レジャー
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レジャー 2008年12月09日 15時00分
阪神JF 雑草娘イナズマアマリリスが怪気炎
いずれアヤメかカキツバタ…。来年のヒロイン候補を決める「第60回阪神JF」(GI、芝1600メートル)は14日、阪神競馬場で行われる。目下の勢いに乗じ、主役の座を狙うのは道営からやってきた雑草娘イナズマアマリリスだ。転厩初戦のファンタジーSを13番人気で快勝。その後も順調で、距離延長もプラスに働く。祖母は1992年にこのレースを制したスエヒロジョウオー。16年の時を経て、一族の誇りを取り戻すか。 彼女のしぶとさと根性は歩んできた道と重なる。6月、今季をもって開催がなくなった旭川競馬場でひっそりとデビューしたイナズマアマリリスは、コツコツと…そして着実に力をつけてきた。 その走りにスポットライトが当たったのは前々走の札幌・すずらん賞だった。中央の素質馬相手に2着と健闘。これが評価され、松元厩舎への転厩が決まったのだ。 前走のファンタジーSはJRA馬として初めてのレース。しかし、堅実な成績を残してきたにもかかわらず、13番人気の低評価だった。 だが、ゲートが開くと豊富な経験を生かし、とても人気薄とは思えない堂々としたレースを展開した。道中は3番手でジッと我慢。そして、追い出されると馬群の内をしっかりと伸びて、ワイドサファイアなどの人気馬を退けた。 「ケイコの感じから通用すると思っていた。それにしても、思った以上にレースが上手だし、気を抜かずに走ってくれる。一番いいのは心肺機能だな」と松元調教師は振り返った。 松元厩舎にやってきたのは、同じく師の下で活躍した父スエヒロコマンダーが結んだ縁だった。そしてその母、スエヒロジョウオーは1992年、阪神JF(旧阪神3歳牝馬S)を制している。 「改装でコース形態はかわったけど、それでも阪神のマイルは合うでしょう。折り合いに不安がないから、1Fの延長はむしろプラスだしね」 栗東の水にもすっかり慣れて、調教の動きはさらに良くなっている。3日に行われた1週前追い切りは栗東DWコースで6F83秒5、ラスト1F12秒5。併走馬に0秒1先着としっかり根性を見せた。 「動きは良かった。前走で体は14キロ減ったが、あれでちょうどいい。相手は強くなるけど、馬なりで好位に取りつけるし、十分楽しみはある」 一見、地味な血統だが、母方の祖母にも91年のクイーンS勝ち馬イナズマクロスがいる。父母両方から受け継いだしぶとさを武器に、アマリリスは2歳女王を見据える。
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レジャー 2008年12月09日 15時00分
新重賞今昔物語 1998年阪神3歳牝馬S 常識を覆した若駒 スティンガー
その勝利は常識を揺さぶった。仁川の直線、444キロのかれんな鹿毛馬が突き抜けた瞬間、実はファンよりもプロのホースマンが驚いたのではないか。藤沢和調教師が放った一撃はそれほど強烈だった。 スティンガー=写真=が阪神JF(当時は阪神3歳牝馬S)を制したのはデビューからわずか29日目。それはグレード制が導入されて以降、最短でのGI勝利だった。しかも前走の東京・赤松賞を勝ってからたった7日、つまり連闘だった。連闘でGIを勝った馬は、1989年に安田記念を制したバンブーメモリー以来、2頭目の快挙だった。 しかも、同じ連闘でも値打ちはまったく違う。バンブーが経験豊富な古馬だったのに対し、スティンガーはキャリア3戦目、それも美浦から初めての長距離輸送があった。繊細な牝馬には厳しい条件がそろい過ぎていた。 これにファンが下した評価は3番人気。父サンデーサイレンス、姉にサイレントハピネスを持つ良血馬だ。新馬→赤松賞と楽に連勝した内容なら1番人気に支持されても不思議はなかったが、さすがに半信半疑といったところ。これはプロも同じ。また、破竹の勢いの藤沢和師へのやっかみもあったのだろう。「牝馬が連闘でGIを勝てるほど甘くない」という声が大勢を占めていた。 だが、トレーナーは自信を持っていた。「この馬の能力は相当なもの。新馬、特別をダメージなく勝てれば連闘でいく」と青写真ができていたという。大事なのは常識ではない。サラブレッドの進化と可能性を見極め、それを具現化する勇気だ。 スティンガーは見事に2歳女王に輝いた。翌年の桜花賞にはぶっつけで登場。大きく出遅れて12着に敗れたが、秋には3歳牝馬としてJRA史上初の天皇賞出走、0秒3差の4着に健闘してみせた。GI勝利は阪神JFのみだが、鮮烈なインパクトを残した。限界に挑戦し続けた馬だった。
