社会
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社会 2013年10月08日 15時00分
堺市長選惨敗で大阪都構想頓挫 橋下維新が四分五裂の内ゲバ暴露(2)
ただ、気になるのは今後この不満がさらに増幅した場合、維新がどんな経過をたどるのかという点だろう。それには、四分五裂の崩壊劇が予想されているのだ。 引き金となるのは、やはりかねてから報じられ続けてきた旧『太陽の党』との分裂のようだ。 「敗戦直後から、石原氏が束ねる東軍(旧『太陽の党』議員)との確執が顕著となり始めたが、もともと旧『大阪維新の会』系議員と平沼赳夫や藤井孝男、園田博之らは水と油だった。そのため、早晩三くだり半を突き付け、分裂するとみられているのです。石原氏が憲法改正に前のめりなことから、今後、東軍は自民党との合流も指摘されているほどなのです」(全国紙政治部デスク) また、これとは別に在籍議員らの“液状化現象”が起きることも、ほぼ確実とみられている。 「これまで圧倒的な強さと人気を誇った橋下代表だけに、一地方選とはいえ参院選に続き惨敗したことは致命的。今後、議員の離脱が起きることは確実で、起きた場合は、『止められないだろう』と松井幹事長も周囲に漏らしている。だいたい竹山氏が維新を見限ったのも、橋下代表の求心力に陰りが見えたから。今では議員離党の雪崩現象が起きると、予想する者もいるほどなのです」(別の維新関係者) つまり、早晩、維新はこの分裂と議員離党の液状化現象でガタガタになっていくというわけだが、その一方ではさらに橋下氏を追い詰める事態も、持ち上がっている。 以前から、同氏は衆院の解散時期に当たる3年後を見越し、維新中心の野党再編を目論んでいたが、今回の堺市長選の惨敗でそれが水泡に帰す可能性が極めて高くなり始めているのだ。 前出の政治部デスクがこう明かす。 「維新中心の本格的な野党再編に敵対心を持っていたみんなの党の渡辺喜美代表などは、堺市長選の惨敗ぶりに小躍りしているという。今後は、みんなの党と海江田万里代表率いる民主党を中心にした再編ペースとなるのは、確実なのです」 もっとも、一敗地にまみれた橋下氏も、この状況にただ手をこまねいているわけではないという。 「確かに現在は肩を落としているが、すでに橋下は水面下で逆襲案を練っていると評判です。維新の幹部筋によれば、対抗策としてみんなの党や民主党の反体制派議員の集結を画策している。江田憲司(みんなの党前幹事長)や離党した柿沢未途(同前政調会長代理)、前原誠司(民主党元代表)らと連携し、分裂や液状化現象が起きた際に合流しようとしているようです。またこれとは別に、親密関係にある菅義偉官房長官と連携。自民党と政策談合し、同党の別動隊として維新の力を温存しようと躍起なのです」(前出・在阪政治部記者) 一地方選の勝敗に端を発したこのチキンレース。負けて“倍返し”を食らうのが、誰なのかが見モノだ。
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社会 2013年10月08日 11時45分
SMクラブ女王様が客の男性器に注射器刺して御用
なんとも、“痛〜い”サービスを売りにしていたSM女王様が御用となった。 京都府警サイバー犯罪対策課と下京署は10月4日、医師免許がないのに客の男性器の採血などをしたとして、医師法違反の疑いで、風俗店経営の女(43=大阪府大阪市浪速区恵美須西)を再逮捕した。 再逮捕容疑は、今年6〜9月、大阪府内のホテルで、兵庫県明石市の会社員(52)ら男性3人に対し、無資格で注射器を使い男性器から採血したり、針と糸で縫合したりといった医療行為をした疑い。 府警によると、女は派遣型風俗店を経営しており、自身もSM女王様として、接客していた。注射器や針を使った採血や縫合は、約8年前に別の風俗店で勤務していた時に始めたといい、同店のサービスとして日常的に行われていたもよう。 女は「8年前から客の求めに応じて針プレーをしていた。