社会
-
社会 2015年06月29日 16時00分
森永卓郎の「経済“千夜一夜”物語」 維新が日本を壊す
安倍総理と政界引退を表明した橋下徹維新の党最高顧問が、6月14日夜に都内のホテルで3時間にわたって会談した。内容は明らかにされていないが、安全保障関連法案の今国会での成立に向けて、総理が維新の協力を要請したものとみられる。維新は、既に労働者派遣法改正案で与党に協力姿勢を示しており、安全保障関連法案についても同様の態度を採ることになれば、今国会での成立が確実なものになる。 労働者派遣法改正案審議での維新の迷走ぶりは、驚くべきものだった。改正案は、3年ごとに人を入れ替えれば、企業が無期限に派遣労働者を利用できるようにする。一方、働く側からみると、これまで無期限の派遣が可能だった専門26業務についても、派遣の上限期間が3年に限定される。つまり、派遣労働者は、いつまで経っても「新入り」として、3年ごとに企業を転々としなければならなくなるのだ。 そうした状況に対して、維新、民主、生活の3党は、議員立法で「同一労働同一賃金推進法案」を提出。同じ仕事をする場合には、正社員と派遣労働者などの非正社員の賃金を同一にすることを目指した。同一労働同一賃金は、世界の常識なので、極めてまっとうなことを求める法案だった。 ところが、維新は抜け駆けして単独で与党との法案修正協議を行い、当初案の「待遇の均等を図る」を「待遇の均等および均衡の実現」に修正することで、与党の法案への賛成の確約を得た。だが、この文言修正によって、正社員と派遣社員は、同じ仕事をしていても職位が違うのという理由で、同一賃金を保障する必要がなくなってしまった。 共同提案をした民主と生活は、維新の裏切りに激高したが、維新の党は、与党から同一労働同一賃金推進法案への賛成を得ることと引き替えに派遣法改正案の採決に応じることを約束しており、これで派遣労働者の身分が固定化される派遣法改正案の成立が、ほぼ確実になった。与党単独での強行採決が避けられるからだ。 同じことが、安全保障関連法案でも起きる可能性が高い。安全保障関連法案に関しては、憲法審査会に呼ばれた憲法学者3人が揃って「法案は憲法違反」と発言し、「合憲とする学者はたくさんいる」としていた菅官房長官も、合憲とする学者の名前を3人しか示せないなど、与党への逆風が吹き荒れている。そうした中で、内閣支持率も急降下しており、このまま衆参両院で与党単独強行採決をすると政権維持が危うい状況にまでなっていた。そこに維新が本会議での採決に応じることになれば、単独強行採決は避けられる。 もともと、派遣法改正案で野党を裏切ったのは、維新の大阪組の議員だった。彼らは安全保障面でもタカ派の考えだから、橋下最高顧問からの指令があれば、喜んで与党にすり寄るだろう。ここで与党に貸しを作れば将来自民党から出馬することも可能になるという算段かもしれない。 かつて、橋下氏の支持者が「橋下市長の仕事は破壊だ。まず大阪市を壊さないと何も始まらない」という話を聞いた。大阪都構想の住民投票で敗れ、政界引退を表明した橋下氏が最後に残すものは、日本の平和と平等を破壊していくということになるのかもしれないのだ。
-
社会 2015年06月28日 16時00分
ブラック”の烙印が重い… ジリ貧ワタミ不都合な真実
中年オヤジ憩いの大衆酒場を「時間と空間を楽しむ場所」に変えたといわれる革命チェーン『和民』。運営会社ワタミ創業者の渡邉美樹氏は「外食産業の風雲児」ともてはやされ、テレビのコメンテーターなどに連日出演するスター経営者になった。 しかし、今や誰の目にも迷走は明らかだ。 昨年3月期は上場以来初の最終赤字(49億円)に塗れ、今年3月期の純損失は従来予想の70億円から2倍近い128億円に膨れ上がったと公表した。まさに「坂道を転がり落ちる」の言葉がピッタリ。