社会
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社会 2017年12月25日 14時00分
連続する焼肉店火災! 今後も増えそうな根本原因とは
「焼肉焼いても家焼くな」という焼肉タレのCMがあったが、焼肉の炎を原因とする火災が立て続けに起きた。11月28日に名古屋市中区で、12月4日には東京・渋谷のセンター街で、それぞれ焼肉店が火災になり焼失した。4月に起きた群馬・渋川の焼肉店火災は、1人死亡、7人がケガをするという大惨事だった。 焼肉を焼いて店を焼失させてしまう直接的な原因は、ダクトと指摘されている。 「ホルモンやトントロといった食材は脂が多いため炎が数十センチも立ち上がります。無煙ロースター(煙の出ない焼き機)にしても脂や小さな肉片が下に落ち、それがダクトに吸い込まれていく。焼き網の上にある煙を吸い込むダクトや、焼き網の回りからテーブル下に煙を吸い込むタイプのダクトもありますが、こうしたテーブル周りのダクトに引火することが火災の原因として多いのです。また、ダクト内で火災が発生しても焼肉に夢中な客は気付きません。多くのケースで『ダクトから炎が出ている!』と通行人から119番通報されて初めて店側が気付くということが多いのです」(空調システムの専門家) 例えば、食べ放題の店は時間制限があり、焦って“肉盛り”にしてしまう食べ方も炎を生み出す原因の一つに挙げられるが、この問題を突き詰めると人手不足が浮かび上がる。 「火を使う飲食店は、小まめにダクトなどを清掃する係を設けるか、外注する、あるいは火の監視役を置くのがベストですが、経費節減の折、セキュリティー面がおろそかになりがちです。人手不足から従業員のアルバイト化が進み、そこまで考えが及ばなかったり、手が回らないことによる手抜きが、焼肉店火災が急増している原因と言えます」(警備会社幹部) 人手不足が加速すれば、今以上に人件費が高騰する。その分の材料費を削れば客足が遠のく。焼肉屋に限らず、飲食店の危機が広範囲に及んでいると言えそうだ。
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社会 2017年12月25日 10時00分
天下の猛妻 -秘録・総理夫人伝- 中曽根康弘・蔦子夫人(上)
鈴木善幸がその政権のバックグラウンドだった「闇将軍」田中角栄元首相から見捨てられた格好で首相退陣を余儀なくされたあと、後継首相として登場したのが中曽根康弘だった。 中曽根は政界に出た若い頃から、一貫して首相の座を目指したものの才気走っていることなどが裏目に出、自民党内での支持勢力拡大は思うにまかせなかった。しかし、学識、能力は広く買われており、田中角栄が自らの影響力温存からあえてその中曽根を「ポスト鈴木」に担ぎ上げたということだった。田中は強大な田中派をもって、総裁選で弱小派閥親分の中曽根を支持、ここに中曽根の悲願が達成されたということであった。 しかし、当初の中曽根内閣は世論から田中のカイライ政権との批判も浴び、付いた“名”が「田中曽根内閣」というものだった。 昭和57年(1982年)10月12日、鈴木善幸が突然の退陣表明をした日、一方ですでに田中派が後継を中曽根に定めたことが明らかになり、東京・世田谷の中曽根邸ではこんな光景があった。当時、中曽根派幹部でのちに首相の座にも就く宇野宗佑は、後日、筆者にこう話してくれたものである。 「中曽根さんと蔦子夫人と私の三人で、メシを食ったんだ。私が夫人に『いよいよ“ファーストレディ”ということですな』と言うと、夫人ははにかみながらもじつに嬉しそうな顔をしておった。ややあって、テレビで田中角栄さんに近いとされたハマコーさん(浜田幸一・元代議士)が、中曽根さんをホメている画面が出た。夫人は、中曽根さんに向かって『あなた! あなた! ハマコーさんがあなたのことをホメていますよ』と、はしゃいだような表情を見せたものです。 ハマコーさんはそれまで一度として中曽根さんをホメたことがなかっただけに、夫人の中には“これで首相の座は決まった”との思いがあったということでしょう。そのハマコーさんの声を、一方の中曽根さんは『ホントか、ホントか』とテレくさそうな顔をしていたのが印象的でしたな」 “してやったり”の中曽根だった。 一方、この中曽根という男、陣笠代議士の頃から一貫して目立つことが好きであった。 昭和22年(1947年)4月に旧〈群馬3区〉から民主党候補として初出馬初当選を飾ったときも、「日本をアカの手から守ろう!」と大々的な声を挙げ、その後も「日の丸愛国運動」なるものをブチ上げ、ついには建白書「マッカーサーに建白す」を出して“中曽根あり”を広く印象付けたものだった。 また、科学技術庁長官として初の入閣を果たした際には、「大将へ向かってのスタートである」と公言、翌年には自ら新聞に「首相の国民投票制の必要性」を投書してもみせた。この“首相公選制”は、自ら首相への近道を模索したものであったことがミエミエだったのだ。