社会
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社会 2013年12月09日 11時00分
軍事衝突最高レベル 自衛隊・米軍が中国軍スクランブル制圧(1)
領海ばかりか、我が国の領空をも脅かし始めた中国が一転、恐怖に慄きだしているという。 ご存じの通り、中国は11月23日に尖閣諸島を含む東シナ海上空に「防空識別圏」を独断設定。これに米国が烈火のごとく猛反発したことから、軍事衝突もかくやという“一触即発”の事態に陥っているのだ。 政治部記者がこう語る。 「尖閣強奪を狙い、日本の領海を侵犯し続けてきた中国は、空域の制圧を目論む軍部の声に押されて『防空識別圏』を設定。これに従わない外国機は撃ち落とすと警告したのです。ただ、今ではそれが“大いなる誤算”ともっぱら。中国は『識別圏』を設定すれば、シリアへの軍事介入に失敗、10月には国債が債務不履行寸前にまで追い込まれたオバマ政権が、これを黙認すると読んでいた。ところが、そのナメきったやり口が米政府の怒りを買い、身動きが取れなくなってしまったのです」 実際、米国は中国が「防空識別圏」を発表するや猛反発。数時間後にはケリー国務長官とヘーゲル国防長官が会見に及び、「日中が衝突した際には日本を守る」と、その卑劣さを真っ向から批判したのだ。 また、11月26日には中国当局に通告せずに米軍の戦略爆撃機『B52』2機が尖閣諸島上空を悠々と飛行。翌27日〜28日には米海軍原子力空母『ジョージ・ワシントン』や米イージス艦6隻、米軍艦載機75機が沖縄本島周辺海域を航行。海上自衛隊のヘリ搭載型大型護衛艦『ひゅうが』などの護衛艦15隻と自衛隊機50機とともに、実戦さながらの演習を行ったのである。 「しかも、中国を“仮想敵国”と見なした米国の動きはこれだけではなかった。潜水艦や艦船への探知、攻撃能力を持つ最新対潜哨戒機『P8』6機を12月1日付で沖縄嘉手納基地に配備すると発表。地上戦まで想定した軍備を行いだした。また、その一方で米国のこうした支援を背景に日本は中国側への民間航空機の飛行通告をストップさせ、自衛隊機、海上保安庁の航空機を中国の識別圏に従来通り飛行させるよう指示したのです」(防衛省担当記者) ちなみに、この米国の強靭姿勢に恐れをなした中国側は、同国の『新華社通信』が11月29日になってこんな報道を伝えたほど。 〈中国空軍の報道官によれば、日本の早期警戒管制機『E767』や自衛隊主力戦闘機『F15』など10機と、米軍哨戒機『P3』などの偵察機2機が防空識別圏に入ったことを確認。(中国の)主力戦闘機『スホイ30』と『殲11』が29日午前にスクランブルをかけた〉 ただし、日本の防衛省によれば、そうした事実は全く見受けられず、苦し紛れのデマだったことが露呈しているのである 一連の報道を軍事評論家がこう分析する。 「これは、中国が米国の虎の尾を踏んでしまったことに恐怖を抱き、その対応にあり得ないほどオタつきだした証拠。拳を振り上げたものの、予想を遥かに超える米国の逆鱗に度肝を抜かれてしまっているのです。ただ、自国民に対しては弱腰姿勢を見せられない。そのため、戦闘機が緊急発進したと偽報道をさせた疑いが極めて高いのです」
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社会 2013年12月09日 11時00分
住友化学ワイロ事件でダメを押した米倉経団連会長の“悪評”
住友化学シンガポール現地法人の外国人社員2人が、カンボジア政府高官に総額約2600万円を供与したとして懲戒解雇された。2003年ごろからカンボジアのマラリアセンター所長らと接触、情報リークを受けて防虫剤入りの蚊帳を受注した見返りに、受注額の2.8〜6.5%を手数料名目で個人口座に振り込んでいたという。 いかにも古典的な贈賄手法だが、これで顰蹙を買ったのが経団連会長でもある同社の米倉弘昌会長の釈明。いわく「カンボジアでは入札の際に『お金を出せ』という極めて不可解なことを言われていた。我々の理解に苦しむところがあった」と言い放ったのだ。平たく言えば「当社は現地の商習慣にならって賄賂を贈った。当社こそ被害者なのだ」と開き直ったのである。 「カンボジアにとって日本は最大の援助国。