何せ2年前には320億円だった純資産が今年3月期には102億円まで落ち込み、このまま財務が改善せず今期も100億円超の赤字を垂れ流せば自己資本を食いつぶして債務超過に転落し、倒産の危機に直面する。 ヒタヒタと迫りくる非常事態を前に、ネットの掲示板には驚くべき書き込みさえある。いわく「この会社はミッキーが政界に出るための道具にすぎない。本人がいない今、存続する意味がない。早く倒産して社名変えなきゃどこまでも落ちるよ」(原文のまま)とバッサリ斬って捨てるのだ。 ミッキーとは創業者の渡邉美樹参議院議員。2年前の参院選出馬に際し、会長ポストから辞任し、会社の経営には関与していないとはいえ、現実には有限会社の『アレーテー』なるプライベート会社を通じてワタミ株の26.2%を保有する事実上の筆頭株主だ。一方、今年の3月1日付で社長に就任した清水邦晃氏は、明治大学在学中から『和民』のアルバイトとして働き、後に大学を中退して入社した経歴を持つ。渡邉氏にとっては大学の後輩に当たる。 それにしても、なぜワタミが“難破船”寸前の醜態をさらしているのか。証券アナリストは「画一的なメニューが並ぶ居酒屋チェーンは客離れが止まらない。これに若者のアルコール離れの追い打ちも加わって、居酒屋業界は深刻な低迷が続いているのですが、ワタミには固有の事情もある」と指摘する。従業員に対する過酷な勤務シフトを強いた結果、過労死裁判に発展するなど“ブラック企業”のイメージが定着したことから客離れが加速しているのみならず、全国の店舗で慢性的な人手不足を招いたというのだ。 実際、ワタミは「人出不足の解消が難しい店舗と不採算店」を前期に102店閉鎖したばかりか、今期も85店の閉鎖を計画している。アナリストが続ける。 「スタッフがやる気満々ならばともかく、“ブラック”の烙印を押された会社が店舗閉鎖という名の戦線縮小に大きくかじを切れば負のスパイラルに陥る。当然ながら売り上げに響き、収益低下に直結します。ネットの掲示板に書き込まれた『社名変えなきゃどこまでも落ちるよ』の指摘は、まさに言い得て妙です」 実はワタミの誤算には続きがある。就任直後、清水社長は4月からメニューを改定し10年ぶりの大幅な値下げに踏み切った。前年に増税などを理由に価格を15%上げたものの、顧客アンケートで「料理の提供が遅い」「それぞれの料理の量が多過ぎて他に注文できない」「価格が高い」の三つが多かったことからの戦略転換である。生ビールを490円から450円に、ハイボールを450円から290円に値下げし、全体の2割だった税抜き300円未満のメニューを4割に増やすなど、確かにバイト出身社長ならではの“大英断”だった。 ところが、今年5月の前年比実績は売上高89.7%、客数89.3%と逆に落ち込み、客単価だけは100.4%と横ばいだった。他社との競争が激化する中、値下げが客足を遠ざけ、売り上げ減をもたらしたのだから皮肉である。 「ここにワタミの構造的な問題が潜んでいる」と、外食産業に詳しい関係者は喝破する。 「安ければ客が殺到するというのは、牛丼各社が“体力の消耗戦”と揶揄されるほど値下げ競争にウツツを抜かしていたころの発想です。そもそも、おいしくなければ客は群がらない。加えて、ワタミは“ブラック企業”のレッテルがマイナスに作用している。値下げした分、人件費がカットされ、ますますブラックの泥沼にはまるのではないかと警戒されるのです」 ユニクロ、すき家、ヤマダ電機など世間から“ブラック”の烙印を押された企業は他にもある。しかし、名指しされた各社は曲がりなりにも汚名返上に向けた施策を打ち出している。なぜ、ワタミだけピント外れなのか。 「経営に関与しないとはいえ、一代で“王国”を築いた渡邉前会長の存在感はやはり大きい。子飼いの清水社長が、その呪縛から簡単に逃れられるわけがありません」(ワタミOB) 傷ついたブランドイメージの刷新には、ネットの指摘通り社名と店舗名の変更が早道なのかもしれない。
-
社会 2015年06月27日 17時14分
東京都立霊園を申し込むなら今しかない!
