社会
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社会 2015年06月13日 14時00分
年金個人情報流出 サイバーテロ犯は中国か北朝鮮か(1)
「日本年金機構は、情報漏れは約125万件などと言っているが、今では年金加入者約6775万件の半数もの情報が盗まれたとの指摘もあるほど。そのため、個人や少数のハッカー集団の仕業とは考えにくく、政府筋では中国や北朝鮮の関与が疑われているのです」 公安関係者が語るのは、6月1日に発覚した年金情報の大量流出事件のこと。同事件では、日本年金機構の複数の職員端末から膨大な加入者情報が盗まれたが、そのサイバーテロの犯人像に、やはりと言うべきか、中国と北朝鮮の名前が浮上しているのだ。 ただ、政府筋にこうした見解が高まりだした背景には、理由があるという。それが、このサイバーテロの手口なのだ。 「実はこの事件には前段があり、昨年秋頃から霞が関の各省庁や政府関連機関、エネルギー産業や航空宇宙産業、金融機関など300〜500施設もの日本の中枢機関に膨大な不正メールが送信されていたのです。つまり、今回の年金情報の流出は氷山の一角。政府は否定しているが、パトリオットミサイルなど極めて重要な防衛文書も漏洩した可能性が高いのです」(同) 要は、その攻撃目標は年金情報の流出に止まらない大掛かりなものだったのだが、使われた手口はこれに輪をかけて周到だったと伝えられているのだ。 別の公安関係者が言う。 「重要施設に送られた大量メールには、受信者が開封しなければならない仕掛けが施されていた。例えば、『送信したメールに過ちがありました。訂正文を送り直します』などの件名が付いていたのです。今回の年金情報流出事件は、福岡の日本年金機構九州ブロック本部に送られたメールの開封に端を発しているが、その件名は『厚生年金基金制度の見直し(試案)に関する意見』で、送信主は竹村との偽名が使われていたという。これらメールは全て『.exe』という拡張子があり、ウイルスの排除システムを導入していなかったことが批判されているが、その周到さは個人ハッカーの比ではなかったのです」 また、外務省関係者がこう話す。 「盗まれた年金情報は、その一部が国内の運送会社のサーバーに一時無断でストックされ、遠隔操作で海外サーバーを経由して闇に消えたと言います。数百万件の年金情報を得るため、日本年金機構に何百回も偽メールを送り続けており、このやり口が中国や北朝鮮など、国家ぐるみのテロ説を加速させているのです」
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社会 2015年06月12日 16時00分
管直人元首相がひた隠す公職選挙法違反逮捕有名選挙プランナーとの“カネまみれ蜜月”
4月に投開票された静岡市長選時に、落選候補陣営が行った選挙違反事件で、辣腕選挙プランナーの酒井剛容疑者(63)が公職選挙法違反(利害誘導、事前運動)の疑いで逮捕され、この騒動に政界の大物議員が大慌てしているという。 同容疑者は逮捕時に、「山本太郎参院議員を当選させた陰のブレーン」と報じられたが、実は民主党の菅直人元首相とはそれ以上にズブズブの関係だったと伝えられているのだ。 「酒井は'80年に菅が初出馬・初当選を果たした時から選挙参謀を務めていた人物。2人は永田町でも腐れ縁と評判で、昨年の衆院選終盤にいよいよ菅が落選危機を迎えた時には、別の候補を手伝っていた酒井が駆けつけ、無理くり当選させたと噂されている。そのため、今回の逮捕には菅周辺も大慌ての様相を見せているのです」(政治部記者) もっとも、菅氏が怯えている理由は、昵懇の有名選挙プランナーが突如、逮捕されたからというばかりではないという。 実は、そこには金と国策を脅かす“疑惑”が横たわっているともっぱらなのである。 「実は、菅は'07〜'09年時に酒井が代表を務める政治団体『市民の党』の傘下団体に総額6250万円も献金していたのです。金額的に政治資金規正法には抵触しないが、これが迂回献金だった可能性が当時から指摘されていたのです」(同) また、自民党関係者がこう話す。 「首相当時、菅は北朝鮮拉致問題対策本部長も兼務していたが、献金した団体の親団体にあたる『市民の党』は、所属議員が市議会開催時に日の丸を引き下ろそうとしたり、公安がマークしていた拉致容疑者の長男が帰化して所属していたほど。そのため、拉致問題対策本部長を務める菅が、なぜ北朝鮮寄りの過激思想を持つ団体の傘下組織に、多額の献金をしたのかと国会で追及されたほどなのです」 要は、この疑惑が再燃すれば、菅氏が再び火だるまになるのは必至。次の選挙で落選の憂き目にあう可能性も極めて高いというわけなのだ。
