社会
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社会 2015年06月22日 16時00分
誰も再生を信じない… シャープ消滅ラストステージ
「もう、お先真っ暗…。外資系証券が目標株価を“倒産価格”とされる40円や60円まで下げましたから」 経営再建を目指すシャープに対する市場関係者の目が、一段と厳しさを増している。 今年3月期、同社は2223億円の最終赤字に塗れた。これを受け5月14日に経営再建計画を発表したが、踏み込んだ構造改革は見送られた。 目玉に挙げたのは国内外で5000人に及ぶ人員削減策と10月に実施するカンパニー制度ぐらいで、市場には「本気で再生させる気があるのか」との不信感が広まり、5月18日には年初来安値の161円まで売り込まれた。メリルリンチ日本証券が同社の目標株価を260円から60円へ一気に引き下げ、UBS証券に至っては170円だった目標株価を40円に下げたのは、そのころのことだ。 ところが、ここへ来て明らかになった人員削減策に関係者は「支離滅裂」と斬って捨てる。 シャープは7月から国内で3500人の希望退職者を募集する。対象となるのは49〜59歳の社員で、特別加算金として最大26カ月分の給与が通常の退職金に上乗せされる。 証券会社が“倒産必至のお墨付き”を与えている同社のことだ、ここまで大盤振る舞いすれば大量の社員が“難破船ネズミ”にならないはずはない。金融関係者は辛らつだ。 「シャープは融資を株式に振り替える手法でメガバンク2行から2000億円を調達する。その見返りに1218億円の資本金を5億円まで減資し、大阪の本社ビルも手放す。しかし、調達マネーの大半は今回の人減らし策で消えてしまう。希望退職に大金を注ぎ込む前にもっと打つ手があるはずですが、経営陣は社員が大量に辞めれば身軽になり、未来が開けると信じて疑わないのだから深刻です」 これには続きがある。希望退職と併せて一般社員の給与を7月から来年3月まで1〜2%カット(管理職は5%カット)、今年冬のボーナスは前年の半分(1カ月分)とし、残業や休日出勤の割増額も法定基準の25〜35%まで引き下げる。それだけではない。単身赴任手当や家族手当は2%削減、育児支援金や人間ドックの費用補助なども削減する。要するに“カットの連鎖”による追い打ちで、余剰社員を希望退職に追い込む仕掛けなのだ。 一方で同社は来年春、新入社員を165人採用すると発表した。今年の実績(308人)からは大幅に減るが、ライバル企業からは「泥船企業にどれだけ志のある若者が入社することやら」と突き放す声さえ漏れてくる。 人事の迷走はシャープ社員にとって悲劇だが、これを「千載一遇のチャンス」と捉えているのは即戦力の技術者を欲しがっている企業群だ。とりわけ熱いエールを送っているのが中国家電大手のハイアールと、生活用品大手のアイリスオーヤマである。 ハイアールは三洋電機の洗濯機・冷蔵庫事業を引き継いでおり、日本法人には三洋電機出身の技術者が少なくない。その経験を踏まえ、シャープ退職者の獲得に向けて東京と大阪で説明会を開く。3年前に家電事業に本格参入したアイリスオーヤマも、シャープの希望退職募集を機に中途採用枠を拡大した。関係者によると「空気清浄機などの技術者を狙っている」という。 優れた技術者だけでなく、現場での経験豊富な管理職を物色している中堅企業は少なくない。企業のヘッドハントに詳しい関係者は「今後、シャープの希望退職者が引く手あまたになるのは確実。破格の待遇を提示されたら誰だってグラッとする。その分、シャープの人材不足に拍車が掛かる。煮ても焼いても食えないような社員ばかり残ったら、それこそ消滅へまっしぐらです」と指摘する。 実は高橋興三社長、そんな事態を危惧しているフシがある。希望退職者の募集に際し、著しい支障が出ると判断した社員については「対象外」としていることだ。逆に言えば、会社から“待った”がかからない社員は「どうぞ辞めてください」ということ。ならば高給優遇のヘッドハントに乗らない手はない。