社会
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社会 2018年04月11日 08時00分
「新橋・渋谷・新宿」東京都心“震度6強”で倒壊するビル名を発表
「建物ごとの耐震性を都民に周知することで、所有者が自覚を持って取り組むことを促し耐震化につながる」と、小池百合子知事は3月30日の記者会見で建物名も含めた耐震診断結果を公表した。東京都は3月29日、1981年5月31日以前の旧耐震基準で建てられた建築物の耐震診断結果を発表したが、建物名を発表したのは初めてのことだ。 調査結果によれば、特定緊急輸送道路沿道では449棟中3%にあたる139棟、商業施設など不特定多数の人が利用する大規模建築物については398棟中4%にあたる17棟が、震度6強〜7で倒壊する可能性が高いことが判明。調査対象全体で見れば実に18%が同様の状態になる可能性が高いことが分かったという。 防災ジャーナリストの渡辺実氏はこう言う。 「幹線道路の沿道の建物の耐震化率は7割になったというが、それは物の言いようで、決して楽観視できるものではない。我々は首都圏を襲う巨大地震について東日本大震災のイメージを抱きがちですが、実際は直下型の阪神淡路大震災を想定しなければならない。今回、名前が挙がった新橋駅前の『ニュー新橋ビル』(港区)には多くの居酒屋が入り、客は昼夜問わず飲んでいる。そこへ逃げる間もない震度6以上の直下型地震が発生した場合、多くが生き埋めになり、即死する人も出てくるでしょう」 診断結果は、震度6強以上で倒壊または崩壊の「可能性が高い」「危険性がある」「危険性が低い」の3段階で示されている。特定緊急輸送道路沿道では前述の「可能性が高い」31%のほか、「危険性がある」も15%の68棟もある。 また、大規模建築物は「危険性がある」が7%の27棟で、「可能性が高い」17棟の大規模施設には『ニュー新橋ビル』のほか、紀伊国屋書店が入る『紀伊国屋ビルディング』(新宿区)、商業施設の『渋谷109』(渋谷区)など、都内に住む人であれば誰もが一度は利用したことがあるビルもある。2019年度に耐震改修に着工する。 「今回の発表は震度6強〜7が一度起きた場合の発表ですが、専門家の間で危惧されているのは、200年周期で起きるM8クラスの直下型と、それにともない連続して起きるM7クラスの直下型の連続発生です。一度ならず二度、三度と余震が起きれば、当然、倒壊する建物は増えてくる。そうした実際の状況を考えれば、現在の耐震基準をクリアしているビルとて、倒壊する場合も出てくるのでは」(サイエンスライター) 商業ビルなどに居る場合は、出入口に殺到すると将棋倒しになってしまう危険性がある。また、外に出る際、窓ガラスなどが降ってくる可能性もあるので大変危険。上着などを厚めに畳んでヘルメット代わりにして頭部を守ることが大切だ。
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社会 2018年04月10日 08時00分
麻生財務相vs二階幹事長 熾烈を極めるポスト安倍「鉄砲玉」
学校法人森友学園を巡る財務省の決裁書改ざん問題は、当時、財務省理財局長だった佐川宣寿前国税庁長官を証人喚問したものの、真相解明にはほど遠い結果に終わった。そうした茶番に対する国民の呆れが安倍内閣支持率の急落となって表れる中、いま永田町で注目されているのが、麻生太郎財務相の辞任のタイミングだという。 「麻生氏はこれまで、安倍政権を救うために数々の泥をかぶってきた。2度の消費税増税の延期、来年に日本で初開催となるG20も、麻生氏の地元の福岡でほぼ決定と言われていたところを、菅義偉官房長官と松井一郎大阪府知事の画策で大阪にかっさわられた。麻生氏にすれば、菅氏というより決定を下した安倍首相に頭に来ている。そこへきて、本来は根本の原因が安倍首相ともいえる森友問題でも、詰め腹を切らされる事態。そもそも麻生氏自身、どうせクビになるのだろうと先手を打って安倍首相に辞意を伝えたが、結局は慰留されたといいます」(麻生派関係者) 当然それは、安倍首相がこのタイミングで防波堤の麻生氏に辞められては、火の粉が直接自分に降りかかることを恐れてのことだ。 