墓地には民営、公営があるが、公営の霊園はやはり人気が高い。 その理由について、都内の某石材店によると、「決して公営が安いとは限りません。都心に近かったり、交通の便のいい霊園は、かえって高いのです。ただ、ブランド力というか、運営面で安心感があり、宗教不問だったり、年間管理料が安く設定されている点などが人気の秘密ではないでしょうか?」と話す。 東京都内在住者で、現在、墓地を探している人にとっては、都立霊園も選択肢のひとつだ。しかし、その募集は年1回しかない。今年度の申込期間は7月1日〜15日のわずか15日間のみ。つまり、今しかないのだ。 都立霊園は8つあるが、今年度募集があるのは青山霊園、多磨霊園、小平霊園、八王子霊園、谷中霊園、八柱霊園(千葉県松戸市)の6つで、雑司ヶ谷霊園、染井霊園の募集はない。 募集数は青山が50カ所、八王子が80カ所、谷中が170カ所、多磨が430カ所、小平が2270カ所、八柱が2300カ所。 大方は一般埋蔵施設だが、八王子には芝生埋蔵施設、谷中には立体埋蔵施設、多磨には長期収蔵施設(みたま堂)、八柱には合葬埋蔵施設(合葬式墓地)、小平には小型芝生埋蔵施設、合葬埋蔵施設、樹林型合葬埋蔵施設(樹林墓地)、樹木型合葬埋蔵施設(樹木墓地)がある。 ただ、都立霊園の場合、申し込み資格要件があり、「一般・立体埋蔵施設、長期収蔵施設に申込みをする場合」は、都内(八柱の場合、松戸市を含む)に5年以上継続して住んでいること、現在守っている「親族の遺骨」があること、遺骨に対して、祭祀の主宰者であることが条件。「合葬埋蔵施設に申込みをする場合」は在住期間が3年以上となる。 「遺骨生前申込」は3年以上在住で、現在守っている遺骨が1体又は2体あり、その遺骨と親子、夫婦、兄弟姉妹の関係にあることが条件。「生前申込」も3年以上在住が条件。ただ、「遺骨生前申込」「生前申込」が可能なのは、小平、八柱のみで、他の4つの霊園は遺骨があることが前提。 申し込みは郵送(7月15日消印有効)かインターネットになり、郵送の場合、申込書は都庁第一、二本舎1階・2階の案内コーナー、各都立霊園・青山葬儀所及び瑞江葬儀所の窓口、都内各区市町村及び松戸市役所の窓口、公益財団法人・東京都公園協会本社で配布している。 あらかじめ、利用する石材店が決まっている場合(石材を使う墓地のみ)は、申し込みを代行してくれる業者もある。 申し込み後、8月27日に公開抽選が行われ、10月上旬の書類審査を経て、11月上旬に使用料・管理料を納入した上で、12月中旬にようやく使用許可が下りる予定だ。 実際にどれほどの人が申し込んでいるかというと、昨年度の倍率(総括)は、「一般埋蔵施設」だと、多磨=3.6倍、小平=8.5倍、八柱=7.5倍、青山=14.2倍、谷中=12.9倍。小平の「小型芝生埋蔵施設」は4.1倍、八王子の「芝生埋蔵施設」が6.2倍、谷中の「立体埋蔵施設」が6.9倍、多磨みたま堂の「長期収蔵施設」が22.0倍となっており、いずれも倍率は高い。 「合葬埋蔵施設」では、八柱が1.3倍、小平が18.7倍。小平の「樹林型合葬埋蔵施設」が10.6倍、「樹木型合葬埋蔵施設」が1.7倍。 気になる使用料だが、霊園により、まさにピンキリ。「一般埋蔵施設」だと、青山なら約420〜約1085万円、谷中は約268〜336万円と高額。多磨は約158〜518万円、小平は約149〜約471万円、八柱は約34〜約114万円。八王子の「芝生埋蔵施設」だと約112万円、小平の「小型芝生埋蔵施設」が172万円。 年間管理料は1220〜3660円と格安。ただ、墓石を必要とする場合は、さらに石材費+工事費がかかってくる。 これが、多磨みたま堂の「長期収蔵施設」、谷中の「立体埋蔵施設」、八柱や小平の「合葬埋蔵施設」、小平の「樹林(樹木)型合葬埋蔵施設」だとグッと安くなる。 いずれにせよ、都立霊園は人気があり、倍率が高いため、希望しても購入できるかどうかは抽選の結果次第だが、安心感や管理料の安さなどを求めるなら、一考の余地があるだろう。(山本 生道)*写真イメージ
-
-
社会 2015年06月25日 16時00分
観光客ア然 ベトナム高級料理に浮上する猫肉使用疑惑