これでODAマネーの運用先に飛び火すれば目も当てられませんよ」(商社関係者) そんな事態を密かに恐れたのか、記者会見した同社コーポレートコミュニケーション室の安藤洋部長は「不正行為は厳粛に受け止めている。国内外のグループ会社で再発防止に努める」と、言葉少なに語った。しかし、別途会見した米倉会長の開き直りが、会社側の“配慮”に冷や水を浴びせた格好になってしまったようだ。 「あの会長発言で中国ウオッチャーがにわかに色めき立った。というのも住友化学の中国のめり込みはハンパじゃありません。その陣頭指揮を執ったのが米倉会長ですし、中国は誰もが認める汚職天国。役人はバックリベートを取るのが当たり前と思い込んでいる。そんな国のビジネスにドップリ漬かってきた以上、大半は『カンボジアだけが例外であろうはずはない』と思っています」(前出・関係者) 来年5月で任期が切れる米倉氏には“史上最低の経団連会長”の異名がある。カンボジアでの醜態は、その評価を決定付けそうだ。
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社会 2013年12月08日 11時00分
“いいとも不況”を気に掛ける新宿アルタ周辺
「後継番組の使用スタジオが『新宿アルタ』になればいいが…」 そう心配するのは『笑っていいとも』の取引業者である。 同番組はこのスタジオで生放送されているが、来年3月の終了が決まっている。そのため、後番組が『お台場』など別のスタジオを使用することになれば、“いいとも不況”に見舞われるわけだ。 一番危惧しているのが花屋である。 「『いいとも』に花を納品しているのは近隣の『K』『M』『U』といった古くから付き合いのある花屋。場所が遠いと納品に時間がかかるため、近くの店に注文がいき、次第に専門調達業者が出来上がった」(番組制作関係者) 『テレフォンショッキング』でスタジオに飾られる花は安くない。だいたい3〜5万円からで、中には見栄を張って7〜10万円の花を出す芸能プロもある。ただ、ほとんどが前者という。 1回の番組で10本ほどの花が納品されるため、1本を仮りに5万円として1日50万円、週にして250万円となる。年間50周だと1億2500万円もの金額が花代に落ちるのだ。 さらに、新宿アルタが使われないと周辺の飲食業者や弁当屋も不況に陥る。 一見、出演者が少なく、スタッフなども少人数で制作しているように見られるが、ADなどを入れると毎日100人近くは仕事にかかわっている。そのため20〜30人分は上乗せされて弁当は発注される。 曜日によって違うが、だいたい2〜3社からとっており、弁当は1人前1000円程度。となると、週に換算すれば65万円ほどとなる。年間50週だと3000万円台となり、ちょっとした“マーケット”ができる。 さらに、アルタの対面にあるカレーで人気のある中村屋は関根勤が常連。しかし、番組が終了すればこの流れもなくなる。場合によっては、アルタ周辺のレストランや定食屋も客離れが起きるかもしれない。 “いいとも不況”を案じる業者たちは、落ち着かない日々を送っている。
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社会 2013年12月07日 17時59分
強姦罪で起訴の元日本ハム投手に余罪 宮城遠征時に女性にわいせつ行為
宮城県警仙台東署は12月5日、女性にわいせつな行為をしたとして、強制わいせつ容疑で、プロ野球日本ハム・ファイターズの元投手で、2軍マネージャーだった宮本賢容疑者(29=千葉県船橋市)を再逮捕した。 再逮捕容疑は、12年6月30日午前0時半頃、同県仙台市宮城野区にあるビルの非常階段踊り場に、10代の専門学校生の女性を無理やり連れ込んで、胸を触るなどのわいせつな行為をしたとしている。 同署によると、宮本容疑者は「記憶はない。やってない」と容疑を否認しているという。 その際、宮本容疑者が所属する日本ハムは、楽天とのイースタンリーグ公式戦のため、同年6月29日〜7月1日に、同県利府町に遠征に出ていた。 事件を起こした6月30日は、日本ハムの3番手として中継ぎ登板。1/3イニングを投げて、1失点している。 岡山県出身の宮本容疑者は06年のドラフト希望入団枠で、早稲田大学から日本ハム入り。