出血はあるが、私は血を見ても大丈夫だったし、客が喜んでくれたので、自分に合ったプレーだと思った」と供述し、大筋で容疑を認めている。 女は9月17日、店のブログに男性器の写真を、モザイクをほとんどかけずに掲載したとして、わいせつ電磁的記録媒体陳列の疑いで逮捕されていた。ブログに採血や縫合をした写真が掲載されていたため、今回の犯行が発覚。写真やブログの本文に記載されていた客のニックネームなどから、3件の犯行を特定した。これらの行為は男性客と合意の上だったため、傷害容疑での立件は見送った。 府警は女の自宅から、注射器やメス、手術の教本などを押収し、入手経路を調べている。(蔵元英二)
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社会 2013年10月08日 11時00分
毎日新聞がキャッスルH株売却 新たな憶測飛び交う経営事情
毎日新聞が保有するホテル運営会社・キャッスルホテルの株式37%のうち35%を、医薬品や医療機器などのメーカーである興和に売却、なにかと憶測を招いている。 キャッスルホテルは毎日新聞が筆頭株主で、傘下にキャッスルホテル、ウエスティングナゴヤキャッスル等がある。毎日新聞グループホールディングス(GH)の持分法適用会社に当たり、推定売却価格は25〜30億円程度とみられている。 ナゴヤキャッスルは'55年に創業し、'13年3月期の売上高は101億円、純利益は1億円で、4年ぶりに黒字を達成した。 かたや興和は、名古屋観光ホテルを所有。キャッスルホテルを買収することでホテル事業の強化を狙うようだ。 毎日新聞はキャッスルホテルの売却について「経営資源の集中」としているが、なぜこの時期に、との疑問も向けられている。 ちなみに、毎日新聞GHの経営がかなり悪化しているか、といえばそうでもない。持ち株会社毎日新聞GHの、直近である平成25年3月期決算は連結売上2387億円(前期2432億200万円)、経常利益22億6300万円(22億5000万円)と前年を下回ったが、純利益は5億1400万円(9億7100万円の赤字)。単純に利益だけを見れば前々期はよくなかったが、前期は持ち直している。 あるOBはこう言う。 「毎日新聞GHがキャッスル株を売却して手にした額は、同社の経常利益額程度。この辺りが気がかりです」(新聞業界関係者) また、大胆な別の見方をする新聞業界関係者もいる。 「今年1月、朝日新聞の木村伊量社長が『消費税導入で新聞業界は食うか食われるかの戦いになる。体力のない新聞社はギブアップするところも出てくる』と新聞に軽減税率を適用するよう訴えた。そこで注目されたのが、資金繰りに苦しんでいた当時の毎日新聞。今回キャッスルホテルの株を売るのを、木村社長は薄々知っていたのではないか。その読み通り、毎日はホテル株売却を発表した。この出来事は、新聞社が軽減税率導入を進めていくのにインパクトのある材料となったといえる」 軽減税率をめぐる新聞業界の迷走は続きそうだ。
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社会 2013年10月07日 15時00分
堺市長選惨敗で大阪都構想頓挫 橋下維新が四分五裂の内ゲバ暴露(1)
ついに、『日本維新の会』(橋下徹共同代表)分裂の導火線に火が付き始めた。 9月29日に投開票を迎えた大阪府の政令指定都市・堺市の市長選は、大阪維新の会が擁立した西林克敏候補(43)が大惨敗。自民、民主が推す現職の竹山修身市長(63)に5万8000票の大差で完敗したが、これが原因で「いよいよ、維新の瓦解が始まる」との声が維新内部からも噴出しているのである。 府議会関係者がこう話す。 「そもそも、今回の騒動は4年前に維新の全面支援で当選した竹山氏が、大阪都構想に反旗を翻したことが発端。橋下代表は恨み骨髄の“竹山潰し”を行ったが、『都構想で吸収合併され、大阪市の莫大な負債を背負わされてはたまらない』とする堺市民の怒りを買って撃沈した。そのため、維新内部には『もはや大阪都構想の実現はムリ』との声が蔓延。