社会
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社会 2018年02月12日 12時00分
インフルエンザの特効薬になるか?新薬「ゾフルーザ」は
2月9日に放送された『ワールドビジネスサテライト』(テレビ東京系)では、来月に厚生労働省が承認する見通しのインフルエンザ新薬を特集した。現在、主なインフルエンザ治療薬は、・タミフル(錠剤)・リレンザ(吸入薬)・イナビル(吸入薬)・ラピアクタ(点滴)の4種類。 吸入薬は、子どもや咳が出る人には効果が低いためオススメできないとされている。また、タミフルも子どもが服用した際、異常行動を起こしたという事例があるため、子どもには処方しないのが通例らしく、現状のインフルエンザ治療薬には課題が多くあるようだ。 そんな苦しい現状の中、現在、インフルエンザ治療薬の新薬「ゾフルーザ」が注目を集めている。 従来の治療薬は、ウィルスが細胞の外に広がるのを防ぐ効果があるとされているが、ゾフルーザは、ウィルスの増殖自体を防ぐ効果があり、1回服用するだけでもかなりの効果が期待できるのだという。 いとう王子神谷 内科外科クリニックの院長・伊藤博道氏は「同じ飲み薬で5日間飲むものと1回飲むものを比較した時に、タミフルが新しい薬(ゾフルーザ)に置き変わっていく可能性はあると思います」とゾフルーザのポテンシャルの高さに期待の声を上げた。 厚生労働省は来月にもゾフルーザを承認する見通しで、5月ごろには販売が開始されると予想されている。 ゾフルーザについてツイッターでは「ゾフルーザに期待したいなー。」「ゾフルーザ、承認されたんなら 早く処方されるようになったら いいなぁ」「塩野義製薬の新抗インフルエンザ薬ゾフルーザの登場を期待したいですね。すごい薬です。」といった、待望の声が多く寄せられている。 従来の治療薬では満足な効果が得られなかった人も、ゾフルーザの登場で、インフルエンザを効果的に治療できるかもしれない。
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社会 2018年02月12日 08時00分
天下の猛妻 -秘録・総理夫人伝- 宇野宗佑・千代夫人(上)
戦後歴代総理夫人の中で、本来なら晴れやかな日々であろうその夫の総理在任中、最も苦渋と忍従をよぎなくされたのが、宇野宗佑の妻・千代であった。 1989年という年は、1月7日に昭和天皇が崩御、元号が「昭和」から「平成」と改められて始まった。時の首相・竹下登はリクルート事件に関与したことの責任を取る形で、平成元年度予算案成立との“引き替え”を条件に、4月25日、退陣を表明した。後継の自民党総裁には、当時、清廉、気骨が持ち味だった元外相の伊東正義が本命視されたが、折から伊東は体調を崩していたこともあって、「(自民党は)本の表紙を変えても中身が変わらなくては国民から相手にされなくなる」と、“会津っぽ”らしい一徹さでこれを固辞した。 当時の安倍晋太郎(安倍晋三首相の父)、宮沢喜一といった有力後継候補もリクルート株の譲渡を受けていたため“圏外”となり、結局、竹下内閣の外務大臣で中曽根(康弘)派幹部だった宇野に“お鉢”が回ってきたということだった。宇野は中曽根派にあっても「親竹下」色が強かったことから、退陣後の影響力を考えた竹下の推輓を得たということであった。 さて、言うなら「緊急避難」で登場した宇野総裁ではあったが、正式に首相就任した直後、毎日新聞に神楽坂芸者との関係をスッパ抜かれた。この問題はあらゆるメディアの格好の標的となり、芸者を口説いた際、3本指を出し、「(月々の手当ては)これでどうだ」とやったなど、あらゆる角度からの“攻撃”を受けたのだった。