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社会 2015年06月12日 15時00分
マニラ邦人殺害事件に見るフィリピン人の“日本人感”
5月17日、フィリピンの首都マニラのマラテにある高級マンション26階に滞在中の山口県下関出身の28歳の青年、高杉智之さんが、首を刺されて殺されているのを知人が発見した。マニラ警察はマンションのエレベーターや同階に設置の防犯カメラの映像内容と、高杉さんの部屋から現金80万ペソ(約220万円)がなくなっていることから、高杉さんの職場の同僚のフィリピン人男性(45)を容疑者として行方を追っている。 「高杉さんは同じマンションの地下1階に今年3月に開店したカラオケクラブ『華音(カノン)』で会計担当として働いていた。日本国内のキャバクラ店経営者からの依頼で出張していたようです」(現地特派記者) フィリピン在住日本人の間で『華音』は、「フィリピン人女性約30人がいるが、急きょ集めたような顔ぶれ。ステージは広いが、ショータイムの踊りは下手、女性の態度も悪く料金も高い」と、人気はいまいちだったようだ。 高杉さんは若いだけに容疑者の従業員から「定期的に知人の女性を紹介されていたようで、殺害の1時間半前にも女性と一緒の様子が監視カメラに残っていた」(捜査関係者)と、身辺に女性の影がちらついている。そのため、女性の誰かが現金の存在を容疑者に知らせた可能性もあり、警察は怨恨や痴情の側面からも捜査をしているという。 フィリピンでは、昔は保険金目的の殺人、最近は金銭目的で在留者や旅行者が殺害される事件が多い。それには、地元民の日本人に対するこんな感情が見え隠れする。 「歌手やダンサー、売春目的などで日本に行った経験があり、片言以上の日本語を話すフィリピン人も夜の世界、裏の世界には多い。また、太平洋戦争中に受けた甚大な人的被害などから“チヤホヤして持ち上げはするが、決して尊敬はしない”という複雑な心理も潜んでいます」(前出・記者) フィリピンはまさに魔境。
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社会 2015年06月12日 10時00分
角福代理戦争 小沢一郎「壊し屋」最後の大仕事(2)
この動きを見ただけでも、いかに小沢氏が大阪都構想消滅後に活発な動きを見せ始めたかがわかろうというものだが、気になるのはなぜ今、同氏が息を吹き返したのかという点だろう。そこには「政界の壊し屋」と恐れられた、小沢氏一流の勝算が渦巻いているのである。 小沢氏とも近い民主党関係者がこう明かす。 「奇しくも松野が『年内に100人規模の野党勢力』と発言したが、これを言わせた小沢氏の頭にあるのは、昨年暮れの衆院選で民主、維新の党、生活が獲得した比例獲得票数なのです。自民党はこの時に比例で約1766万票を獲得。一方、野党3党は合計で約1919万票を獲得しており、結集すれば来夏の参院選で自民党を上回る比例議席数を獲得できる。つまり、参院で与野党逆転のねじれ現象を引き起こす可能性も少なくないのです」 だが、そうは言っても自公は衆院の475議席中、327議席(うち自民党292議席)を保有し、参院でも242議席中、135議席(同115議席)もの膨大な議席数を占めている。これをひっくり返すのは並大抵のことではないはずだが、そこに小沢氏特有の秘策が潜んでいるというのである。 「安全保障法案に理解を示していた橋下が自爆したことで、安倍首相は孤立無援の状態。その慌てぶりが品のないヤジに繋がっていることは明らかだが、これがデタラメな戦争法案であることを追及できれば、政権支持率は急落すると小沢氏は見ている。