「昨年入所した65歳以上の女性285人の約8割が窃盗罪でした。高齢者の場合、万引きで服役するケースが増加しているとみられ、入所者倍増の一因となっている可能性が指摘されている。加えて、29歳以下の約5割は覚せい剤取締法違反罪で、こちらもシャブの味が忘れられず、再び手を出すケースも多いそうです」(社会部記者)
問題は、全国に9カ所ある女子刑務所の昨年末の平均収容率が103.4%で、過剰収容状態が続いている点だ。
刑務所に詳しいノンフィクション作家の斎藤充功氏が言う。
「高齢者の万引きなどの窃盗は多くが累犯。捕まっても何度でも繰り返す。しかも、多くが糖尿病、白内障などの疾病を抱え、中には認知する機能が低下した人もいる。トイレに付き添い、下着を下ろしてやるのも刑務官です。さらに、うつで苦しむ受刑者も少なくなく、カウンセラーも必要。言ってみれば、国民の税金を使って受刑者を介護する状況になっているのです」(ノンフィクション作家・斎藤充功氏)
現在、女子刑務所は栃木・笠松(岐阜県)・和歌山・岩国・麓(佐賀県鳥栖市)の以前からある5カ所に加え、近年開設された札幌・福島の刑務支所があり、昨年春には加古川刑務所にも女子専用棟が開設された。しかし、これらが介護施設のような状況となっているというのだ。
「法務省では矯正プログラムの見直しに加え、女性刑務官の増員、施設の拡充などを検討しているそうです」(同)
さらに受刑者に税金が注ぎ込まれそうだ。