社会
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社会 2016年07月30日 17時59分
なった者にしか分からない! 苦しい痔の症状と解決策
ふとした瞬間に感じる下腹部の痛み。それも、前面ではなく、お尻側。トイレでふき取ってみると、出血している場合もあります。 これは、いわゆる“痔(ぢ)”と呼ばれる症状。デリケートな部分なだけに、公表もできずひとりで悩んでしまいがち。 今回は、そんな痔の症状や対策などについて、看護師の大木アンヌさんにお聞きしました。■痔には三種類 「痔とは、肛門や肛門周辺に起きる病気のこと。痔核(いぼ痔)、裂肛(切れ痔)、痔ろうといった種類があり、原因もそれぞれ違います。男女ともに起こる症状ですが、男性は女性に比べて下腹部の痛みや出血に慣れていないため、深刻に受け止めてしまうことが多いです。痔を持っている人は、“痔主”というありがたくない称号を受けることもあります」■それぞれの原因 「いぼ痔はその名の通り、肛門周辺にいぼのような腫れができる症状です。肛門の内側にできる内痔核、外側にできる外痔核に分けられます。原因としては、便秘により肛門付近に力がかかってしまうこと。同じ姿勢を続けることで、肛門部がうっ血してしまうことなど。切れ痔は、肛門部が切れて傷ができてしまう症状です。便秘などにより便が固くなり、それが肛門を通過する際に生じたり、もしくは下痢によって肛門の粘膜が弱くなってしまうことも原因として挙げられます。痔ろうは、肛門が菌に感染し、周囲に膿が溜まってしまう症状です。体の免疫力が低下している時に起きやすく、発熱をともなうこともあります」■男性に多いのは痔ろう 「女性は妊娠や出産によりいぼ痔になることが多いです。また便秘にもなりやすいため、切れ痔もよく見られます。反対に男性は下痢の症状やストレスが多いため、痔ろうにかかりやすい。また、肛門括約筋が強いことも、痔ろうになる要因となります」■痛みを軽減するには 「痔はとにかく痛みを避けるのが課題。そのためには、肛門に力をかけないこと。横になって肛門を外側に向け、安静にしているのが一番です。でも、なかなか横になるわけにはいかない状況もあります。そんな時は、円座のクッションを使うといいでしょう。真ん中の肛門の部分が開いていて、負担がかからないようになっています。あとは、薬での治療になります」■対策と治療法 「痔の原因として、便秘や下痢は大きなもの。アルコールの過剰摂取や、冷たい物や辛い物を摂りすぎると、下痢になりやすいので控えるべき。運動は代謝アップに繋がり、便秘の解消に役立ちます。また血流もアップするのでとても良い。ストレス解消にもなるので、常日頃からのほどよい運動は欠かせません。痔は炎症によるものなので、薬での治療が一般的ですが、痔ろうだけは薬が効きません。治療は手術ということになるので、どうぞお気を付けください」 痔になると、痛いしなんだか格好も悪いしで、とても気分が落ち込みます。なってからでは遅いので、普段の生活から気を配り、痔主の称号を受けないよう体調を整えておきましょう。【取材協力】大木アンヌルーマニア人ハーフの看護師。家庭や恋人同士で使える簡単な医療の知識を少しでも伝えていくため、ライターとしても活動中。
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社会 2016年07月30日 16時00分
人が動く! 人を動かす! 「田中角栄」侠(おとこ)の処世 第29回
政府・自民党にとって懸案だった医師会問題で、丁々発止の末「大ボス」「ケンカ太郎」こと武見太郎同会会長を見事に説き伏せ、「田中あり」を党内外に知らしめた田中角栄政調会長は、いよいよ意気軒高であった。 昭和37年1月下旬からの通常国会の代表質問に登壇するや、暴力主義的破壊活動を行った団体を規制する破壊活動防止法案(略称「破防法」)に反対などの社会党に、モーレツ攻撃を掛けたこともその一つであった。 社会党議員席からはもとよりヤジ、怒号が飛び交い、社会党の議場内交渉担当議員が「アレは質問になっていない」と事務総長席に詰め寄るなどの一幕があったが、田中はどこ吹く風であった。ところが、それから間もなく、今度は社会党に仇を取られることになる。 同年2月6日、折から来日中のロバート・ケネディ米司法長官と田中政調会長他12人の自民党議員が、今後の沖縄返還問題について懇談した。そのときの田中がケネディに向かってしゃべった話の中身が、「オフレコ懇談会」であったにもかかわらず、どうしたものか翌朝の新聞にスッパ抜かれたのであった。