今後、組織が急速に空中分解する可能性が確実視され始めたのです」 また、在阪の政治部記者はこう語る。 「今回の惨敗ぶりは、見るも無残な状況だった。竹山殲滅を目指す橋下は、読売テレビの人気アナを擁立しかけたが、すげなく断られて維新幹部の西林氏を擁立したほど。また、『堺をなくすな』と竹山氏が郷土意識を駆り立てると、『堺なくなる詐欺だ!』『20年後に大阪五輪を招致』などと応酬。さらに、石原慎太郎共同代表が『選挙に負けても橋下代表は辞めさせない』と煙幕を張る始末だった。その対応はまさに後手後手で、この不満が維新内で爆発しかかっているのです」 要は、今夏の参院選に続き、「攻めには強いが守りには弱い」橋下氏の政治感覚の無さが露呈しまったことから、組織内の不満が一気に増幅。今後、内部分裂が起こる可能性が極めて高まっているのである。 ちなみに、党内に蔓延する不協和音は、すでに橋下氏も織り込み済み。堺市長選の惨敗時には、「なんで(共同代表を)辞める必要があるのか」と開き直ったが、その裏ではすでに組織内を舞台にした暗闘も始まっているという。 「総力を挙げて“竹山潰し”に奔走しただけに、橋下氏のショックは相当なもの。マスコミには強気の姿勢を見せたが、水面下では犬猿の仲だった平沼赳夫議員らの突き上げにタジタジなのです。また、これに呼応するように『選挙で負けても橋下氏を慰留する』と、伏線を張った石原氏も、一段、距離を置き始めた。これに松井一郎幹事長も大慌てなのです」(維新関係者)
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社会 2013年10月07日 11時45分
33歳の男が生徒装い高校に侵入し女子高生の制服盗む
この男の女子高生の制服への執着心は、尋常なものではなかったようだ。 熊本県警熊本北署は9月29日、同県熊本市内の私立高校に侵入して、女子生徒の制服を盗んだとして、契約社員の男(33=福岡県福岡市東区千早)を建造物侵入と窃盗容疑で逮捕した。 逮捕容疑は、同日午前10時10分頃、熊本市中央区の私立高の教室に侵入し、机の上に置いてあった女子生徒の制服の上下3着(2万1000円相当)を盗んだ疑い。 男は「盗んだのは間違いない。どうしても、この高校の女子の制服が欲しかった」などと供述し、容疑を認めている。 同署によると、男は怪しまれぬために、この高校の男子生徒の制服を着て学校に侵入。男子の制服は犯行のために、わざわざ購入したのだという。 この日は同校で文化祭が開催され、一般の人も校内に入れる状況だった。生徒たちは体操服に着替えて教室から離れており、女子生徒の制服も教室の机の上に置いてあったため、容易に盗むことができたようだ。 ところが、30を過ぎたオッサンが制服を着て、げた箱付近をうろついている姿を見た生徒が不審に思い、教職員に報告。教職員が学校から出て行こうとする男を捕まえて110番通報し、駆けつけた署員に引き渡した。 男はこの高校の女子生徒の制服を盗むために、事前に男子生徒の制服を買った上、新幹線とバスを乗り継いで、自宅のある福岡から熊本まで来たというから、その執着心には恐れ入る。しかし、男子生徒に扮したことが、結果的に目立って発覚し、アダとなってしまった。(蔵元英二)
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社会 2013年10月07日 11時00分
京都・祇園スパイ事件 歓楽街に潜む中国人ホステスの甘い罠(1)