指3本は「30万円」を指し、神楽坂の売れっ子芸者を口説くにはなんとも安かろう、「宇野はケチである」などとも言われたものだった。 このスキャンダルが尾を引く中、自民党には7月23日投開票の参院選が待っており、案の定と言うべきか、「リクルート事件」「消費税の導入」「農産物自由化」の“逆風3点セット”も加わり、参院選を大敗。宇野はこの選挙の敗北責任を取らされる形で、選挙直後に慌ただしくも退陣を余儀なくされた。首相在任わずか69日、戦後3番目の「超短命内閣」で終わったのだった。 さて、夫の女性スキャンダルで「針のムシロ」に座らされたのは、「ファースト・レディー」たる千代であった。首相就任直後、千代はフランスのアルシュ・サミットへ宇野に同行したが、宇野と親しくサミットにも同行した政治部記者のこんな証言が残っている。 「夫妻は宇野が首相になる以前は、宇野が東京、千代夫人は多く宇野の地元・滋賀に分かれて生活していたが、首相就任とともに首相公邸で一緒に住むことになった。公邸に引っ越してすぐスキャンダルが表沙汰になったのだが、それこそ夫人は“忍の一字”、それでも少なくとも表には愚痴一つこぼすことはなかった。公邸の台所は薄暗くて手狭な感じだったが、お手伝いさんと2人で、よく割烹着姿で黙々と食事の用意をしていた姿を覚えています。 普段でも、手にはマニキュア、指輪もせず、着ているものもバーゲンで買ってきたものと、ひとえに質素に控え目につとめていたような印象がある。 サミットではすでに『首相とゲイシャ』が喧伝されていたため、フランスの新聞はこの宇野夫妻をまったく相手にしなかった。非公式の出席首脳の夫人たちの会合でも、千代夫人は英語、フランス語もダメということもあって、他の夫人たちの和気あいあいから一人孤立、疲労の色もありありで、なんとも気の毒だった」 千代はそんなサミットから帰国するや、参院選の応援に無理やり担ぎ出された。「妻への同情」をアテに、女性票離れを防ごうとする自民党執行部の“戦術”であった。前出の政治部記者は、例えば、神奈川県での集会で痛々しくも声を震わせ、聴衆に頭を下げる夫人の姿を目撃している。 「『総理、総裁の妻であり、宇野の妻であります。宇野への批判に対し、心より深くお詫び致します』と、言葉少なにひたすら頭を下げていた。“針のムシロ”からの逃げ場はなかったのです」 そうした選挙戦のさなか、千代は短く週刊誌のインタビューに以下のように答えたことがある。 「(スキャンダルについて)主人は私に、『別に気にすることはない』と。私も主人に、『はい。信用していますから』と申しました」(『女性自身』平成元年7月4日号) あれだけ喧伝されて「気にすることはない」とは宇野もナカナカだが、千代の短い受け応えの中には、その苦衷が知れる。 振り返れば、宇野と千代の結婚は、なるほど宇野の迫力に満ちた“口説き”文句に始まっている。宇野は、こう言ったそうである。 「本当に早く(結婚OKの)返事してくれなかったら、君と刺し違えて自分も死ぬ」 「3本指」の口説き文句もかくや、と彷彿させるのだった。=敬称略=(この項つづく)小林吉弥(こばやしきちや)早大卒。永田町取材48年余のベテラン政治評論家。抜群の政局・選挙分析で定評がある。著書に『決定版 田中角栄名語録』(セブン&アイ出版)、『21世紀リーダー候補の真贋』(読売新聞社)など多数。
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社会 2018年02月11日 22時30分
映りが悪い友だちの写真をSNSにアップするのは違法?