田中いわくのそれは、「現在、日本国内で沖縄返還の要望が強いが、米国としては日本の憲法に核兵器禁止などの制約があることから、対中・対ソ(現・ロシア)との軍事的見地を鑑み返還できないものだと考える。従って、沖縄返還の一つの方法として、米国が返還の前提条件として日本が早急に憲法を改正し、再軍備を進めるよう提起したらどうか」というものだった。新聞報道直後の記者会見で田中は「私の真意をよく伝えておらん。もう、いらんことは一切言いませんよ」と弁明したが、待ってました、社会党が衆院予算委員会でこの“問題発言”を取り上げテンヤワンヤとなった。 その予算委員会で、田中は池田勇人首相に「私が直接、釈明の答弁に立つ」と言ったが、池田は「いや、キミが出ればブチ壊しになる」と抑えて自ら答弁に立ち、「田中政調会長の真意は沖縄、小笠原返還の前提条件に、仮に米国から憲法改正、再軍備強化などの要求を出されたらそれこそ大変なことになるというところにある」と苦しい“助け舟”を出したものであった。 その後、田中は与野党そろった予算委員会の理事会に出席、あらためて「発言は遺憾であった」と陳謝、辛くもケリをつけることに成功したのであった。 しかし、ヘタをすれば内閣の命取りにもなりかねなかっただけに、首相になる前「貧乏人は麦を食え」などの放言、失言で知られていた池田もさすがに、こうボヤいた。「“失言の池田”が、人の放言の尻拭いをするようになったのか…」と。これを耳にした田中は政調会長更迭にビクついたか、さすがに意気消沈、「ひげでもそらなきゃならんかなぁ」と口にしたのだった。 当時、すでに“チョビひげ”は田中の代名詞でもあった。もっとも、このひげの一件を、当時、米国留学中の愛娘・真紀子(後に外相)が報道で知り、「ヤジ(オヤジの意) ヒゲソルナ」の“ウナ電”(至急電報)を打ったことで、田中もそるのを思いとどまったというエピソードがある。 こうした中で、一方で立ち直りの早いのも田中という政治家の特性だ。この頃、田中は自分に言い聞かせるように次のような「語録」を残している。 「苦しくなって逃げ出すような奴は何をやってもダメだ。特に、政治の世界ではモノにならない。我慢強さ、ウロウロしない。すべからく、こうしたことが大事なのだ」 「何事も誠心誠意でやることだ。些細なことでも手抜きはダメだ。率先垂範、全力投球。勝負は最後まで捨てない。物事は最後までどうなるか分かるものか。山より大きなイノシシは出ない。怖いものはない。志を持ったら断固やるべしじゃ。闘争心のない奴はモノにならない」 政調会長として「天下取り」の視野が開けてきたこの期、一方でこんな声も出始めていた。田中の強大無比だった〈旧新潟3区〉に張り巡らされていた後援組織「越山会」元幹部のこんな証言がある。 「田中は30代前半までは政治資金に汲々としていた。急に羽振りがよくなったのは政調会長になってからだ。“天下取り”にはまずカネ、子分を増やし、足元を固める必要があった。地元への公共投資導入に一気に拍車を掛け始め、同時に土地に絡むキナ臭い話も漏れ出してきた。学歴なし、門閥もなしの田中には、カネがなければ何もできなかった。そのことを、田中は身をもって知ったのではなかったのか」(以下、次号)小林吉弥(こばやしきちや)早大卒。永田町取材46年余のベテラン政治評論家。24年間に及ぶ田中角栄研究の第一人者。抜群の政局・選挙分析で定評がある。著書、多数。
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社会 2016年07月30日 11時00分
丸山和也参議院議員インタビュー 「18、19歳が与党支持なんてつまらない国になったな」(1)
参院選に続き今週末は東京都知事選が行われる。首都・東京での与野党激突だけに国政選挙並みの注目度だ。自民党員でありながら自由な立場で発言する“本誌ご意見番”丸山和也参議院議員に今の政局について話を聞いた! −−今回の都知事選は保守が分裂する一方で、野党は統一候補を擁立、三つ巴の構図になりましたね。 有名人頼みの選挙はいかがなものか、という宇都宮さんの言うことは唯一、筋が通っていた。しかし、実際の選挙の勝敗となると、話は別だ。オレは前回の都知事選のとき、社民党の福島瑞穂に「勝ちたいなら一本化した方がいいよ」と言ったんだけど、彼女は「ウチも宇都宮さんを推薦しちゃったから…」なんて言っていた。前回は野党側が分裂して細川護熙さんも立候補したけど、宇都宮さんは降りることができなかった。今回は相手が鳥越さんだから引くことができた。