そのため、国会論戦で自民をガタガタにし、野党共闘で参院選に勝利して政権奪還を狙っていくつもりなのです」(同) 実際、安全保障法案における安倍政権の迷走ぶりは、各メディアの世論調査にも如実に現れだしており、朝日新聞の調査では「今国会中の成立は必要ない」と答えた者が6割を占めたほど。この状態が続けば、早晩政権支持率が地盤沈下を招く可能性も否めないのだ。 「そのため、小沢氏は法案の成立を急ぐ安倍政権が論戦を打ち切り、強行採決に出る前に野党連合として法案の撤回要求を突き付けようと画策している。また、自民党がこれを拒否した場合には、一括審議されている11の安全保障法関連法案の分割審議を要求。法案ごとに小委員会を設けることを訴えるつもりなのです。これが実現すれば審議に膨大な時間が掛かり、廃案となるのは確実な上に、世論が大きく動く。野党復活の機運が生まれるのです」(小沢氏に近い議員) もっとも、小沢氏にとって好都合なのは、橋下氏の自爆で自民党内にも安倍1強政治に反発の動きが出始めていること。今や安倍首相は、総じて“内憂外患”の危機に陥りだしているのである。 「その筆頭が5月7日に自民党の若手議員27人が立ち上げた『過去を学び、分厚い保守政治を目指す若手議員の会』(代表発起人・武井俊輔衆院議員)です。この組織は『修正主義的な過剰なナショナリズムを廃し、広範な保守政治を構築すること』を謳っているが、これはまさしく、右傾化する安倍政権の暴走を止めることを目的とした組織。そのため、2回目の会合では講師に招かれた作家の浅田次郎氏が、『戦後70年の総理談話に、侵略の文字を入れるべき!』と過激発言をしたほど。また、同組織の裏には古賀誠元幹事長がいると見られ、今秋の自民党総裁選に野田聖子前総務会長を担ぎ出すとの噂が絶えないのです」(自民党議員) また、前出の政治部記者がこう話す。 「この5月には、二階俊博総務会長が3000人を引き連れ訪中、習近平国家主席と対談に及ぶ派手なパフォーマンスを見せた。だが、安倍首相が理解を示していた都構想や、中国主導のアジアインフラ投資銀行に政府が不参加を表明したことに猛反発を見せていたのは二階自身。総裁選に安倍支持を打ち出す一方で、石原派をはじめとする複数派閥の結集を模索している。これらが合流し反安倍の御旗を掲げれば、安倍総裁再任の芽も吹き飛ぶ可能性がある。小沢にとっては、この内部分裂はまさに好都合と言えるのです」 果たして、“平成の角福戦争”はどんな結末を見せるのか。しばらく、永田町の動きから目が離せない状態が続きそうだ。
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社会 2015年06月11日 13時00分
政府の節電要請見送りの裏に原発再稼働気運上昇シナリオの“怪説”
政府がこの夏、数値目標を定めての節電要請を3年連続で見送った。原発を稼働しなくても全国で安定供給に最低限必要とされる予備率(3%)を確保できると見通したためである。 しかし、供給力の約8割を占める火力発電は老朽化が目立ち、いつトラブルに見舞われてもおかしくない状況に変わりはない。それでも政府は、想定外が起きない限り心配ないと“お墨付き”を与えた格好だ。 新電力関係者は「戦時中の大本営発表と同じで、額面通りに受け止めたら大変なことになる」と警告する。 政府は全国平均の予備率を7%と見込んでいるものの、現実には電力会社で大きな開きがある。とりわけ東日本大震災前から原発依存度が高かった関西電力と九州電力は予備率3%確保が精いっぱい。それも設備に比較的余裕がある中部電力と中国電力から融通を受けてのことで、それらがなければ関電は0.8%、九電に至ってはマイナス2.3%になる。 頼みの中部、中国電力にしても予備率に余裕があるわけではない。辛うじて10%を上回っているのは東京電力と四国電力だけ。これで日本列島が記録的猛暑となり、もし各火力発電所でトラブルが頻発すれば綱渡りの供給が行き詰まって大規模停電地獄に直面する。 むろん、そんな可能性など政府=経済産業省は先刻承知している。それにもかかわらず、なぜ数値目標の設定を見送ったのか。 「役所は前例を踏襲する悪癖がある。今年だけ数値目標を定めるには、説得力のある根拠を示す必要があります。減点主義に染まった役人が、そんなリスクを取るわけがありません」(前出の新電力関係者) 気象庁は今夏の猛暑を予想している。ならば、電力需要が急増し停電パニックが現実味を増す。そこで密かに囁かれているのが政府の陰謀説だ。数値目標を定めないほど電力に余裕があると安心感を与える一方、停電列島に陥れば「だから原発は必要不可欠だ」と国民の多くが受け止める。それを狙っての陰謀ではないか−−との“怪説”だ。 説得力があり過ぎて怖い。
