社会
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社会 2013年12月02日 16時00分
追跡1年 尼崎連続変死事件 ヤクザとシャブ、そして「家族喰い」 ノンフィクションライター・小野一光(2)
その若い衆の筆頭格であり、“美代子元被告の暴力装置”と称されているのが、マサこと李正則被告(39)だ。彼は'04年に美代子の伯父である前出・寅雄と養子縁組し、義理ではあるが美代子と姻戚関係にある。 マサもまた、20代の頃に一時的にではあるが、地元の暴力団に籍を置いていたという。彼は現在、3件の殺人と1件の傷害致死などの罪で起訴されている。 〈「マサも角田のオバハンに預けられたとき、最初の三カ月くらいは監禁されたみたいや。ほんでな、オバハンやオバハンの弟にさんざん脅されたらしいで。暴力団と右翼の名前を出されて、『逃げたらどうなるかわかってるやろな』て。それからマサはビビッてもうて、オバハンには逆らえんようになってもうたんや」〉 ここに出てくる美代子元被告の弟とは、月岡靖憲受刑者(60)のこと。月岡というのは美代子の父方の苗字で、同受刑者は、以前は右翼団体に所属していたとの一部情報がある。'07年に弁護士に対する恐喝容疑などで逮捕され、懲役14年の実刑判決を受けて、現在は服役中である。 ちなみに彼は、'80年代に日本中を震撼させた“グリコ森永事件”の重要参考人として、当局から聴取を受けたという過去を持つ。 このように、美代子元被告の周囲に裏社会とのつながりを持つ者が数多くいることが、拙著『家族喰い-尼崎連続変死事件の真相-』には書かれている。 また、同書によって初めて明らかにされたのが、美代子元被告の覚せい剤使用についてである。 〈「当たり前やんか。そないせんでどうしていつも朝まで元気なんや? 考えてみい、一緒につるんどったリツ子(仮名)は、過去になんで捕まったんや?」〉 リツ子とは、マサの実の母親のことだ。彼女もまた、美代子とは30年来の知人だった。 実は本書を書き上げた後で、美代子元被告が覚せい剤を入手していたルートについても情報が入っている。たとえば、マサの後輩に覚せい剤の売人がいて、そこから入手していたというもの。またあるときは、美代子元被告の内縁の夫である鄭頼太郎被告(63)とマサの2人で、大阪の西成に買いに行ったこともあったという。 入手した覚せい剤を、美代子元被告は腕ではなく内股に注射していた。それについても目撃者がいる。そうして自身の眠気を吹き飛ばしたうえで、乗っ取った家族に対して、連夜の“家族会議”を強要していたのだ。 美代子元被告を中心とした“角田ファミリー”の被害に遭った、死者・行方不明者は10人を超えている。 その大半が、実際にはさして強固ではなかった美代子元被告と裏社会とのつながりに怯え、彼女の言いなりになるしかなかった親族によって殺害された。 再び同じことが繰り返されないためにも、その犯行について拙著で知ってもらいたい。
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社会 2013年12月02日 15時00分
猪瀬都知事だけじゃない! 徳洲会がバラ撒いた「裏金供与疑惑議員リスト」(1)
2020年の「東京五輪招致」で男を上げた猪瀬直樹東京都知事が、“火だるま”となった。 公選法違反で逮捕者を出した医療法人『徳洲会』グループから5000万円もの不可解な金を提供されていたことが発覚し、突如、政治生命を揺るがす崖っぷちへと追い込まれたのだ。 政治部記者がこう語る。 「ご存じの通り、『徳洲会』は昨年末の衆院選に、グループ企業のスタッフを徳田毅衆院議員(42)の運動員として大量増員。後に現金を支給していたことが判明し、徳田虎雄前理事長(75)と長女の越沢徳美(50)、次女のスターン美千代(46)らが東京地検特捜部と警視庁捜査2課に逮捕された(虎雄氏のみ在宅起訴)。ところが、その最中に猪瀬が5000万円もの金を借りていた事実が発覚し、裏金疑惑が浮上。一部では『心象真っ黒』との声も多く、今後の捜査次第では辞任に及ぶ可能性も高いのです」 その全容は確かに疑惑に満ち満ちている。猪瀬氏は、都知事選前の昨年11月に、『徳洲会』の最大の実力者である徳田虎雄氏を訪問。