そんな社員が続出すれば3500人の枠を大きく突破し、同社のジリ貧が急加速する。 「多くの社員が『あの男だけは許せない』というのがシャープ迷走のA級戦犯と陰口される片山幹雄元社長です。去年の秋、彼は日本電産の副会長にスカウトされ、この6月総会で代表権を持つ。古巣の破綻が秒読みに入った今、『そりゃないだろう』とのブーイングが噴出しているのです」(シャープOB) 折も折、同社は6月26日から放送する4K液晶テレビのCMにきゃりーぱみゅぱみゅを起用した。若者へのアピールを狙ってのことだが、市場関係者は「彼女の人気で再建できるほど世間は甘くない」と冷ややかだ。
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社会 2015年06月22日 10時00分
登山者が危ない箱根山に続く浅間山の異変は富士山噴火への最終カウントダウン
関東地方の活火山が、またも不気味な動きを見せている。6月11日、長野県と群馬県の県境にある浅間山の噴火警戒レベルが「火口周辺規制」の2に引き上げられたのだ。浅間山の警戒レベル引き上げは約5年ぶりで、すでに今年4月下旬から火山性地震が増加、火山性ガスに含まれる二酸化硫黄も6月8日に500トン、11日に1700トンと急増傾向にある。 「浅間山に関しては地震計が20以上設置してあり、浅間山の噴火の歴史を知る、いわばホームドクターが常時監視している。そのため、何の前触れもなく噴火することはないと思います」 こう語るのは、武蔵野学院大特任教授の島村英紀氏。 関東では、4月下旬から箱根山(神奈川県)の活動が活発化。国土地理院の調査によれば、大涌谷では3月1日と6月7日を比較すると、直径約200メートルの範囲で地面が最大27センチ隆起しているという。さらに今回の浅間山を含め、「草津白根山(群馬県)、日光白根山(栃木県)、蔵王山(宮城・山形県)、吾妻山(山形・福島県)、栗駒山(宮城・秋田・岩手県)、十勝岳(北海道)などの火山が1年以内に壊滅的な噴火を起こす」と予測する専門家さえいる。 加えて気になるのが、富士山の活動だ。 「東日本大震災により日本の地下にある盤岩が一挙に動いたため、これが刺激となって火山活動が活発化しています。箱根山は富士山と兄弟のような山で、距離も25キロしか離れていない。したがって、富士山も連動して異変が起きることは否定できません」(島村氏) 山梨県では富士山の山開きを前に、突発的な噴火を想定した避難ルートマップを初めて策定しホームページに公表したが、地元記者は不安な表情を隠さない。 「夏山シーズンには30万人前後が富士登山に訪れ、そのうち6割が山梨側の吉田口から登ります。5合目付近をトレッキングする観光客も多い。ところが、噴火が想定される火口は複数の可能性があり、予知や防災が難しいのが現状です」 昨年9月に死者・行方不明者が63人にのぼる火山災害を引き起こした御嶽山の噴火は、突如発生したために予測が不可能だったとされるが、富士山も同様の爆発を起こす危険があると指摘する火山学者もいる。 「富士山にもし万が一のことがあれば、最悪1万人余りの犠牲者が出る可能性もある。地震と噴火の関連性が指摘される今、東日本大震災による箱根山や浅間山の活動活発化は非常に不気味です」(サイエンスライター) Xデーに警戒だ。
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社会 2015年06月21日 16時00分
老舗串カツ店も徹底抗戦 大阪・梅田地下街立ち退き騒動
