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なった者にしか分からない! 苦しい痔の症状と解決策

 ふとした瞬間に感じる下腹部の痛み。それも、前面ではなく、お尻側。トイレでふき取ってみると、出血している場合もあります。

 これは、いわゆる“痔(ぢ)”と呼ばれる症状。デリケートな部分なだけに、公表もできずひとりで悩んでしまいがち。

 今回は、そんな痔の症状や対策などについて、看護師の大木アンヌさんにお聞きしました。

■痔には三種類
 「痔とは、肛門や肛門周辺に起きる病気のこと。痔核(いぼ痔)、裂肛(切れ痔)、痔ろうといった種類があり、原因もそれぞれ違います。男女ともに起こる症状ですが、男性は女性に比べて下腹部の痛みや出血に慣れていないため、深刻に受け止めてしまうことが多いです。痔を持っている人は、“痔主”というありがたくない称号を受けることもあります」

■それぞれの原因
 「いぼ痔はその名の通り、肛門周辺にいぼのような腫れができる症状です。肛門の内側にできる内痔核、外側にできる外痔核に分けられます。原因としては、便秘により肛門付近に力がかかってしまうこと。同じ姿勢を続けることで、肛門部がうっ血してしまうことなど。切れ痔は、肛門部が切れて傷ができてしまう症状です。便秘などにより便が固くなり、それが肛門を通過する際に生じたり、もしくは下痢によって肛門の粘膜が弱くなってしまうことも原因として挙げられます。痔ろうは、肛門が菌に感染し、周囲に膿が溜まってしまう症状です。体の免疫力が低下している時に起きやすく、発熱をともなうこともあります」

■男性に多いのは痔ろう
 「女性は妊娠や出産によりいぼ痔になることが多いです。また便秘にもなりやすいため、切れ痔もよく見られます。反対に男性は下痢の症状やストレスが多いため、痔ろうにかかりやすい。また、肛門括約筋が強いことも、痔ろうになる要因となります」

■痛みを軽減するには
 「痔はとにかく痛みを避けるのが課題。そのためには、肛門に力をかけないこと。横になって肛門を外側に向け、安静にしているのが一番です。でも、なかなか横になるわけにはいかない状況もあります。そんな時は、円座のクッションを使うといいでしょう。真ん中の肛門の部分が開いていて、負担がかからないようになっています。あとは、薬での治療になります」

■対策と治療法
 「痔の原因として、便秘や下痢は大きなもの。アルコールの過剰摂取や、冷たい物や辛い物を摂りすぎると、下痢になりやすいので控えるべき。運動は代謝アップに繋がり、便秘の解消に役立ちます。また血流もアップするのでとても良い。ストレス解消にもなるので、常日頃からのほどよい運動は欠かせません。痔は炎症によるものなので、薬での治療が一般的ですが、痔ろうだけは薬が効きません。治療は手術ということになるので、どうぞお気を付けください」

 痔になると、痛いしなんだか格好も悪いしで、とても気分が落ち込みます。なってからでは遅いので、普段の生活から気を配り、痔主の称号を受けないよう体調を整えておきましょう。

【取材協力】大木アンヌ
ルーマニア人ハーフの看護師。家庭や恋人同士で使える簡単な医療の知識を少しでも伝えていくため、ライターとしても活動中。

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