先ごろ、京都・祗園の中国人クラブ(すでに閉店)で、ママやホステスが、先端技術を扱う企業の社員から企業情報を収集していた疑いが浮上した。かねてから企業情報が中国人のスパイ活動によりダダ漏れする事件が後を絶たないが、今回舞台となったクラブの中国人女性は、揃いも揃って美人ばかりという話。果たして、どんな“甘い罠”が仕掛けられていたのか。 事の発端は、ママが関わったとされた偽装結婚事件だった。 「今年6月、京都府警が虚偽の婚姻届を提出したとして、公正証書原本不実記載・同行使(偽装結婚)容疑で、元陸上自衛隊桂駐屯地の陸曹(53)と、中国人国籍の女(31)を逮捕したのです。この元自衛隊員が入り浸り、女が働いていたのが問題となっている祗園のクラブ。偽装結婚に関してママも取り調べを受け書類送検されましたが、起訴猶予になっています。しかし関係者等の話から、一方で同店を拠点に従業員が諜報員となり、客として遊びに来たハイテク関連企業の社員や大学教授、自衛隊員などから言葉巧みに情報を集めていた可能性が高まっているのです」(社会部記者) 同店は、八坂神社に近い歓楽街の一角にある。地元住民や観光客の通行も多く、諜報員等が紛れて行き来するとすれば好都合な立地条件だ。 「'07年に開店した同店は、美人で人懐っこいママの人気でまずまず繁盛し、常時7〜8人はいたホステスはいずれも中国系の美人。値段は祗園内で高級店といっても、1人2万円程度なので比較的リーズナブルでした。そのため、京都に本社を置く企業や官公庁の接待に使われることも多かったようです」(地元黒服) 同店近くの飲食店店主は、ママについてこう語る。 「あそこのママは、近所でも評判の美人でした。日本語も堪能で、原色系の派手なデザインの服を着てましたね。ただ、いつもどこか悲しそうな目をしていたのが印象に残っています」 そんな容姿と表情が客を虜にしたのか。店内の様子を垣間見る、こんな情報もある。 「客の中には、ホステスに会社から持ち出した製品の設計図を見せていた技術者もいたといわれています。さらに、ホステスと懇ろになり抜き差しならなくなってしまった技術者や、多額の報酬を得て情報を売り渡していた者もいたという話、加えてママが中国共産党幹部の親族という情報まであるのです」(前出・社会部記者)
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社会 2013年10月06日 15時39分
世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第46回 本当に怖いユーロの話
ユーロ加盟国であるギリシャの失業率悪化はとどまるところを知らず、ついに27.9%と、28%目前に達した('13年6月)。特に、若い世代の雇用環境が深刻で、若年層失業率は58.8%である。 ギリシャが雇用問題を解決するためには、アベノミクスばりに「金融政策」と「財政政策」のパッケージで、失業対策を実施するしかない。 金融政策と財政政策を同時に実施すると、インフレ率は上昇するが、現在のギリシャは日本以上に物価上昇率が低迷している状況にある。日本がアベノミクス効果により、物価上昇率が何とか「ゼロから上」に顔を出そうとしているのに対し、ギリシャは8月時点でもマイナス幅を拡大している。現在のギリシャは、日本以上に深刻なデフレーションに苦しめられているのだ。 元々、国内のモノやサービスを生産する能力、つまりは供給能力が不足気味で、国民の需要を満たすことができず、高インフレや貿易赤字が常態化していたギリシャが「デフレ」なのである。バブル崩壊後のギリシャ国内の需要の縮小たるや、恐るべきペースとしか言いようがない。 現在のギリシャが失業率を押し下げ、経済を成長路線に戻すためには、前述のように金融政策と財政政策のパッケージ以外にありえない。すなわち、普通のデフレ対策をすればいいのだ。 ところが、ギリシャは「構造的」に正しいデフレ対策を実施することが不可能になっている。 何しろ、ギリシャ政府は独自の金融政策を採ることができない。全てのユーロ加盟国は、金融政策の権限をECB(欧州中央銀行)に委譲している。さらに、ギリシャ政府は財政的な主権も奪われつつある。EUやIMFから緊急融資を受けた代償として、公務員削減などの緊縮財政を強要されているのだ。ゆえに、現在のギリシャには金融政策、財政政策の主権はない。 金融、財政という二大主権を喪失している以上、ギリシャ政府の雇用対策は限定されざるを得ない。