橋下徹大阪市長と老舗串カツ店が、梅田の地下で睨み合い−−。コトの発端は阪神百貨店の建て替え計画だった。それに伴い大阪市は地下道の拡張工事を発表し、コンコース周辺の商店に対して「道路占用許可」の打ち切りと立ち退きを通達、これに店側が猛反発しているのだ。 「梅田地下街の中でも、あの一帯は昭和の雰囲気を色濃く残す場でしたが、大阪市にとって“完全浄化”は長年のテーマ。阪神の建て替えを理由にいよいよ手をつけたということです」(大阪市職員OB) しかし、その中にあって串カツ店『松葉』だけは立ち退きを拒否。今年4月には、大阪市を相手に地下道占用許可の更新を求める訴えを起こしている。 「『松葉』は昭和24年から梅田の地下で営業を続けてきた老舗。値段が安いこともあり、サラリーマンのオアシスになっています」(在阪グルメライター) 橋下市長は「申し訳ない。今までの占有料が安すぎるということをご理解いただきたい」と、これまでの“特例措置”に理解を求める一方、「(このままでは)法的手続きを進めていかざるを得ない」と、行政代執行による強制撤去をチラつかせ、これに『松葉』側も態度を硬化。「今後もやれるだけやります」(従業員)と、営業継続の構えを見せていた。 これら一連のやりとりが報道されるや、『松葉』は連日大盛況。立ち退き期限の6月10日も、午後7時には売り切れ閉店という事態となった。 しかし、周辺の飲食店は、どちらかと言えばシラケ気味だ。梅田地下街のある居酒屋店主がこう語る。 「実際の理由は立ち退き料のもつれですからね。今回の騒動の影響で少し離れた本店のほうも連日大盛況でしょ。いいPRですよ」 任期の最後まで毅然としたところを見せておきたい橋下市長と、少しでも有利な条件で立ち退きたかった『松葉』。騒動の“二度づけ”は厳禁だ。
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社会 2015年06月20日 18時00分
最近よく聞く“樹木葬”って、どんなもの?
時代の流れとともに、お墓のあり方にも変化が見られるようになりました。 昔からある従来型の墓は、先祖代々受け継いでいかなければなりませんし、承継者が必要。だが、子どもがいないとか、いても子どもに負担をかけたくないなどの理由で、寺院や霊園が永代に管理、供養してくれる永代供養墓も増えてきました。 その一方で、日本では1999年以降、新たな埋葬方法として、“樹木葬”なるものが出てきました。樹木葬は、「墓地、埋葬法に関する法律」に基づいて許可を得た霊園や墓地に、樹木を墓標とした墓を作り、遺骨を土に還す自然葬です。 従って、亡くなった後、樹木に囲まれて自然な形で眠りたい方や、墓の承継者がいない方、予算が限られている方などに注目を集めています。 多くの場合、樹木葬は骨壺を使わず、遺骨をそのまま土に還しますが、場合によっては粘土や布、和紙など土に還る素材で作られた骨壺を使うこともあります。また、中には一定期間、骨壺のまま埋葬された後に合祀したり、遺骨を粉状にする霊園もあります。 寺院や霊園の一区画に樹木葬用のスペースを設けているところもあれば、霊園全体がガーデニングタイプになっている樹木葬専門のところもあります。宗教宗派は不問としているケースが多く、なかにはペットと一緒に眠れる霊園もある。 メリットは墓石代が不要なため、一般の墓と比べると、費用が安くて済み、永代供養料+墓地使用料はおおむね30〜70万円くらいが相場。ただ、これは1人の場合で、墓に入る人数が増えれば、料金も高くなるケースが多いです。つまり、たとえば家族3人で樹木葬の墓に入るとなると、結構な金額になるため、一般の墓と大差はなくなります。また、年間管理費が必要な霊園もあります。 東京都内で墓地や霊園を販売する某社の営業担当によると、「樹木葬は歴史自体が短いので、現状では絶対数が少ないのですが、ニーズの高まりとともに、樹木葬ができる霊園も増えてきました。多くの樹木葬では合祀されないので、その点では人気です。購入の目的は、人それぞれですが、何十年か後には、多くの方が樹木葬という埋葬方法を選ばれるようになるかもしれません」と話す。 永代供養墓とは、また趣が異なる樹木葬。墓の承継者がいない方や、自然とともに眠りたい方は、選択肢のひとつとして、一考の余地がありそうです。(山本 生道)
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社会 2015年06月20日 16時00分
米中開戦警戒レベル5 CIA幹部が報告していた!
