社会
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社会 2013年10月21日 11時00分
背水の三菱自動車 日産へ身売り5つの根拠
日産自動車と三菱自動車は先ごろ、両社の合弁会社『NMKV』で共同開発し、来年早々に軽自動車第2弾として発売する『デイズ ルークス』(日産)と『eKスペース』(三菱自)、それぞれの外観写真と内装デザインを公表した。この“奇妙な連携プレー”が、市場の憶測を呼んでいる。 「これは業界の“常識破り”だ」(市場関係者) 発売の3カ月も前にデザイン等を公開すると、発売時に新鮮味が薄れ販売に影響する。それを承知で両社がフライングしたのはなぜか−−。 実は同日、ライバルのダイハツが、人気車種『タント』をフルモデルチェンジして発売した。そこで軽では後発の両社が「後に我々が続くことを忘れるな」と花火をぶち上げた図式だが、この関係者は「もっと深い理由がある」と指摘する。 両社は昨年、折半出資で『NMKV』を設立、軽自動車の共同開発に着手し、ダイハツとスズキの2強にホンダが猛追する軽市場に参入した。今年の6月に日産は『デイズ』、三菱自は『eKワゴン』を揃って投入したものの、先行3社の壁は依然として厚い。そこで第2弾投入に際し、「今回のような奇策に打って出た背景には、本業での資本提携、もっと言えば三菱自の身売りシフトが加速しているから」(同)というのである。 決して荒唐無稽な見立てではない。昨年の世界販売がランキング17位(95万台)にとどまり、経営再建途上にある三菱自が単独で生き残れる保障はどこにもない。そのため、日産と軽自動車で合弁事業に着手した時点で「日産を後ろ盾にする作戦。シナリオは三菱グループが描いた」との観測しきりだった。 実際、三菱自はここへ来て身辺整理を急いでいる。8月には資本金と資本準備金を取り崩し、3月期末に9246億円あった累積損失を一掃した。累損を抱える企業は配当できないが、これで復配への準備を整えた。その上で今年度中に2000億円規模の公募増資を行い、最大の課題だった優先株の大半を処理する。これもまた「もちろんシナリオは、一刻も早く厄介払いしたいと願っている三菱グループが描いたもの」と、先の市場関係者が喝破する。 優先株は配当を優先的に受けられる反面、経営への関与は制限される。三菱自は2000年と'04年に大規模なリコール騒動から経営不振に陥った際、総額6000億円の優先株を三菱グループの有力企業に発行し、経営支援を受けた。ただ、優先とは名ばかりに一度も配当を行っておらず、これを普通株に転換した会社もある。そのため、三菱御三家(三菱東京UFJ銀行、三菱商事、三菱重工業)などは、今も約3800億円分の優先株を保有している。これを三菱自は「増資マネーで簿価を下回る価格で買い入れて償却し、身辺を整理する段取りになっている」(同)という。当然、御三家との綿密なすり寄せがなければ不可能だ。 これが日産との軽連合に続く身売りシフトの根拠だが、第3点はスリーダイヤの金看板を抱く企業にしては珍しく、三菱自には外部との提携にアレルギーが少ないことだ。 同社は'00年に独ダイムラークライスラー(現ダイムラー)から34%の出資を仰ぎ、傘下に入った。ところが次々に不祥事が発覚すると、'05年に“三くだり半”を突きつけられる。三菱グループが全面支援に乗り出したものの、丸抱えリスクを懸念した三菱御三家は、仏プジョー・シトロエングループとの資本提携を模索。しかし、優先株問題がネックになって破談している。 つまりグループにとっては、軽でタッグを組む日産との“縁談”にも抵抗感がないとの見立てがもっぱらなのだ。 実際、今年の6月に両社が合弁事業での軽自動車を市場投入した際、日産の志賀俊之COO(最高執行責任者)と三菱自の益子修社長は握手して記者会見に応じている。企業提携はトップ同士の相性が核となるだけに、2トップが“ツーカーの仲”であることは大きなポイントになる。これが根拠の第4点だ。 第5は電気自動車(EV)である。両社がトヨタ、ホンダの推すハイブリッド車には目もくれず、EV路線を歩んでいることが背中を押す。ただ、急速充電器の普及が遅れていることもあって、日産はルノーと合わせてやっと10万台、三菱自は1万台弱の販売台数にすぎない。 「とはいえ、両者がタッグを組めばEV市場が活気付く可能性があり、知恵者揃いの三菱グループ首脳が策を弄さないわけがない。相次ぐリコール騒動を起こしたグループの“恥さらし”三菱自を売り払って初めて安心できる。既に外堀を埋めた今、もう手段は問いませんよ」(前出・市場関係者) 果たして、日産のカルロス・ゴーン社長にどんなアメ玉を用意するのか。けだし見ものである。