最近、日本人の間でも雑貨やグルメ、遺跡巡りなどで人気が高まり、日本からの直行便も運航しているベトナム。景勝地ハロン湾の観光拠点でもある首都ハノイ郊外で高級料理として知られる名物に、猫肉が使われている疑惑が急浮上し、ベトナム政府保健当局、観光当局、そして動物保護団体などから批判が上がっている。グルメツアーでベトナムを訪れる日本人観光客も注意が必要だ。 ハノイ郊外では、ベビータイガー(トラの子)を丸焼きにして食べる料理が人気で、「滋養強壮」「疲労回復」と、近年は多くの外国人観光客が注文するようになった。 「注文増からトラの子が不足に陥ってしまったのです。そこで、業者やレストラン経営者が考えた苦肉の策が“トラに酷似した代替動物の猫”。実際テーブルに出されるのはベビータイガーの“丸焼き”のため、毛皮もなく一見しただけではタイガーなのか猫なのかはわからない。ましてや、タイガーの味を知らない外国人観光客には味での区別も困難。結果、仕入単価も安く簡単に入手できる猫の代用が広がっているのです」(現地特派記者) ハノイ郊外では最近、野良猫の姿が見られなくなり、行方不明になる飼い猫も増加しているというから、その大半が「ベビータイガー」として観光客らの胃袋に消えている可能性が極めて濃厚なのだ。 業者によると、不足を補うため中国やラオスからも猫を闇のルートで輸入しており、その価格は1匹約9900円だという。 「ある店では、一日約30匹の猫が丸焼きで提供されている。ベトナムでは猫を食べることは法律で禁止されていますが、同レストランでは警察官や弁護士がベビータイガーの常連客というから、取り締まりは実質不可能です」(同) 観光客の人気沸騰を受け、猫肉の鍋や麺も登場。猫好きには耐えられないグルメブームだ。
-
社会 2015年06月25日 10時00分
達人政治家の処世の極意 第六回「金丸信」
「代議士初当選以来、本というものは自分で1冊も読んだことがなく、すべて耳学問と経験則で動いた」と伝説的エピソードがあったのが、この金丸信である。甲州は山梨県の生まれ、東京農業大学出身、党人、40代半ばでようやく政界入りという、言うなら叩き上げの非エリートながら、田中(角栄)派−竹下(登)派と流れる中で縦横に存在感を示し、副総理、自民党幹事長と副総裁、防衛庁長官などの要職を務め上げた。持ち味は政治の節目節目での調整能力で、「岸信介(安倍晋三首相の祖父)が『昭和の妖怪』なら、オレは『平成の妖怪』になってやる」と豪語、表題にあるように「人間のやることで、何ともならねぇものなんかあるものか」を口グセとし,“戦績”をあげてきた。身上は怖いものなしの「捨て身」で相手にぶつかること、数々の難門を突破してみせたのであった。 金丸の「捨て身の言葉」が生きた例を、二つ挙げてみる。 一つは、昭和47年7月の田中角栄と福田赳夫が天下を争った世に言う「角福総裁選」である。田中は総裁選を前に政策協定で大平(正芳)派、三木(武夫)派との連合に成功したが、仮に第1回投票で田中が過半数を取れず福田との決戦投票となった場合、したたかさで鳴る三木武夫はここでの「田中支持」までは明言しなかった。そのうえで田中と三木は最後の話し合いを、東京・九段のホテル・グランドパレスで行った。田中に同行したのは金丸、三木は時に「日中国交回復」の必要性をよく口にしていた。金丸は三木に、こう口を切った。 「三木先生。田中が日中問題をやらなかったら、私は田中派を出る。三木先生のところにお世話になってもいい。その覚悟です。国家、国民のため、どうか田中と手を握って頂きたい」 金丸の迫力に押されたか、田中が日中国交回復に手をつけるとする「国家、国民のため」という“大義”の前に、三木は田中に握手を求めたのであった。 金丸のそれはいささか芝居がかった手ではあったが、例えば企業でも「会社のため」がどんな異論をも押しやってしまう大義名分として、極めて“有効”であることを示したとも言えたのである。 もう一つ。昭和57年秋の「ポスト鈴木(善幸)」で、田中派が中曽根康弘を担ぐことを決めた時だった。金丸は中曽根と徹底的に肌が合わず、「オレくらい中曽根嫌いはいない」と公言してはばからなかったくらいだった。田中派の中にも「中曽根擁立」に異論が少なくなかったが、田中派の幹事会で金丸は「捨て身」の演説をこうブチ上げ、異論を押し込んだのだった。 「日本一の中曽根嫌いのオレが言うんだ。このシャバは、君らの思うようなシャバじゃない。親分が右と言えば右、左と言えば左なんだ。親分が右いうのがイヤなら、この派閥を出ていくほかはない」 結局、田中派は一致して中曽根を推すことを決めたが、金丸は田中派の意向を無視するようなことがあればと、中曽根にこうクギを刺すのを忘れなかった。 「いざという時があれば、オレはあんたと刺し違える覚悟だということを知っておいてもらいたい」 “怖いものなし”のこの金丸の言葉に、さしもの中曽根も金丸に握手を求めたのだった。中曽根政権はその後、金丸との約束を守った形で「角影政権」のかげ口の中、約5年の長期政権をまっとうした。ロッキード事件の残滓を引きずる田中は、このことによりなお政界に影響力を残すことに成功したのであった。 