都知事選への出馬を明かし、後日、「応援の意味を込めて」5000万円をキャッシュで受け取った。 ところが、猪瀬氏が昨年末に選挙管理委員会に提出した「都知事選挙運動用収支報告書」や、'12年度の「政治資金収支報告書」に記載がなかったことから、“裏金疑惑”が浮上したのだ。 前出の政治部記者が言う。 「疑惑が深まったのには、猪瀬の受け答えも大きかった。会見で猪瀬は、現金を『個人的に借りた金』として政治資金や選挙資金ではないと否定したが、別の時には『選挙で金が足りなかったら使おうと思っていた』と、“隠れ軍資金”だったことを匂わせたのです。さらに『徳洲会』側が『(渡した金は)ポケットマネー』『契約書はない』と説明しているのに対し、猪瀬は公然と『簡単な契約書はあった』と、ここでも食い違いを見せているのです」 また、この記者によれば「金の受け渡し方法も問題視されている」という。通常、5000万円もの大金は振り込み扱いとなるのが一般的だが、それをしなかったために疑惑の目が向けられているのである。 全国紙の社会部記者も指摘する。 「なぜ、これほどの大金がキャッシュで手渡されたのか。しかも、猪瀬知事は今年9月に公選法違反で『徳洲会』が強制捜査を受けてから、この金を同じく現金で返している。そこには足跡が残るのを嫌う魂胆がミエミエで、東京地検特捜部も重大な関心を寄せているのです。また、当初は1億5000万円の提供を打診した疑いが持たれており、今後これが追及されることも確実なのです」
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社会 2013年12月02日 15時00分
世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第54回 失速のアベノミクス
我が国の第3四半期の経済成長率の速報値が報じられた。 内閣府が11月14日に発表した2013年7-9月期の国内総生産(GDP)速報値は、実質値で対前期比0.5%増。成長率は4四半期連続でプラスとなった。 もっとも、我が国がデフレ期である以上、重要なのは実質GDPではなく、名目GDPの成長率になる。名目GDP成長率が実質値のそれを上回っていれば、我が国がデフレ脱却に向かっていると判断できるためだ。 日本の第3四半期の名目GDP成長率は、対前期比0.4%(年率換算1.6%)。名目GDPから実質GDPを計算する際に使用される物価指数、すなわちGDPデフレーターは、対前期比でマイナス0.1%。第2四半期はプラス0.1%だったため、少なくとも第3四半期はデフレ脱却ではなく「デフレ化」が進んだことになる。実質GDP成長率が減速したことよりも、こちらの方がショッキングだ。我が国はいまだデフレなのだ。 そもそも、対前期比のGDPデフレーターがプラス0.1%('13年第2四半期)になったところで、デフレ脱却とはお世辞にも言えない。さらに、第3四半期の日本はGDPデフレーターの上昇率が高まるどころか、マイナスに逆戻りしてしまったのだ。 内閣府の資料を見る限り、第3四半期のGDP成長を牽引したのは外需(純輸出)ではなく内需である。 実質値で見た内需の寄与度が0.9%、外需がマイナス0.5%、名目値では内需寄与度が1.1%、外需がマイナス0.7%。実は、安倍政権発足後に外需が成長に大きく貢献したのは、第1四半期のみで、第2四半期も「辛うじて貢献」程度に過ぎなかった。それが第3四半期からは、外需はむしろ「足を引っ張る」状況になっている。 今年の第1四半期、アベノミクス効果で円安が進み、大手輸出企業の業績が好転した。 結果的に、外需のGDP成長に対する寄与度は高まった。 ところが、今年5月以降に円安が一服し、外需の成長寄与度は下がって行く。ついに、第3四半期にはマイナスに落ち込んでしまったわけである。 また、第3四半期のGDPの内需項目を見てみると、民間住宅投資が実質で2.7%、名目で3.4%と好調だ。これはもちろん、消費税増税前の駆け込み需要が原因だ。 残念ながら、住宅の駆け込み投資は9月30日をもって終了し、翌10月に急減速してしまった。 少なくとも、'13年第4四半期以降は、民間住宅投資はGDPの牽引車とはなり得ない。 実は、第3四半期の成長に最も(%で見て)貢献したのは、公的固定資本形成(公共投資)である。実質値で6.5%、名目値で6.6%。 