「中国の南シナ海での埋め立て行為が、米国の盟友に緊張を与えている。このような睨み合いは、中国と米国の未来に“絶対的”な開戦リスクをもたらす」 この発言は今年5月下旬に、CIA前副長官のマイケル・モレル氏が行ったものだが、ここにきて米中の溝が日増しに深まっている。 ご存じの通り、中国は南シナ海・南沙諸島の埋め立てを敢行。国際社会から非難が上がっても、軍事施設の建設に邁進しているが、同氏の警告後はさらに加速し、米中開戦危機が急速に高まっているのだ。 その理由は、中国側の人を食った態度にあるという。 「実は、この軍事施設の建設に危惧した米国は打開策を見出そうと、中国軍制服組のトップである范長龍・中央軍事委員会副主席の訪米を要請。6月11日にカーター国防長官が訪米した范氏と会談に及び、『南シナ海の埋め立て作業と軍事化を即刻中止すべきだ』『米中激突を避けるルールづくりを急ぐべきだ』と話したのです。ところが、范氏は『中国の領土に、軍事的な防御施設を配置することに非難の余地はない』と回答した。これにオバマ大統領は怒り心頭で、軍事衝突が起きる可能性が高まりだしたのです」(自衛隊関係者) また、外務省関係者がこう話す。 「その一方では、中国共産党機関紙の『環球時報』が突如『米中が南シナ海で軍事衝突する可能性が大きい』と題する社説を掲載した。中身は『米軍が挑発と侮辱を続けるなら、中国軍は尊厳のために戦う』というものだが、この強靭な態度が『まるで米国への宣戦布告』と国際社会を震撼させているのです。また、世界的投資家のジョージ・ソロス氏も『国内の経済格差が今より問題となった時に、中国は米国への戦争で不満をそらす』『第三次世界大戦のシナリオが現実になる』と警告しており、世界の経済学者たちも戦々恐々としているのです」 もっとも、こうした激しいつばぜり合いが展開されるのも無理はない。中国が南沙諸島で進める軍事基地が完成すれば、海洋覇権の版図が激変。“世界の警察”を自認する米国の権威が、失墜してしまう可能性が極めて高いからなのだ。 防衛庁の関係者がその実態を解説する。 「南沙諸島の埋立地には、最終的に滑走路と軍港、さらに6階建てのビルが建設される予定で、中国側はここを明らかな軍事基地とする腹づもりなのです。そのため、完成後には港に海警用の軍艦が常駐し、南シナ海が完全に制圧されてしまう。以前はフィリピンに軍事基地を持ち、撤退後もグアムや日本からアジア全体に睨みを利かせてきた米軍の海洋覇権に、空白域ができてしまうのです。しかも、中国はこの南シナ海の制圧を足掛かりに、太平洋の領有権まで侵食する可能性も高い。米軍が長らく培ってきた海洋覇権、軍事的優位の立場が崩壊してしまうというわけなのです」 だが、気になるのは「間近」と見られはじめたこの米中の激突が、どんな形で具体化するかという点だろう。実はこの両国の開戦には、すでに大まかなシナリオができつつあると評判なのだ。米国防総省関連のシンクタンク関係者が言う。 「その契機となるのは、おそらく米軍の軍事行動です。米国は中国が軍事施設の建設を中止しなければ、この人工島周辺に航空機や艦船を派遣すると宣言しており、米軍のP8哨戒機やイージス艦が南沙諸島に出撃する。これは、すなわち中国側が主張する領海(12カイリ=約22キロ)に侵入して威嚇することで、開戦ムードが一気に高まることが想定されているのです」 この関係者によれば、強硬策に転じた米軍を排除するために、中国側は地対空ミサイルのレーダー照射で対抗。威嚇を繰り返すことが予想されるが、恐ろしいのはこの行動がエスカレートすることなのだ。 「中国軍の威嚇がエスカレートし、仮に哨戒機でも迎撃されればこの攻撃が事実上の開戦となり、米軍はイージス艦から巡航ミサイルを発射し、人工島を破壊するはず。中国側は海南島にある軍事基地から潜水艦を派遣。さらには広東省から南海艦隊、浙江省から東海艦隊が出撃して米イージス艦と対峙し、本格的な戦争の火ぶたが切って落とされることになるのです」(同) ただし、この後の展開は米軍側の圧勝に終わることが予測されているという。 「米海軍は威嚇行動時から、相当数のロサンゼルス級原子力潜水艦を出撃させている可能性が高い。そのため、中国艦隊はアッという間に撃沈されるはずです。