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社会 2013年10月20日 15時00分
森永卓郎の「経済“千夜一夜”物語」 やはり聖域は守れない
インドネシア・バリ島でTPP交渉が行われる中、政府が米、麦、乳製品、牛肉・豚肉、甘味資源作物の重要5品目の中で、一部を関税撤廃の対象として検討していることが、10月6日に明らかになった。 関税は、タリフラインと呼ばれる細目ごとに定められている。重要5品目は、586のタリフラインに細分化されている。その内訳は、コメ58、麦109、牛肉・豚肉100、乳製品188、甘味資源作物131だ。タリフラインは全体で9018あるから、重要5品目をすべて守ろうとしただけで、自由化率は93.5%にとどまってしまう。 この交渉の中で、日本は95%以上の自由化率を求められているとみられ、それに対応するために重要5品目に手を付けざるを得なくなったようだ。 政府は、影響の小さい飼料用や加工用の農産物の関税率を撤廃する方向で検討していると報じられているが、いくら飼料用や加工用と言っても、それが輸入品に置き換われば国内農業に及ぼす影響は深刻だ。 しかも、これは昨年の総選挙で自民党が掲げた「聖域が守れないのであれば、TPPに参加しない」とした公約に明確に違反する。自民党は、重要5品目に関しては、そもそも関税引き下げの交渉すらしないと約束してきたからだ。 それがいきなり関税撤廃の検討をするという。これではウソつきと呼ばれても仕方がないだろう。 今回の会合にはアメリカのオバマ大統領が参加する予定だった。中間選挙を控え、TPP参加国のルールをアメリカ基準に合わせる合意を一気呵成に作り上げることで、実績を作りたかったからだ。ところが、債務上限問題で米国議会が対立しているため、オバマ大統領は欠席を決めた。この影響もあって、マレーシアのナジブ首相は、10月6日に、「年内の妥結は時間的な余裕がなく、現実的ではない」との考えを表明した。 この状況は日本にとっては福音だった。交渉参加が遅れた日本にとって、交渉の時間が延びることになるからだ。ところが、安倍総理は逆にアメリカの主張する年内妥結に協力するよう各国に呼びかけてしまったのだ。結局、日本は、ろくな抵抗もせずに、アメリカの言いなりになるということになるのだろう。アメリカに対する全面降伏だ。 こうなることはある程度予測できた。日本は日米交渉に弱い。たとえば'94年から民主党政権が発足する直前の'08年まで、年次改革要望が日本に突きつけられた。これに基づいて日本は郵政民営化、道路公団分割民営化、時価会計の導入、そして高速道路でのオートバイの2人乗り解禁まで、あらゆる改革を実施してきた。 ところが、年次改革要望書は、日本からアメリカに対しても提出されている、日本の要求は、些末なものが多いのだが、それでも、これに基づいてアメリカが改善を実施したことは、私が知る限り皆無だ。つまり、これまでの日米交渉において、日本は、ほぼ全敗に終わっているのだ。 喧嘩の弱い人が負けたくなかったら、そもそも喧嘩をしてはいけない。それと一緒で、日本は、敗北の見えているTPP交渉に参加すべきではなかったのだ。ただ、もしかすると安倍総理は、わざと負けに行ったのかもしれない。アメリカを喜ばせるためだ。
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社会 2013年10月19日 17時59分
太ったAV女優をデブ専の売春クラブに紹介した制作会社の女を逮捕
