ハノイ郊外では、ベビータイガー(トラの子)を丸焼きにして食べる料理が人気で、「滋養強壮」「疲労回復」と、近年は多くの外国人観光客が注文するようになった。
「注文増からトラの子が不足に陥ってしまったのです。そこで、業者やレストラン経営者が考えた苦肉の策が“トラに酷似した代替動物の猫”。実際テーブルに出されるのはベビータイガーの“丸焼き”のため、毛皮もなく一見しただけではタイガーなのか猫なのかはわからない。ましてや、タイガーの味を知らない外国人観光客には味での区別も困難。結果、仕入単価も安く簡単に入手できる猫の代用が広がっているのです」(現地特派記者)
ハノイ郊外では最近、野良猫の姿が見られなくなり、行方不明になる飼い猫も増加しているというから、その大半が「ベビータイガー」として観光客らの胃袋に消えている可能性が極めて濃厚なのだ。
業者によると、不足を補うため中国やラオスからも猫を闇のルートで輸入しており、その価格は1匹約9900円だという。
「ある店では、一日約30匹の猫が丸焼きで提供されている。ベトナムでは猫を食べることは法律で禁止されていますが、同レストランでは警察官や弁護士がベビータイガーの常連客というから、取り締まりは実質不可能です」(同)
観光客の人気沸騰を受け、猫肉の鍋や麺も登場。猫好きには耐えられないグルメブームだ。