1軍では通算22試合に登板したが、1勝も挙げられず、昨年10月に戦力外通告を受けて、2軍マネージャーに転身した。 今年11月12日、6月下旬の夜に、千葉県船橋市の路上を歩いていた女性に乱暴したとして逮捕され、12月2日に千葉地検に強姦(ごうかん)罪で起訴された。日本ハムは11月15日、宮本容疑者との契約を解除している。 今年6月の事件は球団職員時の犯行だったが、昨年6月の再逮捕容疑が事実であれば、現役選手時の犯行となる。昨年8月、ソフトバンクの堂上隼人捕手が強制わいせつ容疑で逮捕され、その後、余罪がゾロゾロでてきたが、宮本容疑者も再逮捕された。 現役のプロ野球選手が性犯罪を起こしたとなると、ファンに夢を壊してしまう。(蔵元英二)
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社会 2013年12月07日 15時00分
世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第55回 国家安全保障と企業
11月23日、中国が尖閣諸島上空、つまりは石垣市の上空を防空識別圏に設定し、それを公表した。防空識別圏とは、国際法で定められた「領海」「領空」とは違う。特定の国が防空上の理由から、自国の空域に設定するものであり「領空」ではない。 中国側が防空識別圏を拡大したとしても、日本の航空機が同空域を飛ぶ際に、中国当局に飛行計画を提出する必要など全くない。とはいえ、中国側は新たに設定した防空識別圏を飛ぶ航空機に対し、飛行計画を提出するべし、と息巻いている。 尖閣諸島を巡る日中問題(尖閣諸島は領土問題ではない)は、再び一歩、危機深刻化の方向に歩みを進めたことになる。進めたのはもちろん中国側であり、日本側ではない。 中国国防省が出した公告では、識別圏内を飛ぶ各国の航空機に対し(多くが日本の航空機であろう)、中国国防省の指令に従うこと、さらには飛行計画の提出を求めている。従わない航空機に対しては、 「防御的緊急措置を講じる」 つまりは、スクランブルをかけると宣言したわけだから、尋常ではない。 これで日本側が臆してしまい、中国側の要求に従ってしまうと、 「おわかりだろう。釣魚島(尖閣諸島)は我が国の領土である。日本が文句を言うならば、領土問題として話し合おう」 と、やってくるわけだ。結果的に、尖閣諸島問題はめでたく「領土問題」に格上げされてしまうという筋書きである。 というわけで、日本の航空会社の対応に注目していたわけだが、素直に飛行計画を中国航空当局に提出していたわけだから、あまりの平和ボケに慄然としてしまった。 JALやANAは「国から明確な指示がなく、乗客の安全が第一だ」と、24日以降に中国当局へ飛行計画を提出したのである。 これに対し、菅義偉官房長官が26日午前に記者会見し、「25日に国土交通省から航空会社に対して、中国側の措置はわが国に対して何ら効力を有するものではなく、これまでのルール通りの運用を行っていくという政府の方針を伝えている」と、発言。最終的には、飛行計画提出は「中止」ということになった。 JALやANAは、中国航空当局に飛行計画を提出することで、日本の領空である尖閣諸島上空について、中国の施政権を認める形になってしまうことに考えが及ばなかったのだろうか。日本の航空会社が尖閣上空で中国当局の指示に従うとは、すなわち中国が同空域を実効支配していると認めることになりかねないのだ。 本件は色々と疑問があるのだが、11月23日という「土曜日」に中国が防空識別圏設定を公表した。中国の発表を受け、JALやANAなどが飛行計画を提出したわけだが、この時点で管轄官庁である国交省との連携はどうなっていたのだろうか。 あるいは、JALやANAはいかなるプロセスで飛行計画提出を決めたのか。菅官房長官は「25日に国土交通省から航空会社に対して…」と語っているため、23日(土)、24日(日)の時点では日本政府側から何の指示もなかったように思える。 そうだとすると、なぜなのか。単に、土、日で官公庁が休みだったためなのだろうか。本当にそうであるならば、かなり怖い話だ。日本の航空会社上層部や、国交省官僚は「安全保障に対する認識が薄い」と批判されても仕方があるまい。 上記が正しいとなると、「独自で飛行計画提出を決めた」航空サービス会社側も、飛行計画提出中止の指示が遅れた国交省や政府側も、双方に問題があるように思える。 