「安倍首相とすれば、森友問題はうやむやなうちに幕引きさせ、日朝首脳会談あたりで挽回を図るつもりだろう。しかし、党内ではそこまで麻生氏はもたないとの見方が大半だ。加えて麻生氏が、すでに安倍首相に最大のダメージを与えられる辞任のタイミングを図り、辞めた直後から反安倍で動く準備を整えているという話まで出てきている」(自民党関係者) つまり、今秋の総裁選へ向け、安倍首相3選を阻止するために、自らはキングメーカーとして岸田文雄政調会長、場合によっては麻生派の河野太郎外相を担ぐ腹を固めたというのだ。 これをいち早く察知し、そうはさせまいと動き出したのが、二階俊博幹事長だという。 「安倍首相の3選を支持してきた二階氏だが、改ざん問題では『理解できない』と政権に反発し徹底解明を求めるなど、ここにきて首相との距離を置き始めている。周辺では、もう見切りをつけたという話でもっぱらです。そこへ天敵である麻生氏の動きを知った二階氏は、負けじとポスト安倍工作に乗り出しているという」(別の自民党関係者) 二階氏と麻生氏が天敵同士の理由を、自民党ベテラン議員はこう説明する。 「最近で2人の対立が表面化したのは、鳩山邦夫元総務相の死去に伴う'16年の福岡6区衆院補選。麻生氏は自民党福岡県連会長の息子を全面支援。一方で二階氏は、二階派の武田良太衆院議員が推す邦夫氏の次男、二郎氏をバックアップし、そこに菅氏も加わって自民党を二分する戦いとなった。結果は二階派支援の二郎氏が当選、麻生氏は赤っ恥をかいている。二階氏は79歳、麻生氏が77歳と年は近いが、性格はまったくの水と油。かねてより派閥領袖としてけん制し合う関係ではいましたが、いよいよ手法問わずの激突が始まろうとしている」 では、ポスト安倍に向けての両者の青写真はどのようなものなのか。 「麻生氏はもともと自民党最古参派閥の宏池会出身で、現在の岸田派とは同根でもあるため、安倍首相がダメとなれば岸田氏の支持に回るだろう。最近は麻生氏が岸田氏を連れ出し頻繁に会食をしているという情報もある。これまで再三にわたって噂が出ては消えていたが、麻生氏の狙いは自身の麻生派と岸田派を統合する『大宏池会』構想で、その奥の院を押さえること。そうした上で、まずは岸田氏を担ぎ上げ、次に麻生派から河野氏を立てる考えではないか」(政界事情通) 一方の二階氏は、自ら温めていた、とっておきの切り札を持つ。 「二階氏が筆頭副幹事長に抜擢した小泉進次郎氏です。国民に支持される自民党を最も意識する二階氏としては、まず地方組織の信頼が厚い石破茂氏を担ぎたい。これに今、党内で最も求心力の強い進次郎氏の支援が加われば、麻生氏の思惑潰しが可能になる」(二階氏周辺関係者) これに対し、安倍首相は進次郎氏を取り込もうと躍起だという。しかし、当の進次郎氏は森友問題で日々、「真実が知りたい」「与党としての自浄能力が試されている」と、暗に政権批判のトーンを強めている。しかも、3月1日に発足した進次郎氏を中心とする勉強会の幹事長には、こちらも安倍批判を強めている福田赳夫元首相の孫・福田達夫防衛政務官が就任している。 「安倍首相が3選を諦めるようなことがあれば、首相を出している細田派94人は岸田と石破、つまり麻生か二階を選ぶかで真っ二つになる可能性も出てくる。麻生派(59人)と岸田派(47人)が組めば、二階派(44人)と石破派(20人)が手を結んでも不利だが、そこに進次郎氏の若手グループや細田派内の福田元首相派が加わると事態は変わってくる。さらに、石破氏と関係が深い竹下亘総務会長が会長に就く額賀派改め新竹下派(55人)の動向も大きなカギを握る」(前出・自民党ベテラン議員) “ポスト安倍”は実質、二階VS麻生のつばぜり合いか。勝ち馬を見据えた派閥間の駆け引きが、熾烈を極めようとしている。
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社会 2018年04月09日 22時50分
利用の際は要注意!コインパーキングの看板に“小さく書かれた注意書き”は違法?