2月4日に放送された『行列のできる法律相談所』(日本テレビ系)では、、友だちにSNSにアップする許可を得たうえで、その友だちの映りの悪い写真をアップするのは違法になるのか弁護士軍団がジャッジした。 まず、北村弁護士は“違法ではない”と回答。「肖像権は誰にでもありまして、それは、承諾なく正当な理由がなく、自分の写真などの肖像を公表されない権利です。本件の場合は、自分の写真を撮ったものを、公表することを承諾していますから、当然違法ではありません」と承諾してしまっている以上、違法性はないと語る。 菊地弁護士も“違法ではない”と答えており「OKした以上、何枚か撮った中でどの写真を選ぶかっていうのは、相手に任せたと考えるしかないんですよ」とどの写真をアップするかは友だちの自由であると主張。 ただ1人“違法である”と回答する本村弁護士は「今回は、そもそも承諾を取ったとは言えないんですよ。変な写真を使わないというのが前提になっているんです」と反論。 しかし、北村弁護士に「『そういう写真のほうがおもしろいね』『SNSに載せても良いよね』っていう風に考える人もいますから」とネタ目的で投稿する人もいるので、違法行為として扱うことは難しいと口にした。 また、番組では最近“フォトハラ”という言葉が話題になっていると特集。フォトハラとは、「フォト(写真)ハラスメント」の略語で、主に人の写真を勝手に撮影し、SNSに無断で掲載する行為のこと。肖像権やプライバシー権を侵害する違法行為になるらしい。 写真を撮られることに不快感を覚える人は多くいる。だが、あらゆる行為が簡単に“ハラスメント”として考えられてしまう現代社会は、非常に生きづらくなってきているように思える。
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社会 2018年02月11日 15時00分
世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第257回 日本とギリシャは違う
ギリシャ政府の2017年プライマリーバランス(基礎的財政収支、以下PB)の黒字が、目標を上回るとの報道が流れている。ギリシャの財務省が1月15日に発表したデータによると、ギリシャ政府の'17年のPBは19億6000万ユーロの黒字となり、目標の8億7700万ユーロを大幅に上回ったとのことである。 というわけで、ギリシャの名目GDP(所得の合計)、インフレ率、そしてPBを左図(※本誌参照)にグラフ化した。ギリシャのPBは、バブル崩壊後の'09年に360憶ユーロで赤字のピークに達し、その後は容赦なき緊縮財政により削減されていった。 '16年には、ついにPBが黒字転換。ギリシャ政府がPB赤字削減に懸命になる、つまりは緊縮財政が継続した結果、ギリシャ国民の所得の合計は、'08年の2500憶ドルから、'16年には1845憶ドルに激減。GDPが8年間で26%も減ってしまった。 ギリシャの経済規模が、4分の3に縮小してしまったのである。日本でいえば、GDPが375兆円に減ってしまうようなものだ。インフレ率の方も、延々とマイナス状況が続き、'16年にようやく+0.013%となった。 バブルが崩壊した国、あるいはデフレ化した国がPB黒字化を目指すと、国民が貧困化する。ものの見事に、ギリシャが実証してくれたわけである。 何しろ、ギリシャ政府はPB黒字化のために「国民からより多くの税金を取り、支出を削った」わけである。所得創出のプロセスにおいて、増税や政府支出削減がなされた場合、「誰か」の所得が減るのは自明の理だ。そして、所得の合計こそがGDPなのである。 ギリシャはユーロ加盟国だ。ユーロ加盟国には金融主権がないため、「国債発行+国債買取」により政府が支出を増やすことはできない。しかも、ギリシャ政府におカネを貸しているのは国際機関、ドイツやフランスの銀行などの「外国」になる。デフォルト(債務不履行)を回避するためには、ギリシャ政府は「国民」からユーロを搾り取り、返済するしかなかったわけである。 というわけで、ギリシャ政府はPB黒字化を強要され、国民はひたすら貧乏になっていく。特に、若年層失業率47%のギリシャでは、緊縮財政とGDP縮小により、現在の所得はもちろん、将来の成長をも犠牲にしてしまった。現在の若者が社会の中核層を成す頃、その半分近くが「働いたことがない」という状況になってしまう。普通に発展途上国化である。 