いずれにせよ、現代の日本においては、すでに企業(特にグローバルにビジネスを展開する企業)すらも「国家安全保障」、英語で言うナショナル・セキュリティーを頭に叩き込む必要があるのだ。 本来は、企業であっても常に国家安全保障を考慮してビジネスを展開しなければならないはずなのだが、我が国は戦後から冷戦期にかけ(今もだが)、セキュリティーをアメリカに依存し、自国で安全保障を考えることを放棄してきた。その「ツケ」が、今、一気に噴き出しているように思える。 ちなみに、中国の防空識別圏設定を受け、アメリカや韓国などの航空会社は、中国側の飛行計画提出指示を無視した。JALやANAが中国の飛行計画提出要求を受けた際に、 「本問題は、日本国の安全保障と密接にかかわってくる」 という認識はあったのだろうか。あったと信じたいところだが、以下の両社の広報のコメントを見ると、そうとは思えない。 「ノータムが発出された以上、それに従わざるをえないと考えている。防空識別圏に関しては各国が独自に設定しており、運航者としては、公示されればそれに従った運航とせざるを得ない。通常の各国のノータムと同様、運航者の判断で対応することとしている」(JAL広報部) 「各国の航空当局が出すノータムは、日本に限らず全世界の航空会社が対象で、それに従うのが国際的なルール」(ANA広報室) ノータムとは、各国の航空当局が出す「航空情報」のことだ。JALやANAは、 「中国当局からノータムが発せられたため、国際的ルールに従って飛行計画を提出した」 と、「防空識別圏設定」により飛行計画を提出したとは説明していない。 確かに、ルールとしてはJALやANAの対応は間違っていないのかも知れないが、「安全保障」は国際ルールを踏み越える問題だ。 尖閣諸島上空という「日本の領土」を飛行する「日本の航空会社」が、他国の要求に従って飛行計画を提出する。これが安全保障上、何を意味するかについて理解しているならば、日本の航空会社は飛行計画提出前に国交省なり、政府なりと協議をしたはずである。 あるいは、日本の航空会社が「ノータム」が発せられたことを受け、何も考えずに飛行計画を提出したとなると、なおさら怖い。日本の航空会社は我が国の企業でありながら、「日本の国家安全保障」について一切念頭にないという話になってしまう。 日本の企業や国民は、時代が変わったことを認識しなければならない。最早、安寧の時は過ぎ去り、日本企業が「これまで通り」ビジネスを続ける場合であっても、国家安全保障を意識しなければ、取り返しがつかない不都合が生じる可能性があるのだ。 そして、「日本」企業が「日本国家」の安全保障を考えずに行動した場合、ツケを支払わされるのは当の日本企業を含めた「日本国民」である。「グローバル企業」であっても、結局は国家安全保障と無関係にビジネスを展開することは不可能なのだ。三橋貴明(経済評論家・作家)1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、わかりやすい経済評論が人気を集めている。
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社会 2013年12月07日 11時00分
市場から消えた中国マネー4兆円の怪 〜緊迫する尖閣との関連性〜
消えた中国マネーが憶測を呼んでいる。中国政府系ファンド『OD05オムニバス』が9月中間決算を機に、日本の主要企業の大株主から次々と姿を消したのだ。その数、判明しているだけで実に127社。今年3月期には167社(3月決算以外の24社を含む)の大株主ベスト10に登場していたのだから、まさに“激減”の言葉がピッタリである。 奇しくも尖閣問題が風雲急を告げてきたタイミングだけに、関係者が「売り急ぎの背景に何があったのか」と疑心暗鬼になるのも無理はない。 このオムニバス、中国の国家外為管理局に関連する国策ファンドとされるが、名目上の本拠地はオーストラリアのシドニーにあり、香港上海銀行東京支店が常任代理人を務めている。常任代理人とは資金や株式の保護・預かり業務の代理で、オムニバスの実態は依然としてベールに包まれている。 