逆に、肝心要の個人消費と設備投資は成長率が鈍ってしまった。両項目共に「辛うじてマイナスではない」という状況である。 特に、アベノミクスによる株高が頭打ちになったせいか、個人消費がプラス幅を大きく減らした(0.1%増)影響は大きい。 結局、2013年1月以降の高い成長率は、 「アベノミクスによる株高を受けた個人消費拡大」 「アベノミクスによる円安を受けた純輸出、設備投資拡大」 が支えていたことがわかる。 円安、株高の進行がストップした結果、消費税の駆け込み需要を除き、民需は低迷状態に陥った。 我が国はいまだに「民間主導の経済成長」の局面には至っていないのだ。しかも、GDPデフレーターがマイナスである以上、明らかにデフレが継続している。 この状況で、半年後に消費税増税という「崖」を迎えることになるわけだ。 結局のところ、バブル崩壊後のデフレ期に、主導的に需要を牽引してくれるのは、政府しかないのである。目の前の需要が拡大しない状況で、民間が安心して投資を拡大するなどということは、起き得ないとまでは言わないが、なかなか困難という話だ(増税前の駆け込み消費などは除く)。 無論、日本銀行は金融緩和政策(量的緩和)を継続し、景気を下支えしようとするだろう。 とはいえ、中央銀行は量的緩和で発行した「お金」の行き先を管理することはできない。 量的緩和のそもそもの目的は「デフレ脱却」、つまりは物価上昇である。日本銀行が発行した日本円は、財やサービスへの消費、投資に向かってもらわなければならない。 ここで言う投資とは、民間住宅投資、民間企業設備投資、公的固定資本形成(公共投資)の三つのみだ。株式投資や土地への投資、金融商品への投資は含まれない。 もちろん、株価が上昇していけば、キャピタルゲインを得た(あるいは「得る」)人が消費を増やしてくれるかも知れない。 そうなれば当然、財やサービスの価格に影響を与えるが、株価上昇「のみ」では無理だ。しかも、日本人はアメリカ人ほどには、 「株価が上昇した。ならば、消費を増やそう」 というシンプルな経済行動を取らない。15年もの長期間、所得や物価が下落するデフレーションに苦しめられていた以上当然だ。 来年の4月に訪れる国民経済の崖を、デフレ状態の日本経済は乗り越えられるだろうか。 金融緩和は当然継続するとして、ポイントは来月にも決定される経済対策の規模と詳細である。 GDPデフレーターが再びマイナスに落ち込んでしまった以上、安倍政権には「機動的な財政出動」といったつまらない話ではなく、「想定外の規模の財政出動」を一日本国民として心から望む。三橋貴明(経済評論家・作家)1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、わかりやすい経済評論が人気を集めている。
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社会 2013年12月02日 11時45分
大手とんかつ店の「和幸」恵亭銀座店で、客の食べ残したキャベツ、お新香を使い回し
全国で約270店舗を運営する大手とんかつ店チェーン「和幸商事」(神奈川県川崎市幸区堀川町)が運営する「恵亭銀座店」(東京都中央区銀座=松屋銀座内)で、客が残したキャベツやお新香を使い回していたことが分かった。 一部報道機関に告発メールが届き、取材を受けた同社の内部調査で発覚し、同社が11月29日に発表した。 同社によると、キャベツは大皿に、お新香は小鉢に盛り付け、客がキャベツ専用トング、お新香専用箸、取り皿を使って、個々に取り分け取り放題で食するスタイルで提供していたが、「恵亭銀座店」では一度提供した物を、別の器に盛り付け直して再使用していた。 キャベツは05年6月〜09年頃までの間の年2回程度、09年頃から10年夏頃までの間の年4回程度。お新香は05年4月21日の開店〜05年5月までの約1カ月間(毎日)、09年春頃〜10年夏頃までの間の2〜3回。 内部調査によると、05年6月以降、食材の発注ミスにより、閉店間際に食材が品切れになってしまったため、緊急時の対応策として、従業員の独自な判断と安易な考えで、再使用をしていた。 10年夏頃に同社のお客様相談室に問い合わせがあり、当時担当のエリアマネージャーが確認したところ、再使用の事実が発覚したため、即時に中止させ、それ以降は行っていないという。 