ギリシャの問題については「解決策がない(ユーロに加盟している限り)」が、日本は違う。日本の場合、PB黒字化目標を破棄し、国債を発行。日銀が国債を買い入れ、長期金利を調整しながら支出を拡大すれば、普通にデフレ脱却や経済成長が実現する。ギリシャと日本は違うのだ。それにも関わらず、わが国の政府は相も変わらず「PB黒字化目標」に固執し、国民の貧困化と経済規模の縮小に余念がない。 最新報道によると、日本政府は、●PB黒字化目標の達成時期を'23年以降に遅らせる。●政府の負債対GDP比率の数値目標を掲げる。 との見込みである。 現在の日本は、デフレや日銀の量的緩和政策で、金利が極めて低迷している。名目GDPを成長させていけば「名目GDP成長率>国債金利」の状況を維持することが可能で、政府の負債対GDP比率を着実に引き下げていくことができる。 国債を増発し、政府の負債を増やしたとしても、それ以上に名目GDPが増える。分かりやすい例を出すと、現在、●政府の負債 900兆円●名目GDP 500兆円 だとしよう。つまりは、政府の負債対GDP比率は180%である。ここで、政府の負債を10兆円増やし、有効需要として支出したとする。(乗数効果は無視する。また金利はゼロと仮定する)●政府の負債 910兆円●名目GDP 510兆円 政府の負債対GDP比率は、178.4%に「改善」する。実際には乗数効果があるため、名目GDPは10兆円以上、増えるだろう。無論、PBは10兆円分、赤字が増えることになるが、本来の財政健全化の定義である「政府の負債対GDP比率の引き下げ」は達成されるのだ。 もっとも、名目GDPを成長させるためには、財政出動が必須である。特に、医療、介護、教育、防衛といった公共サービス、さらには防災インフラ、交通インフラといった公共投資への支出を拡大することが肝要だ。この種のGDPになる需要(有効需要)に政府が支出しようとすると、途端にPB黒字化目標が邪魔をしてくる。 黒字化目標の達成時期が'20年から'23年に延びれば、大丈夫なのでは? などと思うなかれ。PB黒字化の「目標」がある限り、政府はデフレ脱却に足る十分な財政拡大が不可能だ。結果、名目GDPの成長率が低迷し、政府の負債対GDP比率が「上昇する」形の財政悪化が続く。 一つだけ「逃げ手」があるとすると、PB目標から「建設国債」を外すことだ。建設国債に限らず、投資系の財源として「教育国債」「防衛国債」「科学国債」などを発行する。建設国債によるインフラ整備。教育国債による教育強化。防衛国債による防衛力増強。科学国債による科学研究費拡大。これらは明らかに「長期の支出」が必要な分野だ。 今年6月の『骨太の方針2018』において、建設国債を含む「投資系の支出」の財源については、PB目標から外す。最低でも、これが実現できない限り、結局、わが国はデフレ脱却に足る財政拡大は不可能であろう。 改めて記しておくが、日本とギリシャは違うのだ。みつはし たかあき(経済評論家・作家)1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、分かりやすい経済評論が人気を集めている。
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社会 2018年02月11日 12時00分
有吉 呼び捨てする親に苦言「育ち悪くなるぞあのクソガキ」
2月7日に放送された『マツコ&有吉 かりそめ天国』(テレビ朝日系)では、「『最近、○○さんトゲなくなったよなぁ』と会ったこともない有名人を“さん”付けする友人に違和感」という投稿が寄せられた。 マツコは「なんで一度も会ったことのない芸能人は“さん”付けちゃいけなの?呼び捨てするもんなんだ、芸能人って」と逆に質問。 ただ、マツコは「でも、テレビ出てなかった時、考えたら“さん”付けする人としない人がいたわね」と自身の過去の言動を思い返し、芸能人全員に“さん”付けはしていなかったと回想する。 有吉は“さん”付けを全然してなかったようで「ちょっと前まではタモリですよ。実際にお会いするまでは…」と会ったことがない芸能人は呼び捨てで呼んでいたようだ。 また、有吉は「(“さん”付け)してる人は丁寧な人だなとは思うけど、プロレスラーとかスポーツ選手でも、やっぱり呼び捨てだもん。『昨日長州がさぁ』つって『天龍バカだなぁあいつ』って言って。尊敬はあるから、そうやって言ってるんだよね」と“さん”付けをしないからといって、見下しているわけではない持論を展開。 続けて、有吉は「ただ、街で会った時に、ガキ連れてるお父さんとかお母さんが『おう有吉』って言うと、もう、育ち悪くなるぞあのクソガキは本当に。有吉さんって言えないかなって。簡単なことじゃん」と子どもがいる前で呼び捨てで呼んでくる両親に苦言を呈した。 番組を見ていたツイッターユーザーからは「アナウンサーが野球選手を呼び捨てにするのがすっごい嫌。」「ラジオ聴いてさらにネタ読まれたりすると呼び方変わるかな」「リスペクトを感じる相手だとさん付けするわ」などなど、“さん”付け一つとってもいろいろな考え方があるようだ。