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レジャー 2008年12月08日 15時00分
丹下日出夫の虎の巻 阪神JFは抽選組が魅力
今週は阪神競馬場で2歳女王決定戦「第60回阪神JF」(JpnI、芝1600メートル、14日)が行われる。先週のJCダートでは、「いの一番」に推したカネヒキリが見事に優勝。若い女の子を見る目はさらに自信があると自負する(?)競馬評論家の丹下日出夫は、少ないデータをもとに、次代のヒロイン候補を徹底分析。3頭のダイヤの原石を発見した。ただ、そのうち2頭は抽選対象。無事、ゲートインできることを願うばかりだが、果たして…。 あっと驚くような衝撃的な新星が現れた時、名前のゴロもいいので、つい“ディープインパクトの再来”と記してしまう今日このごろ。比喩が画一的で、だいぶ脳が緩くなった小生ですが、ブエナビスタの前走の勝ちっぷりは、誰が見たって只者ではない。 直線が平坦コースの京都ゆえ、タフな東京コースほどの信頼は置けないものの、走破タイムは新馬、未勝利の水準を1秒近く上回る芝1600メートル1分34秒9。しかも、道中一度たりとも手綱を動かすことなく、ラスト3Fはこれぞ「持ったまま」の34秒5で楽勝。もし本気で追っていれば、1分34秒ソコソコで突破していたに違いない。 ちなみに半兄は、厩舎ゆかりのアドマイヤジャパン・オーラの名前が連なる、現在の日本競馬シーンを牽引する屈指の血統馬。前半1000メートル通過は59秒5という平均ペース。GIを前に平均以上の速めの競馬を経験したのも大きい。 ただ、なにせ初勝利は未勝利。除外の危険も考えられるが、次週の朝日杯FSに回っても、かなり楽しめる逸材。無事、抽選を突破してくれれば、予想も馬券も左うちわなんだけどなぁ(笑)。 対するジェルミナルは1800メートル戦を2連勝。ペースやレース形態の違うマイルの流れを経験していない弱みを残すものの、前記ブエナビスタと同週の黄菊賞で、同じく上がり3F34秒5を記録。1分48秒7という走破タイムも、底力や「総合力」という観点に立てば、牝馬の中では相当ポイントが高い。 現に前2年の2歳女王ウオッカやトールポピーも、阪神JFの前に牡馬混合の1800メートル戦を経験している。このジェルミナル…エンジンが掛かってからのアクションやフォームは、あのウオッカとダブるところがあるよなぁ。 さて、ウオッカの名前が出たところで、お次は角居厩舎。3年連続の阪神JF制覇を目指して、今年はミクロコスモスがスタンバイしている。 初陣の東京マイルは、前半1000メートルが63秒3という超スローペース。走破タイムは1分36秒7と平凡だったが、ラスト3F11秒2→10秒8→11秒4(33秒4)という猛烈なラップを制した瞬発力は非凡だ。 ちなみに、そのときの2着カウアイレーンは次走の東京芝1600メートル戦を1分34秒7の2歳レコードで圧勝。それを物差しにしても、ここまで挙げた3頭は相当に強いぞ! 赤松賞で2勝目を挙げた国枝厩舎のダノンベルベールは、阪神JFを目標に早々と栗東入り。秋華賞馬ブラックエンブレムも同じように栗東に滞在して結果を出したが、元祖に近いのは国枝サン。当地での牝馬の仕上げも、ある程度熟知していることだろう。ただ、赤松賞は芝1600メートル1分36秒1と、キャリアの割に時計が平凡。根本的な能力において、前記三頭に劣るのではないか。 ステップレースのひとつであるファンタジーS組は、1F延長でワイドサファイアが狙い目となるのだろうが、主戦の福永クンはジェルミナルをチョイス。同レースの勝ち馬イナズマアマリリスや3着のアディアフォーンも含め、1400メートルを経由してきた組は、たとえ時計が優秀であろうとも、ブエナビスタあたりとは、格や将来性が少し違うような気がする。いずれは、より短距離ベースのスプリンターへと特化していくのかもしれない。