警視庁保安課は10月17日までに、AV(アダルトビデオ)女優を、売春クラブに紹介したなどとして、職業安定法違反(有害業務職業紹介)容疑で、神奈川県横浜市神奈川区松本町のAV制作会社社員の女(35)を逮捕した。 また、紹介されたAV女優を働かせていたとして、売春防止法違反(周旋)容疑で、東京都台東区根岸の売春クラブ「巨乳・巨尻専科むっちり」の経営者ら2人を逮捕した。 女の逮捕容疑は、10月9日、売春クラブで働かされることを知りながら、AV女優(20)を紹介したなどとしている。 いずれも、容疑を認めており、AV制作会社社員の女は「AV女優を売春クラブで働かせることで、作品の売り上げも上がった」と供述している。 このAV制作会社は太った、いわゆる激ポチャのAV女優の作品を扱っていて、女は「大きい子は面倒くさがりで、仕事を探さないので、面倒見のよい自分が紹介していた」などとも、話しているという。 女は広報担当で、売春クラブから紹介料は取っていないといい、純粋にAVの売り上げアップを狙った“仕事熱心”な広報ウーマンだったようだ。 「むっちり」はデブ専の売春クラブで、女性従業員の平均体重は約90キロ。店の客が遊んだAV女優の作品を買ったり、作品の購入客がこの売春クラブを利用したりして、相乗効果があったもようだ。 同店には20〜50代の約20人の女性従業員が在籍。AVに出演経験がある女性も多数いた。JR山手線の鶯谷駅周辺のホテルに女性を派遣するシステムで、料金は60分1万5000円〜120分2万5000円。ナンバー1の22歳のAV女優の女性は、身長162センチ、バスト141のKカップ、ウエスト102、ヒップ118だった。 その女性は店の摘発後の14日、自身のブログで、「お店がなくなっちゃったので、またどこかでお会いできればいいなと思います…。お店の方たちはとてもいい人たちばかりで、このお店は本当に居心地が良かったのに残念だなぁ…」と記している。(蔵元英二)
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社会 2013年10月19日 15時00分
訪朝も完全無視 官邸内で浮きまくる飯島内閣官房参与がブチ切れ3秒前
「脱原発」の主張で自民党をビクつかせている小泉純一郎元首相。安倍晋三首相は9月30日付で次男の進次郎衆院議員を復興政務官に任命したが、これが「父親の言動を縛るための人質」(全国紙政治部記者)とまで囁かれている。 そんな脚光を浴びる小泉親子を苦々しげに見つめているのが、飯島勲内閣官房参与だろう。 「秘書として仕えた純一郎氏とケンカ別れする前、進次郎氏に政界での処世術を叩き込んだのが飯島氏でした。しかし父親の指南もあり、進次郎氏は今では飯島氏を遠ざけるようになっているのです」(自民党ベテラン議員) ただ、当の飯島氏も、小泉家に思いを馳せる余裕はなさそうだ。安倍政権の要人として、初めて北朝鮮を訪問したのが今年の5月。拉致問題の進展を狙ったもので、周囲には「事務レベルでやれることはやった。後は政治判断だけ」と、満足げに語っていた。しかし、官邸はお膳立てを無視するかのように全く動かない。事実上の“放置プレイ”に、飯島氏はフラストレーションを募らせているという。 「飯島氏を直接動かしてきたのは菅義偉官房長官です。2人は拉致被害者を帰国させる前提として、朝鮮総連が売却の憂き目にあった本部ビルを引き続き使用できるよう手を回してきた。しかし、拉致問題にこだわりの強い安倍首相が“条件闘争”に難色を示し、官邸サイドは深く関与できずにいるのです」(同) 首相から顔にドロを塗られた格好の飯島氏だが、プライベートでも頭を悩ませている。公安当局が徹底マークする新興カルト宗教団体に、何と実弟が入信したというのだ。 「飯島氏は実弟に近づく信者に電話をかけ、『俺の弟に、1回でも電話してみろ、タダじゃおかんぞ』と恫喝したのです。その様子がこの団体の機関紙に載り、官邸内で一気に肩身が狭くなりました」(政治ジャーナリスト) 肉親にカルト宗教の信者がいれば、間違いなく公安捜査の対象だ。官邸で浮いた存在になり、ブチ切れ寸前なのも当然かもしれない。
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社会 2013年10月19日 13時00分
優勝セールに激怒 孫ソフトバンクが三木谷楽天潰し全面戦争(2)