また、他の3店舗でも、過去のお新香の使い回しが発覚した。「恵亭二子玉川店」(東京都世田谷区玉川)で05年5月までの毎日、「かつ工房和幸鶴ヶ島店」(埼玉県川越市大字天沼新田)で05年5月までの毎日、「かつ工房和幸あゆみが丘店」(神奈川県横浜市都筑区あゆみが丘)で06年10月頃までの毎日。 同社では再発防止のため、調査委員会を設置し、メニュー内容、提供方法、マニュアル等の再見直しを図るとともに、巡回指導、チェックを行うスーパーバイザー職を増員し、管理体制の強化を再構築し再発防止に努力するという。 なぜ、今頃になって告発があったのかナゾは残る。もちろん、使い回しは良いことではないが、個別の客の皿に盛り付けたキャベツやお新香の食べ残しを、使い回していたわけではなく、10年夏以降は行われていないのが、せめてもの救いだ。(蔵元英二)
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社会 2013年12月01日 16時00分
追跡1年 尼崎連続変死事件 ヤクザとシャブ、そして「家族喰い」 ノンフィクションライター・小野一光(1)
さる10月30日に尼崎連続変死事件をテーマにしたノンフィクション『家族喰い-尼崎連続変死事件の真相-』(小野一光著、太田出版刊)が発売された。 同書のなかでは、これまで本誌が報じてきた、事件の主犯である角田美代子元被告(当時64=自殺)と裏社会とのつながりが、つまびらかにされている。 事件の舞台となった尼崎市に100日以上滞在し、徹底的に取材を重ねた著者の小野一光氏が、その実態を本誌に明かした(以下、本文中〈 〉内の部分は『家族喰い』からの抜粋)。 美代子元被告は周囲に対し、ことあるごとに自分と暴力団の大幹部とのつながりを吹聴してきた。それは、自らが“乗っ取り”を企てた相手家族に対しての、脅しの材料にもなっていた。 〈「美代子は四郎(仮名)の運転する車に乗って、大阪ミナミの組長の姐さんに会いにいったり、あと、我々には阪神・淡路大震災のときの炊き出しで、山口組の五代目(故・渡辺芳則組長)と顔見知りになったんやいうことを口にしていました。そうやって、自分がいかに力を持った人を知っとるかを常にひけらかしとったんです」〉 このコメントは、'98年3月から約2年間、美代子元被告らに軟禁されていた人物によるものである。もちろん実際には、美代子元被告が自慢したような“親密”な関係は存在しなかった。 文中に出てくる運転手の四郎は、美代子元被告が口にした「ミナミの組長の姐さん」を直に目にしていない。また、当然ながら山口組の五代目と顔見知りだということの“ウラ”を取った者もいない。 そうした“ハッタリ”が作り話であったことは、彼女を昔から知る人物による証言からも明らかである。このような大物との親しい関係を信じ込ませることによって、美代子元被告の背後に見え隠れする暴力団の存在を恐れた男たちが言いなりになる状況を作っていたにすぎないのだ。 美代子元被告は常に、自分を現実以上に大きく見せようとしていた。そのため、あらゆる手段を使って、暴力団とのつながりを誇示しようとしたのである。 彼女の自宅を訪れた人物によると、玄関の近くには、元ボクシング世界王者の渡辺二郎氏と美代子元被告が一緒に写った写真が、これみよがしに飾られていたという。撮影に至った経緯は不明だが、写真を飾る意図も、前述の理由によるものである。 もちろん、美代子元被告と裏社会の人間にまったくつながりがなかったわけではない。事実、彼女の母方の伯父などは、地元の暴力団関係者だった。 〈「あのオバハン(美代子)の伯父に寅雄(仮名)いうんがおるやろ、あれも××組の若い衆やったからな、いろいろ仕事を紹介してもろとったみたいやで」〉(美代子元被告の周辺関係者=抜粋部分以下同) この伯父の紹介で、美代子元被告は10代の頃から売春の斡旋を行うようになり、19歳のときには16歳の少女に売春をさせたとして、売春防止法違反容疑で逮捕された過去を持つ。 また、彼女とは30年来の付き合いがある、地元のXという集団の中心人物Zは、やはりその周囲に暴力団の人脈を抱えている。その人脈を使い、美代子元被告はかつて自宅で共同生活をさせていた橋本次郎さん(当時53)を、地元の暴力団に預けていたこともある。 