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社会 2015年06月11日 10時00分
角福代理戦争 小沢一郎「壊し屋」最後の大仕事(1)
ここにきて、剛腕・小沢一郎氏(=現・生活の党と山本太郎となかまたち共同代表)が、不気味な蠢動を見せ始めている。昨年行われた衆院選での惨敗以降、“もはや死に体”と言われ続けてきた同氏が、維新の党の松野頼久新代表に急接近。再び天下取りに動き出したと評判なのだ。 政治部記者がこう語る。 「連日大手メディアは、戦争法案と揶揄される安全保障法案の国会審議に大注目。安倍首相が『早く質問しろよ!』とヤジを飛ばした事や、答弁に呆れた野党議員らが退席する模様を報じているが、実はその中で小沢の動きが俄然活発化しているのです。永田町では大阪都構想の住民投票で惜敗した橋下徹市長が、政界引退を宣言したことが、過去に自民党から2度も政権を奪取した小沢の嗅覚を刺激したと見られている。『自民潰しのラストチャンスと見た小沢が、平成の角福戦争を仕掛ける可能性も高い』と漏らす記者もいるほどなのです」 ちなみに、ここで語られる“角福戦争”とは、'70年代に勃発した佐藤栄作首相の後継を巡る政治抗争。当初は、安倍首相が属する派閥の流れを酌む福田赳夫氏が有力視されていたが、小沢氏の師である田中角栄氏が権謀術数の限りを尽くし、見事首相の座に就いた。今回の小沢氏の動きには、この抗争を髣髴させる“遠大な策謀”が渦巻いているともっぱらなのである。 実際、本誌が独自にキャッチした小沢氏の蠢動ぶりは、まさに電光石火ともいえるほど。5月17日に行われた大阪都構想の住民投票の翌日には、なんと民主党出身の維新の党議員と極秘会食。橋下市長の政界引退表明で、自民党との連携が御破算となったばかりの同党に、いきなり手を突っ込んでいるのだ。 「さらに、5月27日には都内で同党の松野頼久新代表と極秘会談し、野党結集に向けた方策を膝を突き合わせて話し合ったと言われている。また、その前日には生活の党と山本太郎となかまたちの定例会見で、『このままだと自公には勝てない』『濃淡は別にして力を合わせなければならない!』と豪語。29日の昼には民主党の岡田克也代表とも会談に及んで野党連合の話を持ち掛け、秋に行われる岩手県知事選での連携を呼びかけているほどなのです」(前同) また、いち早く野党結集に傾き、小沢氏をその指南役に定めたと見られる維新の党の松野氏もこれに同調。その動きが、風雲急の勢いを見せているという。 「松野は24日に地元・熊本での会見で『年内に100人規模の野党勢力の結集を目指す!』と宣言。さらに小沢と極秘会談に及んだ27日には、『来年の参院選に向けきちんとした体制を作る』と新党設立をもにおわせ、記者団を慌てさせた。後でわかったことだが、松野はこの日の夜に民主党の前原誠司元代表と会食。新党結成含みの野党再編案を伝えていたという。さらに翌日には維新の党の柿沢未途幹事長、馬場伸幸国対委員長らと共に民主党の松本剛明元外相、松原仁元国対委員長、みんなの党の浅尾慶一郎元代表らと会食に及んでいる。この松野の八面六臂の動きを裏で操っているのは明らかに小沢で、角福戦争時の田中角栄氏の権謀術数ぶりに酷似していると評判なのです」(野党担当政治部記者)
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社会 2015年06月10日 13時00分
達人政治家の処世の極意 第四回「竹下登」