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レジャー 2008年12月08日 15時00分
阪神がわりで明暗分かれた JCダート カネヒキリが王座復権
装い新たに今年から阪神競馬場に舞台を移して行われた「第9回JCダート」(GI、ダ1800メートル、7日)は、4番人気のカネヒキリが2005年以来となる2度目のJCD制覇を成し遂げた。勝ち時計は1分49秒2(良)。2着には7番人気の人気薄メイショウトウコンが突っ込み、1番人気ヴァーミリアンは3着に終わった。幅員の狭さ、短い直線などの“特殊性”をはらむ阪神のダートコースで際立ったのは位置取りの有利不利。東京時代とは違い、鞍上の“技”が問われる一戦に様がわりした。 カネヒキリが見事、ダートの頂上決戦で復活劇を演じてみせた。 好発を切り、道中は4、5番手をキープ。そして、3角過ぎでインにもぐり込んだ。結果的にこれが吉と出た。逃げた外国馬のティンカップチャリスが直線でフラつき、外に出したカジノドライヴなどが不利を被った。 一方、カネヒキリは運も手伝い、前がポッカリとあく。後はルメール騎手の“叱咤”に応えるだけ。メイショウトウコンの猛烈な追い込みをアタマ差しのいで、2005年以来となる2度目のJCダート制覇を飾った。 先月のエリザベス女王杯(リトルマポーラ)に続き、またしても自身の判断がピタリとハマッたルメールは「スミイセンセーがきちんと仕上げてくれた。スタートが良かったし、スペースがあいたので、そこをうまく使えた。短期間で2つもGIを勝つなんて滅多にないからね。ベリーハッピーだよ」としてやったりの表情。 一方、角居調教師は「一時は引退を考えた馬なので、今日は素直に感動した。よくぞ復活してくれた、という感じ。鞍上には『好きなように乗ってくれ』とだけ伝えた。ルメールで、ここ一番を迎えられたことが最大の勝因だろう」と鞍上の“腕”を手放しで賞賛した。今後については「脚元と相談して決めたい。海外挑戦? 迷惑をかけたくないので、国内に専念すると思う」と、一戦一戦が勝負となる愛馬の境遇をおもんばかり、手堅くいく方針だ。 それにしても、右前脚の屈腱炎を発症し、2度の手術をした“元王者”にダートの最高峰レースを簡単にさらわれるようでは、現有勢力もだらしがない。これでは新旧交代どころか、“旧新交代”である。 また、まぎれの少ない東京から、小回りの阪神に舞台を移したことで、コース取りの有利、不利がかなりのウエートを占めることを今回のレースが如実に示した。関西のファンには願ってもない“衣がえ”が、日本最高峰のダートレースの権威を薄くしてしまった…といったら言い過ぎだろうか。
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レジャー 2008年12月08日 15時00分
クイーン賞 南関東にユキチャン再び“降臨”
今春の関東オークス(JpnII、川崎2100メートル)を1秒7の大差で逃げ切り勝ち。白毛馬として史上初の重賞制覇を記録したユキチャンが、10日の船橋メーン「第54回クイーン賞」(JpnIII、1800メートル)で2度目の重賞制覇を目指す。 関東オークス以降は、JDDの競走除外でケチがつき、クイーンS9着、シリウスS8着、そして、秋華賞は17着ブービーと散々。しかし、ここにきて調子は再び上昇中だ。 事実上の本追い切りとなった1週前には、美浦ポリトラックコースで2頭併せを敢行。5F62秒5→48秒6→35秒7→12秒0(一杯)を計時、パートナーに1馬身2分の1先着と、豪快なデモンストレーションを披露した。 越智助手が「時計が速すぎて、逆に反動が出ないか心配」とうれしい悲鳴をあげれば、ケイコ役の二本柳騎手も「凄くいい動きでした」と満面に笑みを浮かべた。 今回は中央に比べて、相手関係もグッと樂になる。「自在に動けるのでハナにはこだわらない。ヨーイドンの瞬発力勝負にならなければチャンスはある」と越智助手は復権を誓っていた。
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レジャー 2008年12月06日 15時00分
JCダート 穴党・石沢が推す特注馬はコレだ!!