こうした一見、乱暴な「金丸手法」による調整能力は、しかし一方で計算と巧みな戦略に基づいていたと、当時の金丸に近い政治部記者のこんな証言があった。 「動物的カンで、中国の古典の兵法書『孫子』を踏襲しているところがあった。勝算なきは戦わない、敵を知り己れを知る、まず主導権を握る、味方は集中し敵を分散させる、実を避けて虚を撃つすなわち相手の弱点を攻めるなどです。一方で、田中はロッキード事件で弱っている中でなお権力にしがみつくのを見、『田中派も世代交代が必要』と堂々ブチ上げるなどもあって、金丸の奥の深さもみていた」 あらゆる交渉術は、“脅し”の材料をいかに質量ともに多く持つか。知っておいて損はないということである。=敬称略=■金丸信衆議院議員(12期)、防衛庁長官(第35代)、国土庁長官(第3代)、建設大臣(第34代)、副総理、自由民主党国会対策委員長、自由民主党総務会長、自由民主党幹事長、自由民主党副総裁(第9代)などを歴任。小林吉弥(こばやしきちや) 永田町取材歴46年のベテラン政治評論家。この間、佐藤栄作内閣以降の大物議員に多数接触する一方、抜群の政局・選挙分析で定評がある。著書多数。
-
-
社会 2015年06月24日 16時00分
各国及び腰のマイナンバー制度導入で日本の総個人資産1600兆円流出危機
ハッカーの攻撃で、我が国の年金情報や東証の会員情報が大量流出。これが原因で、来年1月から施行される「マイナンバー制度」の危険性が指摘され始めている。 同制度は、税と社会保障情報の一元化のために編み出された“国民総背番号制度”だが、実施すれば「日本の総預貯金額が消失する可能性も高い」と評判なのだ。 その理由をIT業界の関係者がこう明かす。 「実は、同制度の先進国である米国は、1930年代から個人の共通番号である社会保障番号を採用。時代を経てコンピューター管理するようになったが、近年、これを狙ったサイバーテロが横行している。社会保障番号は民間の識別番号としても使われているため、ハッカーがネットバンキングなどからなりすましで金を盗み出す被害が絶えないのです」 米連邦司法省によると、その被害件数は'06年〜'08年のものだけで、1170万件。実に、被害額は1兆7300億円に上っているのだ。 「そのため、米国防総省は軍務にあたる職員に独自の番号を持たせ、社会保障番号制度から切り離したほど。さらに、イギリスは同じ危険性から'10年にこの制度を廃止したほどなのです。日本政府は'18年からマイナンバーを民間転用。戸籍や預金口座にも導入させる方針だが、『断行すれば1600兆円に上る日本の預貯金が奪われる』『世界中のハッカーに狙われる可能性は2000%』との声が上がっているのです」(同) もっとも、政府がこの時代錯誤も甚だしいマイナンバー制度に突き進むのには、邪な理由があるという。 「それが、ご存じのマイナンバー特需なのです。一説には制度の導入で、IT業界には3000億円ものカネが落ちると見られており、経団連はその経済効果を3兆円と弾いている。財界、政界、官僚筋にも巨額のカネを巡る皮算用が蠢いており、この流れが止まらない状態」(政治部記者) もしもこれが事実なら、国民の莫大な資産が消失した場合、いったい誰が責任を取るのか?
-
社会 2015年06月24日 10時00分
世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第130回 地方創生の競争と切磋琢磨
安倍(晋三)政権の目玉政策であるはずの「地方創生」が、ある意味で予想通り、異様な方向に向かおうとしている。 何しろ、地方自治体同士に“競争”をさせ、地方交付税に「差」を設けようとしているわけだから、やり方が半端ない。 石破茂地方創生担当相は、国内の全自治体に「地方版総合戦略」の提出を求め、地域間競争を促す方針を表明している。まるで、企業の各事業本部に「ビジネスモデル」の提出を求めるがごときである。 また、石破大臣は1月26日時点でブルームバーグ(アメリカの大手総合情報サービス会社)のインタビューに答え、地方自治体について、 「競争しろというのか、その通り。そうすると格差がつくではないか、当たり前だ」 と、地方自治体が「勝ち組」と「負け組」に分かれていくことを是認する発言をしている。安倍政権の「地方創生」は、日本の各地域を「共に発展」させ、国家全体の安全保障を強化するという発想ではないのだ。 勝ち組には手厚い支援を実施し、負け組は切り捨てる。日本の各地域を、勝者と敗者に「区分していく」政策なのである。 具体的には、自治体側が提出した戦略の内容や効果で地方交付税や交付金の配分に差がつけられるわけだ。 これは想像というよりは“確信”だが、例えばPFI(民間資金を活用した社会資本整備)を推進する計画が多ければ多いほど、中央政府の覚えめでたいという話になり、地方交付税が手厚くなっていくだろう。 