結果的に、国民は貧しくなり、政府の目的である「経世済民」が全く達成できていない。 なぜ、このような事態になったのか。というよりも、ユーロを「設計」した人たちは、現在のギリシャのように出口のない状況に追い込まれる国が出現することを、事前に予見しなかったのか。 実は、予見していた、というのが正解のようなのである。2012年6月26日、イギリスの大手紙ザ・ガーディアンズのグレッグ・パラスト記者が「Robert Mundell, evil genius of the euro(ロバート・マンデル、ユーロの邪悪なる天才)」というタイトルで、共通通貨ユーロの「設計者」であるマンデル教授(元シカゴ大学、現コロンビア大学)の「構想」をすっぱ抜いた。ロバート・マンデル教授とは、新古典派経済学の権威で、金融緩和論者が好む「マンデル・フレミング・モデル」の産みの親でもある。 パラスト記者が直接マンデル教授から聞いた話として、ユーロとはそもそも「危機の時に真価を発揮する」システムとして設計したとのことである。 何の話かといえば、為替レートに対する政府の干渉を排除することで、不況期に「ケインズ的な金融、財政政策」を採りたがる厄介な政治家を「妨害」することができる、という話なのだ。 「政治家の手が届かないところに、金融政策を置く。金融政策と財政政策が使えないとなると、雇用を維持する唯一の解は、競争力を高めるために規制を緩和することのみである」 と、マンデル教授は語った。 経済危機に陥ったにもかかわらず、民主主義により選ばれた政治家がケインズ的(あるいはアベノミクス的)な政策を打てないとなると、マンデル教授の発言通り、政府は「規制緩和」を推進するしかない。 規制緩和や公共サービスの民営化が断行されれば、元々は無関係だったグローバル資本の「ビジネス」が生まれる。ユーロの加盟国が危機に陥り、手足を縛られた政府が規制緩和、民営化をすることで、「所得上位層1%」のグローバル投資家の所得が拡大するわけだ。「お見事!」としか言いようがないシステムである。 マンデル教授はパラスト記者に対し、ユーロというシステムを構築することで「民主主義が市場価格に干渉することは、許されなくなる」とも語っている。 当たり前だが、金融政策にしても財政政策にしても、国家の主権の一部である。現在のユーロ加盟国は、民主主義により選出された政治家ですら、自国の主権を行使できなくなっているのだ。 現在のギリシャ政府は、ユーロに加盟した結果、危機に直面してすら、金融政策も財政政策も打てない。結果的に、実際にギリシャ政府は公共サービスの民営化や、国有財産の売却を進めている。 通常では「あり得ない破格な価格」で公共サービスや国有財産を購入できるわけで、今のギリシャはユーロ圏のグローバル資本にとっては、実に美味しい市場となっているのだ。 元来、新古典派経済学やグローバリズムは、「民主主義」を嫌悪していた。民主主義は彼らが愛する「市場」を歪めてしまうためである。 結果的に、マンデル教授を代表とする経済学者たちが「机上」で考案し、「政治」を排除する形で設計した共通通貨のシステムこそが「ユーロ」なのである。ユーロ圏3億2600万人の人達は、経済学、経済学者らによる「社会実験」に放り込まれた、という話だ。 信じがたいかも知れないが、これがユーロの現実である。三橋貴明(経済評論家・作家)1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、わかりやすい経済評論が人気を集めている。
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社会 2013年10月06日 15時37分
『半沢直樹』大ヒットも効果なし TBSHD株価が下がった事情