政界に恐いものなし、絶対的権力を確立していた田中角栄元首相にとって、唯一、最後まで警戒感を露わにしていたのが、田中派幹部だった竹下登であった。なぜ、警戒だったのか。 竹下は島根県議を経て国会議員になるや、先週の当欄に登場した佐藤栄作の派閥に入り、その佐藤の退陣後は田中角栄のそれに入った。すなわち、佐藤の下で「待ちの政治」と「人事の要諦」を、田中からは「人心収らんの機微」を学び、政治の裏表、実体を知った。そのうえで、田中同様、記憶力は抜群、田中が蔵相時代、課長以上の経歴を頭に叩き込み、それを縦横に“活用”して最強官庁の大蔵省(現・財務省)を見事に把握してしまったように、竹下はまた島根県議に初当選した直後、一夜で県庁の課長以上の経歴、顔写真を脳裡に刻み込んでこれを“活用”、県政ににらみを利かせたほどの頭脳明晰ぶりだった。ために、田中としてはなんとも煙たい近親憎悪感があり、寝首をかかれる懸念を捉えていたということだった。 それでは、陣笠議員の頃の竹下の出世ぶりはというと、遅々としたものだった。同期生が政務次官(現・政務官)、副幹事長といった出世の階段を昇っていくのを尻目に、じつに国会対策副委員長を異例の6期約5年を務めたくらいだった。このポスト、その日の国会の委員会のアタマ数を確保するため議員に声をかけて歩くのが大きな仕事という、“下働き”の代表的ポストなのだ。しかし、このサエないポストでの時間を、竹下は見事に生かした。当時の自民党担当記者2人の、こんな証言が残っている。 「時間があれば国会内の野党控え室へ顔を出し、ニコニコしながら『お茶を一杯ごちそうになりに来ました』などと、“雑談”に精を出していた。時に、国会の状況から『あんたら、アレどう思っている?』などとやると、野党議員はつい乗せられて本音に近いことをペロッとしゃべってしまう。竹下はその一言を胸に刻んでおき、あとでそんな野党の“困ったこと”を黙ってフォローしておいてやったのです。当然、野党議員は感謝、与野党が対立した時でも『竹下が言うんじゃしょうがないなぁ』で、結局は妥協の道を探ることになった」 「議員会館も、よく歩いていた。かつて一時代を築いた人物でも、さすが往時のようには人が寄って来ない長老議員のところに、特別に用がなくても『近くまで来ましたもので』などと顔を出す。ひとしきりとりとめのない雑談に興じてくるんです。一丁上がりの議員にとっていまが盛り、あるいはこれからの人が訪ねてくれるほど嬉しいことはない。この“元大物議員”は、あとで他の議員と会った時などにしゃべるんです。『この前、竹下クンが来たが、あれはなかなか勉強している。将来、伸びるね』などと。こんな話が、やがて党の実力者にも届き、『竹下を一度使ってみるか』となるワケ。まさに、“老人キラー”でもあった」 こうした竹下の「雑談上手」は、相手への「おだて上手」ということもできる。おだては、しばしば相手との親近感を高める近道になる。持ち上げられて、悪い気を持つ者はいないからだ。人間社会は、心理戦争のルツボである。サラリーマン諸君は、相手におだての言葉ひとつも出ないようでは、とても出世はムリと心すべきだ。 筆者は生前の竹下に、何度もインタビューの機会を得ている。竹下は、サラリとこんなことを言っていた。 「僕のことを、気配り、雑談上手とか、究極のサービス精神とか言う人がいるが、じつは昔からの“習い性”になっているものなんだ。子供の頃からの母親の影響が大きい。『何事も怒ってはいけない。我慢、辛抱が一番。また、汗は自分で、手柄は人にあげなさい』と、よく言われた。それを後年、自然に実行しているに過ぎないのだが」 田中角栄が脳梗塞で倒れたあと、田中派の圧倒的多くがこの竹下を担ぎ上げ、派閥継承のあと総理大臣へ押し上げた。結局は、「竹下流処世術」が生きたということだった。竹下はその後、徹底したサービス精神と忍耐、我慢のうえで、「言語明瞭、意味不明」と言われた高度な国会答弁を駆使、それまで大平正芳、中曽根康弘の両政権がチャレンジ、挫折したわが国初の「消費税」導入を果たしてみせたのだった。=敬称略=■竹下登(たけしたのぼる)衆議院議員(14期)、内閣官房長官(第35・38代)、建設大臣(第38代)、大蔵大臣(第84・86・87・90代)、内閣総理大臣(第74代)、自由民主党幹事長、自由民主党総裁(第12代)などを歴任した。小林吉弥(こばやしきちや) 永田町取材歴46年のベテラン政治評論家。この間、佐藤栄作内閣以降の大物議員に多数接触する一方、抜群の政局・選挙分析で定評がある。著書多数。
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社会 2015年06月10日 10時00分