日米のダート巧者が集結した「第9回JCダート」(GI、阪神ダ1800メートル)は明日7日、ゲートインを迎える。ポツン◎が毎週のように高額配当を呼び込んでいる長距離砲・石沢記者が推すのは、人気の盲点となっている6歳馬ワンダースピードだ。東京ダ2100メートルから阪神ダ1800メートルにリニューアルされた今年のポイントは「コース実績が最重要」と持論を展開。当舞台で2度のレコードタイムを叩き出している“仁川巧者”が、大万馬券を生む。 外国馬3頭はいうに及ばず、ヴァーミリアン、サクセスブロッケン、カネヒキリ、カジノドライヴの人気馬に共通するのが阪神ダートは未経験。昨年まで行われていた東京コースとは違い、阪神コースは幅員の狭い小回り。コーナーひとつを取っても微妙に角度が異なる“特殊性”のある舞台となれば、かつてのJCダートでは話題にすら上がらなかったコース実績が、今年からは大きなポイントを占めるはずだ。 阪神で勝ち鞍がある5頭中4頭(サンライズバッカス、ブルーコンコルド、メイショウバトラー、ワイルドワンダー)はいわゆるマイラータイプ。底力が要求されるGIで、さらに1F長い1800メートルの距離設定では、チョイ足らずのイメージは拭い切れない。そこで、浮上するのがコース巧者の中で唯一の中距離馬ワンダースピードだ。 阪神を10回走って2勝だが、その2つの中身が非常に濃い。昨年の梅田Sの2000メートル2分3秒9、ベテルギウスSの同2分0秒1はともにコースレコードでの勝利だった。久々の仁川見参となった前走のGIII・シリウスSでも、4カ月ぶりの悪条件で、トップハンデ57キロを背負いながらアタマ差の2着。7度の3着以下を、本格化する前の成績と割り切れば、かなりの巧者であることに違いない。展開は不問のタイプで、1800メートルは全8勝中5勝を挙げるベストディスタンス。コース変更の恩恵を最も受けたこの馬が波乱の立役者だ。 マイラータイプということで評価を下げたが、○ブルーコンコルド(3勝)、▲ワイルドワンダー(2勝)も◎同様、コース適性は抜群。今年のJCダートは“阪神巧者BOX馬券”で超ビッグな配当を狙う。
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レジャー 2008年12月06日 15時00分
JCダート(GI、阪神ダ1800メートル、7日) アベコーの気になる本命は!?