TBSドラマ『半沢直樹』の最終回は9月22日に放送され、24日にわかった関東地区の平均視聴率は42.2%だった。平成でトップのお化けドラマといえよう。 そのため、TBSホールディングスの株価もさぞ急上昇と思われたが、逆に下がってしまったのだ。初回が7月7日に放送された『半沢』だが、翌7月8日のTBSHDの終値は1336円だった。だが、最終回の視聴率が出た24日の終値は一時前日比3円安の1311円に落ちている。 なぜなのか。ある証券会社のチーフストラテジストはこう言う。 「番組の間に流すスポットCMの増加は期待できるが、TBSは作品やスピンオフ作品の映画化といったマルチメディア展開はあまり上手ではない。そのため、一番組の成功だけでは買いを入れにくい」『半沢』だけのヒットでは、株価上昇の要因とならないのだ。 そこで、視聴率と株価の動きを分析してみた。 まず、初回(7月7日)19.4%、2回(7月14日)が21.8%、3回(7月21日)が22.9%と視聴率は右肩上がり。だが、TBSHDの株価は反応せず、4〜5回目まで1300円〜1350円辺りを乱高下している。 7回(8月25日)では30%に達したが、翌26日は終値1295円で前日比13円安と元気がない。さらに、8回(9月8日)32.9%、9回(9月15日)35.9%、10回(9月22日・最終回)には42.2%という驚異的な数字をはじき出した。しかし、9月9日分の終値は1281円、17日分が1295円、そして24日は1311円とほとんど動きがない。 「TBSの7月クールは『半沢直樹』というビッグヒットがあったが、他の『名もなき毒』『ぴんとこな』『なるようになるさ』等がいずれも10%前後と失速している。さらに、8月は視聴率万年4位を抜け出して3位になったが、これも一時的なものにすぎないという低評価です」(テレビ業界関係者) 株価の“倍返し”とはいかず、TBSHDに立ち込める霧は濃いままだ。(編集長・黒川誠一)
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社会 2013年10月05日 17時59分
銀行支店長が女子大生のスカート内を盗撮
兵庫県警明石署は10月1日、駅のホームで女性のスカートの中を盗撮したとして、県迷惑防止条例違反の疑いで、但馬銀行(本店=同県豊岡市)渦ケ森(うずがもり)支店(同県神戸市東灘区)の支店長の男(48=同県加古川市加古川町)を逮捕した。 支店長は「撮影したことに間違いない」と容疑を認めているという。 逮捕容疑は、9月30日午後11時5分頃、同県明石市大蔵谷狩口のJR朝霧駅のホームで、女子大学生(22)に後ろから近づき、スカート内をスマートフォン(高機能携帯電話)で撮影したとしている。 同署によると、支店長は盗撮に気付いた女子大学生に問い詰められ、ホームに到着した電車に飛び乗った。女子大学生も追いかけて乗車したが、ドアが閉まる直前に飛び降りて駅から逃走。しかし、近くにいた他の乗客らが約100メートル追いかけて捕まえて、駆けつけた同署員に引き渡したという。 但馬銀行は同県内で、地域に根差した営業を展開する地方銀行。同県を中心に75店舗を保有し、従業員数は727人(3月現在)。明治30年(1897年)に美含銀行として設立され、昭和7年(32年)に香住銀行に、昭和31年(56年)に現在の但馬銀行に商号を変更した。平成9年(97年)には創業100周年を迎えた老舗だ。 地方銀行とはいえ、支店長の座まで上り詰めることができるのは、ひと握りの人材だけ。そこにたどり着くには、並大抵の努力ではなかったはず。この支店長はハレンチ行為で、その努力で築いた立場も失ってしまうのだろう。(蔵元英二)
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社会 2013年10月05日 11時00分
赤字地獄で第二の国鉄? 夢のリニア新幹線 大いなる5つのリスク