世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第128回 世界一のお金持ち国家
本連載では、第1回から「国の借金問題のウソ」について繰り返し、取り上げてきた。理由は、いまだに日本には、 「日本は世界一の借金大国!」 と、二重、三重、四重のウソであるレトリック(巧みな表現)を使用する人がマスコミや政界に存在し、国民の多くが騙されたままであるためだ。 何しろ、大手新聞が3カ月に一度、財務省の記者クラブである財政研究会で配布された資料で「コピー&ペースト」した記事を書き、 「日本は国の借金で破綻する!」 「国の借金1000兆円突破!」 「国民一人当たり800万円の借金!」 などと煽り続けているのである。 筆者が講演会などで「国の借金問題のウソ」について解説すると、興味深い反応を受けることがある。質問者の中に、必死に「国の借金で破綻する」理由を探そうとする人が少なくないのだ。 筆者が統計データを用い、完璧に「ウソ」を否定しているにもかかわらず、懸命に頭を働かせ、国の借金問題を「創出」しようとする。 自分が「間違っていたこと」、あるいは「騙されていたこと」を認めたくない、いわゆる認知的不協和の一種なのだろう。困ったことに、この手の症状に陥った人は、「正しく考える」方法を知らないため、どれだけ思考を巡らせても真実にはたどり着けない。 「正しく考える方法」とは、複数あるが、「国の借金問題のウソ」について考えたいならば、とりあえず二つで大丈夫だ。すなわち「定義」と「ブレイクダウン(細分化)」である。 各種の「用語」の定義を考え、さらに数字を「一番大きな数字」からブレイクダウンしていくわけだ。 例えば、「日本は世界一の借金大国」というレトリックについて考えてみよう。このレトリックを「日本政府は世界最大の負債を持っている」と定義した場合、明確な「ウソ」になる。 とにかく、一組織として世界最大の負債を「絶対額」で抱えているのは日本政府ではない。アメリカ連邦政府である。 “世界一”という言葉を入れている時点で、言い逃れ不可能な「ウソ」だ。 そもそも、日本政府はいざ知らず、日本国は「借金大国」であるどころか、世界一のお金持ち国家なのである。「国の借金」という言葉の定義を考えればわかる。 「日本の借金」あるいは「国の借金」とは、本来は政府の負債ではなく「日本の対外負債」を意味する。 財務省統計によると、日本の対外負債は'14年末時点で578兆4160億円だ。確かに、日本は500兆円を超える「国の借金」が存在する。 とはいえ、日本は逆に945兆2730億円の「対外資産」を保有しているわけだ。結果的に、日本は366兆8570億円の対外純資産状態になっている。 純資産(=資産−負債)が多い人のことを「お金持ち」と呼ぶ。日本国の対外純資産は、2位の中国の1.7倍に達しており、世界最大だ。 日本国は「国家」として見た場合、世界一のお金持ち国家なのである。これは統計的に「歪めようがない真実」だ。 世界一のお金持ち国家「日本国」の中で「日本円が発行できる」日本政府が「日本円建て」で「日本国民から」借りているのが、財務省やマスコミのいう国の借金の正体である。 しかも、現在は日銀の量的緩和政策により、政府が実質的に返済しなければならない負債が、'14年末時点で70兆円も減っている。 言葉を定義していくだけで、国の借金のウソが次々に暴かれていく。さらに「一番大きな数字」からブレイクダウンすると、より真実がクリアになる。 日本の全経済主体は総計で6458兆円もの負債を保有している。とはいえ、負債があるということは、バランスシート(貸借対照表)の反対側に必ず資産もある。 「誰かがおカネを借りた(負債)とき、誰かが貸している(資産)」ため、負債と資産は必ず同額になるのだ。 というわけで、日本の全経済主体の資産総計は6836兆円だ。日本全体で見れば、資産が負債を379兆円上回っている。 実は、この「日本の資産総額」から「日本の負債総額」を差し引いた純資産が、先に登場した「対外純資産」そのものになる。若干、数字は違うが、379兆円の方は日銀統計の速報値段階の数字で、四捨五入などの理由からも財務省統計と差が出る。 図を見れば、政府(地方自治体含む)には確かに約1200兆円の「負債」があるが、同時に552兆円の「資産」もあることがわかる。