また、中国側は米中有事の際に、イージス艦撃沈の方策として空軍機を投入するだろうが、グアムと沖縄に配備されたステルス性戦闘機F22が、E3C早期警戒管制機とともにこれを迎撃。故障中と伝えられる中国軍空母『遼寧』が出撃する間もなく、壊滅を迎えてしまうでしょう」(同) ちなみに、前出の自衛隊関係者によれば「米中の軍事兵器の性能の違いから、戦闘は1週間以内に決着が着く」という。だが、恐ろしいのは日本がこれに巻き込まれる可能性だ。 沖縄や米海軍第7艦隊の主力が結集する神奈川県の横須賀基地は、中国軍の攻撃にさらされる可能性も高い。米中の激突は、対岸の火事ではないのである。
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社会 2015年06月19日 17時00分
アベノミクス実像と虚像 おやじ世代の転職事情最前線!(3)
おやじ世代には聞き慣れない転職エージェントという“職種”が台頭している理由の一つに、その成功報酬の高さがある。一般的に転職エージェントは、求職者が転職先を決め入社すると、報酬が企業側から支払われるが、その額は何と転職者額面年収の3〜4割と莫大な額になるという。つまり、年収1000万円で転職を成功させれば300万円以上の報酬となるのだ。 「年間3〜4人の転職を成功させれば、普通に生活していくことができます」と、個人の転職エージェントとして活動するB氏が言う。 「転職を希望している方は、われわれエージェントとやり取りをしていくにつれ、ご自身が“モノ”として扱われていることに気付くでしょう」(同) 某大手求人サポート企業の求職者に対するPRに「各業界に精通した専任のキャリアアドバイザーが、転職活動のご相談や求人のご紹介をさせていただきます」とある。しかし、現実はかなり違うようだ。 この大手エージェントに勤務経験のあるC氏が言う。 「ウチは1人あたり80〜120名の求職者を担当します。なので、企業と求職者の日程調整、合否連絡を行っているだけで1日が過ぎてしまう。求職者のことを考えて最良の転職先を一緒に探すということは、時間的に不可能です。時間が足りないので、転職の可能性の高い求職者(報酬を受け取ることのできる可能性が高い人)を優先的にフォローしますから、それ以外と見なした求職者への対応は悪くなって当然ですよ」 先のB氏が言った「モノとして扱う」とは、このこと。求職者という商材の“物流業”を営んでいるということなのだ。スペシャリストを除けば、ただの商材であるから個性というものは必要ない。背景もあまり関係ない。個人を理解する必要もない−−。重要視するのは「学歴」「職歴」「年齢」の3スペックのみ。「早稲田大学を出て、新卒で大手商社に入社し、5年の経験があるからX社は受かるかもしれませんよ」といった具合である。その程度のアドバイスでも、転職さえ成功させれば“年収の3割”が転がり込むのだ。 「内定が1社出た段階でエージェントは、その企業への入社を強く勧めてきました。私は他社も併せて検討したかったのですが」と、転職エージェントを利用して転職したN氏は言う。 内定が出て以降、毎日のようにエージェントから送られてきた求人紹介メールや状況確認の電話が、ピタリと来なくなった。 「ここまで露骨とは」とN氏は驚きを隠せない。とはいえ、N氏は選択肢が他にあるわけでもなく、その内定が出た企業へ入社。転職エージェントにはN氏の年収の3割が支払われた。まさに転職エージェントの仕事=“物流業”といわれるゆえんである。 求職者は弱者だ。特におやじ世代ともなれば、子供もいるし家のローンも組んでいる、そういうケースが多い。自身がモノ扱いされ不愉快な思いをしようとも、エージェントの言いなりになるしか選択の余地がない。 こうした“アベノミクスの虚像”ともいうべき現実を知った上で「それでも転職!」というおやじ世代には、精いっぱいのエールを送りたい。
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社会 2015年06月19日 14時00分
事故数は減少でも自転車罰金制度スタートの裏にチラつく警察権利