JR東海は9月18日、社運を懸けた巨大プロジェクト、リニア中央新幹線の東京(品川駅)-名古屋間の詳細なルートと駅の位置を公表した。今年度中に国の認可を得て、来年夏にも着工する予定だ。 2027年の開業を目指す東京-名古屋間は40分、2045年が目標の全線開通となれば、東京-大阪間は67分と、新幹線の半分以下の時間で結ばれることになる。将来は“通勤圏”になり得るかもしれない。 ところが、この“夢の乗り物”の前途を危ぶむ声が多く聞こえている。 新幹線は国と地元自治体、JRが費用を負担し合うのが一般的。しかし現在、北海道、北陸、九州の整備新幹線が進行中であり、リニアを同じ枠組みで建設すれば後回しにされかねない危機感を持ったJR東海は、単独のプロジェクトを決断した。とはいえ、今年3月期で連結売上高1兆5853億円、営業利益4261億円だった同社にのしかかる負担は重い。大いなるリスクへの懸念がくすぶっているのはこのためだ。 その第一は、時速500キロ超で走るリニアの消費電力。新幹線に比べると、約3倍近くに膨らむことにある。東電管内では福島原発事故の影響で再稼動の見通しが立っていない。そこへ“電力食い”のリニアが1時間当たり10本運航する。これでは電力需要がピークを迎える夏場の安定確保に支障を来しかねない。 山田佳臣社長は18日の会見で「電力がない状態のシナリオに基づいていない。日本が立ち直れるための手段が講じられるはずだ」と言葉を濁したが、市場には「東電を含めた原発再稼動を前提にしている」との冷ややかな観測さえ飛び交っている。 第二は富士山大爆発や地震などの災害リスクだ。リニアは10センチ浮上して走ることから脱線のリスクが低く、災害に強い構造とされている。だからこそ、大動脈である新幹線のバイパスとしての機能が期待されている。 とはいえ、東海地震や南海トラフ地震などに直撃されれば地下トンネルでの立ち往生、火災発生など不測の事態に陥らないとも限らない。それにどう対処するか−−。損害賠償リスクを抱え込むだけに将来に火種を抱え込む構造だ。 JR東海は運賃収入の約9割を新幹線で稼ぎ出す。バイパスのリニアがドル箱路線と競合すれば、結果的に「共食い」の事態を招きかねない。これが第三のリスクである。 東京発の東海道新幹線利用者のうち、新大阪までの客と名古屋で降りる客の割合は、ほぼ6対4の割合とされている。当面は名古屋止まりでも商売になるとソロバンをはじいたようだが、関係者が耳目を疑ったのはその料金だ。東京-名古屋は、のぞみ指定席にプラス700円程度、東京-新大阪も、わずか1000円程度の上乗せにとどめ、割安感をアピールしている。 要は採算性を度外視したプロジェクトであり、従来の新幹線の客を奪うことが存在感のアップにつながるのだから皮肉である。 第四のリスクは、大いなる金食い虫事業に陥ることだ。前述したようにJR東海は東京-名古屋で5兆4300億円、東京-新大阪の全線開通で9兆円の工費を見込んでいる。だが、その枠内で収まるとは誰も思っていない。 プロジェクトが東北復興、東京オリンピックと同時進行で進めば資材不足に拍車が掛かり、これが工費高騰を招くのは明らか。リニアの86%は地下やトンネルが占め、難工事が避けられないことから「下手すると予算額の倍近い出費を強いられる」(アナリスト)との声さえ聞かれる。 さらに厄介なのは政治介入だ。これが第五のリスクである。JR東海は駅の建設費用3250億円を全額負担する。当初は自治体に負担を求めていたが、一部に「血税注入はまかりならん」と反発する動きがあったことから、全額負担での見切り発車を決めた経緯がある。これに小躍りしたのが滋賀、京都など。現状ではルートから外れているため「是非ルートを大きく曲げて新駅を」と猛アタックしている。永田町関係者が苦笑する。 「東京オリンピックまでに東京-名古屋間を開通させろ。それが無理なら東京-甲府間でもいい、と騒々しい。一方、品川駅発着よりも東北、北陸と直結する東京駅始発が望ましいと、選挙を意識した連中も横ヤリを入れる始末」 大手シンクタンクは東京-名古屋開通の経済効果を10.7兆円、大阪まで開通した場合は16.8兆円と試算している。工費とのギャップは、それぞれ5兆円強と8兆円弱。予想される工費の急騰を加味すれば経済効果とそう変わらない可能性もある。 悲鳴を上げるのを承知で突き進む巨大プロジェクト。“夢”のままで終わらなければいいのだが。