選挙区には、「首相も恋人もあなたが選びましょう」なる立て看板が、田畑、野原のあちこちに点在したのだった。 さらには、池田(勇人)内閣時代には南極を視察したのを“利用”、南極に立てた日の丸の旗とともにしっかり「首相公選」の旗も掲げてみせるなど、自らの首相へ向け、とにかく耳目を集めそうなコトはあらゆることに手を出したのだった。 もっとも、「名優は“出”が大事」もしっかり心していたことが出色だった。 防衛庁長官に就任した際の「長官巡視」では、第一連隊(練馬区内)がまず最初というのが通例だったが、あえてジェット戦闘機に乗り、重力に顔をゆがめながら北海道・千歳第七師団に降下してみせたのだった。 巡視がすんだあとの夜がまたカッコよく、若い自衛隊員と車座になっての茶碗酒でいわく、「オレはな。佐藤(栄作)総理に頼み込んで防衛庁に来たのよ。言うなら、キミたちと同じ志願兵だ」。本来なら、長官の位は旧日本軍なら元帥、とても若い隊員が口を聞けるところではない。が、中曽根は勇猛果敢かつ持ち前の人心収らん術で、両者のミゾを見事に埋めてしまったのだった。名優は「出」が大事なことを知り尽くしていたのである。 もっとも、一方で党内外に向けてもソツがなく、「私は沖縄問題が解決するまで佐藤総理を守るッ」と“宣言”して佐藤を喜ばせ、次の改造人事ではまんまと党三役の一角、総務会長ポストを手に入れてもいる。 ためか、こうした“身の軽さ”から付いた代名詞は「思想なきナポレオン」「口舌の徒」「オポチェニスト(大衆迎合主義者)」「ペラペラ燃えるカンナくず」と多々あり、極め付けはそのときの風でどちらにも向く「風見鶏」というものだった。 しかし、夫が首相の座に就いたときは喜びひとしおであった妻・蔦子からすれば、振り返れば中曽根との結婚は、「“結婚詐欺”に遭ったようなもの」ということになるのだった。=敬称略=(この項つづく)小林吉弥(こばやしきちや)早大卒。永田町取材48年余のベテラン政治評論家。抜群の政局・選挙分析で定評がある。著書に『決定版 田中角栄名語録』(セブン&アイ出版)、『21世紀リーダー候補の真贋』(読売新聞社)など多数。
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社会 2017年12月24日 14時00分
森永卓郎の「経済“千夜一夜”物語」 差別をしないは本当か
最近、自民党の議員から“差別”と受け取られかねない発言が相次いでいる。竹下亘総務会長が宮中晩さん会への国賓の同性パートナーの出席に反対する考えを表明したり、山本幸三前地方創生大臣がアフリカ支援を巡り、「何であんな黒いのが好きなんだ」などと述べた。また、山東昭子元参院副議長も「子どもを4人以上産んだ女性を厚生労働省で表彰することを検討してはどうか」と発言している。 一連の発言を受けて、11月28日の国会で、希望の党の井出庸生衆院議員が、こうした発言に対する総理の見解を質した。 安倍総理は、「政府としてのコメントは控える」としながらも、「政府としてはLGBTと言われる性的少数者に対する偏見、人種差別、女性に対する偏見などはあってはならない」と、少数者への差別行為は許されないという考えを明確に表明した。こうした考えは、完全に正しい。少数者への配慮は、民主主義の基本だからだ。 ただ、本当に政府がこうした考え方に基づいて行動しているのかについては、疑問がある。11月30日に、政府・与党が'18年度の税制改正でたばこ税の増税に踏み切る方針を固めたからだ。表向きの理由は税収確保。 しかし、たばこ税増税が税収確保につながらないことは明らかだ。例えば、'05年のたばこ税収入は、地方分を含めて2兆2400億円だった。それが、'15年には2兆1900億円に減っている。この間、'06年と'10年にたばこ税増税をしたのに減った。増税直後は一時的に税収は増えるが、その後、禁煙が進むので、税収はかえって落ち込むのだ。 政府も、それは分かっているはずだ。現に今回の増税案でも、紙巻きタバコ1本当たり3円の増税を目指しているが、'18年10月以降は、1年に1円ずつ増税するとしている。いきなり引き上げると、税収が落ち込むことが分かっているからだ。それでは、政府はなぜ税収が落ち込むのが分かっているのに、たばこ増税をしようとしているのか。 私は、希望の党対策だと思う。小池百合子都知事の政治手法は、敵を作り、その反作用で浮かび上がるというもの。都知事選や都議会議員選挙では、この手法が見事に当たった。しかし、内田茂元都議の引退で、小池知事は敵役を失ってしまった。そこで、新たな敵役に選ばれたのが喫煙者だったのだ。 東京オリンピックに向け、世界レベルの喫煙規制を敷くべく、すでに小池都政は動き出している。本当は、欧米は「屋内禁煙、屋外自由」が原則なのだが、小池知事は、屋内も屋外も、子供がいる場合は家庭内も禁煙という世界で例のない喫煙者の徹底弾圧を進めようとしている。 これは、自民党にとって脅威だ。もし、国民のムードが喫煙者イジメ一色になったら、自民党は喫煙者と一緒に敵役にされてしまう。そこで、先手を打って自らも喫煙者イジメに一役買うことにしたのだろう。 たばこの増税は、販売店の在庫確認や自販機の設定変更など、大変な手間がかかる。それでも4年間も時間をかけて増税をするのは、4年間にわたって喫煙者イジメを続ければ、小池知事には国政に付け入る隙を与えない、という計算があるのだろう。 結局、喫煙者という少数派が政争の犠牲になるのだ。