もっとも、孫社長が楽天の本丸に斬り込んだのは、パ・リーグ優勝ではしゃぎすぎた楽天にも原因があるという。例のド派手な優勝バーゲンセールだ。 念願のリーグ優勝を決めた楽天は、星野監督、三木谷オーナーの胴上げから約2時間後の9月27日午前0時から30日午前1時59分まで優勝セールを行った。看板の『楽天市場』では、星野監督の背番号77にちなんだ「77%引き」セールを行い、169万円のトヨタ・アクアが38万8700円、シャネルのバックが11万4500円、ロレックスの時計が11万6800万円といった具合。大出血覚悟の優勝セールに日本中のネット通販利用者が沸き立ったのだ。 このオキテ破りにも近い楽天商法に怒り心頭だったのがソフトバンクの孫オーナーで、その報復策として打ち出したのが、楽天の命綱である『楽天市場』へのピンポイント攻撃だったのである。 「ビジネス面ばかりだけでなく、ソフトバンクは楽天イーグルスにもちょっかいを出している。マー君と同様、今季の楽天を支えたのはジョーンズ、マギーの両大砲ですが、兄貴格のジョーンズは仙台の生活が不満のようで、不夜城にも近い博多の街がお気に入り。そこで今季の年俸(3億円)の倍額を用意して、獲得準備をしているそうです。しかも、途中帰国も容認というオプション付き。マギーもジョーンズと行動を共にする考えでいる。ソフトバンクは昨年、福岡ドーム(ヤフオクドーム)を870億円で買い取ったこともあり、優勝しないことには株主が納得しない。秋山監督も来季は3年契約の最終年。どんな手法を使っても勝ちに行くと宣言しており、まとめて強奪も十分にあり得るのです」(スポーツ紙記者) 一方で米携帯3位のスプリント・ネクステルを買収した孫社長は、シリコンバレーの一等地に白亜の豪邸を購入。ソフトバンクの米国オフィスとなるビルも二つ調達し、さらには業界4位のTモバイルUSの買収も手掛けているという。 「目標は米国シェアナンバー1。そのために、西海岸のメジャー球団の経営に参画するという情報もある。狙いの一つはマー君の獲得。ヤンキースばかりが注目されていますが、大ドンデン返しが起こる可能性もあります」(大手広告代理店) 孫社長のビジネス信条は「インターネットで買えないもののない世界を」だ。 その言葉通り、楽天から全てを買い上げてしまうかもしれない。
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社会 2013年10月19日 11時00分
金正恩元カノ銃殺事件の裏に保守派のポルノ映像流布説
8月下旬に報じられた金正恩第一書記の愛人、玄松月の公開銃殺事件が、いまだに尾を引いている。処刑の理由は“エロビデオ”に出演したからだが、実際は自由奔放でわがまま、自尊心の強い李雪主夫人が嫉妬し、叔母の金敬姫の許可を得てその存在を消したというのが真相だ。 「この事件の直後から、中国経由で雪主の淫乱映像もあるという噂が北朝鮮を駆け巡りました。玄と共に処刑された芸術団員の会話を盗聴していた警察人民保安部が『雪主も自分たちのように遊んでいた』という発言を傍受したというのです。雪主もかつて音楽団に所属しており、誰もがあり得ると信じていますよ」(北朝鮮ウオッチャー) 楽団などに所属する芸術家は高級住居を与えられ、ブランド物を身に着けることができる。虐げられている庶民と違い、羽目を外してポルノ映像を撮るようなこともあるという。 「北朝鮮は正恩時代に入って西側文化の導入が一気に進んでいる。儒教国家の基本を脅かすこうした状況を、保守的な考えを持つ長老派は好ましく思っていない。党、軍にはびこるこうした一派の多くは内心、国民にはミニスカートなどまかりならんと規制をかけさせながら、決してスラリとは見えない“おみ足”を惜しみなくさらけ出している雪主を『あのチャラ女め』と思っているはずです」(北朝鮮に詳しい大学教授) こうした筋から玄事件に引っかけ、“雪主淫乱映像”の噂が流れたとしても不思議ではない。 「実際、日本の朝鮮総連内で、北朝鮮の有名な芸術家によるポルノ映像が流通したという話が出回ったことがある。こうした話を総合すると、ご法度の“淫乱”を利用して正恩を追い落とそうとする一派は深く静かに潜航中なのです」(前出・ウオッチャー) 「規律を破ったものは誰でも消す」というメッセージが、自分の妻に向けられる日がくるかもしれない。
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社会 2013年10月18日 13時55分
優勝セールに激怒 孫ソフトバンクが三木谷楽天潰し全面戦争(1)