6月1日から道路交通法が改正され、自転車を対象に信号無視、酒酔い運転、スマホの“ながら運転”、車道の逆走や一時停止違反など14項目が罰則の対象になった。「車両のようで車両でない、歩行者のようで歩行者でない」扱いだった自転車が、ハッキリ「車両」と認定されたのだ。 改正法では、14歳以上の運転者が違反キップによる取り締まりを3年以内に2回以上受けた場合、自動車と同じような安全講習の受講(3時間:5700円)が義務化され、この講習を受けないと5万円以下の罰金が科せられる。危険極まりないスピードで狭い道を駆ける“暴走自転車”に対してだけでなく、エコ節約志向から常用を始めた人たちや「ちょっとそこまで」の利用者からすれば、この改正法はとても歓迎できる新制度とはいえない。 「自転車の危険運転によって、被害者から高額な賠償を請求されるなどの事例が数多く報道されました。これを機に『自転車の危険運転がマナーの問題というのでは手ぬるい。警察はもっと規制すべき』という機運が盛り上がった。マスコミは警察の世論喚起に、まんまと利用されたのです」(交通ジャーナリスト) 実際は自転車の事故数は減少している。2009年に73万7628件あった全国の自転車事故件数は、'13年までに10万件以上減っている。ところが検挙件数だけは急増した。毎年300件程度で推移していた検挙件数は'06年から増え始め、'14年は8000件超にまで急増しているのだ。 今回の改正法に照らせば、仮に雨の日に傘差し自転車の通勤者を狙い撃ちにしようと思えば、確実に“大量検挙”できることにもなりかねない。 「将来、原付自転車の『反則金』のように、警察官の違反現認だけで切符が切られるようになるでしょう。“金さえ払えば見逃してやる”という性質の反則金は自治体交付ですから、一部は警察組織の利権になる。次に民間法人に委託されている現行の『駐車監視員』のような“自転車監視員”が創設されるという流れになるでしょう。また、交通安全協会の『自転車版』のようなものが設立され、そこが警察組織の新たな天下り先になる可能性も見逃せません」(同) 今後、自転車に乗ることを控える人が増えそうだが、そのうち“マナーの悪い歩行者”も罰則の対象になる日が来るかもしれない。
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社会 2015年06月19日 10時00分
達人政治家の処世の極意 第五回「後藤田正晴」
戦後のわが政治史史上最大の軍師、名参謀、名補佐役と圧倒的多くの人が認めるのが、「カミソリ」の異名を取ったこの後藤田正晴である。天下を取ったばかりの田中角栄元首相が、その才覚から警察庁にこの人ありとされた退官直後の後藤田を三拝九拝、自らの内閣に官房副長官として取り込んだ。類は類を知るということだろう政治の世界に、半ば疑心を抱いていた後藤田だったが、田中の超政治的能力にヒレ伏した形でその配下に入ったということだった。 案の定、後藤田は田中の期待に応えた。田中内閣時には徹頭徹尾「省益で動くな。国益で考えろ」と“大義”で官僚を押え込み、田中退陣後は田中がなお影響力を残すために担ぎ上げた政権の“後見人”として、政権の維持に尽力したのだった。その白眉が、当初「ボロみこし」とも言われた中曽根康弘内閣に、5年に及ぶ長期政権を果たさせたことであった。戦国時代、豊臣秀吉に天下を取らせた名軍師として名高い黒田官兵衛にも擬せられているのである。 後藤田には名言、至言が多い。「トップには耳ざわりのいい情報しか入らない。周りが本当の情報を伝えてご機嫌をそこね、にらまれるのを嫌がるからだ。これではトップは方向性、戦略を誤ることになる。耳に痛い情報こそを、上にあげることだ」「独裁社会ならそのレールに乗っていればトップは務まるが、民主主義社会だからこそ強いリーダーシップが不可欠」等々、枚挙にいとまがない。そうした信念のもとで、中曽根内閣時代の一つ判断を間違えれば戦争危機もあった大韓航空機撃墜事件を、官房長官として沈着、冷静に処理してみせている。また、その後も「自社さ」3党連立政権で社会党(当時)の村山富市内閣を陰から支え続け、阪神・淡路大震災で怯む村山首相に危機管理のノウハウ、知恵も授けた。大震災復興への対応では、竹下登元首相が「後藤田さんしかいない。