とはいえ、ハッキリしているのは日本企業の大株主に初めて登場したのが2007年3月期の5社で、昨年3月期には238社まで拡大した。これに比べると今年3月期は絶対数でこそ減少したものの、アベノミクスによる市場の回復もあって、保有株の時価総額はトータル4兆200億円と、前年(3兆5000億円)を大きく上回る。 「この金額だってベスト10に登場した企業のトータル。会社に公表義務がない11位以下の株主を含めると、今年3月期時点で時価5兆円超を運用していたのは間違いないでしょう」(市場関係者) 繰り返せば、その中国マネーが日本市場から一気に“蒸発”したのだ。大株主から消えた企業を列挙してみると、自動車ではトヨタ、日産、ホンダ、ダイハツ、スズキ、いすゞなど、ほぼ軒並み。電機ではパナソニック、東芝、ファナック、NEC、富士通などから消えた。ゼネコンでは鹿島、大成建設、大林組、清水建設。商社では三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、住友商事、丸紅。さらにJR東日本、JR西日本、JR東海、NTT、NTTドコモ、新日鉄住金、野村HD、大和証券グループ本社などからこつ然と姿を消した。 ベスト10に残っている企業でも日立、ソニー、武田薬品、ソフトバンク、三菱重工などが3月期比で半減している。一方、銘柄としては少数ながらも石油資源開発、富士重工、マツモトキヨシなどは保有株数が増えている。他にベスト10以下にとどまり、第三者にはうかがい知れないケースがあるにせよ、ざっと時価4兆円からの大枚が短期間に市場から消えた計算になるのだから“事件”といえるだろう。 一体、これは何を意味するのか−−。市場には「信託名義への移し替え」「中国金融不安の影響」、さらには「有事に備えた叩き売り」など、さまざまな観測が飛び交っている。 信託名義ウンヌンの根拠は、消えた銘柄のうちNECなど約80社で新たに「バンクオブニューヨーク」による信託名義が大株主として登場していることだ。OD05だけでも実態が曖昧なのに、バンクオブニューヨークの信託名義を絡ませることで「一層、秘密のベールに包ませたいとの思惑が働いた」(金融筋)との見立てである。しかし、手数料を払ってまで名義を移し替える必要性があったのかとなると疑問が残る。 中国金融不安の影響には一応の説得力がある。今年の6月から7月にかけて「陰の銀行」と呼ばれるアングラマネーが中国経済を揺るがしかねないと問題になった。何せ約500兆円規模のボリュームを誇る。最悪の場合、中国バブルが崩壊し、「中国発の世界恐慌になりかねない」と世界の金融マンが緊張した。 幸いにもそんな事態は回避したが、9月中間期で大量処分したということは「7月前後に決済した可能性が大きい」(証券マン)。確かにこの時期、日経平均株価は低迷していた。中国マネーによる大量の売り圧力が株価の上値を重くしたと理解すれば、当時の株価低迷も十分説明がつく。 だが、それ以上に聞き捨てならないのが「有事に備えた叩き売り」だ。 中国大使館は11月8日、日本在住の自国民に「自然災害など重大な突発事態に対応するため」として連絡先の登録を呼びかけた。これが明らかになったのは、中国が「尖閣諸島周辺を防空識別圏に加えた」とする同23日の直後のこと。そこへ9月末で保有株の大半が消えたことが明らかになったとあっては、「さては…」と映る。 折も折、日本の大企業のトップらでつくる日中経済協会の訪中団は、希望した李克強首相との面会を袖にされる屈辱を味わった。こうした一連の動きが日中の緊張が高まる中で起きたのは、果たして偶然なのか。 どうやら中国が強力な「対日カード」を握ったことだけは確かなようだ。
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社会 2013年12月06日 19時00分
森永卓郎の「経済“千夜一夜”物語」 狂乱物価が日本を襲う