念願のCSファイナルステージを戦う楽天・星野仙一監督は「相手はどこでもええ、勝つから大丈夫!」と自信を隠さない。開幕24連勝のエース・田中将大に加えて優勝アドバンテージの1勝がある以上、日本シリーズ進出は決まったも同然というわけだ。 そんな指揮官とは裏腹に親会社の楽天・三木谷浩史会長は、思いもしなかった“4位ソフトバンクの総攻撃”に遭い、いかにこの難局を乗り切るかの対応に追われているという。 東北楽天イーグルスが初のリーグ優勝を決めた11日後の10月7日、ヤフー会長も務めるソフトバンクの孫正義社長は『Yahoo!ショッピング』『ヤフオク!』の出店料無料化を電撃的に発表した。これまで徴収していたストア出店料(初期費用2万1000円、月額費用2万5000円)と売り上げロイヤルティー(売り上げの1.7%〜6.0%)を10月から完全無料化し、2019年までに国内ショッピングモール市場シェアナンバー1の『楽天市場』を抜き、「国内最大の電子商取引市場を構築する」と、実質、楽天への宣戦布告をしたのだ。 「これは検索サイト『Yahoo!』を持つ孫さんだからこそできる芸当です。ショッピングモールの店子から家賃など取らなくとも、その分は広告収入の拡大で十分取り返せる。しかし、有力な検索サイトを持たない楽天はそうはいかない。店子からの収益に頼らざるを得ないからです。楽天のテナント料は出店時に6万円、月額の家賃は1万9500円から10万円。これが無料となれば、店子が『Yahoo!ショッピング』に流れるのは確実。今でこそ『楽天市場』の店舗数は約4万1000店、『Yahoo〜』が約2万店ですが、逆転するのは時間の問題でしょう。実際、10月に入り『Yahoo!ショッピング』には出店申し込みが殺到しています」(全国紙経済部記者) これまでネット通販市場はアマゾン(Amazon)と楽天が二分してきた。両社の違いは、アマゾンが自社で大量に商品を直接購入することでコストを下げ、当日配達分も含めて送料を取らずに直販する手法なのに対し、楽天はネット上にショッピングモールを作り、出店者に場所を提供してその手数料などを取る手法。Yahooも楽天方式である以上、ターゲットにしているのが楽天であることは明白である。 もう一つ。ここにきてネット通販市場に大きな動きが出てきた。これまで業界首位のヤマト運輸と共にアマゾンの商品配達を担ってきた業界2位の佐川急便が、アマゾンとの取引のほとんどを返上したのだ。関係者の間では佐川急便がYahooに寝返ったという情報もあり、Yahooがアマゾン流の“当日配達”を強化すれば、これまた楽天には大きな脅威となる。
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社会 2013年10月18日 11時45分
NHK職員が架空発注で見返り? に業者から物品を授受
NHKは10月16日、架空の音響設備工事を発注して、NHKから業者に約280万円を振り込ませていたとして、NHK放送技術研究所(東京都世田谷区)の主任研究員の男(55)を同日付で懲戒免職にしたと発表した。NHKは、同日午後、主任研究員と音響機器会社役員を詐欺の疑いで、警視庁に告訴した。 管理責任を問われ、当時の上司である同所立体映像研究部主任研究員(当時副部長)を減給、同所テレビ方式研究部研究主幹(当時部長)をけん責処分とし、当時同所所長だった理事を会長による厳重注意、当時の副所長(現所長)も厳重注意とした。 NHKによると、主任研究員は昨年3月、業者と相談してスタジオの音響設備の工事を架空発注し、NHKに279万3000円を支払わせた。実際には工事は行われず、工事をしたように見せ掛けるため、スピーカーに部品を付けるなどの偽装工作をしていた。 08年から11年まで、主任研究員は、この業者から3回にわたり、デジタルカメラやパソコンなど、百数十万円相当の物品を受け取っていたが、「不正な利得は得ていない」と話しているもよう。 架空発注は今年3月に内部通報で発覚。主任研究員は、NHKの調査に当初は架空発注を否定していたが、9月頃になって認めたという。 主任研究員と業者は十数年前に知り合い、仕事の付き合いが続いていた。主任研究員は音響の研究を担当するチームを統括し、主にスピーカーなどの開発に携わり、音響分野の国際的な賞も受賞している。 主任研究員は単独で工事を発注できる立場で、上司がチェックしていたが、04年度以降、この業者に対して、計14件約4200万円の発注に関わっており、NHKは他に不正がないか調べる。 放送技術研究所は国内唯一の放送設備研究機関で、国民からの受信料で運営されている。NHKは「NHKがコンプライアンスの徹底に総力を挙げて取り組んできたなかで、このようなことが起きたことは極めて遺憾です。視聴者の皆さまに深くお詫びします。工事の発注や完了後のチェック体制を強化するとともに、綱紀粛正に努めてまいります」としている。(蔵元英二)