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社会 2018年02月10日 22時50分
妥協の結婚も悪くない?結婚した人の約半数が「後悔していない」
2月4日に放送された『初耳学』(TBS系)では、日本の結婚事情を特集。 まず、林修は「1950年の時に(未婚率は)なんと1.4〜1.5%。つまり、ほとんどの日本人が結婚していた。ただ、90年代からグワーンって上がってきて、2030年ごろには男の人は(未婚率は)27.6%ですから、3人に1人弱は生涯未婚。そして、女性の場合は5人に1人が生涯未婚という」と日本の未婚事情の恐ろしいデータを紹介する。 ただ、林は「こういった状況の中で、『結婚なんか(どうでも)いいんだ』とみなさんが思って結婚しないのかと言いますと、実は未婚の男女の約90%は結婚したいと思っているデータもあるんです」と未婚率は上がっているが、結婚願望が下がっているわけではないと説明。 それから、なぜ結婚願望を持つ人は多いのに、未婚率が上がってしまうのかを解説する。林は年収別の結婚状況のグラフを使い「(男性は)収入がドンドン上がっていくと結婚率が比例して上がっていく。年収が1000万2000万になると(結婚率が)90%上がるんですよ」と男性の結婚率は年収と大きな相関があると語る。 次に「(女性は)むしろ下がりぎみ。年収600万以上だと16.3%に下がっちゃう」と女性の結婚率は年収が上がると下がってしまうようだ。 年収の低い男性と年収の高い女性が結婚すればバランスが良さそうだが、なかなかこのタイプの男女が惹かれあうケースは少ないようで、その理由として、結婚相手に妥協したくない項目として“年収”を挙げる女性が多くいるのが原因だと林は推測した。 ただ、林は妥協して結婚した人たちの結婚後の満足度についてのアンケート結果を紹介。男性の50.3パーセントは“どちらかと言えば後悔していない”と回答しており、女性は43.9%だった。 出演者は半分以上の人が結婚したことを後悔している事実に驚愕するが、林は「妥協した方に聞いた結果ですよ。にもかかわらず、半数が後悔していない。妥協もアリだなって思いません?」と妥協しても半数が後悔していないのだから妥協して結婚することも悪くないのではと口にし、出演者を納得させた。
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社会 2018年02月10日 15時00分
森永卓郎の「経済“千夜一夜”物語」 年金は70歳支給開始へ
公的年金の受け取り開始を80歳程度まで遅らせることができる制度を、政府が検討していることが明らかになった。近く改定される高齢社会対策大綱に盛り込む方針だ。 現在の年金支給開始は原則65歳だが、これは60歳から70歳の間で自由に選べる仕組みになっている。もちろん、60歳から繰り上げ支給を受ければ、給付は30%減額になる。一方、70歳からもらえば42%増額になる。今回の改革は、年金の上積み率をさらに高めて、80歳程度まで支給開始年齢を繰り延べることを可能にしようというものだ。 選択制なのだから、この動きは庶民に何の影響もないと思われるかもしれない。だが、私は今回の改革が、年金の支給開始を原則70歳へと繰り延べるための布石だと考えている。 一つの理由は、繰り延べをする人がほとんどいないと考えられることだ。厚生労働省の「厚生年金保険・国民年金事業統計」によると、平成27年度末で、老齢基礎年金を原則通り65歳から受給している人は63.0%、繰り上げ受給している人が35.6%となっている。一方、繰り下げ受給している人は1.4%にすぎない。なかでも、70歳からの受給を選んだ人はわずか0.4%にすぎないのだ。 