婚”で、慎重さ人一倍の『アーウー宰相』などとも言われた大平にしては、なかなか素早いところを見せた。結婚までのデートは、なぜか新宿の伊勢丹デパート家具売り場が多く、大平いわく『ああいうところなら、あまり目立たんだろうと思ったからだ』ということだった。志げ子さんのほうは、口数の少ない誠実な男に映ったようだった」 晴れての新居は、東京・杉並区内に構えたが、大平は志げ子に最初の給料袋を渡すとき、こう言って新妻を慌てさせたのだった。 「僕は学生時代、カネがなくて育英資金のお世話になったんだ。毎月、ちゃんと返済しておいてくれ」 志げ子は、大蔵省1年生の安月給の中から、毎月、定められた日に郵便局へ通い、きちんと払い続けたのであった。ために、生活は楽ではなく、なんとか志げ子の“手腕”で切り抜けたのだった。一方で、当時、大蔵省入省から10年ほど経った大平は、苦学生のためにと大日本育英会(現在の日本育英会の前身)設立に心血を注いだという経緯がある。 結婚から3カ月後、大平は横浜税務署長に赴任したのだが、その1年後、今度は仙台税務監督局部長としての辞令が出た。このときの仙台へ向けての赴任の日のエピソードがある。 「その日、折り悪しく京浜地帯の多くは台風による豪雨と洪水に見舞われた。当時、大平は横浜近くの磯子に住んでいたのだが、東京-横浜間の交通も途絶してしまって、これでは決められた日までに着任ができない。一計を案じた大平は、やむなくパンツ一つでトランクを頭にくくりつけ、川の渡しもかくやの格好で増水した六郷川(註・川崎と蒲田の間を流れる)を泳ぎ切って、からくも東京へ出たんです。その際、尻にバイ菌が入ったらしく、仙台着任後まもなく“痔”になり、入院するはめになった」(前出・古参の政治部記者) この仙台税務監督局部長には、ドブロク密造の摘発も仕事の一つだったが、ここでは大日本育英会の設立に心血を注いだのと同様の根の優しさを見せている。大平自身が自著『私の履歴書』(日本経済新聞社)の中で、こんな告白をしている。 「税務署の密造監視班は、未明から起きてその摘発にとりかかるのが常だった。そして、ようやく東の空が明るくなる頃、ドブロクの入ったカメが発見され、ただちに調書がとられて即決の処分が行われる。若者は働かねばならないので、大体、老人がその責任を取るようになっていた。時折、その現場に立ち合った私は、『権力』と『民草』と『被治者』の悲しい関わりについて、何かしら割り切れない、やり場のない気持ちに沈んだものである」 その後も、昭和19年の東京財務局関税部長時代、戦時中の国民生活に思いを致す大平の姿が浮び上がる。「戦局の一層の悪化に伴う厳しい耐乏生活の中で、一般大衆が一日の仕事が終わったあとビヤホールで一杯飲んで疲れをいやすとか、一合の酒でうさ晴らししてもらう必要があるのではないか」(前出『私の履歴書』)として、ナント都内に300軒の「国民酒場」なるものを作ってしまった“泣かせる男”でもあったのである。 この頃、大平は大蔵省の先輩でのちに総理となる池田勇人の知遇を受けることになる。やがて政治家への転身、志げ子の新たな“戦い”が始まることになる。=敬称略=(この項つづく)小林吉弥(こばやしきちや)早大卒。永田町取材48年余のベテラン政治評論家。抜群の政局・選挙分析で定評がある。著書に『決定版 田中角栄名語録』(セブン&アイ出版)、『21世紀リーダー候補の真贋』(読売新聞社)など多数。
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