4月8日に放送された『行列のできる法律相談所』(日本テレビ系)は、コインパーキングでの支払いに関して弁護士軍団が見解を示した。 相談者は「24時間最大1200円」と看板に表記されたコインパーキングを見かけ、「3日なら3600円か」と思い、3日間駐車したが、3日目に精算すると支払金額が「26200円」と表記された。 すぐに、管理会社に問い合わせると、看板には小さい字ではあるが、注意事項として「最大料金は1回限り適用されます」と明記されており、「1200円は利用した最初の日しか適用されない。それ以降は時間別の料金が加算される」と主張される。 明らかに小さな文字で表記されているとはいえ、キチンと注意事項が書かれている場合、料金は「3600円」か「26200円」、どちらを支払うべきか弁護士軍団がジャッジした。 まず、「26200円」と答えた菊地幸夫弁護士は「端っこの方とか違う所にではないです。看板をちゃんと見てから使う」と看板に書かれているのだから、利用者側の注意力不足だと話す。 次に、本村健太郎弁護士も「コインパーキングの業界でガイドラインを作り、『文字の大きさを3センチ以上にしましょう』ってしたんです。3センチ以上あると、裁判所は『文字が小さすぎる』と判断しないと思います」と文字の大きさに規定があり、今回のケースはそれを満たしているため、26200円を支払うべきと主張。 だが、1人だけ「3600円」と判断する北村晴男弁護士は「(料金の)文字の大きさと注意事項の文字の大きさを比較して10分の1以下だと、『なるべく(注意事項を)読まないでほしい』という計算が働いている」と他の文字と比較的小さく書かれている場合、管理会社側に悪意があると語った。 同ケースのようなコインパーキングに関するトラブルは年々増えているため、昨年、消費者庁は「コインパーキング利用に当たって、表示をよく読むことが何より重要」と利用者に注意を促している。 これからGWにかけて、車を使って旅行するケースも多いと思われるので、コインパーキングを利用する際は細かくチェックする必要がありそうだ。
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社会 2018年04月09日 15時00分
森永卓郎の「経済“千夜一夜”物語」 原発新設は誰の得にもならない
3月16日の読売新聞が、電力5社と政府が、青森県東通で原発の建設と運営を共同で行うための協議会を設置すると報じた。 もともと東京電力が計画していた原発だが、それを電力会社5社と政府が共同建設するのは、原発の安全対策費用負担を分散し、原発の技術を共有するためだという。「原発依存度をできるだけ小さくしていく」というのが政府の基本方針であるはずなのに、国家ぐるみで原発建設にまい進しようというのだ。 そうなるのではないか、という予感はあった。'15年に政府がエネルギー基本計画を策定した際に、望ましい電源構成として、原発の比率を20〜22%としていたからだ。 この比率は、逆算すると、現存するすべての原発を再稼働する水準だ。ただ、既存の原発のなかには、今後、廃炉になるものも当然出てくることから、新たな原発を建設しなければ、望ましい電源構成を実現できないのだ。 政府が原発を維持しようとする一つの理由は、原発の発電コストが一番安いという点にある。原発の発電コストは1KWH当たり10円とされている。しかし、このコストには原発事故のコストが含まれていない。 例えば、廃炉になった福島第一原発が生涯で発電した電力は、1兆KWHとみられる。ところが、その廃炉には最大70兆円ものコストが必要とされている。その費用を加算すると、福島第一原発の発電コストは、1KWH当たり79円になる。 もちろん、すべての原発が事故を起こすというわけではないが、今年の太陽光発電の事業用買い取り単価が18円であることを考えると、原発にコスト面での優位があるのかは、非常に疑わしい。 原発新設を進める一方で、政府は福島第一原発のメルトダウンで生まれた燃料デブリを取り出して、完全廃炉にする方針を打ち出している。 しかし、ここにきて、その作業に困難な状況が生まれている。