これから見ても分かるように、生活が苦しいから、早めに年金をもらうことはあっても、先送りできる人は、ほんの一握りにすぎないということだ。 それにもかかわらず、政府が年金支給開始を80歳まで選択できるようにしようと固執するのは、支給開始年齢の原則を、現在の65歳から70歳へと変更したいという強い欲求があるからだろう。 年金支給開始が60歳から80歳までの間で選択可能ということになれば、なんとなくその真ん中の70歳が原則でもよいような錯覚に陥るためだ。 もう一つ、新しい高齢社会対策大綱では、現状63.4%となっている60〜64歳の就業率を2年後の2020年に67%に高める目標が掲げられる予定となっている。つまり、3分の2の人が、65歳まで働く世の中に今後2年という短期間で持っていき、65歳まで働くことをスタンダードにしようというのだ。 どうやら、役人の頭のなかでは、3分の2まで普及すれば、それが標準になるという感覚があるらしい。 ここで思い出すのが、'14年に行われた公的年金の将来見通しを試算する厚生労働省の財政検証だ。 この推計では、労働市場への参加が進むケースとして、'30年の65〜69歳男性の労働力率が67%に設定されている。そうなれば、現行水準並みの年金給付が維持できるというのが推計の結論だ。つまり、3分の2の男性が70歳まで働き続けることが、年金制度の崩壊を防ぐための絶対条件なのだ。そうした状況を踏まえると、政府が考えている年金改革の方向性が見えてくる。 '20年の東京オリンピックまでに65歳までの継続就業を完成させてしまい、その後、10年程度で一気に70歳までの継続就業を普及させる――。それができた時点で、支給開始年齢を70歳に延ばすのだ。 現在、男性の健康寿命は71歳まで伸びているが、残念ながら、このままいけば老後の悠々自適生活は風前の灯だ。
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社会 2018年02月10日 12時30分
「義理チョコをやめよう」なぜ?ゴディバの社長の本音
2月7日に放送された『ワールドビジネスサテライト』(テレビ東京系)では、バレンタインデー商戦に挑む企業を追った。 2月1日にGODIVAが「日本は、義理チョコをやめよう。」という内容の広告を日本経済新聞に掲載し、SNS上で大きな反響を呼んだ。 番組では、ゴディバ ジャパンの社長 ジェローム・シュシャン氏に、この広告の狙いをインタビュー。シュシャン氏は「義理人情とか、義理堅いとかそういう言葉は好きですけども、義理チョコには違和感があります。時間がかかるとか、みんながやっているとか、それは本来の義理ではないんですね。あげる人がハッピーじゃないと意味がないと思っています」と義理チョコの“義理”という言葉は、本来の意味とは違うように感じていたため、義理チョコの廃止を促すような広告を打ったのだという。 ただ、ゴディバの義理チョコ廃止の動きに真っ向から対立するのが、ブラックサンダーでおなじみの有楽製菓株式会社だ。 ブラックサンダーは1つ30円からと非常に安価なため、義理チョコとして買い求める客が多く、現在は工場がフル稼働でも生産が追いつかないほどの盛況ぶりで、ゴディバの広告の影響はないらしい。 有楽製菓 営業マーケティング戦略本部の山崎美沙氏は「(義理チョコは)日本独自の素敵な文化。あげる方ももらう方も気兼ねなく義理チョコの文化を楽しんでほしい」と義理チョコ文化の価値を語った。 義理チョコ廃止の動きについて野村証券 チーフ・マーケット・エコノミストの木下智夫氏は「義理チョコは日本の文化として定着した感が強いんですが、多くの人がかかわることだけに、そういったものを反映して変えていくのは自然だと思います」といちいち義理チョコを用意しなくてはいけない現状を嘆く声は少なくないので、時代に合わせて柔軟に変化していくことは必要なことであると語る。 また、「一方で、義理チョコに限らず、物を贈る文化というのは非常に重要で、毎年一定の需要を生み出すという経済効果もあるんですね」と経済活性化のために、バレンタインデーのようなイベントは大切であるとも口にした。
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社会 2018年02月09日 15時00分
ついに中国が誕生させた霊長類初のクローン猿の危うさ
