大阪オフィスは東京に次ぐ開発拠点として昨年6月に開設されたが、これといったヒットもないままに約1年半で撤退することになった。在籍社員にはすでに退職勧奨が始まっているという。
このあっけない撤退劇の背景には、課金制度の社会問題化によるダメージ、ソーシャルゲーム自体の業績の伸び悩みに加え、スマートフォンの急速な普及も影響を及ぼしていると見られている。
「グリーの主力であるソーシャルゲームは、ガラケーのプラットフォームで動いており、そこでプレーヤーを囲い込むことで収益を上げていた。ところが、スマホの普及のスピードが予想以上に速かったために対応が遅れてしまった。そこで開発拠点を一本化するため、大阪は撤退となったようです」(ゲームライター)
あくまでも次の展開のための撤退ということらしいが、2013年6月期の決算業績は約40%の減益・減収という苦しい数字が並んでいる。
「ネットビジネスからスタートして、関連分野を足場に新たなマーケットへの進出に成功したソフトバンクや楽天のようになれるかですね。新しいゲームとしてはアダルト系も考えられますが、子供相手のイメージが定着している以上、それはちょっと厳しい。そうなると、やはり全く別の分野への進出でしょう」(元グリー関係者)
新たな時代に突入した携帯ゲーム。ソーシャルゲームの生き残りをかけた各社の“ゲーム”は、これからがクライマックスだ。