格納容器に亀裂が生じていて、水を満たした状態でのデブリ取り出しが不可能であることが分かったのだ。 東電は、水を満たさずに取り出す方向で検討しているというが、その方法だとデブリが飛散して、作業員に2次災害が及ぶ危険が生じる。すべてのデブリを取り出すのも、おそらく不可能な状況だと言われる。廃炉にどれだけ時間がかかるのかも、まったく分からない状態なのだ。 そうしたなかで、原発近くの人口は激減したままだ。特に若者はほとんど戻ってきていない。だから、私は決断すべき時期がきていると思う。福島第一原発の早期廃炉をあきらめて、100年単位の廃炉先送りをするのだ。 放射能は、時間が経てば、どんどん小さくなっていく。だから、100年先、200年先になれば、廃炉は、はるかに容易になるのだ。そして、廃炉の代わりに、福島第一原発を遮蔽する。チェルノブイリのような石棺にしなくても、現代の技術であれば、コンパクトな遮蔽が可能だ。 そして、遮蔽が完了した時点で、原発から半径30キロ以内の地域に、太陽光発電パネルを敷き詰めて、現地を太陽光発電の拠点として整備するのだ。そうすれば、若者の雇用も生まれるだろう。
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社会 2018年04月09日 08時00分
天下の猛妻 -秘録・総理夫人伝- 羽田孜・綏子夫人(上)
前任首相の細川護煕が「殿様宰相」と言われたのに対し、こちら羽田孜は「サラリーマン宰相」と呼ばれた。人生のスタートは一会社員。政界に転じたあとも、言葉一つとっても永田町独特の“専門用語”を語ることなく、「ごく普通の分かりやすい言葉を通じての政治を目指す」ことを、愚直に近いほど実践したものだった。 羽田の父・武嗣郎は旧〈長野2区〉選出で8期を務めた代議士だったにも拘らず、「世襲政治」を嫌った。これもあって、長男の孜は小田急バスに入った。成城大学ではジャーナリスト志望だったが、朝日と日経の両新聞、“押さえ”としてサッポロビールを受験したがいずれもハネられ、父親の縁故でなんとか小田急バスにもぐり込んだのだった。 小田急バスでは吉祥寺営業所に配属され、車掌が持ち帰ってきた売上金の精算が主な仕事だったが、羽田は算盤がニガ手で、たまたま見回りに来た社長にアキレられたこともある。 「当時の吉祥寺営業所は社員が150人ほどいたが、半数が車掌などの女性で“環境に恵まれていた”にも拘らず、そちらのほうはマジメというかオク手だったと、かつて羽田自身から聞いたことがある。信州育ちの羽田は大の蕎麦好き。安月給で旨い蕎麦屋巡りばかりしていたそうだ」(羽田と親しかった元政治部記者) 文学ゆかりの地を巡る観光バスによる「文学散歩ツアー」なる企画は、羽田社員コンシンの“ヒット作”だったそうだ。 一方の妻・綏子は、“コンドーム”でおなじみのオカモト(旧・日本理研ゴム)の副社長の長女で、マガジンハウス(旧・平凡出版)でのアルバイトを経て花嫁修業中に、羽田と出会うことになる。“見合い”であった。 「その席で羽田はノーネクタイ、カーキ色のジャンパーにグレーのズボン姿で飾り気なし。綏子夫人はのちに『なんとなく親戚の人に会ったような親しみを感じた』と言ったそうです。羽田は2回目のデートで、こう言った。『まあ小田急バスにいれば、最後は重役にはなれると思う』と。生マジメな羽田の精一杯のプロポーズだったようだ。綏子夫人は聞いたそうです。『それでお父さまの跡をお継ぎになることは?』と。綏子夫人は東京生まれ。万が一、羽田が選挙に出、長野県住まいをよぎなくされるのはまっぴらということだった。羽田はキッパリと言ったそうです。『僕は親父の跡は継ぎません』と」(同) 羽田30歳、綏子25歳の結婚だったが、事態は急変した。昭和43年(1968年)7月、羽田の父親が病に倒れたのをキッカケで引退を決意した。羽田は「親父の跡は継がない」としていたが、長く世話になっていた後援会が収まらなかった。結果、羽田家の家族会議は「長男が継ぐしかない」との結論を出した。父親が長く世話になった後援会の強い意向で、羽田は小田急バスの企画調査室課長を最後に退社、言うならば避け難い運命を背負った形で翌44年12月の総選挙に出馬することになったのだった。