みなさん、お元気ですか、アベコーこと阿部幸太郎です。 今週の日曜日は中山競馬場のパドック内で、予想検討会を4Rの直前に開始。ゲストにアンジャッシュのお二人を迎えて行います。アンジャッシュとは、以前にもご一緒しており、とてもウマが会う印象です。今回は公開収録、千葉テレビの番組「白黒アンジャッシュ」でも対決。楽しみです。 楽しみといえば、前日の6日のTBSラジオ「アベコーのモリもりトーク」のゲストが、あの“そんなの関係ねえ”で全国のお笑いファンをとりこにした小島よしおさん。時間に余裕のある方は爆笑トークを、お聴きのがしなくお願い致します。番組は午後7時30分スタート。今月はものすごいゲストが控えているので、もう今から胸が高鳴っています。 さてさて「JCダート」です。今年から阪神に舞台を移して、距離が1800メートル。 米国からは3頭の招待馬が参戦。昨年はGIパシフィッククラシックSを勝ち、GIIホソンゴールドCHを連勝して乗り込んできたスチューデントカウンシルが、3番人気に評価されたものの、離された8着と見せ場なし。 今年もパシフィッククラシックSを制したマストトラックがいますが、厳しいと判断。ただし、このマストトラック、そしてティンカップチャリスは、ともにスタートから一目散に逃げるタイプ。フロストジャイアントもスピードが売り物。前半から激しい流れになりそうな予感。早めに動くヴァーミリアンも流れに巻き込まれる可能性があります。 ◎はカネヒキリです。3年前のJCダートでレコード勝ち。続くGIフェブラリーSで横綱相撲。ドバイワールドC4着と、ダートではヴァーミリアンと相対する一頭。屈腱炎で2年4カ月の休養を余儀なくされながら、前走の武蔵野Sで奇跡のカムバック。武豊騎手を配して9着に敗れましたが、直線で前、横が壁で、まったく動けず、ほとんど追ったところなし。それでも0秒6差。さすがです。当初からひと叩きしたJCダートが最大の目標。ルメール騎手とのコンビで復活走です。
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レジャー 2008年12月06日 15時00分
JCダート(GI、阪神ダ1800メートル、7日) 藤川京子 ヴァーミリアンが連覇達成よ!
JCDはGI6勝を含む国内7連勝中の◎ヴァーミリアンが、さらに連勝を伸ばします。 前走のJBCクラシックは、小回りコースでどんな競馬をするのか、期待と不安がありましたが、コーナリングもスムーズ。最後の直線では新星サクセスブロッケンとのマッチレースを制し、見事に国内GI6連勝を達成しました。 ブロッケンと並んだときに、「能力も馬体も断然、この馬の方が上をいっている」と感じたのは、私だけではないはず。もちろんブロッケンには上積みがあり、体も成長していますが、現段階ではまだまだヴァーミリアンに軍配が上がりそうな気がします。 初の阪神1800メートルも十分対応できると思います。天下の武豊騎手から岩田騎手に乗りかわりますが、ジャパンCのウオッカよりは乗りやすい馬。折り合いはつきますし、とにかくレースというものをわかっている。勝負どころの反応は抜群に早いし、いい位置をキープできれば結果はついてくると思います。 ケイコ駆けしないタイプで中間の動きは大きく変わっていませんが、休み明けを1度叩かれたことで馬体はいい感じに締まってきました。GI7連勝を達成し、JRA最多GI記録に並びます。
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レジャー 2008年12月06日 15時00分
JCダート(GI、阪神ダ1800メートル、7日) 本紙・谷口はヴァーミリアン中心