元日弁連の会長だし、個人的に彼のことをよく知っているけど、苦渋の決断だったと思う。「宇都宮を立てて鳥越が降りろ」なんて意見もあったようだが、それでは勝敗は厳しい。 −−与党側は分裂選挙で、陣営の引き締めに躍起になっているのがうかがえます。 オレのところにも「都知事選における党紀の保持について」というファックスが都連から告示前に届いた。推薦候補に協力しろというのは分かるが、女房や子どもなど家族・親族が他の候補を応援しても除名処分の対象になり得るというんだよ。時代錯誤というか、はっきり言って憲法違反だな(笑)。夫婦といったって別人格だから、支持政党・候補が違う場合もいっぱいあるよ。宇都宮さんが立候補しないと表明する前のことだから、タイミングを考えれば、主として小池百合子を狙い撃ちにしたような文書だ。小池に入れるな、と言いたいのだろう。 −−実務能力に優れた人がいいという世論もあって、自公は増田氏に決めたという印象でした。 増田さんは従順な役人というイメージだね。経験豊富で政策にも明るいが、都政改革ということでは期待できないかもしれない。討論会で、小池から「都議会の言いなりになるのか、対決するのか」と嫌味な質問をされていたが、増田さんは「私は最初から対決するつもりはない。言い分をしっかり聞いてから決める」と優等生の答弁だった。 岩手県知事と総務大臣をやっていた頃は地方分権を主張し、東京一極集中にかなり批判的だったが、その部分を貫けるのか問われている。『東京消滅』という本まで出していたしね。実際、選挙戦に入って、発言は「東京を元気にしながら地方のことも考えていく」とトーンダウンしている。人柄がよく出ているよ(笑)。ケンカを避ける人だよね。だから、基本的には力の強い方向に沿っていくことになるだろう。 −−都知事選においては、自民党本部と都連はどちらが強いのでしょう。 東京の場合、都連の立場が強くて、都連が決めたことを党本部が承認するということになっている。都連と本部がぶつかることはめったにない。 前回、舛添が選ばれたときもそうだった。あのとき舛添を最初に推したのは公明党で、都連も候補者を探してはいたが、舛添は議会改革なんてやる気ないし、ただ威張りたいだけの男だからと分かっていたので公明に乗った。当時、自民党の幹事長は石破さんだったが、しぶしぶ舛添を認めた様子だった。都連の会合では自民党を除名された男だし、オレは反対だと言ったが、最終的に決まってしまった。それと、都連では会長の石原伸晃にいまひとつ力がないんだよ。本人もその状況に抵抗感がない。一応、みんなが立ててくれるし、神輿に乗っているのが気持ちいいのだろう。 −−保守分裂で小池氏にどのくらいの票が流れるか。今回の都知事選のポイントはそこです。 都議会にも小池支持がいるから、自ら離党して“小池党”を作るのではないかという見方もあった。でも、小池にとっては除名された方が人気アップになるから離党はしなかった。東京は浮動票が圧倒的に多い。自公の基礎票は3割程度だ。浮動票を小池と鳥越さんで分け合うとなると、全体を三等分することになるから混戦だ。増田さんはインパクトがないので、穏やかな選挙では強いかもしれないが混戦では厳しい。舛添が辞任したばかりのときは、次は実務型がいいという話だったが、小池も鳥越さんもテレビ出身。結局は今回もタレント合戦になってしまったな。
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社会 2016年07月29日 10時00分
遺品整理士が見た! 激増する独居老人の孤独死(3)
孤独死は高齢者に限らない。非正規などの若年層でも起こる。 「UR都市機構のデータによると、同機構が持つ賃貸住宅内では1999年に200件強あった孤独死が、'09年には700件弱まで増えている。10年で約3倍です。20年、30年後には一人暮らしという家族形態が当たり前になる時代やってくる。そうなると、孤独死が増加するのは避けられません」(老人問題アドバイザー) 30代後半の男性は今、35%が結婚していない。正規の会社員なら無断欠勤が続くと同僚や上司が心配して様子を見に来てくれるかもしれない。連休明けに何日も会社に来ないことを不審に思い、様子を見に行ったら死後10日経っていたという30代のOLの例もある。これが非正規やフリーターの場合「ばっくれやがったな」でおしまいだ。 「新聞配達やヤクルト、弁当の訪問販売などには、警察と連携した高齢者宅の“異常”を通報するシステムがあり、実際に人命救助に役立った例があります。