元の個体と全く同じ遺伝子を持つ「クローン」の猿を2匹誕生させたと、中国科学院のチームが1月24日付の米科学誌『セル』電子版に発表した。霊長類では初めての成功例だ。 「中国のチームは『猿を使って人の薬の効果を確かめる実験に役立つ』と強調していますが、人と同じ霊長類のクローンづくりには倫理的な問題点があり、今後も議論を呼ぶでしょう。むしろ、こちらも議論を呼んでいますが、絶滅動物の再生に大きく前進したのではないかと思います」(サイエンスライター) 絶滅動物の再生で思い起こされるのは、映画『ジュラシックパーク』だ。 「その再生方法は、松ヤニの内部に恐竜の血を吸った蚊が封じ込められているものが発見され、その血液に含まれているDNAを使って恐竜を再生するという発想でした。しかし、この方法は2012年に豪州の研究者によって否定されています。DNAは521年で半分が壊れ、さらに521年ごとに半分が壊れていきますから、150万年くらい経過すると再生に必要な情報はほとんど消えてしまうということが分かったのです。恐竜が絶滅したのは約6500万年前ですから、再生は不可能なのです」(同) ということは、ごく最近に絶滅した動物ならば、再生は可能かもしれない。 「実際、'00年に最後の1頭が死んで絶滅した『ピレネーアイベックス』と呼ばれる野生のヤギの一種が、'09年になって再生されたのです。剥製から採取したDNAを家畜のヤギに移植し、絶滅生物の再生成功第1号となったのですが、残念ながら生まれて10分後に死んでしまいました」(同) これは直近まで生存していた動物からDNAを採取した例だが、マンモスやドードー、ジャイアントモアなどの再現計画も進んでいるという。 「ただ、社会系の学者からは異論が噴出しています。再生した生物をどう扱うかという点に関心が薄いからです」(大学の某研究者) 多くの生き物が絶滅していった原因は、身勝手な人間にあったことを忘れてはならない。
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社会 2018年02月09日 08時00分
支持率回復 小池百合子都知事が橋下徹とタッグで再び安倍倒閣へ(2)
安倍政権は昨年7月、森友学園、加計学園を巡る疑惑で支持率が急降下。しかし、小池氏の自滅とも言える衆院選敗退で息を吹き返した。ただ、今もモリカケ疑惑が一掃されたわけではない。 「これらの問題に、昨年末からは東京地検特捜部が手掛けるスパコン開発事業社の補助金詐欺事件が加わった。逮捕された事業社社長、社長に近い元TBS記者、その記者と昵懇の仲とされる安倍首相との連なりが指摘され、追及が強まるのは必至です」(前出・記者) さらに、安倍首相が計画を前倒しし、躍起だったリニア新幹線建設も、特捜部が談合で摘発に乗り出している。談合の主導者と目される大林組では、白石達社長の引責辞任を発表した。 「しかし、いまだ安泰の大林剛郎会長は、安倍首相と深い関係にある。'12年の第二次安倍政権発足以来、会食を重ねるばかりか、昨秋には安倍首相が会長の親族の結婚式に来賓として出席している。このリニア疑惑の闇に特捜部がどこまで切り込むのか、永田町は固唾を呑んで見守っている」(野党関係者) ほか、安倍首相が押し進める憲法改正についても、公明党が慎重な姿勢を崩す様子もなく、問題が山積しているのだ。 「安倍政権の前途は地雷だらけ。その地雷が一つでも爆発するようなことがあれば、たちまちその受け皿の役割探しが始まる。小池さんもそのチャンスをじっと待っているのです」(前出・小池氏側近) ただし、小池氏はそれをものにできるのか。そこで大きな影響を与えそうなキーマンとして再び名前が挙がっているのが、橋下徹前大阪市長なのだという。 「橋下さんは衆院選後も、“ここまでやれたのは小池さんだったから”と実力を認める発言を繰り返している。日本維新の会に影響力を持つ橋下さんは、大阪で強いが、東京でダメな維新と小池さんをドッキングすることで、新たな潮流が生まれると信じているようです。小池さんの支持率が完全に戻った時、橋下さんが安倍首相との仲を割って、“小池さんと政界再編をする”の一言を発すれば、再び小池さんに強力な追い風が吹き始めることは間違いない」(維新関係者) 小池氏が産みの親の希望の党は、憲法改正を巡って三分裂の様相だ。 「希望の党では“小池排除論”まで出始めているが、小池さんが生き返れば、彼らはまた手のひら返しで小池さんにすがるだろう。そうなる前に小池潰しをしておかなければ、また厄介なことになる」(自民党関係者) いよいよ小池氏の逆襲が始まる。