特別顧問としてなんとか一枚加わってもらえ」と村山首相に強く進言、後藤田は各省庁の言い分を押え、予算面で国と地方の役割を明確に分け迅速な復興に寄与したものである。後藤田がいれば、いまの東日本大震災復興への迷走も、いささか違った形になっていただろうと思われる。 その後藤田の人を観る目は峻烈であった。端的に言えば、頭の悪い人物は認めなかった、加えるなら、真摯に物事に向かい合わない人物は認めなかったという点がある。後藤田と知しかった議員の、こんな証言がある。 「後藤田が危機管理の達人、いくつかの政権の安定に寄与できたもう一つのポイントは、周りに優秀な人物を置いていたことがある。話をしていて、自分をごまかせるだけの能力のある人物を縦横に使ったということだ。上役の話にお説ごもっとも、ハイ、ハイといったタイプは排除した。そのうえで、決して自惚れることなく、部下にも真っ正面から向かいあえる人物を使った。これは、『下3日にして上を知り、上3年にして下を知る』という俚言の実践でもあった。上の者は3年かからないと下で働く者のことがわからないが、下の者はたった3日で上に立つ者の能力、人間性を見抜いてしまうということだ。下の者は上の者をよく見ている、ごまかしは通じないぞ、との人間観が徹底していた。だから、後藤田は上からも下からも敬意を持たれ、指揮棒が振るえたということだ」 田中角栄という人物は自分の能力に絶対的自信があったことで、まず人の意見を聞かなかったことで知られていた。ある時、田中が後藤田の前で「警察などはチョロイ」と口をすべらせた。後藤田はピシリと、「冗談ではない。そんな考えだと足をすくわれますぞ」と言い切ったものである。しかし、その後の後藤田の的確な政治手法に脱帽、唯一「後藤田が言うんじゃしょうがない」で、後藤田の進言だけには耳を傾けたのであった。必要とあらば、総理をも黙らす才覚の人だったということである。 その後藤田には、自民党内から度々「総理になって欲しい」の声が出た。しかし、後藤田はその度にこれを断わった。「“床の間”を背にしてすわる人物には、おのずと格というものがある。私はその器にあらず」と。 読者諸賢、後藤田の情実に流されずの見識を胸に置いておいて損はないのである。=敬称略=後藤田正晴=警察庁長官(第6代)、自治大臣(第27代)、国家公安委員会委員長(第37代)、北海道開発庁長官(第42代)、内閣官房長官(第45・47・48代)、行政管理庁長官(第47代)、総務庁長官(初代)、法務大臣(第55代)、副総理(宮澤改造内閣)などを歴任。小林吉弥(こばやしきちや) 永田町取材歴46年のベテラン政治評論家。この間、佐藤栄作内閣以降の大物議員に多数接触する一方、抜群の政局・選挙分析で定評がある。著書多数。
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社会 2015年06月18日 17時00分
アベノミクス実像と虚像 おやじ世代の転職事情最前線!(2)
転職活動をする際に一般的となっている手法は、転職サイトへの登録、転職エージェントとの契約である。 なぜ、転職サイトを利用する必要があるかというと、求人には、当該企業がHP等で公開している公開求人と、HP等では公開せず転職サイト内のみでしか閲覧・応募することができない非公開求人が存在するからだ。しかも非公開求人の方が圧倒的に多い。 例えば『リクルートエージェント』の求人情報によれば、5月某日付の公開求人は1万8914件、非公開求人は9万2474件となっており、非公開求人は公開求人の約5倍だ。これでは転職サイトを使わざるを得ない。 企業側からすれば、この『リクルート』や『インテリジェンス』といった大手転職サポート企業に求人情報掲載を依頼することで、より多くの転職希望者の目に留まることが期待される他、情報更新等煩わしい業務からも解放されるのだ。 さて、40代の転職環境を『インテリジェンス』の転職サイト『DODA』で検証してみよう。 5月某日時点で検索対象となっている求人は1万8224件。仮に東京都で働くとすると、東京の求人は9029件だ。その中で、「社会人経験10年以上歓迎」の求人は883件。「年齢不問」の求人に絞り込むと、わずか83件にまで減少してしまう。 いきなり厳しいが、これが現実だ。