しかも、552兆円は金融資産のみで、インフラストラクチャー(経済活動や社会生活の基盤を形成する構造物)などの固定資産は入っていない。 実は、日本政府の負債はネット(純負債=負債-資産)で見ると、対GDP比で他の先進国と同程度に過ぎない。 IMFなどの国際機関では、政府の負債はグロスではなくネットで見るのが常識である。例えば、「100億円の借金がある」人の銀行預金が99億9900万円あった場合、 「何だ、実質的な借金は100万円か」 という話になる。 何しろ、日本政府の金融資産額は「世界最大」(アメリカ連邦政府より多い)であるため、グロスのみの金額(負債額)をクローズアップさせ、ネット(純負債額)を語らないのは、異常としか言いようがないのだ。 国の借金のウソに限らず、我が国では様々なウソが真実であるかのごとく流布されている。この種のウソに騙されないためにも、読者には是非とも「正しく考える」を実践して欲しい。三橋貴明(経済評論家・作家)1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、わかりやすい経済評論が人気を集めている。
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社会 2015年06月09日 15時00分
タカタ“リコール破綻”連鎖国産自動車メーカー存亡危機!
タカタの“殺人エアバッグ”騒動が、ついに全米で過去最大となる3400万台のリコール(回収・無償修理)に発展した。問題発覚から7年、タカタは「原因が明らかでない」として責任を明確にして来なかったが、米当局の強い締め付けからアッサリとひれ伏し“白旗”を掲げたのである。 これだけの規模のリコールを一度に行うのは、米国の長い歴史の中でも過去最大。何せ米国内で2年間に販売する新車全体に匹敵するボリュームだ。 タカタにとって悩ましいのは、欠陥を認めた結果、リコールが全世界に波及しかねないこと。その数、ざっと6000万台。加えてリコールに関わる集団訴訟が北米で既に70件も起きており、今回米当局の圧力に屈してエアバッグの欠陥を認めたことで、訴訟がイモヅル式に拡大する恐れがある。市場関係者が“リコール破綻”という最悪のシナリオを懸念するのは、実はそのためだ。 同社のエアバッグは作動時に異常破裂して金属片が運転手などに突き刺さり、これまでに世界で6人の死者を含め100人を超す死傷者が確認されている。ところがタカタは「高温多湿な環境に長年さらされたことが不具合の理由」とみなし、寒冷地を含む全米でのリコールには消極的だった。これに業を煮やしたタカタ製品を扱う自動車メーカーが、原因の調査を兼ねた『調査リコール』を実施、同社はこれに協力するスタンスを取ってきた。この期に及んでの方針転換の裏には何があるのか。 「米国の運輸当局はタカタが原因究明に向けた調査に非協力的だとして、2月から1日当たり約170万円の制裁金を科す一方、日本の国土交通省にタカタの締め付けを要求した。タカタにしても外部に依頼した原因の解明に手間取っており、このまま放置するとユーザーの不信感が高まって業績を直撃する。そこを見抜いた米運輸当局の強力な突き上げで全米リコールを受け入れたのです」(経済記者) 今、世間の関心はタカタの費用負担がどこまで膨らむか、もっと言えば“リコール破綻”の有無に移っている。そもそも同社が全米リコールに消極的だったのは「下手すると債務超過に陥り、金融支援を仰ぐ最悪の事態もあり得るため」(金融筋)に他ならない。 今年の3月期、タカタはエアバッグ約650万個のリコール費用として556億円の特別損失を計上し、295億円の最終赤字に転落した。しかし、この中には今回追加されたリコール分や自動車メーカーによる自主的なリコール費用は含まれていない。むろん、現時点で自動車メーカーの負担になっているリコール費用は、メーカーによほどの落ち度がない限り、結局はタカタに回ってくる。その総額、市場関係者は「2500〜3000億円に達する可能性がある」と試算する。 これに対し、タカタの自己資本は今年3月期で1472億円にすぎない。もし関係者の試算通りならば債務超過、即ち破綻地獄に転落する。 