すなわち、公共インフラという住民の生活や経済活動の「基盤」を民間資本に開放し、彼らのビジネスを増やせば増やすほど、中央政府が「誉めてくれる」という話だ。逆に、公共サービスを「公」で維持しようとすると、地方交付税を削減されることになると予想する。 実際、経済財政諮問会議の「民間議員」と称する民間人たちが、5月19日、人口20万人以上の自治体で上下水道や空港などを整備・運営する場合、PFIの導入を原則とするべきと提案をしている。 これまでのパターンに従えば、民間議員と称する民間人の提案が「総理指示」に化け、国会に降りることになるわけだ。 要するに、これまでは自治体や政府が“独占”していたインフラビジネスに、民間資本を「より多く新規参入させろ」という話なのだが、そもそもインフラ事業の多くは儲からない。というより、インフラ事業で儲けられると国民が迷惑するからこそ、政府や自治体がやるのである。 地方自治体同士に“競争”させ、「格差」を作るという発想自体が異常だ。加えて「民間の資本を導入すれば善」という、市場原理主義的な価値観に基づき、日本の各地域は勝ち組と負け組に分かれていくだろう。 日本国民の99.9%は、“競争”という言葉を誤った認識に基づいて使っているように思える。 「市場競争は素晴らしい」 という言葉を聞いたとき、多くの国民は、 「その通り。市場で地域や企業や個人が競ってこそ、発展がある」 と、思うのではないか。では、それは本当に“競争”なのか。 日本には「切磋琢磨」という言葉があるが、これは欧米由来の“競争”という言葉とは、ニュアンスが違う。切磋琢磨とは、 「友人同士が互いに励まし合い、競い合い、共に向上すること」 という意味を持つ。つまりは競争相手が“仲間”であり、相手を潰してまでも自分が勝つ、あるいは「勝ち負けをはっきりつける」といった意味は含有していないのだ。多くの日本国民は、“競争”という言葉を「切磋琢磨」という意味で用いてはいないか? あるいは、経済学に基づく「市場競争」「自由競争」は、果たして切磋琢磨なのだろうか。それとも勝ち負けを明確にする“競争”なのか。間違いなく、後者だ。 同じ土俵(市場)で、同じルールで“競争”し、勝ち負けをはっきりつける。負けた者は、自己責任。 「同じルールで、同じ土俵で“競争”したのだ。負けた者は、自己責任である。本人の努力が足りなかったのだから、仕方がない」 といったレトリック(効果的な表現)こそが、“競争”を善とする経済学の本質なのだ。 そうは言っても、戦争や大規模自然災害などの非常事態の際には、人間は他の人間の助けを借りなければ、生き延びることができない。「勝ち組」であるにもかかわらず、大震災で被災者となった「人間」を助けるのは、負け組となった「人間」かも知れないのである。 結局、非常事態発生時に、助け合わなければ生き延びられない以上、人間は「助け合いの共同体」を構築しなければならないのだ。すなわち、国家である。 人間は「国民」にならなければ、安定的に、豊かに生きていくことはできない。特に、世界屈指の自然災害大国である「日本国」では、国家を織りなす各地域がそれなりに発展してくれなければ、いざというときに「助け合う」ことは不可能なのだ。 共同体が異なるのであれば、国家国民同士が「市場競争」を繰り広げるという発想はわからないでもない。 もちろん、ユーロのことを指すわけだが、「共通通貨ユーロ」という統一市場で国同士、企業同士、国民同士が競争し、ユーロ圏が綺麗に勝ち組(ドイツなど)と負け組(ギリシャなど)に分かれていったのは、ご存知の通り。生産性が大きく異なるドイツとギリシャが「同じルール」で競争すれば、ギリシャ側に勝ち目はないのだ。 本当に地方創生政策において地方自治体同士に競争を強いるなら、せめて「インフラストラクチャー(ダムや道路、港湾などの産業基盤)」の面で公正な競争条件を整備するべきだ。 インフラが整っていない地域が、インフラが充実した地域に勝てるはずはない。インフラの充実度とは、まさに「生産性」そのものである。 それにしても、地方創生大臣自ら「同じ国」の地域について「格差がつくではないか、当たり前だ」と言ってのけるわけだから、凄い時代だ。もはや、国家も何もあったものではない。 我が国の地方経済再生策は、“競争”ではなく「切磋琢磨」であるべきと考えるわけだが、読者はどのように思われただろうか。三橋貴明(経済評論家・作家)1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、わかりやすい経済評論が人気を集めている。
-