よもやの選挙戦に巻き込まれた綏子の心境が、次のようなインタビュー記事で明らになっている。 「すべてが、“怖いもの知らず”でした。しかし、『電柱にも頭を下げるつもりでやりなさい』と義父(羽田武嗣郎代議士)に教えられるまま、右向け右、左向け左の選挙。個人講演会などでは人前に立つだけで足はガクガク、涙までこぼれてくる始末でした」(『代議士の妻たち』文藝春秋・家田荘子=要約) 結果、羽田は旧〈長野2区〉でトップ当選を飾った。このときの選挙で自民党の指揮をとったのが田中角栄幹事長で、森喜朗(のちに首相)、小沢一郎(のちに自民党幹事長。現・自由党代表)、梶山静六(のちに自民党幹事長)、渡部恒三(のちに衆院副議長)などその後の政界の第一線で活躍した者が多々当選、彼らを称して「花の44年組」との声もあったのだった。 一方、綏子はその初当選の感想を求められ、「サラリーマンだったら、こんな感激は味わえなかったと思います」と嬉しさを率直に述べたが、たちまち地元から「エラソーなことを言うなッ」の苦情が殺到、改めて“代議士の妻”のムズカシサを思い知ったのだった。 その後、羽田は順調に政治キャリアを積んでいった。農政には熱心で「総合農政の羽田」の名前をほしいままにし、農水大臣、大蔵大臣、副総理兼外相と重要ポストを歴任していく。派閥は田中派、竹下派と歩み、竹下派では幹部として「七奉行」の一人に位置づけられたものだった。 その頃は、綏子も“代議士の妻”に成り切り、「選挙はスポーツ。そういう感覚でやるとストレスもないから」と口にするようになっていた。しかし、その綏子は「ストレスもないから」から打って変わり、とんでもないストレスを取り込むことになる。羽田に、突如、総理のイスが舞い込んできたからであった。=敬称略=(この項つづく)小林吉弥(こばやしきちや)早大卒。永田町取材48年余のベテラン政治評論家。抜群の政局・選挙分析で定評がある。著書に『決定版 田中角栄名語録』(セブン&アイ出版)、『21世紀リーダー候補の真贋』(読売新聞社)など多数。
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社会 2018年04月08日 22時40分
仕事の効率を上げる秘訣は、円満な夫婦関係にある?
未来を担う子どもたちのために、「子育て期夫婦のパートナーシップづくり」に向けた夫婦会議推進事業を展開するLogista株式会社は、全国の既婚者630名を対象に「仕事と子育ての両立に関する調査」を実施した。 同調査によれば、「『夫婦の関係性(円満かどうか)が仕事において影響すると思うこと』について調査した結果、夫婦の関係性が仕事において『影響しない』と思う人はたった5.6%で、残りの94%は様々な面で影響している事がわかりました」(同)と報告。 また、どのような点で影響を受けるのかについては、1位が「仕事のモチベーションや効率(70.6%)」、2位が「仕事上の人間関係(40.6%)」、3位が「仕事のクオリティや成果(39.2%)」と“労働生産性”に大きく関わる点が挙げられている。 「日本の時間あたりの労働生産性」は46ドルで、OECDに加盟する35か国中20位、先進国7か国の中では最下位だった。つまり、日本は労働生産性が非常に低い国と言って良いだろう。 そのため、これらの結果から「日本人の労働生産性の低さは、夫婦関係の満足度の低さが引き起こしているのでは?」と考える人もいるかもしれない。 だが、リクルートブライダル総研が実施した「夫婦関係調査2017」では、既婚者の約7割が夫婦関係に満足しているという結果だったため、「労働生産性と夫婦関係の因果関係がある」と結論づけることは難しそうだ。 ただ、労働生産性と夫婦関係の間には、何かしらの相関が潜んでいる可能性が十分考えられるので、より深い考察がこれから必要になってくるかもしれない。 最近、上司から業務の効率の悪さやモチベーションの低さを咎められたなら、パートナーに思いやりのある言葉をかけたりプレゼントをあげたりすると、知らず知らずのうちに仕事が上手くいく可能性があるので、是非やってみてはどうだろうか?