たとえ米国での“リコール破綻”が避けられたとしても、前述したように世界では今後6000万台を超える“リコール・ラッシュ”が現実味を増す。追い打ちをかけるように欠陥エアバッグをめぐって集団訴訟が相次いでおり、その数は現時点では70件余りだが、タカタが今回、欠陥を認めたことで集団訴訟が勢いづくのは確実。これが世界的規模で拡大すれば、いよいよもって地獄のどん底へ突き進む。 何せ訴訟額はハンパじゃない。タカタは3月末、同社と米国子会社2社がカナダの消費者から3件の集団訴訟を提起されたと発表した。請求額は「一般的賠償及び懲罰的賠償」を含め総額2288億円。これは原告の請求額で実際に裁判所で確定した金額ではないとはいえ、この手の訴訟ラッシュに見舞われれば会社の存亡が危うくなるのは明らかだ。 「最大の懸念はそこにある」と自動車業界を担当する外資系証券アナリストが顔を曇らせる。破綻の事態を回避させるべく、取引先や銀行がタカタ支援に乗り出すにせよ限度がある。もしタカタが本当に白旗を掲げてギブアップ宣言すれば、どんな事態に直面するかだ。アナリストが続ける。 「トヨタやホンダにしても、今はタカタへの“つけ回し”ができるから調査リコールに応じている。その手前、タカタ延命には応分の協力を惜しまないでしょうが、尻に火が付けば“無理心中”覚悟で支援するとは思えない。とはいえタカタと関係が深いホンダなどは連名で訴訟を起こされている。これでタカタが破綻し、ホンダやトヨタが逃げ足を速めれば、日本の自動車メーカーへの信頼が根本から揺らぎかねません」 そんな驚愕のシナリオに身震いしているのは、案外トヨタやホンダの方かもしれないのだ。
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社会 2015年06月09日 13時00分
岩手・女性水道検針員遺棄事件“6月の花嫁”を葬った前科持ち40歳容疑者の女狂い
女性が水道メーターの検針作業の仕事に出たまま行方がわからなくなったのは、5月22日の午後だった。地元の警察は翌日に容疑者を割り出して事情聴取を行い、25日午後10時ごろ、供述通りの場所で土中に埋まった女性の遺体を発見した。 殺害された女性は、岩手県奥州市に住む伊藤友美さん(31)。26日に死体遺棄容疑で逮捕されたのは、同市前沢区に住む渡辺豊容疑者(40)だった。渡辺容疑者は伊藤さんの遺体を自宅から約2キロ離れた山林の土中に埋めたことを認め、殺害についてもおおむね自供しているという。 「渡辺容疑者がすぐに浮上したのは、伊藤さんの勤務先に残された訪問宅の予定書類に名前があったためです。さらに母親と2人暮らしだった渡辺容疑者は、今年1月に勤めていた運送会社の上司と喧嘩して退社後、近所を通る女子高生に水をかけたり大声で脅すなどの嫌がらせを繰り返し、行動を監視していたからです」(捜査関係者) 渡辺容疑者は少年時代から乱暴者で、女性絡みの傷害事件なども多数起こし地元では有名人だったという。 「中学生の時には刃物で女子生徒を脅して少年院行きになっている。家業の農業を手伝う傍ら貨物トラックの運転手をしていたのですが、絶えずトラブルを引き起こしていた。'07年4月には奥州市内のアパートに押し入り、女性(当時27)を強姦しようとしたが、抵抗され、揉み合った際に10日間の怪我を負わせている。この時は現金数万円入りのバッグを奪って逃走を図っていますが、強姦致傷、強盗、住居侵入などの罪に問われ、懲役7年の判決を受けています。これにより6年間服役し、2年前に出所したばかりだったのです」(全国紙社会部記者) 一方の伊藤さんは、'13年春から現在の水道検針の仕事に就き、真面目な仕事ぶりで定評があったという。 職場関係者は伊藤さんについてこう話す。 「仕事もきっちりこなし、明るく誰にでも好かれるタイプ。結婚が決まりとても幸せそうだったのに、こんな事件に巻き込まれるなんて信じられません」 伊藤さんは6月6日、奥州市内のホテルでの挙式が決まっており、友人によれば、約30人の披露宴への招待客に、一人ひとり手書きの招待状を思いを込めて書いていたのだという。 幸せの絶頂期だった女性の人生を奪った容疑者の罪は重い。
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