こうしたサービスは、自身の孤独死対策に消極的な人にも見守りの目が行き届くようになっています」(東京都社会福祉協議会) 「孤独死」が増えるに従い、遺族に代わって遺品の整理や処分を行う業者も多くなった。孤独死によって生じる大きな問題は前述したような死体の処理だが、もう一つの問題は、部屋に残された引き取り手のない遺品類の整理だ。 便利屋など遺品整理の専門業者の上部団体に「遺品整理士認定協会」(本部:北海道千歳市、加盟:全国2000社)が創設され、そのHPでは同協会推薦の全国の業者一覧が掲載されている。同HPを利用することも念頭に入れておこう。 「業務は、まず現地を視察し、見積もりを出してからスタートします。生前依頼も少なくありません。生きている間に残された家族に迷惑をかけないようにと『終活』の一つとして身辺整理をしておきたいということでしょう。本人、家族、親族以外の依頼は市営・都営住宅や社会福祉協会、葬儀屋さん、不動産屋さん、病院など多方面から舞い込みます。遺品整理宅によって請求金額は違いますが、5万円から100万円までと幅が広くなっています。直後に住宅を解体するか、または清掃後、部屋を継続して誰かが住むなどの条件によって違ってくるからです」(都内の業者) 故人の部屋の片付け、清掃、不用品の処分などは、これまでは遺族の仕事だった。現代は「跡継ぎ不在」「お一人様」社会になりつつある。少子高齢化や晩婚化、生涯結婚しない非婚化('30年には男性の30%、女性の23%が非婚と予測)などで、子どもがいない人生を歩む人が増えていく。 こうした世情で死後の後始末を「自助」だ「自己責任」だと当事者に押し付けても、ライフスタイルが変化し、認知症患者が300万人という時代の中では何の解決策にもならない。 どう生きてきたか、最期までどう生きたいかを考え行動することが、今こそ必要なのだ。
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社会 2016年07月28日 16時00分
中国人が群がるトラ闇取引ルートが明らかになったタイ寺院の悪行
仏に仕え、生きとし生けるものへの慈愛に満ち溢れるべき仏教僧が鬼畜道に堕ち、タイ国民に大きな衝撃を与えている。 タイの首都・バンコクの西郊、カンチャナブリー県にある『タイガー・テンプル(トラ寺院)』は、トラの保護と観光を結び付けた人気スポット。トラを抱いたり餌付けをしたり、一緒に記念写真を撮影することもできる。 「ただし、入場料が600バーツ(約1800円)と高額で、入場者のビデオ撮影などは有料。マスコミの取材にも法外な金銭を要求するなど、評判はよくなかったのです」(現地記者) しかも、同寺院の僧侶による組織的なトラの虐待、さらには密売が濃厚となり、6月、ついにタイ警察が強制捜査に着手したのだ。 「境内の冷蔵施設から、生後数日とみられるトラの死体40頭が発見されたほか、僧侶の宿舎などからはトラの毛皮、歯、内臓の部位などが多数押収され、生きていた146頭は政府施設に移送されたのです」(同) しかし、これまでに逮捕されたのは住職の秘書1人と僧侶4人のみ。同寺院の創設者でもある院長は、体調悪化を理由に自宅に閉じこもっているという。タイでは僧侶の社会的地位が保障されており、警察とはいえ特別な手続きを踏まなければ、身柄を確保できないという制約があるからだ。 「内臓やペニス、骨を漬けた酒などは漢方薬として、毛皮は贅沢品として高値で売買されていた。しかし、トラは売買禁止品目のため、闇ルートで隣国のミャンマー・シャン州モンラーに送られていたのです。モンラーはカジノや買春を目当てにリッチな中国人が大挙押しかける街で、人民元も通用する。その一角で密かに売られているようなのです」(同) 成長したトラ1頭の値段は65万バーツ(約195万円)とされ、同寺院は年間約3億6000万円の収益を得ていたとの試算もある。 仏罰は下るのか。
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社会 2016年07月28日 10時00分
遺品整理士が見た! 激増する独居老人の孤独死(2)