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社会 2017年12月23日 14時00分
世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第251回 橋が通行止めになっていく国
1997年以降、公共投資を減らしに減らし、一般競争入札化、談合禁止といった規制緩和により土木・建設企業を痛めつけ、世界屈指の自然災害大国でありながら、土木・建設の供給能力を減らしていった。結果的にデフレーションが継続し、政府や自治体の財政悪化も進み、わが国はいかなる国になり果てたのか。 すでに生活やビジネスのための基本インフラである「橋」を直せない国へと落ちぶれてしまった。 '14年、国土交通省の審議会は、「最後の警告」と題する提言をまとめた。提言では、 「ある日突然、橋が落ち、犠牲者が発生し、経済社会が大きな打撃を受ける…、そのような事態はいつ起こっても不思議ではないのである」 「今すぐ本格的なメンテナンスに舵を切らなければ、橋の崩落など人命や社会システムに関わる致命的な事態を招くであろう」 と、行政の文章としてはかなり強烈な表現で、インフラのメンテナンスを訴えていた。 本提言を受け、国土交通省は地方自治体などの道路管理者に5年ごとの定期点検を義務付けることとなった。点検が進むにつれ、わが国のインフラの「恐るべき実体」が明らかになっていく。 国土交通省によると、全国の自治体管理の橋の老朽化が進んだ結果、すでに'16年4月時点で2559の橋が通行止めや片側通行などの規制をしている。国土交通省が自治体に橋の点検強化を求めた結果、規制せざるを得ない橋梁数が8年前の2.6倍に拡大。生活に影響が出ているが、財政上の理由、つまりは「カネ」の問題で改修が進んでいない。 国土交通省のマニュアルによると、点検時に橋は以下の4つの判定区分に分類される。 1.健全 構造物の機能に支障が生じていない状態。 2.予防保全段階 構造物の機能に支障が生じていないが、予防保全の観点から措置を講ずることが望ましい状態。 3.早期措置段階 構造物の機能に支障が生じる可能性があり、早期に措置を講ずべき状態。 4.緊急措置段階 構造物の機能に支障が生じている、又は生じる可能性が著しく高く、緊急に措置を講ずべき状態。 埼玉県加須市において、判定区分4に認定された橋が4基。加須市は「一気に直すのは予算的に難しい」と、判定区分4の橋を通行止めにしている。滋賀県米原市は、判定区分4に認定された橋を「架け替えは費用が高額」として、撤去した。 専門家の調査によると橋の老朽化が進んだ結果、今後50年間に全国の自治体で橋の維持管理や改築に必要となる費用は約27兆3000億円。1年当たりに換算すると、およそ5500億円に上るとのことである。すばらしいことだ。何しろ、わが国はデフレーションという総需要の不足に悩んでいる。50年間も継続する需要。しかも平均すると毎年5500億円規模。これだけ「長期安定的」な需要があれば、土木・建設会社が本気になって投資、人材確保に乗り出し、生産性向上のための技術も発展していくことになるはずだ。 政府は橋の老朽化を「チャンス」としてとらえ、建設国債を発行し、自治体の橋梁メンテナンスを支援するべきだ。全額、中央政府が負担しても構わない。というか、そうするべきである。ところが、現実の日本政府は相も変わらぬ緊縮財政路線で、国土の基盤たるインフラの整備にすらカネを出し惜しむ。結果的に、我が国は次第に「橋の向こう側に行けない」発展途上国と化している。 日本には、河川法で管理される一級河川が約1万4000もある。さらに、二級河川の数が約7000。2万を超す川により、土地や地域が「分断」されているのが日本の国土なのだ。日本は、河川に橋を架け、土地と土地を結び付けることで発展してきた。それが今や、橋の架け替えについて「財政」を理由に怠り、土地と土地が分断されている。わが国は、退化している。 このまま橋の老朽化に真っ当な手を打たない状況が続くと、やがては土木・建設の供給能力がさらに毀損し、「おカネ(予算)があっても、もはや供給能力がないため、橋を架けられない」国へと落ちぶれることになるだろう。すなわち、発展途上国化だ。 当然ながら、国会議員は議員立法等により特に対応が遅れている地方自治体の橋のメンテナンス、架け替えのための予算措置を講じるべきだ。ところが、財務省が異様なまでに固執する緊縮財政路線、すなわちプライマリーバランス(PB)黒字化目標が原因で、 「橋の架け替えに予算を増やす。ならばどこの予算を削るのか? あるいは増税するのか?」 といった、ばかげた事態になってしまうのだ。 自然災害大国が公共投資をピーク('96年)の半分に減らした。