実際、多くの求人の中に「社会人経験5年程度まで」「第二新卒歓迎!」「30歳(35歳)前後の方が多く働いています」という文言が並んでいる。 さらに、「求人票の条件に年齢が明記していなくても、年齢で足切りをしている企業は多いです。年齢不問としっかり書いていない求人以外は“裏”に年齢条件があると思っていただいた方がいいと思います」と転職エージェントのA氏は言う。「賃金の大幅減少など不利益を生じない転職を望むのであれば、異業種への転職では30代前半、同業種への転職でも35歳前後が現実的なデッドラインでしょう」(同) もちろん、40代で転職が成功しないわけではない。 「他者が保有していないような専門的スキル」「ビジネスレベル英語力」「マネジメント経験」というキーワードをクリアしていればであるが…。言い換えれば、スペシャリストであれば転職可能ということである。この条件がどれだけハードルが高いものかは、自身に照らし合わせてみればよくわかるだろう。 『残念ながら今回はご希望に添えない結果となりましたが、貴殿の今後のご活躍をお祈り申し上げます』 これは、学生が新卒採用選考に落ちた際に届く通称“お祈りメール”の例。対して中途採用選考では、 『今回はご期待に添えない結果となりました。ご了承くださいますようお願い申し上げます』 このように、今後の活躍を祈られることなどない。 現在、第二新卒を除く転職希望者において、書類審査の通過率は同業種への転職で3割程度、異業種への転職で1〜2割といわれている。つまりスペシャリストではない40代に対しては、このようなメールが大量に届くことになるのだ。 それでも転職市場が活発化している背景には、前述の転職エージェントによるイメージ戦略がある。テレビCMや電車の車内広告を利用し「転職=新しい自分を探す」、あるいは「転職=チャレンジ」といったイメージをサラリーマンに植えつけている。 繰り返しになるが、スペシャリストではない40代は、自分にプラスになる転職どころか転職先を見つけることすら難しいのである。
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社会 2015年06月18日 14時00分
既存株主も疑問 トヨタの元本保証“新型株”発行計画の不安
トヨタ自動車が計画する本邦初の“英断”をめぐって早くもプロの評価が二分され、関係者が「お蔵入りならば御曹司の豊田章男社長が天下の笑い物になる」とやかましい。 同社は「5年間は売買できないが、株価が上がっていれば普通株に転換して売却できるのはもちろん、たとえ株価が下がっていても発行価格で買い取る」という世界でも珍しい元本保証を“売り”にした新型株の発行を計画している。その実現のためには6月16日の株主総会で3分の2の賛成票を得る必要があるが、投資助言会社の評価が「賛成」「反対」に分かれて「事前の票読みが難しい」(市場筋)状況だ。 現在、トヨタの個人株主は11%程度。上場企業の平均約20%を大きく下回っていることから、新型株を発行することで長期保有の個人株主を増やしたいのが本音。総会で承認されれば7月にも5000万株発行し、将来的には発行済み株式の5%まで新型株を増やす計画だという。そのためには総会での承認が絶対条件だが、大手証券役員は「個人を含む既存株主は『われわれにメリットがあるのか』と思っており、彼らが納得しなければ否決される場面もある」と警告する。 「トヨタはグループ企業の保有比率が高い。そんな持ち合い構造の利点を生かせば、会社側の主張が通る確率が高くなる。しかし、透明度の点で疑問符が付くのも特徴でした。まあ、本当に個人株主を増やしたいならば、この透明性や投資の魅力アップに加えて、現在100株の単元株を10株なり1株に改めれば済む話。そうすれば投資家は飛び付きますよ」(大手証券マン) トヨタは今年3月、株主層の厚みを増すため個人投資家向けのイベントを開いた。その延長にあるのが新型株だ。世界一からの転落が現実味を増してきた今、御曹司社長が総会を前にやっと“個人ファン”獲得の重要性に目覚めたのだとしたら皮肉である。
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