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社会 2018年04月07日 22時40分
日本で覚醒剤の密輸が増えている…なぜ?
日本で覚醒剤の密売が急増している。4月3日に放送された『クローズアップ現代+』(NHK系)に、薬物捜査の第一線に立ち続けた元厚生労働省麻薬取締部の幹部が出演。密輸の現状について語った。 2017年に全国の警察が摘発した覚醒剤の密輸事件は、前年の約1.5倍に当たる126件だった。元厚労省部長の瀬戸氏は近年、密輸組織の多国籍化が進んでいると明かした。 以前は主に中国人や北朝鮮人が覚醒剤の密輸に関わっていることが多かったそう。だが、ここ5年間の調査によると、日本への密輸人は57の国・地域に広がっている。国が違えば密輸の手口も異なるようで、瀬戸氏は「複雑化、多様化、巧妙化が顕著」と、覚醒剤の密輸が難しくなってきている現状があると口にした。 また、日本への覚醒剤の密輸が増えている背景として、瀬戸氏は日本の末端価格が高いと明かす。「国連の調査では、1グラムにつき約6万円(581ドル)とされているが、場合によっては9万円、10万円に跳ね上がる」と、日本では覚醒剤が高く売れると指摘した。韓国は1グラム約300ドル、ドイツでは1グラム約100ドルで、日本の覚醒剤の価格は明らかに高いのだ。 「なぜ日本だとこれだけ高値で取引されているのか?」と質問を受けると「そもそも昭和40年代に、第2次覚醒剤乱用期があった。(そのときから)暴力団が関与しており、現在まで(価格が)管理されている」と暴力団が取引価格を高く設定し続けていことが要因だと説明した。 ネット上では「覚醒剤の密輸は死刑にしろ」「暴力団をつぶすことが先」「もっと外国人の入国チェックを厳しくした方がいい」などと指摘する人が多かった。 密輸の手段は日々進化していく。密輸をなくすことは非常に難しいが、犯罪組織と警察の「イタチごっこ」に終止符が打たれることを期待したい。
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社会 2018年04月07日 15時00分
民泊法施行(6月)を前に暗躍盛んなヤミ民泊の危うさ
今年6月に住宅宿泊事業法(民泊法)の施行が決まり、一般住宅に旅行者を有料で泊める「民泊」が全国で解禁になる。施行日の6月15日以降は自治体に届け出れば「民泊」が合法的に認められることになるが、一層の“ヤミ民泊”横行も懸念されると言われている。 「国内だけで6万軒以上の民泊施設があり、都心部や京都、大阪など人気エリアに集中しています。そのうちの7割がヤミ民泊物件ですよ。民泊法の施行によってヤミ物件は民泊仲介サイトに掲載できなくなるので、相当な数が、いったんは消滅する可能性がありますが、それでもまた増えていくでしょうね」(経済記者) 副業で、新宿と秋葉原に賃料8万円〜11万円のワンルームマンションを4部屋借り「民泊」事業を行っている30代のサラリーマンはこう語る。 「歌舞伎町やアキバは人気があり、外国人観光客で稼働率は8割以上。売上から家賃や光熱費と清掃料金、消耗品代を引いても月に40万円くらい手元に残る。汗水垂らして働くのがバカらしくなります。現在は1年中フル稼働ですが、民泊法は営業日数に制限があり、年間180日までとルールが設けられているので、まともに届け出たら収益の大幅減は免れません」 しかし、規制をかけなければ近隣住民とのトラブルが増加するのは自明の理だ。ヤミ民泊による騒音やゴミ問題で住民の苦情が相次ぎ、管理組合で民泊禁止を打ち出すケースも増えている。 「共有スペースでスーツケースを広げて長時間居座る。無断で住居の鍵を複製して部屋に何度も上がり込むなどはしょっちゅう。日本の常識では考えられないようなトラブルが多数起きています」(民泊清掃業者) 殺人や暴行事件も起き、自治体は住環境の悪化をことの外、憂慮している。 「“正規の民泊”に前向きな業者がどれほどいるのかは未知数。法を施行してもヤミ民泊を続ける物件オーナーは増え続けていくでしょうね」(不動産管理業者) 規制を強化する行政と法の抜け穴を突くヤミ物件オーナーとのイタチごっこが容易に想像できるのだ。