需要を縮小させると同時に、指名競争入札の一般競争入札化や談合禁止により、土木・建設業界は次々に倒産。一時は6万社を超えていた建設業許可業者数を20%以上も減らしてしまった。まさに「国家的自殺」である。 国家的自殺の背景にあるのが、'97年の財政構造改革法から現在のPB黒字化目標に至る、財務省の緊縮財政至上主義である。このままでは、わが国は橋が一つ、また一つと通行止め、廃棄となり(もうなっているが)、まるで中世のごとく国土が分断された状況に至る。 デフレーションという総需要不足の国において、防衛、介護、橋梁メンテナンスなど、政府が継続的に支出(=需要)しなければならない分野がある。普通に需要に政府が支出をすれば、デフレ脱却が果たせる。それにも関わらず、財務省の緊縮財政至上主義によりできない。日本は財務省の「主義」により、「橋が通行止めになっていく国」と化してしまった。みつはし たかあき(経済評論家・作家)1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、分かりやすい経済評論が人気を集めている。
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社会 2017年12月22日 14時00分
“アマゾン切り”での逆風に一手 佐川急便親会社上場の狙いと業界余波
宅配大手の佐川急便を傘下に持つSGホールディングス(SGHD=本社・京都市)が、この年末、東証一部に上場する。売り出し価格予定は1株1620円で、総額は5187億円。今年最大の新規株式公開となった。 このタイミングで上場を目指す背景は、どこにあるのか。シンクタンクスタッフは、こう説明する。 「狙いの一つは、将来を見据え海外物流網の整備と拡大で採算の質をさらに上げること。もう一つは、上場による企業イメージの改善です」 佐川急便は1957年に京都で創業。「飛脚宅配便」で知られる宅配便事業を全国で展開し、2006年に純粋持ち株会社のSGHDが設立され、佐川急便がその傘下に入った。'16年3月の連結売上高は9433億円で、陸運業界ではトップの日本通運、2位ヤマトHDのヤマト運輸に続く業界3位の位置を占め、宅配ではトップのヤマト運輸に続き業界2位だ。 「その中にあって佐川は、今後の物流は国内だけでは生き残れないと考えている。主戦場は成長著しいアジアで、そこでどう生き延びるか。上場で調達した数千億円の資金を元手に、特に中国や東南アジアでM&Aを加速させ、物流網を拡大するつもりでしょう」(同) SGHDの海外進出の動きは、すでに昨年から始まっている。'16年には陸運業界4位の日立物流と協力し、中国で生産された衣料品を日本に一貫輸送するサービスを開始した。また、ベトナムでも大型物流施設を完成させ、同国の大手企業と物流分野で提携、宅配会社を買収している。 「特に中国での作戦では、日立物流との提携により今後の佐川の戦略が透けて見える。両社は、それぞれの一定株を取得し関係を深めており、3年以内に経営統合を目指す予定だといいます」(同) 日立物流といえば、3PL(サード・パーティー・ロジスティクス)では日本のトップ企業。3PLとは、荷主企業に代わって第三者的な立ち位置から効率的な物流システムの構築の提案を行い、提供する事業だ。その日立物流と佐川急便がタッグを組んだことで、'16年の売上高合計ではヤマト運輸を約2000億円程度超えている。 「しかし、佐川の最大の狙いは、採算の質を上げること。そのために'13年には、扱う荷物が年間4億個にも達するアマゾンジャパンに対し、配送料の値上げ交渉を行った。結局、これが決裂に終わったことで、取引を止めるという大胆な作戦に出たのです」(業界関係者) その決断がいかに卓越していたかは、数字を見ると明らかだ。アマゾンと取引のあった'12年3月の配達売上高が7644億円。これがアマゾン切りにより'14年は7094億円と、実に550億円も減。だが、肝心の営業利益は'12年のアマゾン取引時代が253億円、'14年363億円と100億円もアップし、以後もジリジリと伸びているのだ。佐川の“量から質”作戦は大成功したとは言え、さらにアジア戦略と上場に舵を切ったというわけだ。 では、企業イメージの改善はどうか。 佐川急便では昨年、駐車違反したドライバーが、知人らを身代わり出頭させるという不祥事が起きた。さらにドライバーが荷物を蹴ったり、地面に叩きつけたりしている動画がインターネット上に投稿され、問題にもなっている。 「佐川急便だけでなく、ヤマト運輸でも慢性的な人手不足とアマゾン配送をほぼ一手に引き受けたことで、サービス残業が常態化。結果、200億円近い残業代を支払うことになった。こうした動きもあり、ヤマトも宅配便の値上げやアマゾンとの取引見直しなど、積極的職場環境改善に取り組み始めている。SGHDでも、上場で企業イメージが回復し、資金集めの拡大から人材集めにつながることを期待しています」(同) SGHDの上場やヤマト運輸の改革で、果たして宅配業界は変わるのか。