自身の死を考えてみよう。葬儀や納骨から始まり、電気・水道など各種契約の解除や遺品整理といったさまざまな死後の事務処理を誰が担うのか、という問題が浮上する。誰が人生の最終章を支え、看取り、弔ってくれるのか。その担い手の不在に直面する人々が独居老人の増加によって増えていく。また、子どもがいても貧困のために経済的自立が困難で、例えば葬儀や墓の購入を子どもには頼れないというケースも出てくるだろう。 「ええい! やけのやんぱち日焼けのなすびだ。わたしゃ一人静かに誰にもみとられず息を引き取れればいい」と思っても、これはこれで大変な問題となる可能性をはらんでいる。 死後発見された遺体は、夏場なら2、3日ほどで腐る。ウジがわき、人の脂が畳や絨毯、床に染み込む。すると、遺骸をどけると倒れたときの形状がクッキリ浮かび上がる。こうなると葬式時に最期のお別れで、弔問客(いれば、それはそれで結構なことだが)に顔を見せることはできない。 引き取り手のない孤独死の場合、ある自治体では社会福祉協議会が遺骨を木箱に入れて10年間保管することになっている。それは想像するだけでむなしい。 東京都には、なぜ亡くなったのかはっきりしない人の死因を調べる監察医制度があり、監察医務院という都の組織がその結果を分析している。この制度は都以外に大阪、神戸、名古屋市にもあるが、その他の自治体にはない。要するに4大都市以外の道府県で亡くなると、はっきりした外傷などがない場合は事件が見逃される可能性があるのだ。 監察医務院によると「東京23区で一人暮らしをしていて自宅で亡くなって発見された人は約6000人。そのうち65歳以上の高齢者は約3800人いた」('13年)という。NHKが全国の自治体を調査した結果では、孤独死は3万2000人('08年)に上っている。 「厚労省の研究班がまとめた数字でも1年に約3万人が孤独死で亡くなっています。孤独死は全国統一の定義がなく、(1)自宅で亡くなっている。(2)死因は自殺と他殺を除く、例えば脳梗塞や心筋梗塞で具合が悪いのに助けが呼べずに餓死してしまったり、お年寄りや心臓に病気のある方が、風呂に浸かったまま意識を失って溺死してしまうというケースです。また、亡くなられてから発見されるまでにどれだけ経過したかも明確には定義されていません。死後1日で発見されても1カ月後に発見されても孤独死は孤独死です。ただし、ターミナルケアとして、介護士や訪問看護師、医師が定期的に訪問している場合は、死期が予測されているので孤独死とは言いません」(東京・足立区社会福祉協議会) 孤独死した人すべてが生前から孤立していたというわけではない。 「知人や家族がいても、たまたま一人でいたときに亡くなることもある。医務院によると、一人暮らしをしていて亡くなり、1週間のうちに見つかった人は約7割でした。音信が途絶え、親族や知人が、もしやと思い訪問して発見されるケースです」(同)
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社会 2016年07月27日 16時00分
森永卓郎の「経済“千夜一夜”物語」 超々格差社会の到来
7月10日に投開票された参議院選挙は、改憲勢力が議席の3分の2を獲得するほどの与党圧勝に終わった。野党は憲法改正のリスクを必死に訴えたが、憲法問題は大きな争点にならなかった。理由は、国民の一番の関心が、日々の暮らしだったからだ。 その点で、最大野党の民進党は、戦わずして敗れたのだと思っている。与党が消費税引き上げを2年半凍結するとしたのに対して、民進党は2年だけだったからだ。 つまり民進党は、消費税率の引き上げに、より積極的ということになってしまったのだから、それで選挙に勝てるはずがない。消費税引き上げを完全凍結すると主張した日本共産党や、おおさか維新の会は、議席を伸ばしている一方で、民進党は、またしても経済政策で失敗したことになる。 それに対し安倍政権は、今回の選挙結果を受けて、衆議院の解散総選挙をにらみながら、景気対策に打って出るだろう。 ひとつは、公共投資を中心とする大型の財政出動だ。本来であれば、消費税率を5%に戻して国民全体に恩恵を与えるのが一番効果が大きいのだが、消費減税は利権を生まない。公共事業を打つというのは、何十年も続いている自民党の伝統だ。しかし、もちろん、その財源はないのだから、国債増発ということになる。そこで出てくるのが、金融緩和という第二の景気対策だ。新規発行した国債は、日銀が買い取るのだ。 いまの日本経済が低迷している理由は、イギリスのEU離脱をきっかけに、円高・株安が続いているからだ。しかし、日銀が追加の量的金融緩和を断行すれば、それは簡単に解消できる。それができずにきたのは、昨年末のアメリカのゼロ金利解除以降、アメリカ経済が低迷したため、アメリカが日本の金融緩和を許さなかったからだろう。 しかし、改憲勢力が3分の2の議席を獲得したことで、憲法9条改正が可能になった。改正すれば、米軍の支援部隊として、自衛隊をいつでも、世界中どこへでも派遣できるようになる。だから安倍政権は、憲法9条改正と引き換えに、金融緩和の理解をアメリカから取り付けることができるだろう。