上場企業の中間決算が大幅増益になり、株価も1万6000円台をうかがう勢いだ。景気は順調に回復を続けている。だが、順風満帆に見える日本の景気も、3月までの命だと私は考えている。その後、猛烈な物価上昇が控えているからだ。 誰も指摘しないのだが、来年度は消費者物価が4%も上昇するという「狂乱物価」が襲ってくる可能性が高い。4%という物価上昇率は、'81年以来33年ぶりの事態だ。いまの若者が、生まれてこのかた一度も経験したことのない激しいインフレが家計を襲うのだ。 なぜ物価が突然4%も上がるのか。一番大きな原因は、消費税率が3%引き上げられることだ。日本銀行は、消費税率引き上げに伴う消費者物価上昇への影響を2%程度と言っているが、私は2.5%程度上昇するとみている。消費税には、保険診療や家賃といった非課品目があり、その割合は28%程度だ。そのため単純計算だと、消費税3%の引き上げで物価は2.2%上昇することになるが、私はもっと上がると思う。 例えば、保険診療費自体は非課税だが、病院や医院は診療のためにさまざまな道具や材料を仕入れているし、電気代も払っている。これらには消費税がかかってくるので、消費税引き上げでコストが増えるのだ。その分は、診療報酬を引き上げないと医療機関はやっていけない。 すでに医師会は、診療報酬を引き上げる要求を出しており、それは認められる見通しだ。また、需給が締まる中で、消費税引き上げの際の便乗値上げも発生するから、単純計算よりも物価が上がっていく可能性が高いのだ。 物価上昇のもうひとつの要因は、日銀による異次元の金融緩和だ。日銀は、2013年4月に、「2年後に物価上昇率が2%になるよう資金供給を拡大する」というインフレターゲット政策を導入した。いままでのところ、この日銀の金融政策は非常にうまく行っていて、物価も予定通りに上がってきている。だから、金融緩和によって、来年度平均で1.5%の物価上昇が見込まれるのだ。この物価上昇は、消費税増税とは完全な別枠になっている。したがって、来年度の物価は2.5%+1.5%=4%の上昇となるのだ。 しかも、このインフレは高度経済成長期よりもはるかに日本人の生活を追い詰めるだろう。賃金が上がらないからだ。もちろん利益を大きく拡大している一部の大企業は、多少賃上げをするかもしれない。しかし、中小企業の賃金は上がらない。中小企業は、景気回復どころか、むしろ減益になっているからだ。 さらに、来年4月から公的年金が今年10月に続いて1%引き下げられる。現役世代も、年金世代も所得が増えない中での4%インフレだ。消費が急落しないほうがおかしい。民間消費はGDPの6割以上を占める最大の需要項目だ。消費が急落すれば、当然、景気も失速する。消費税引き上げ前の駆け込み需要もあって、来年3月までは順調な景気拡大が続くだろうが、その後、日本経済は一転して景気後退に向かうだろう。 インフレターゲットは物価上昇を伴うから国民に負担が生じる。そこに消費税増税を復興需要が減退する時期に重ねてしまう。4月からの景気後退は、完全な政策ミスによる惨禍だ。
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社会 2013年12月06日 16時00分
茨城・刺殺事件裁判の結末
今年5月、茨城県境町で自宅の寝室で就寝中だった自動車修理工、小野里正志さん(38=当時)が胸を刃物で刺されて殺害された事件で、殺人罪などに問われた同町無職、野村賢志被告(25)。水戸地裁は11月22日、野村被告に懲役16年の判決(求刑・懲役18年)を言い渡した。 しかし、この事件は、発生当時から不可解な点が取り沙汰されていた。 「野村被告は、もともと小野里さんの妻に好意を寄せていた。事件当日、午前2時15分頃に小野里さん宅に侵入し、自宅2階の寝室で寝ている小野里さんの胸などを刃物で刺して殺害したのですが、小野里さんの隣には妻も寝ていたんです。また当時、小野里さん宅の玄関が無施錠だった事も注目されていました」(社会部記者) 初公判で野村被告は、起訴内容を大筋で認めながらも、「小野里さんの妻と意思を通じていた」として、共犯関係であったことを主張。その上で「計画的とはいえず、強い殺意もなかった」ことを強調していたのだった。 実際に公判で提出された証拠などから、小野里さんの妻との関係についても触れられている。 「2人は同じバイト先で働いていたのですが、その店長の証言によれば、事件前には野村被告から、『お菓子をもらった』とか『自宅に来た』そして『映画に行った』などと聞いていたようで、付き合っていると思っていたそうです。また小野里さんの妻が野村被告に作ってあげた弁当の写真も提出されたのですが、ハートの形のウインナーが入った弁当で、さながら愛妻弁当のようでしたね」(司法記者) しかし、小野里さんの妻は初公判の法廷で「人に罪をなすりつけようとしているなんて、主人がかわいそう」と、か細い声ながらも述べ、共犯関係をきっぱりと否定。 何とも疑問が残る法廷劇だが、2人の関係は薮の中となりそうだ。