さらに今後、この厳しい環境を両社は生き延びることができるのか。 「今後も荷物量が増え続けることが確実視されているアマゾンでは、既存宅配業者が限界になりつつあることを横目に、新興宅配業者で地域の配送に特化したデリバリープロバイダの育成に力を入れ、そちらにも業務委託をし始めている。中には、わずか4年で東証マザーズに上場する業者や、人材も配送者も増やす業者が出始めた。その末端では相当無理な価格で宅配する業者も出てきており、質を追求する大手を脅かしている状況。一方の佐川・ヤマトは集荷の予約サービスを開始して効率化を図るなど、群雄割拠時代に突入しているのです」(同) SGHDは上場により、期待通りにプラスの連鎖を生み出すことができるのか。これに触発されるヤマト運輸の動きとともに、業界の競争はますます熾烈となる。
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社会 2017年12月22日 10時00分
ハッカー攻撃リスクをよそに膨らむ仮想通貨バブルの危うさ
仮想通貨の売買が完全に“ゲーム”と化している。本来は銀行口座や現金を持たなくても決済や海外送金が可能な利便性に特徴があったが、投機を目的としたビットコインやリップルなどの仮想通貨は、今では1300種類を超えるほどだ。 2014年に経営破綻し、現在、破産手続き中の仮想通貨取引所『マウントゴックス』の一部の債権者が11月24日、東京地裁に民事再生法の適用を申請した。破産手続き中の会社に債権者が民事再生を申し立てるのは異例だ。背景にはビットコインの急騰がある。破綻時の時価は1ビットコインあたり約5万円。それが直近では約40倍の200万円超まで高騰する異常事態となっている。 「マウント社の倒産はビットコイン市場で大打撃となり、多くの投資家がビットコインを手放し価格が急落。あえて逆張りで買い占めた投資家は莫大な利益を得ています」(市場関係者) マウント社が破綻した際には約120億円分のビットコインが残されていたものの、債権総額の4分の1程度の資産にすぎなかった。それから3年で価値が急騰し、マウント社が保有するビットコインを売却すると債権者に返済しても膨大な金が余り、業務上横領の罪に問われているマウント社の元CEOマルク・カルプレス被告に利益分が渡るのを債権者が阻止すべく、民事再生のスキームを利用し申し立てに至った。 「仮想通貨はFXよりも値動きが激しく規制もないため、とにかくギャンブル性が高い。機器の紛失や破損ですべてを失うリスクもあります。ハッカーから仮想通貨取引所のシステム攻撃をされた場合、投資家を保護する整備もないため、多額の損失を被るケースさえ考えられます」(同) とはいえ、今や仮想通貨は、世界中の楽して金もうけしたい連中から「次はどれだ」と狙われ続けている。 「特に中国人富裕層は人民元の先行きを不安視して、仮想通貨に替えて運用しています。彼らは自国政府のことを全く信用していませんから」(エコノミスト) “仮想の世界”に生きる人が今後ますます増えそうだ。
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社会 2017年12月21日 14時00分
スパコン助成金詐欺 東京地検特捜部が討ち入る安倍金脈の牙城
スーパーコンピューター、いわゆるスパコンの開発で世界から最も注目を集めている日本のベンチャー企業、PEZY Computing(以下、ペジー社)の社長・齊藤元章容疑者(49)が、12月5日、東京地検特捜部に詐欺容疑で逮捕された。スパコンの旗手の逮捕はIT業界に衝撃を与えるとともに、政官界を巻き込み安倍政権をも揺るがす大疑獄に発展するのではないかと、永田町を震撼させている。 「もともと齊藤容疑者は、新潟大学医学部を卒業後、医療系の画像診断ソフトを開発していた。'97年に渡米して医療機器のベンチャーを立ち上げ、2011年に帰国。コンピューターの命令装置であるプロセッサー開発に特化したペジー社を立ち上げたのです。そこからわずか数年で、開発したスパコンが省エネ性能ランキングのGreen500で2位となり、世界から注目を集めた。今年(11月期)は、スパコン『Gyoukou(暁光)』が同ランキングで首位を獲得している。日本のIT技術の最先端を担う希望の星でもあるだけに、今回の逮捕は相当な衝撃だったのです」(経済誌記者) 齊藤容疑者にかけられた容疑は、経産省が管轄する国立研究開発法人『新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)』から助成金約4億3000万円を騙し取った、詐欺の疑いだ。同社が今年度までの8年間でNEDOから受けた助成金の総額は、35億円あまり。今回の直接の容疑は'13年度に支給されたものについてだが、特捜部では他にも不正な受給がないか調べているという。 「そもそも助成金は、新規性・革新性の高い実用開発事業について、上限を5億円として、費用の3分の2以内を補助するというもの。