この財政出動・金融緩和によって、日本の景気は今秋以降改善していくとみられる。 ただし、景気拡大で国民生活がよくなるのかと言えば、そうではない。 すでに実質賃金は、5年連続で下がっている。今後景気が良くなれば、賃金が上がりだすという見方もあるが、それでは企業の人件費負担が増えてしまう。そこで安倍政権が導入してくるとみられるのが、ホワイトカラー・エグゼンプションだ。 「報酬を成果で決める」というこの制度を導入すれば、景気拡大に伴う人手不足は、すでに雇っている従業員を長時間労働させることで補える。 しかも、この制度の下では残業代を支払う必要がないから、企業にとってはむしろ時間当たりの労働コストを下げることができる。さらに次の段階で、政府は金銭解雇制度の導入も進めてくるだろう。 長時間労働で従業員が体を壊したら、100万円程度の手切れ金で切り捨てる。これが、いまの日本が向かっている近未来の姿だ。
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社会 2016年07月27日 10時00分
遺品整理士が見た! 激増する独居老人の孤独死(1)
2010年の国勢調査で「一人暮らし」が全世帯に占める割合が32.4%と「夫婦と子どもからなる世帯」(27.9%)を初めて上回った。その中で高齢者に目を移すと、'14年の高齢化率26.0%は、10年後の'25年には30%超となり、45年後の'60年には約40%に達すると国は予測する。つまり一人暮らしの高齢者は確実に増えていき、近代日本史上、経験のないステージにわれわれは足を踏み入れていくのだ。 老後を取り巻く問題は数多くある。「老後破産」に「下流老人」という経済問題から「買い物・住宅難民」「終活」という生活環境問題しかり。「終活」をせずに逝った場合、遺族に浮上するのが「実家の後片付け」だ。親の遺品整理や空き家対策など、老親と離れて暮らす人には避けて通れない深刻な問題である。 今年4月『カツオが磯野家を片付ける日 後悔しない「親の家」片付け入門』という新書が発売され話題になった。 波平が亡くなり、一人残された“何でも簡単には捨てられない性分”のフネによってゴミ屋敷と化した実家を、長男カツオが片付ける。そんな様子をシミュレーションしたもので、ファイナンシャル・プランナー、不動産屋、遺品整理業者など専門家のアドバイスが掲載されている。今、実家の後始末は『サザエさん』のごとく“国民的”な課題となっているのだ。 実は故人の遺品の中には、見なければよかったというものが結構あるという。 「こんな趣味があったなんて…。家族が仰天したのは、亡きご主人に“女装趣味”があったことが分かったときでした。夫人から『誰にも見つからないように処分してください』と念を押されたのです。受けられたショックは相当なものでした」(遺品整理業者) 老後の問題に戻ろう。カツオのような頼もしい長男がいて一緒に暮らしてくれればいいが、高齢者住居問題の現実は厳しく、実際は高齢者だと賃貸されないことが多い。血縁者の保証人は必須で身寄りがないと門前払い。公営住宅やシルバーピアなども生活保護か、あるいは某宗教団体に入信して系列政党の支援を受けないと全く順番が回ってこない。 その結果、高齢者が賃貸住宅に入居できないことが問題になり、これまで「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」の建設がURや民間で進められた。 ところが「サ高住」は、単身高齢者家賃相場の2倍以上の家賃が必要になり、普通の高齢者には高根の花だ。 次にコンビニ問題である。コンビニは日常の買い物だけでなく、預金の出し入れからマイナンバーを用いた行政手続き、さらには防犯や防災まで数多くの生活機能を提供してくれる。しかし、そもそも自宅から徒歩圏内になければ、いかに便利であろうと活用することはできない。そんな徒歩によるコンビニへのアクセスに不便を感じる“コンビニ難民”が、実に全高齢者の6割に達するという報告もある。 このように高齢者を阻む住まいや生活での見えない壁は高く険しい。
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社会 2016年07月26日 10時00分
世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第184回 財政拡大路線への転換
