CLOSE
トップ > 社会 > 住友化学ワイロ事件でダメを押した米倉経団連会長の“悪評”

住友化学ワイロ事件でダメを押した米倉経団連会長の“悪評”

 住友化学シンガポール現地法人の外国人社員2人が、カンボジア政府高官に総額約2600万円を供与したとして懲戒解雇された。2003年ごろからカンボジアのマラリアセンター所長らと接触、情報リークを受けて防虫剤入りの蚊帳を受注した見返りに、受注額の2.8〜6.5%を手数料名目で個人口座に振り込んでいたという。

 いかにも古典的な贈賄手法だが、これで顰蹙を買ったのが経団連会長でもある同社の米倉弘昌会長の釈明。いわく「カンボジアでは入札の際に『お金を出せ』という極めて不可解なことを言われていた。我々の理解に苦しむところがあった」と言い放ったのだ。平たく言えば「当社は現地の商習慣にならって賄賂を贈った。当社こそ被害者なのだ」と開き直ったのである。
 「カンボジアにとって日本は最大の援助国。これでODAマネーの運用先に飛び火すれば目も当てられませんよ」(商社関係者)

 そんな事態を密かに恐れたのか、記者会見した同社コーポレートコミュニケーション室の安藤洋部長は「不正行為は厳粛に受け止めている。国内外のグループ会社で再発防止に努める」と、言葉少なに語った。しかし、別途会見した米倉会長の開き直りが、会社側の“配慮”に冷や水を浴びせた格好になってしまったようだ。
 「あの会長発言で中国ウオッチャーがにわかに色めき立った。というのも住友化学の中国のめり込みはハンパじゃありません。その陣頭指揮を執ったのが米倉会長ですし、中国は誰もが認める汚職天国。役人はバックリベートを取るのが当たり前と思い込んでいる。そんな国のビジネスにドップリ漬かってきた以上、大半は『カンボジアだけが例外であろうはずはない』と思っています」(前出・関係者)

 来年5月で任期が切れる米倉氏には“史上最低の経団連会長”の異名がある。カンボジアでの醜態は、その評価を決定付けそうだ。

社会→

 

特集

関連ニュース

ピックアップ

新着ニュース→

もっと見る→

社会→

もっと見る→

注目タグ