ペジー社は約7億7000万円を開発費として申告し、約5億円を受給したのですが、そのうちの“外注費”として提出した約4億3000万円分を水増しした疑いが持たれている。齊藤容疑者は複数の会社を運営しており、その不正受給分が、そうした会社の運営費に回っていたとの指摘もあるのです」(全国紙社会部記者) それだけでは一見、単なる詐欺事件にしか思えないが、ペジー社に絡む人物相関に注目すると、助成金の不正受給だけでは片づけられない闇と、特捜部が動いた理由が見えてくる。 「問題点の入り口は、齊藤容疑者と、あの元TBSワシントン支局長の山口敬之氏とのつながりだ」 とは、ある野党議員。 山口氏といえば、安倍首相に最も近い記者とされ、TBSを退社してフリージャーナリストに転身後、昨年には安倍内閣の内幕本『総理』(幻冬舎)を出している。加えて現在は、性的暴行を受けたとして損害賠償を求めたフリージャーナリストの伊藤詩織さんと係争中でもある人物としても注目されている。 「山口氏と齊藤容疑者の関係はかなり深いとされ、『週刊新潮』(6月15日号)でも、山口氏がTBSを退社後にペジー社の顧問の席を用意されていた可能性や、生活の拠点にしていた永田町のザ・キャピトルホテル東急の賃貸レジデンスの賃料約130万円が、齊藤容疑者によって提供されているとの疑惑が報じられている。これが事実であれば、国から騙し取った金が安倍氏御用記者の家賃に化けていた可能性もある」(同) そのため様々な憶測が飛び交っているのだが、齊藤容疑者・山口氏と安倍官邸の関係をさらに見ると、疑惑はさらに深まる。 「安倍首相に近い山口氏が、官邸や経産省に口利きをしていなかったのか。経産省は今や、財務省を差し置き安倍政権を支える最重要省で、安倍首相を意のままに操っているのが、経産省出身の総理首席秘書官である今井尚哉氏。山口氏は、その今井氏ともツーカーの仲とされる。また齊藤容疑者も、内閣府の有識者会議『2030年展望と改革タスクフォース』委員を務めるなど、政権に近い立ち位置にある」(政治部記者) そうしたことから、野党各党は詐欺事件に官邸の影響があるのでは、として、一斉に調査に入ったという。 「特捜の動きには最も神経を使っているNHKも、齊藤容疑者逮捕の情報は直前まで掴めていなかった。結果、齊藤容疑者を取り上げるため、長期にわたり取材し12月11日の放送予定だった『プロフェッショナル 仕事の流儀』も、急遽中止せざるを得なくなった。特捜側も、それだけ慎重に証拠固めを進めていたということです」(テレビ局関係者) 捜査の陣頭指揮を執るのは、9月に就任したばかりの森本宏特捜部長。これまで福島県知事の汚職事件や、猪瀬直樹氏を都知事辞職に追い込んだ医療法人徳洲会グループの公職選挙法違反事件、さらに、村上ファンドのインサイダー取引事件などを手掛けてきた。 「森本氏は特捜捜査を引っ張ってきた超エースで、'10年に発覚した大阪地検特捜検事の証拠改ざんから沈滞化していた地検特捜部を復活させるキーマン。それだけに今回は、満を持しての捜査であると同時に、詐欺事件では終わらせないと見られてる。つまり、そこには齊藤容疑者から経産省、さらには安倍首相へとつながる金脈が通じている可能性も孕んでおり、永田町も霞が関も、捜査の行方を固唾を飲んで見守っているのです」(前出・政治部記者) 特捜部長就任時の会見で、「水面下に隠れ、見えない事件を見つけ出し、刑事責任を問う」とした森本氏。捜査の手はどこまで伸びるのか。
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社会 2017年12月21日 10時00分
JA全農兵庫の直営店が神戸牛偽装! その背景に“号泣議員”の影
「神戸牛は希少なので恒常的に不足していたが、客の要望に応えたかった」(料理長) 10月下旬、JA全農兵庫が、直営レストラン『神戸プレジール』本店(神戸市中央区)で神戸牛と偽って但馬牛を提供していたことを発表。地元は困惑しきりだが、同時にその意外な原因も囁かれている。 『神戸プレジール』は、東京・銀座5丁目にも支店を構える有名店。その本店で、内部の通報を受けたJA全農兵庫が料理長の聞き取り調査を行い不正が判明。偽装は'16年4月以降、約3200食分に上り、正規の料金との差額は約1000万円になるという。同店では100グラム当たりフィレ肉単品は但馬牛5500円だが、神戸牛は8000円だった。 なぜ、このような事態が起きたのか。 「背景には、輸出拡大と外国人観光客の需要急増による神戸牛の不足、価格高騰があります」 とは、精肉店関係者。 神戸牛の輸出先は、すでに21カ国にまで拡大し、JA全農が指定する海外のレストランは159店舗(7月現在)にまで需要が拡大している。 「国内ではこの5年で、1.5倍にまで値が上がっていて、置いているのはデパートや老舗精肉店ぐらいです。お歳暮商戦の時期ですが、地元市民でさえ“高くて手が出させない”と敬遠されているんです」(同) これに追い打ちをかけているのが外国人観光客の急増なのだが、人気ぶりには意外なあの人物とも“縁”があるという。 