与党が大勝した参議院選挙から二夜明けた7月12日。安倍晋三内閣総理大臣はデフレ脱却、経済の再生に向けた総合的な経済対策を、今7月中に策定するよう閣僚に指示した。経済対策の事業規模は10兆円を超え、財源としては財政投融資や建設国債の追加発行を検討するとのことである。 財政投融資は、もちろんリニア新幹線の早期開業のためにJR東海に貸し付けられる。政府がJR東海に低金利(超低金利)で資金を貸し付け、大阪までの開業時期を現行の2045年(!)から、最大で2037年まで8年の前倒しを目指すとのことだ。 もちろん、2045年に比べれば「前進」ではあるのだが、それでも東京-名古屋開通(2027年)の10年後である。東京-名古屋間開通から大阪延伸まで10年も掛かると、国内の民間投資が「東京・名古屋圏」に集中し(集中するだろう)、大阪を中心とする西日本経済は沈滞せざるを得ない。 自民党の「超電導リニア鉄道に関する特別委員会」は、リニア新幹線の大阪延伸を2030年まで前倒しするべきと提言している。2030年であれば、東京-名古屋開通から3年後に大阪まで開業することになる。財政投融資という国費を投じるのであれば、政府には2030年「以前」に大阪までの開業を実現するべく、JR東海に働きかけてほしいと切に願う。 また、建設国債を発行し、例えば北海道新幹線(札幌延伸)や北陸新幹線(大阪延伸)の前倒し整備をするとなると、これは「プライマリーバランス目標(PB目標)」について、少なくとも短期で無視しないわけにはいかない。ちなみに、今回の補正予算で建設国債を新規発行すると、何と「4年ぶり」のことになる。 建設国債とは、公共投資の財源として発行される国債だ。すなわち、建設国債を発行しインフラ整備等を行うと、バランスシートの貸方に確かに「負債 建設国債」が計上されるが、同時に借方に「資産 インフラストラクチャー」が載るのである。 特例公債(いわゆる「赤字国債」)の場合、借り入れたお金は社会保障等の「消費」として支出されるため、貸方に赤字国債が計上されたとき、借方には何も残らない。すなわち、借金「だけ」が増えるのだ。 というわけで、プライマリーバランス(基礎的財政収支)で赤字国債を管理しようという発想は分かる。ところが、日本は「インフラ」という固定資産が残る建設国債までをも、プライマリーバランスに含めてしまっている。結果的に、「短期」のPB目標にこだわった安倍政権は、国家の基盤であるインフラへの投資を減らし、建設国債を3年間も発行しなかったのである。 興味深いことに、6月2日に閣議決定された「骨太の方針2016(経済財政運営と改革の基本方針2016)」には、 『2020年度(平成32年度)の基礎的財政収支黒字化という財政健全化目標を堅持する』 という文言はあるが、「骨太の方針2015」までは存在した短期のメルクマーク(指標、判断基準)は消え失せている。 安倍政権はPB目標について「長期(2020年度)は維持、短期は無視」という形で「逃げを打つ」つもりなのであろう。ナンセンスなPB目標は「破棄」が間違いなく正しい。とはいえ、「長期は維持。短期は無視」の方が、「長期は維持。短期も維持」よりははるかにマシであることも、また確かである。 ところで、リニア新幹線全線開業前倒しや、整備新幹線の早期整備に、手つかずの新幹線基本計画(奥羽新幹線、羽越新幹線、山陰新幹線、四国新幹線など)の整備計画化が加われば、土木・建設業界にとっては待ちに待った「長期の需要見込み」となる。 政府が公共投資を拡大しようとすると、かたくななアンチ公共投資派が、 「人手不足で、供給制約があるから、公共投資の拡大はできない」 などと主張してくるわけだが、本当にわが国が「供給制約」とやらで公共投資を増やせないとなると、これは大変な問題だ。何しろ、わが国は世界屈指の自然災害大国なのである。 日本の土木・建設産業の供給能力は、長引く公共投資削減路線の影響で毀損してしまった。これが、どれほど国民の防災安全保障を脅かしていることか。 日本が自然災害大国である以上、土木・建設産業の供給能力の復活と生産性向上は、「国家存亡」に関る重要課題なのである。そして、現実に土木・建設産業の供給能力を復興するためには、「長期の需要見込み」が必要なのだ。長期的に需要が期待できて初めて、土木・建設産業は本格的に人手を確保し始め、生産性向上のための投資も拡大していくことになるだろう。 安倍政権は、リニア新幹線や整備新幹線以外にも、訪日客向けクルーズ船を受け入れられる港湾施設の整備、農林水産物や日本の食材を海外に売り込むための輸出対応型施設を全国に建設するなど、幅広いインフラ整備を推進するとのことである。 問題は経済対策の「規模」と「質」と「継続性」だ。 