〈「橋本次郎はな、前に短期間やけど地元の××組に預けられたことがあったんやで。××組の相談役やら構成員がな、角田のオバハンと親しかったんや。ほんで、次郎をしばらく部屋住みで預こうてもらえんかいうてな、修行させたわけや。次郎は組長の犬を散歩させたり、兄貴分の煙草を買いにいったりしてた」〉 美代子元被告はXの関係者とともに、高齢者や社会的弱者にカネを貸したうえで生活保護受給の斡旋を行い、支払われた保護費から返済金や利子などを天引きするということもやっていた。そうした“裏ビジネス”を指南したのもまた、周囲に蠢く裏社会の人間たちだった。 〈「Xのまわりにはヤクザもようけ(たくさん)おるわけや。当然、生活保護とかに知恵のまわる者もいてるわけやろ。ヤミ金にしてもそうや。Xやらほかにもおる仲間やらと互いにカモを紹介してな、助け合うてるわけや」〉 もちろん、そこで要求するのは法外な利子であり、なかには理不尽な金額に反発する相手も出てくる。 〈「利息が高いとか文句をつける者がおったら、まわりにおる若い衆を使うてな、ボコボコにするんや」〉
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社会 2013年12月01日 16時00分
会社同僚の私生活も丸裸 急増女性宅に隠しカメラを設置する「盗撮ストーカー」の執念
目を付けた女性宅に合い鍵を作って忍び込み、盗撮用カメラを設置してプライベートを覗き見する“盗撮ストーカー”の犯罪が増えている。 11月19日、大阪府警大正署は、住居侵入の疑いで大阪市東淀川区の会社員(31)を逮捕した。同署によれば容疑者は、7月13日午前2時〜3時50分、会社の同僚女性の部屋に合い鍵を使って侵入。本人も『同僚の女性が好きだった。下着姿や裸を撮影したかった』と容疑を認めているという。 「容疑者は職場で女性の鞄から鍵を盗みコピーを作成し、4月末に女性宅に侵入後、冷蔵庫の隙間にカメラを仕掛けていた。しかし7月になり女性が偶然カメラを発見。警察が捜査したところ、防犯カメラの映像などから容疑者が浮上したのです」(社会部記者) 呆れたことに、その3カ月間、容疑者はカメラのSDカード(記録媒体)を交換するため数回侵入を繰り返していたという。 「今年9月にも、福岡で勤務先の部下の女性(29)宅に侵入したとして、上司の49歳の男が住居侵入容疑で逮捕されており、『昨年夏に会社で女性の鍵を盗み合い鍵を作った。女性部下が好きで、私生活を覗きたかった』と自供しました。この男も6月から女性のマンションの部屋のタンスと衣装ボックスの間にカメラを仕込み、定期的に侵入して記録媒体の交換をしていたのです」 盗撮被害はまだ序の口。昨年12月末には、新宿の居酒屋でアルバイトをしていた女性(22)が同僚の男(28)に鍵を無断で複製され、女性宅で待ち伏せていた男に襲われた揚げ句、殺害されるという悲劇も起きているのだ。 「この手の犯罪では、圧倒的に同じ職場で鍵がコピーされるケースが多い。女性は昼食に出かける際など、財布を注意する割に鍵の入ったバッグの管理が疎かになる傾向があるからです。鍵に関しても、法律で複製が禁止されている磁気式のものは別にして、普通のものは簡単に複製できる。同じ輩がいる限り十分な警戒が必要です」(探偵業者) あなたの大事な人は大丈夫か。
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社会 2013年12月01日 15時00分
森永卓郎の「経済“千夜一夜”物語」 特区で進む勝ち組優遇
アベノミクスの成長戦略の目玉である、国家戦略特区で実施される減税策が明らかになった。 報道によると、(1)政府が指定する成長業種への法人税率引き下げ、(2)特区計画で定めた事業を行うための設備投資や研究開発に対する減税、(3)都心部の高層マンション建設などで不動産取得税や登録免許税・固定資産税などを減税、(4)工場の機械や車両などの固定資産税を一定期間免除などの制度が提示されている。 減税策は、これから政府税調などで協議されるため確定したものではない。しかし、特区内に立地する企業に対して優遇策を講じる意味は、一体何があるのだろうか。 一般論で言うと、特区が持つ意味付けは三つある。一つは、社会実験だ。