「“号泣議員”として一躍有名になった、野々村竜太郎元兵庫県議会議員ですよ。彼が“現地調査”と称して106回も日帰り出張していた城崎温泉は、同県を訪れる外国人観光客のルートに入っている。野々村元県議の騒動から、地元では、悪いイメージを払拭するために案内パンフレットの多国語版を用意するなど地道な努力をし、呼び込みに成功したのです」(地元記者) いまや外国人観光客にとって、神戸牛-姫路城-城崎温泉は旅行日程の定番となり、神戸、三宮、元町でもJA全農の指定以外に神戸牛の看板を掲げるレストランが急増した。その数はすでに80店舗とも言われている。 「それにもかかわらず、全国で繁殖牛の減少が進んでいる。兵庫県は繁殖牛を増やす策を強化していますが、追いつかない状況なのです。とはいえ、今回のような偽装、しかもJA全農の直営レストランでの偽装はあってはならない。海外のレストランで同じような事が起これば、国際問題にも発展しかねませんからね」(地元食肉業者) 偽装と号泣議員、まったく泣くに泣けない。
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社会 2017年12月20日 14時00分
スクープ! 富岡八幡宮殺傷事件 実行犯から本誌にあった「犯行予告」90分 全真相(2)
茂永容疑者によると彼は数年前から九州の福岡に移り住み、宮司に戻れない場合には釣り船屋を営もうと漁船や釣り船に乗ってノウハウを学んでいたそうです。だが、一方的な手当の打ち切りが原因で貯蓄もほぼ使い果たしてしまった。私が金融機関から借りる手立てはないのかと水を向けると、このときも「担保がないばかりか、前科がある人間に貸してくれる銀行なんかありませんよ」と笑っていた。 また、同じく犯行に及んで死亡した妻の真里子容疑者は宝石の鑑定士の資格を持っており、一時は宝石店にも勤めていたが、そこにも茂永容疑者の逮捕歴や放蕩歴を伝える怪文書がバラまかれ、「働く場所がない状況だ」と話していた。2人が『富岡八幡宮』と縁を切ろうと本気で考えたことがあったかは不明だが、逃げても幸せになる道はないと感じていたようです。 〈無論、だからといって長子さんの殺害を企て始めた同容疑者の思いを、記者が受け入れるはずがない。 茂永容疑者が話した内容を端的に伝えるためにここには記していないが、実際の会話には凶行を思いとどまり、生活を改めるよう諭す記者とのやり取りが多分に含まれていたことを伝えておかなければならないだろう。 茂永容疑者はその記者の声に耳を傾け、最後には「一度、考え直してみますよ。それに近いうちにまた電話します」と話してくれたが、終始、悔やんでいたのは逮捕歴と最初にバラまかれた怪文書のことだった。〉 茂永容疑者は、自分に対する度重なる怪文書をバラまき続けたのは、長子さんだと決めつけていた。事実、『富岡八幡宮』の内部関係者しか知らないようなことまで書かれており、その疑惑は確かに濃厚と見られていたのです。そのため、同容疑者も長子さんに対する怪文書をまき続けていたが、「最初の怪文書が出なければ、長子を道連れに地獄に落ちようとまでは考えなかったでしょうね」と語っていました。 というのも、宮司時代に怪文書が神社界にバラまかれた際、茂永容疑者は警視庁に相談し、長子さんを逮捕させようとしたという。結局、神社の看板に傷が付くことを恐れて取りやめたらしいが、逆に長子さんは茂永容疑者が年賀ハガキに書いた文面の一部を問題にし、深川警察署に通報して逮捕させた。 また、母親への思慕の念も強まっているようだった。茂永容疑者は、事件後マスコミ筋に送りつけた遺書で自分の長男を次の宮司に据えることを要求しているが、相談役として母親を任命するよう示唆している。母親は同容疑者の女性遍歴と放蕩ぶりの怪文書が出回った際、それをいさめるために長子さん側についたこともあるらしいが、長子さんが宮司になると冷遇され「神社の役員を外されて、安い給料で小間使いのように働かされていた」という。 「母もかわいそうな女で、それもなんとかしたいんですよ」。茂永容疑者はそう語っていたのです。 〈これが、のちに凶行を起こした茂永容疑者と話したほぼ全容だが、冒頭でお伝えしたとおり、そこには事実でないものも含まれているかもしれない。またどんな理由があれ、実の姉を殺害した茂永容疑者は、世間から糾弾されてしかるべきで、殺害された長子さんの冥福と巻き添えになった運転手の快癒を、心から祈るばかりだ。 だが、2人の間に長年横たわっていた確執は、凶行という最悪の形で幕を閉じる以外、道はなかったのだろうか。その答えは事件後に記者が取材した『富岡八幡宮』関係者のコメントに委ねたいと思う。〉 同神社の内情に詳しい氏子の1人がこう語る。 「長きにわたる2人の確執を知る者からすれば、事件は起こるべくして起きたと言える。『いずれこうなる』と話す者も少なくなかったんです。殺害された長子さんは痛ましいが、彼女では『富岡八幡宮』がもたなかったのも事実で、氏子の間では茂永さんにもう一度宮司を任せようと、今年の年明けから彼を探していた者もいたほどなのです」