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社会 2018年04月06日 23時20分
研究者の海外流出防げるか?理研、無期雇用を増やすと発表
4月5日、理化学研究所(理研)は優れた研究者が安心して研究に集中できるよう、研究者約3000人のうち、定年まで働ける“無期雇用”の割合を現在の15%から40%に引き上げる中長期計画を発表。この発表を受け、同日の『ワールドビジネスサテライト』(テレビ東京系)では、研究者が置かれている劣悪な労働環境が紹介された。 まず、経済学者の高橋進氏は「先進国はイノベーションのスピードを競っています。どの国でも一緒ですけど、若手の研究者が寝食忘れて仕事に没頭できる、そういう環境があって初めて、研究成果も上がるし成長していくんです」と、研究は常に“国際競争”にさらされていると指摘。「そういう意味で、若手の層が厚くなっていくことがイノベーションの鍵になっていく」と話す。若手研究者が成長し、イノベーションを起こすには研究者の労働環境を整えることが必須だと提言した。 高橋氏は続けて「日本は若手研究者が非常に短い任期で、安い給料で働かされ疲弊している」と研究者が優遇されない状況に苦言を呈した。 また、理研への取材経験がある日経ビジネス編集委員の山川龍雄氏は「現役バリバリで研究をやっている人は、5年でほとんど(契約が切れ)入れ替わるような状況になっている。これは世界的に見て考えられない」と指摘。長期的な契約が交わされず、研究者が流動的に入れ替わり同じ研究所に固定されない現状を明かした。 山川氏は続けて「ようやく正しい方向に向かっているのかなって気がしますね」と理研の発表を評価。今後の状況改善を期待した。 ネット上では「研究者がどれだけ冷遇されているか、もっと知られるべき」「若手が働きやすい環境になってほしい」「こんなんだから日本は遅れてるんだよ」と研究者の労働環境改善を望む声が多く寄せられた。 劣悪な待遇や研究環境に嫌気が差しているのか、多くの日本人研究者が海外に流出している。これからの日本を背負って立つ優秀な若手が日本からいなくなる可能性は十分考えられる。労働環境の改善はかなり早急に取り組まなければいけない問題と言えそうだ。
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社会 2018年04月06日 08時00分
食料品展開で勢いづくドラッグストアの“大手スーパー食い”
本来、薬や化粧品販売をメーンとしてきたドラッグストアが食料品にも比重をかけ始め、総合スーパー(GMS)などに大きなダメージを与えている。 日本チェーンドラッグストア協会の統計によれば、ドラッグストア業界の市場規模は6兆5000億円、前年比較で5.6%増加('17年)している。店舗数も前年比2%増で、全国では約2万店に達する勢いだ。 「ドラッグストアは、約10年前は市場規模約5兆円。そこから10年間で1兆5000億円ほど売上が拡大している。業界では'25年までに10兆円市場を見据えており、そうなると13兆円のスーパー市場とほぼ肩を並べる。