社会 2015年06月23日 16時00分
1兆5000億円支払い命令で始まるJTへの賠償ラッシュ
日本たばこ産業(JT)が思わぬ“高額賠償ラッシュ”に見舞われそうだ。 カナダ・ケベック州の上位裁判所(日本の高裁に相当)は先ごろ、JTの現地子会社『JTIマクドナルド』に対し、邦貨換算で約2000億円に及ぶ賠償金の支払いを命じた。7月26日までに142億円の支払いを求める仮処分も付いているという。JTは控訴し、仮執行の停止も求めている。 この訴訟はケベック州の住民約10万人が「喫煙で肺ガンや咽喉ガンなどを発症した」として、1998年にJT子会社を含む3社を相手取って集団提訴を起こしたもの。命じられた支払い総額は約1兆5000億円で、これはカナダの訴訟では過去最高額だ。 JTの分担比率は全体の13%強にとどまるが、もし最高裁で却下されれば、金満企業で知られるJTといえどもズシリと重い財政負担となる。 実はJT、この手の集団訴訟を世界で20件抱えており、うち18件がカナダでの案件。ケベック州での判決は、その第1号だった。言い換えるとJTには今後、天文学的な賠償金支払いリスクが付きまとう。 「控訴したとはいえ、もし世界の20件が一律2000億円の支払いで確定すれば、これだけで4兆円。健康意識の高まりから各国とも喫煙者が減少しており、その分収益も落ち込んでいる中で、賠償金の支払いが追い打ちをかける格好です」(証券アナリスト) ムディーズやS&Pなどの格付け会社は、まだJTの格付けにネガティブな意見を出していないが、これで裁判所から第2弾、第3弾の賠償命令が出るようだと一気の格下げもあり得る。そんな事態になれば、さすがのJTの資金調達力にも大きく影響する。 「たばこ会社は今や目の敵にされている。今回の裁判に触発され、世界中で訴訟ラッシュの火の手が上がりかねません。大株主の財務省幹部は、JTの火だるま地獄を非常に恐れています」(経済記者) 財務省はJT株の3分の1を保有する筆頭株主。賠償ラッシュは、国家財産の損失と同義語なのだ。
-
社会 2015年06月23日 15時00分
噂の深層 中国人がこれから爆買いにくるアノ商品
一向に収まる気配のない中国人観光客の“爆買い”。彼らが買いに来る商品といえば、化粧品や家電、ブランド品などが知られている。 「実は日本製の家電や化粧品は中国本土でも売っている。それらは円安の影響で日本で買った方が単純に安いから買われているだけです。爆買いブームのきっかけとなった商品といえば紙オムツでしょう。日本製の紙オムツの質の高さが現地の富裕層を中心に口コミで広がると、三越などの日系百貨店では“在庫切れ、入荷日未定”の状態が数か月も続いた。待ちきれなくなった彼らはついに日本に買いに行くという行為に打って出たのです」(中国在住ジャーナリスト) そんな中国本土でいま、オムツの次に大変な品薄となっているある人気商品があるという。大人たちの夜の必需品「コンドーム」だ。 「業界最薄」の広告で一世を風靡したサガミオリジナルを発売する相模ゴム工業が昨年9月に発売した、さらに薄い0.01ミリの極薄コンドーム「サガミオリジナル001」がいま、中国本土で大ブームだという。現地の興奮をAV界の巨匠・村西とおる監督も自身のツイッターでこう伝えている。 「日本人の気持ち良さを味わいたいと中国人が爆買い。増産した結果、生産ラインがストップ。復旧は年末。尖閣の仕返しか、と中国で大騒ぎ」。 監督によれば今後、中国人業者が大挙して訪日し、在庫を巡る争奪戦が繰り広げられるだろうとしている。その発言を裏付けるかのように、今月17日には同社HP上で「001」が当面の間販売休止となることが発表された。国内に残る在庫も“最薄”になることは確実な状況。日中のコンドームを巡る争いが始まる予感だ。(明大昭平)
-
-
社会 2015年06月23日 10時00分
森永卓郎の「経済“千夜一夜”物語」 介護で地方移住は現実的か
民間機関の日本創成会議(増田寛也座長)が、6月4日に今後10年間で東京圏の介護需要が45%増えて、介護施設が不足するため、東京圏に住む高齢者が地方移住することを提言した。 東京圏の介護需要が急拡大する最大の理由は、70歳台後半以降の後期高齢者が、団塊の世代の加齢によって今後急増していくことだ。介護は後期高齢者になってから急激に拡大する。そして、団塊の世代は兄弟の数が多いので、ふるさとの実家を出て都会で世帯を構成しているケースが多いことも、介護施設利用のニーズを高めることになる。 ところが、大都市圏、特に東京では、大きなニーズに応えることのできる介護施設が十分ではない。もちろん、ニーズの拡大に合わせて介護施設を作っていけばよいのだが、都心部には介護施設を作ることのできる土地が少なく、あったとしても地価が高いので介護施設の料金が高騰してしまう。