今までやったことのない政策をいきなり全国ベースで行うのは危険なので、地域を限定してまずやってみて、それでうまくいくようなら全国に広げようというものだ。ただ、このコンセプトは今回の特区には当てはまらない。法人税減税や研究開発投資減税などは、今まで幾度も行われてきた普通の経済対策だからだ。その効果は過去にいくらでも経験があるのだから、わざわざ実験をする必要もない。また、これが成功したからといって全国に広げる計画もないのだ。 特区が持つ二つ目の意味付けは、産業の集積だ。同業者が集積すると技術交流や分業、集客などで大きなメリットが発生する。大田区の金属加工業とか秋葉原の電気街をイメージするとわかりやすいだろう。しかし、今回の特区構想には具体的に何の業種を集積するのかという計画がない。 特区が持つ三つ目の意味付けは、地域振興だ。例えば、沖縄県には経済特区が設定されていて、進出企業は法人税が4割減額されるなどの優遇策を受けている。私は、沖縄が飛び抜けて大きな米軍基地の負担をしている現状を踏まえれば、優遇は当然のことだと思う。 今回の国家戦略特区も候補地として沖縄や北海道、新潟の名前が挙がってはいるが、その中心は東京、大阪、名古屋の都心部なのだ。すでに繁栄を謳歌している大都市を何故さらに税制優遇しなければならないのか。そこが、国家戦略特区の一番の問題点なのだ。 私は、国家戦略特区の本当の目的は、大企業や外資の優遇策だと思う。いま都心部に林立している高層ビル群を思い浮かべてほしい。そこに入居している企業は、大部分が大企業や外資系企業だ。特区が新設されて、新しいビルが建設されたとしても、そこに中小企業や地方企業が入居することは、およそ考えられない。賃料が坪5万円もするようなオフィスを借りられるような体力はないからだ。 そして、大企業や外資系企業を税制優遇する財源は、一般の企業や個人が支払う税金で賄われる。こんな不公平なことがあるだろうか。 私は、今回国家戦略特区の指定を受ける権利がある地域は、唯一福島県だと思う。国策である原子力発電に協力して、原発事故というひどい目に遭ったのだから、福島県の企業を優遇しても文句を言う人は少ないだろう。また、特区の新設で進出企業が増えれば、福島県の復興も進むし、地元の人の雇用も拡大する。ところが、今回の国家戦略特区の構想では、福島県の名前は一切出ていないのだ。
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社会 2013年12月01日 11時00分
女性刑務所の収容過多・高齢化
このほど平成25年度版犯罪白書が発表され、平成24年に刑務所に入った女性は2225人で平成5年(919人)の2倍以上だったことが明らかになった。 「昨年入所した65歳以上の女性285人の約8割が窃盗罪でした。高齢者の場合、万引きで服役するケースが増加しているとみられ、入所者倍増の一因となっている可能性が指摘されている。加えて、29歳以下の約5割は覚せい剤取締法違反罪で、こちらもシャブの味が忘れられず、再び手を出すケースも多いそうです」(社会部記者) 問題は、全国に9カ所ある女子刑務所の昨年末の平均収容率が103.4%で、過剰収容状態が続いている点だ。 刑務所に詳しいノンフィクション作家の斎藤充功氏が言う。 「高齢者の万引きなどの窃盗は多くが累犯。捕まっても何度でも繰り返す。しかも、多くが糖尿病、白内障などの疾病を抱え、中には認知する機能が低下した人もいる。トイレに付き添い、下着を下ろしてやるのも刑務官です。さらに、うつで苦しむ受刑者も少なくなく、カウンセラーも必要。言ってみれば、国民の税金を使って受刑者を介護する状況になっているのです」(ノンフィクション作家・斎藤充功氏) 現在、女子刑務所は栃木・笠松(岐阜県)・和歌山・岩国・麓(佐賀県鳥栖市)の以前からある5カ所に加え、近年開設された札幌・福島の刑務支所があり、昨年春には加古川刑務所にも女子専用棟が開設された。しかし、これらが介護施設のような状況となっているというのだ。 「法務省では矯正プログラムの見直しに加え、女性刑務官の増員、施設の拡充などを検討しているそうです」(同) さらに受刑者に税金が注ぎ込まれそうだ。
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社会 2013年11月30日 16時00分
ベテラン小学校講師の反乱!?