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社会 2017年12月19日 14時00分
スクープ! 富岡八幡宮殺傷事件 実行犯から本誌にあった「犯行予告」90分 全真相(1)
東京・江東区の『富岡八幡宮』で12月7日に起きた「女宮司惨殺事件」は、日が経つにつれ殺害された宮司の富岡長子さん(58)と事件を起こして自殺した元宮司の富岡茂永(56)、真里子(49)夫婦の確執が浮き彫りとなり始めている。 両容疑者が長子さんの乗った車を駐車場で待ち伏せしていたことや、事件後にメディアに積年の確執ぶりを伝える遺書が届けられたことで、今では計画的犯行だったことが判明しているほどだ。 だが、彼らはいったいいつからこの凶行を企てていたのか。その疑問に、小誌は少なからず答えられると考えている。というのも、事件のずいぶん前に記者の元には、茂永容疑者本人から犯行を予告する1本の電話がかかっていたのである。 その際に同容疑者が漏らした話の全容をここに記者の独白としてお伝えしようと思う。記した話にはあまりに一方的な言い分が含まれていたり、記者が当時のメモを取り違えている可能性も少なくないだろう。 また容疑者と被害者が死亡したため、今では事実かどうかも判別しにくい部分もある。ただ、ここに記した話は、骨肉の事件を引き起こした男が犯行前に語った「まごう事なき真実」に違いない。ぜひともそれをご理解の上、お読み願いたい。 茂永容疑者から私の元に電話が入ったのは、毎年夏に行われる深川八幡祭りの終わった8月下旬のことでした。もともと同容疑者とは、3年前に小誌が報じた記事の取材中に知り合い、昨年以来、連絡が途絶えていたため慌てて電話を取ったのです。 茂永容疑者は短いあいさつを終えると、突然、こう言い出しました。「山崎さん、悪いけどチャカの入手ルート(拳銃のこと)を教えてくれないか?」。たぶん、私が暴力団記事を呼び物とする『週刊実話』の記者だったことから電話してきたのでしょうが、もちろん入手先など知るはずがない。そのため教えられないことを告げ、「なぜ必要なのか」と1時間半にわたって問い詰めることとなったのです。 茂永容疑者は度重なる私の問いかけにしばらく黙り込んでいましたが、その後、意を決したようにこう言い放ちました。「長子をぶち殺したいんですよ」「ヤツを殺して私も死のうと思って」。その言葉を聞いて押し黙ったのは、今度は私の方でした――。 〈茂永容疑者は拳銃を手に入れたい理由を話してしまうと、間を置かず長子さんを殺害しようと考えた動機を語り出した。その最大の理由は、当時、『富岡八幡宮』が画策していた神社本庁からの離脱問題だった(9月28日に正式に離脱)。〉 茂永容疑者は何度も「神社本庁から離脱してしまったら、今度こそ長子が宮司に就任して八幡宮があの女の独裁で没落する」「自分や息子が再び宮司となって、富岡を由緒正しき格式の備わった神社に戻す夢も潰えてしまう」と語りました。 事件後に各メディアが報じたとおり、長子さんは7年前に同神社のトップに就いたものの、役職は宮司代務者。宮司に任命するよう神社本庁に何度も打診したが、それが認められず離脱の動きを見せていた。一方、茂永容疑者は2代前の宮司だが、女性遍歴と放蕩ぶりを伝える怪文書がバラまかれたことを理由に、辞任に追い込まれた経緯がある。 彼は常々「自分が心を入れ替えて宮司に返り咲き、運営体制を生まれ変わらせたい」「格式ある神社の未来を息子に託したい」と漏らしていたが、神社本庁から離脱すれば同団体の意向も関係なくなり、長子さんが宮司に就いてしまう。それに危機感を抱いたことは明らかで、話の中盤には「もう富岡を正す芽はない」「だから私は捨て石でいいんですよ」と、力なく笑ったほどでした。 〈ちなみに被害者の長子さんの独裁ぶりについては、3年前の小誌記事『天皇陛下を冒涜した 富岡八幡宮・エセ女宮司』('15年1月1日号)で詳報している。 その内容は、'12年に天皇皇后両陛下が深川八幡祭りをご訪問された際に建立した記念碑に「宮司」と偽りの肩書きを刻んだり、神社本庁への申請・許可なく境内地に“お賽銭御殿”と呼ばれる1億2000万円もの豪邸を建てたり。こうした暴挙を茂永容疑者は以前から苦々しく思っていたが、彼が凶行を思いついたのは、これを正す手立てが永遠に失われてしまうからだけではなかったのだ。〉 茂永容疑者は'01年に宮司を辞任させられたが、以後月額100万円近い手当の支給を条件に辞任を受け入れたそうです。ところが宮司を降りるとその条件は握りつぶされ、数分の1に減らされてしまったという。 新聞やテレビが報じたとおり、そうした恨みが積もって'06年の年賀状に〈必ず今年中に決着をつけてやる。覚悟しておけ〉などと書いた年賀状を送付。長子さんの訴えで深川警察署に逮捕されたが、この骨肉の争いが激化したのか「その手当が一方的に打ち切られた」「もはや私ら夫婦は生きていく金もないんです」と漏らしていました。
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