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社会 2013年12月06日 11時45分
無職男4人が出会い系サイト通じ、少女らに援交させていた
京都府警組織犯罪対策2課などは12月4日、出会い系サイトで知り合った男性客を相手に、少女らに売春をさせたとして、児童福祉法違反容疑で、無職の男・A(30=滋賀県大津市蓮池町)と、無職の男・B(21=住所不定)の両容疑者を逮捕した。 逮捕容疑は、11月に児童福祉法違反容疑で逮捕された無職の男・C(22=住所不定)、同罪で起訴された無職の男・D(22=大津市本堅田)と共謀し、7月27日、大津市内のホテルで、出会い系サイトで知り合った会社役員の男性(43)に、滋賀県内の高校1年の女子生徒(15)を派遣し、1万5000円で売春させたとしている。 府警によると、容疑をAは否認、Bは認めているという。 無職男4人は、6月頃から出会い系サイトの掲示板に、女性を装って書き込んで客を募集し、知り合った男性に、少女らを派遣して援助交際をさせていた。 売春させられていた女性は15〜17歳の少女が4人、18歳以上が2人の計6人。無職男らは少女4人を、同県内を中心にして、計約230人の男性客に派遣し、約300万円を売り上げていたという。 少女らは主犯格のAとは、無料通話アプリ「LINE」で知り合った。家出をしていた少女もいたため、女性6人に集団生活をさせていた。 少女の1人が自宅に帰り、母親に相談したことで犯行が発覚。Aは9月、少女が自宅に帰ったことに立腹し、兵庫県住む母親の知人男性(35)に因縁を付け、乗用車1台を脅し取ったとして、恐喝などの疑いで逮捕されていた。(蔵元英二)
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社会 2013年12月05日 19時00分
路上刺殺事件 元美人キャバ嬢を追い詰めたストーカーと化した地元半グレの狂気
11月27日16時35分頃、買い物客で賑わう千葉県市川市内の繁華街が騒然となった。幼い娘を連れ宝くじ売り場を訪れた母親が、突如現れた男に腹を刺され死亡した事件。いったい、この2人に何があったのか。 男は、千葉県松戸市の岡逸人容疑者(23)。岡容疑者は現場から逃走し、翌日朝、八丈島で先回りしていた捜査員によって殺人容疑で逮捕された。一方、刺殺されたのは市川市大洲の湯浅栞さん(22)。死因は包丁での一突きによる失血死だった。 「2人は10代だった'09年頃、湯浅さんがホステスとして勤めていた市川市のスナックに岡容疑者が客として訪れて知り合い、付き合うようになった。ところが1年ほど経ち、湯浅さんが違う男の子どもを身ごもったことを機に別れ、'10年に湯浅さんが娘を出産。その後2人は再会、同棲を始め、娘も岡容疑者になついていたようです」(社会部記者) しかし岡容疑者は警察で、「湯浅さんに復縁を申し込んだが、断られ新しい男に取られるぐらいならいっそ殺してやろうと思った」と供述しているように、その後何らかが原因で別れ、逆上して犯行に及んだと見られている。 「岡容疑者は松戸市のアパートで、母親と兄、姉と4人暮らしだった。近隣住民の話では高校生の頃、他校の生徒と喧嘩するなど地元でも有名で、卒業してからも“半グレ”状態が続いていた。一方、湯浅さんは市川市の出身で高校入学直後頃から派手な化粧をするようになり、その後、地元スナックのホステスとして働くようになった。長女を出産してからは、子育ての一方でキャバクラを転々とし、男関係も派手になったといいます。事件現場近くにいた35歳の婚約者や借金返済を迫っていた30歳の男、娘の父親、加えて、父親と勘違いしたとわかって別れた人物と、彼女を取り巻く人物は、わかっているだけで岡容疑者以外に4人いたようです」(周辺関係者) 岡容疑者は湯浅さんの転居先を執拗に探し回った揚げ句、ついに犯行に及んだ。女性に翻弄され殺人鬼と化すストーカー事件は後を絶たない。