大阪市立小学校の女性講師が、同僚の40代女性教諭に睡眠導入剤を入れたシュークリームを食べさせ急性薬物中毒にしたとして、大阪府警平野署は11月14日、この女性講師を傷害・器物損壊などの容疑で大阪地検に書類送検した。 送検された女性講師(60)は、昨年6月1日夕方、職員室で買ってきたシュークリームを教師たちに振る舞ったが、そのうちの1個に睡眠導入剤『ブロチゾラム』を入れたとされる。 「結果、それを食べた女性教諭は、間もなく意識不明に陥り病院へ搬送されました。病院から急性中毒の患者がいるとの通報を受けた警察が女性の血液鑑定をしたところ、服用した覚えのない睡眠導入剤の成分が検出されたため、捜査を始めていたのです。その中で女性講師に事情を聞いたところ、女性教諭について『指導方法が自分とは異なり、任せていたら子どもたちが育たないと感じた。日頃の態度にも不満があり、邪魔で仕方なかった。いなくなればいいと思っていた』と犯行を認めたため、書類送検するに至ったのです」(捜査関係者) この小学校では、数年前から女性教諭ばかりが会議中などの最中に突然眠り込んだり倒れる事件が続発し、さまざまな憶測を呼んでいたという。 「女性講師は、長年小学校教師だったが、50代でいったん退職しており、経験と実績を買われ現場復帰したのです。現在、6年生の音楽の担当に対し、被害女性は6年生の担任。今年4月には学校から1年生の『児童調査書』が紛失する騒ぎが起きるなど、学校の中で指導力不足が目立つ女性教諭が増えてきていたことに、ベテランの彼女は我慢がならなかったようなのです」(地元記者)
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社会 2013年11月30日 11時00分
ヤマダ電機の止まらない凋落
家電量販店の“ガリバー”ヤマダ電機の凋落が止まらない。連結最終損益が42億円の赤字となり、'02年の連結決算への移行後、4〜9月期として初の最終赤字に塗れたのだ。 今年3月期に2年連続で大幅な減収減益となった同社は創業者の山田昇会長が社長に復帰、他の役員を一斉に降格してテコ入れを図ったが、現実には空回りした格好。おかげで株価は低迷し、塩漬けを余儀なくされた個人投資家には“泣き”が入っている。 「屈辱決算に陥った最大の原因は、アマゾンなどのネット通販サイトとの価格競争の揚げ句、予想外に採算性が悪化したことだ」と関係者は打ち明ける。 「ヤマダ電機は5月から価格決定の裁量権を店長など現場に与えた。これを機にライバルを同業者からネット通販まで拡大したことから、店舗によってはアマゾンなどが提示する価格どころか、顧客の言い値まで値引きして売るケースさえあった。いわゆる『安心価格保証』の拡大解釈です」 8月からはネット通販を“仮想敵”とする方針を転換し、大幅値引きにタガを嵌めたとはいえ、言い値丸呑みで味を占めた顧客がどこまで納得するかは怪しい限りだ。 「この赤字決算は、電機メーカーとの価格交渉力に大きく影響する。メーカーが強気に転じる分、圧倒的な存在感を誇ったヤマダのバイイングパワーは急速に低下するだろう」(ライバル社幹部) 栄枯盛衰とはよくぞ言ったもので、家電量販店は数年サイクルで業界トップの座が交代してきた“下剋上”の歴史を持つ。しかも同社は鳴り物入りで進出した中国店舗を相次いで閉鎖する失態を演じたばかり。そこへ赤字垂れ流しの追い打ちとくれば、市場に燻る「ヤマダ時代の終焉」観測が妙に説得力を持つ。