中長期的に見れば、逆転の可能性さえ出てきているのです」(業界関係者) ドラッグストアに勢いがあるのは、いくつかの要因がある。 「その一つが食料品販売です。新興住宅地などのメーン道路沿いに大駐車場を有した店舗を構え、消費者に入りやすさを提供し、薬、衛生雑貨、化粧品はもちろん、ついでに食料品も手に取ってもらう。主にパンやインスタント麺類、飲料水などで、魚や肉などはまだ少ないが、最近はジャガイモや玉ねぎなどの生鮮食品も展開するところが出てきている」(同) それに加えて、調剤薬局を置く店舗が増加しているのも特徴だ。 「高齢者が病院に行き、ドラッグストア内で薬を処方して、そのついでに食料品や日用品を買う。一つの店ですべてが完結するワンストップショッピングが可能で、これが売上増の要因にもなっているのです」(薬局関係者) 逆に大手スーパーは、ここ最近、厳しい状況に陥るケースが多くなり始めており、そうしたドラッグストアに顧客を食われる現象も起きている。 「業界トップのイオングループのイオンリテールは、'15年2月期に営業損失16億4600万円と赤字に転落。'18年2月期第3四半期決算では215億9700万円の営業損失。モールで巨大な売場面積を持つイオンにして、やはりドラッグストアの影響をジワジワと受けている」(業界紙記者) 例えばイオンモールは、大半が郊外型で車での来客を想定しており、これはドラッグストアと重なる部分もある。 「ただし、モールの場合は周辺道路が大渋滞し、巨大駐車場があっても駐車を待たされることもある。最初こそ物珍しさもあり客は入るが、そうした混雑に巻き込まれてまで買いだめしなくても、地元で事は足りるというところに落ち着く。食料品の面でそれを埋めてきたのがスーパーやコンビニだったのですが、その隙間にドラッグストアが入り込み攻勢をかけているのです」(同) そんな中、スーパー業界も対抗策に出ている。 「約8000億円近い売上高で業界3位のユニー(2位はイトーヨーカ堂)は、愛知、静岡などに約200店舗を展開しているが、総合ディスカウント業で好調のドン・キホーテに株式の4割を譲渡し、業務提携で活路を探っている」(小売業界関係者) 一方で、ドラッグストア業界内では、生き残りをかけた熾烈な争いが起きている。'17年時点で見れば、『マツモトキヨシ』を展開するマツモトキヨシHDが売上で首位から3位に陥落し、トップに『ウエルシア薬局』のウエルシアHDが躍り出た。 「'17年2月期売上高6231億円で前年比17.9%増という勢いのウエルシアは、食品の売上は全体の21.2%。医薬品・衛生介護品・ベビー用品・健康食品の22.2%とほぼ同じで、やはり食料品の充実によって成功している」(前出・業界関係者) 2位は『ツルハドラッグ』のツルハHD。'17年5月期の売上高は5770億円、前年比9.4%増だ。 「マツキヨは'17年は5161億円で対前年比0.2%減と3位に転落した。マツキヨの場合、店舗の大半が繁華街にあって面積が狭いため、食料品まで拡大できていない。それが、売上減に表れているのではないか」(同) しかもトップの座を窺っていたツルハは、昨年9月に静岡県を中心に店舗展開する杏林堂HDを子会社化。売上高も単純計算で6665億円に達し、一気に業界トップとなる見込みだ。 「ただし、そのツルハの大株主はイオンで、ウエルシアもイオングループ。イオンは今後、スーパーの先行きを考慮しつつ、次の手を打つと見られている」(同) 全国的に見れば、スーパーでは、中国、九州地方の『ゆめタウン』などで売上を伸ばすイズミが'17年1月の営業利益が対前年比11.8%増など、中規模スーパーの地元密着型での健闘が目立ち始めているという。ドラッグストアがスーパーを飲み込むか、スーパーが巻き返すか。激しいサバイバルは今後も続きそうだ。