安倍総理は「10兆円超」という言葉を使っているが、現実のわが国のデフレギャップは「最大概念の潜在GDP」で計算すると、20兆円近いと思われる。経済対策の規模について、“10兆からどこまで増やせるか”が第一のポイントである。 次に、土木・建設産業が本気で供給能力の拡大に踏み切れるだけの「質」、すなわち“長期プロジェクト系の対策をどこまで押し込めるか”である。財務省が好む「給付金」系の財政出動をどれだけ拡大しても、デフレから脱却するに十分な「脱出速度」は得られない。当然、給付金配布で土木・建設産業の力が復活し、わが国の防災安全保障が強化されるなどということもあり得ない。 最後に、'16年度に組んだ経済対策を“'17年度以降も継続できるか否か”だ。'16年度にまともな予算を組んだとしても、'17年度以降に緊縮路線に逆戻りしてしまえば、またもや元のもくあみだ。日本は今度こそ確実に、再デフレ化してしまう。 いずれにせよ、安倍政権の「かじの切り直し」を受け、マスコミでは、 「国の借金で破綻する」 「公共投資は無駄」 といった虚偽のプロパガンダの大合唱が始まるだろう。この手のプロパガンダに対抗しつつ、三つのポイントを満たす補正予算を組めるか。日本経済にとって、決定的な分岐点が訪れようとしている。みつはし たかあき(経済評論家・作家)1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、分かりやすい経済評論が人気を集めている。
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社会 2016年07月23日 18時10分
もしかしたらあなたも…!? 自覚症状のないグルテンアレルギーの危険性
食べ物によりアレルギーを発症するという話はよく耳にします。そのため、食べる物が制限されたり、購入する際に成分を確認しなければいけないといった弊害が生まれます。 そんなアレルギーの中でも最近よく聞かれるのが、グルテンが原因となるもの。自覚症状があまりないケースもあるため、自分がグルテンアレルギーであることに気付かず、摂取し続けてしまうこともあるようです。 今回は、看護師の大木アンヌさんに、グルテンアレルギーの危険性についてお聞きしました。■グルテンアレルギーとは 「人間の体は、異物が侵入してくると、それに対して排除しようとする力が働き、抗体ができます。これを免疫機能と言います。この機能が特定の食べ物のたんぱく質によって過剰に引き起こされるのが、食物アレルギーです。グルテンとは、小麦や大麦、ライ麦などの穀物の胚乳から生成されるたんぱく質の一種です。ですから、こうした穀物を原料に作られた食品を食べた時に発症してしまうのが、グルテンアレルギーということになります」■症状に気づかず体調不良が続くことも 「グルテンを含む食品というと、パンやケーキ、うどんにそば。飲み物ではビールなどにも含まれ、種類は多岐にわたります。これらの食品を食べたことで起きるアレルギー症状としては、頭痛や腹痛など。しかし、アレルギー症状とまではいかず、過敏症程度の人も多く、痒みや集中力の低下など軽い症状で収まることも多いのです。そのため、気づかないうちに摂取してしまい、軽い体調不良が続いてしまうケースもあります」■グルテンアレルギーを確かめるには 「グルテンアレルギーの状態が深刻化すると、過剰な免疫反応により小腸が損傷し、栄養が十分に吸収できなくなるなど、セリアック病と呼ばれる症状に及ぶこともあります。自分がグルテンアレルギーであるかどうかは、血液検査でも分かりますが、やや高額。もしくは、自分でグルテン食品を2〜3週間断つという方法もあります。これにより体調の改善が見られたのなら、グルテンによる影響を受けていたと考えられます。最近ではグルテンフリーダイエットというのも存在し、摂取をやめることでダイエットに励んでいる方もいます。気になる方は、アレルギーの有無の確認とともに、少しのあいだ試してみてもいいかもしれませんね」 グルテンは多くの食品に含まれているので、もしアレルギーであるなら食べられるものもかなり限られてきます。それにともない栄養の偏りも出てくるので、足りない栄養を把握しつつ、他の食品で補うことを考えながら食事をしましょう。【取材協力】大木アンヌルーマニア人ハーフの看護師。家庭や恋人同士で使える簡単な医療の知識を少しでも伝えていくため、ライターとしても活動中。
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