現に、東京都心の介護施設のなかには、入居金が1億円というところまである。現実問題として、普通の庶民が利用できる金額ではないのだ。 そこで日本創成会議は、医療・介護の施設や人材に余力のある41の地方都市を明示して、東京を中心とする大都市圏からの移住を提言した。私は、日本創生会議の将来推計自体は正しいと思う。しかし、介護のために地方移住させることは現実的ではないと思う。なぜなら、若い世代の地方移住も、必ずしもうまく行っていない。地方と大都市中心部では、人間関係の濃さが大きく異なる。大都会の人間は、地方の人間関係の濃さについていけないのだ。 もう一つの理由は、高齢者の生活の継続性だ。日本創生会議が挙げた受け入れ余力のある41地域は、北海道、四国、九州と本州の日本海側に集中している。例えば、東京に最も近い甲信越・北陸の受け入れ可能地域は、上越市、富山市、高岡市、金沢市、福井市だ。もちろん素晴らしい環境の街ばかりなのだが、東京で暮らしてきた高齢者がこれらの地域に移住したとすると、交流のあった仲間や親戚、あるいは利用してきた文化施設と大きな距離を置かざるを得なくなる。 私は、現実的な解決策は、東京郊外への移住だと思う。現時点では、東京郊外も介護施設が足りないが、施設を作る十分な土地がある。 しかも、駅からバス便のような場所は、住民の都心回帰にともなって地価が大きく下落しているため、施設の建設費用も節減でき、比較的安価な労働力も豊富に存在する。彼らに介護の技術を身につけてもらえば、十分な介護サービスを提供することは可能だろう。 東京郊外であれば、必要な時に1時間あまりで都心に出ることも可能だから、東京で古くからの仲間と再会することも容易だし、東京の文化的刺激を味わうこともできる。地方部のように濃すぎる人間関係に煩わされることもないのだ。 私は、東京から50キロ圏の埼玉県所沢市に住んでいるが、物価も安いし、自然も豊かで、生活環境はとてもよい。 唯一の問題は、十分稼げる雇用機会がないことだけだ。だから、仕事を引退したら郊外に移住し、その街で暮らしながら、介護が必要になったら、その地域でサービスを受けるというライフスタイルの方が現実的ではないだろうか。
-
社会
都知事選 石原氏「厳戒歌舞伎町演説」で語った手柄話
2007年03月29日 15時00分
-
社会
石原陣営に焦りアリアリ!? 今朝の政見放送でまさかの慎太“老”ぶし炸裂!!
2007年03月28日 15時00分
-
社会
都知事選政見放送で仰天マニフェスト
2007年03月27日 15時00分
-
社会
都知事選「浅草雷門で時間差対決、石原VSドクター中松」
2007年03月26日 15時00分
-
社会
都知事選 浅野スニーカー街頭演説でセクシーポーズ
2007年03月24日 15時00分
-
社会
都知事選 石原氏満員電車でGO!
2007年03月23日 15時00分
-
社会
都知事選きょう告示、石原氏ら第一声
2007年03月22日 15時00分
-
社会
桜金造都知事選正式表明
2007年03月20日 15時00分
-
社会
都知事選 黒川氏が石原知事をホリエモン呼ばわり
2007年03月19日 15時00分
-
社会
ホリエモン実刑
2007年03月16日 15時00分
-
社会
丸山弁護士東京都知事選出馬へ
2007年03月09日 15時00分
-
社会
石原カジノ構想消滅!?浅野氏に“追い風”吹く
2007年03月07日 15時00分
-
社会
上層部スタッフが告発 NOVA 怪文書
2007年02月21日 15時00分
特集
-
あかつ、アメリカ・アポロシアターでの「動きで笑わせるネタ」は世界にも テレビに年数回でも出られる自分は「持ってる」
芸能
2025年10月03日 12時00分
-
TKO・木下、篠宮との一件を明かす 目標は「タイと日本のハブ」 挑戦に対する厳しい声には「どうでもいい」
芸能
2025年09月26日 18時00分
-
-
元ボーイフレンド・宮川英二、最大の挫折は「M-1グランプリ」 セカンドキャリアは、芸人やお笑いサークルの学生の就職支援 芸人の給料も赤裸々に語る
芸能
2025年09月18日 17時00分
-
岡平健治「19」解散は「お金の問題じゃない」 岩瀬敬吾、地元に戻るのを「止められてよかった」 今後はバラエティーで「ポンコツっぷりを見て笑ってほしい」
芸能
2025年08月05日 23時00分
-
misono、家族について「マジで気持ち悪い家族」 「⼦ども⾃然にできると思っていたけど……」と不妊治療の再開、明かす
芸能
2025年09月16日 11時00分