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社会 2013年10月18日 11時00分
大阪を撤退した『グリー』の事情
日の出の勢いを誇っていた携帯ゲーム会社の『グリー』が、大阪オフィスを10月末で閉鎖することが明らかになった。 大阪オフィスは東京に次ぐ開発拠点として昨年6月に開設されたが、これといったヒットもないままに約1年半で撤退することになった。在籍社員にはすでに退職勧奨が始まっているという。 このあっけない撤退劇の背景には、課金制度の社会問題化によるダメージ、ソーシャルゲーム自体の業績の伸び悩みに加え、スマートフォンの急速な普及も影響を及ぼしていると見られている。 「グリーの主力であるソーシャルゲームは、ガラケーのプラットフォームで動いており、そこでプレーヤーを囲い込むことで収益を上げていた。ところが、スマホの普及のスピードが予想以上に速かったために対応が遅れてしまった。そこで開発拠点を一本化するため、大阪は撤退となったようです」(ゲームライター) あくまでも次の展開のための撤退ということらしいが、2013年6月期の決算業績は約40%の減益・減収という苦しい数字が並んでいる。 「ネットビジネスからスタートして、関連分野を足場に新たなマーケットへの進出に成功したソフトバンクや楽天のようになれるかですね。新しいゲームとしてはアダルト系も考えられますが、子供相手のイメージが定着している以上、それはちょっと厳しい。そうなると、やはり全く別の分野への進出でしょう」(元グリー関係者) 新たな時代に突入した携帯ゲーム。ソーシャルゲームの生き残りをかけた各社の“ゲーム”は、これからがクライマックスだ。
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社会 2013年10月17日 20時00分
セクハラ編集長の懲戒解雇がダメを押した『週刊朝日』廃刊危機
10月8日、「重大な就業規則違反」を理由に編集長が懲戒解雇された『週刊朝日』に対して、親会社の朝日新聞社内からも「廃刊やむなし」の声が巻き起こっている。 『週刊朝日』廃刊への動きは、すでに昨年10月の橋下徹大阪市長の出自を巡る記事掲載・全面謝罪の直後からあったという。 「関西では不買運動も起き、販売部数は20万部を大幅に切った。いっそ廃刊するか、『AERA』と統合してはどうかという声が上がっていたのです」(朝日記者) そんな危機的状況に追い打ちをかけたのが、今回の編集長解雇劇だった。 「“就業規則違反”とはセクハラで、20代の女性契約記者が酒席などで体を触られたり、社員登用を条件に肉体関係を求められたというものだった。しかも、この女性記者と同様の経験がある女性記者たちが連名で抗議したことから、騒ぎは大きくなった。その後の各種事情聴取などから、さまざまなセクハラを受けた女性は少なくとも8人に及んだといいます」(同) セクハラの主、K元編集長(53)に関して某同僚が言う。 「元々は朝日新聞の社会部などに籍を置いていましたが、離婚歴があり、とにかく女性に手が早い。女子大生らと合コンなどで親密になったのはいいとしても、『女性社員と寝た』などと平然と話すのには驚きましたよ」 K元編集長は昨年秋、橋下騒動後の組織の立て直しのため副編集長からの抜擢人事を受けたわけだが、これを自覚していなかったと言われても仕方がない。 「版元の朝日新聞出版は同時に人権研修などを始めていたが、親会社である朝日新聞社はほぼノータッチ。“分社化前だったら原稿の確認や関係者との調整もあったが、今はする必要性もない”という突き放した考え方が主流です。かつては朝日新聞の記者が活躍していましたが、現在は朝日新聞出版サイドでの採用となり、それも契約記者の占める割合が増えている。これが今回の“就業規則違反”につながったとの指摘があります。急落した販売部数の巻き返しや人的なテコ入れ策もなく、幹部らも『打つ手がない』と頭を抱えています」(出版関係者) 朝日は昇らない。