決戦の舞台を府中から仁川に移して、装いを新たにされたJCダート。とくに今年は、破竹の快進撃を見せているキクノサリーレや、エスポワールシチーといった新興勢力が、収得賞金の関係で出走すらかなわないほどメンバーの層は分厚い。そんななか、ホスト国の大エースとして堂々、主役の座に君臨するのは、目下、国内GI6連勝中、現ダート界の王者ヴァーミリアンだ。 この一戦へ向けての重要な前哨戦と位置付けて臨んだ前走のJBCクラシック。結果は次世代の王者として誉れ高いサクセスブロッケンにクビ差の辛勝となったが、雄大なストライド走法のこの馬にとっては絶対に有利には働かない園田での開催、さらには世界の厚き壁の前に返り討ちにあったあの灼熱のドバイから約7カ月ぶりの実戦であったことを思えば、“絶対王者”の底力を改めて見せつけたといえる。 現実に、「あそこでやれば絶対に勝たんとあかんかった。ヴァーミリアンの強さを再認識させられた」と藤原英調教師。乾坤一擲(けんこんいってき)で勝負に出たSブロッケンを管理する新鋭トレーナーを脱帽させるほど、ヴァーミリアンの壁は厚かった。 対照的に勝てば官軍、「一戦一戦、出走できるかどうかと悩まされて昨年とはデキが違うからね。前走時はオレも小回りの園田でどうかなと、アレコレ心配はしたけど、いざゲートが開くと、2週目の向正面で楽にサッと番手。もうその時点で“今日も勝てた”と思ったね」と、サラリと言ってのけるのはヴァーミリアンを担当する久保助手だ。 「賢い馬で坂路だと力を抜いて走るからコースにも入れて調整してきた。いじめていじめて馬をつくるのが(スパルタ調教で知られた)戸山厩舎で育った私流の仕上げ方。GIで侮いが残る走りはさせたくないからね。とにかく、カイバも桶から頭をまったく上げずに平らげるし、怖いぐらいに不安点が何ひとつない。世代交代の波を感じさす馬が何頭か出てきているが、うちの馬だって何度も古馬の厚い壁にはね返されてきたからね。このJCダート、そして東京大賞典、年内は負けるつもりはないよ」 砂上の猛者ヴァーミリアンが、国内GI7連勝と合わせ、JCダート2連覇の偉業を達成する。
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レジャー 2008年12月05日 15時00分
JCダート(GI、阪神ダ1800メートル、7日) 特捜班はメイショウトウコンを指名
9番人気のスクリーンヒーローが度肝を抜いた先週のジャパンC。砂の頂上決戦「第9回ジャパンCダート」(GI、阪神ダ1800メートル、7日)も波乱の要素は十分だ。なかでも特捜班が注目したのはメイショウトウコン。末脚の切れならメンバー随一で、不向きな小回りコースだった前走のJBCクラシックでも2強に小差の3着と食い下がった。ゆったり流れて、ゴール前に急坂のある阪神なら、逆転できる。 担当の林調教厩務員が明るい。それが何より、メイショウトウコンの今を物語っている。 「春はカイバ食いが悪くて、馬にもやる気がなかった。ひと息入れて持ち直したし、昨年ぐらいのデキにある。今は走りたいという気持ちが前に出ているからね」と笑みを浮かべた。 確かに4月のアンタレスSが14着に、5月の東海Sが10着。2ケタ着順を続けたのはデビュー以来初めてだった。しかし、復帰戦となった8月のブリーダーズGCで勝利すると、前走のJBCクラシックでも小差の3着に肉薄した。 鋭い追い込みが身上のトウコンにとって、小回りの園田は最も不向きな舞台。実際、展開も先行馬に有利だった。それでも現役最強のヴァーミリアン、3歳王者サクセスブロッケンにクビ、3/4馬身差まで食い下がった。次に十分つながる内容だった。そして今回は舞台設定に大きな上積みが見込める。阪神ダートは初経験だが、「差し馬にとってゴール前の急坂は好都合。重賞を勝っている京都より、むしろいいんじゃないかな」という。 しかも、今回は展開も味方しそうだ。「外国馬が参戦するし、メンバー的にも決して緩い流れにはならないと思う。末脚が生きる」と期待する。 プラス材料はこれだけではない。豪快な追い込みが武器のトウコンだが実は結構、繊細なタイプ。輸送時間の長い東京でいまひとつ結果が出ないのはそのためだ。それだけに今年から阪神で行われるのも追い風になる。 「一時より気にならなくなったとはいえ、やっぱり馬体減りの心配がない関西でやれるのはいい。体重も理想の460キロ台前半でいけそうだしね」 ヴァーミリアン、サクセスブロッケンの2強ムードが漂う。しかし、林調教厩務員は「一騎打ちにはならないだろう。今回は本当に楽しみなんだ」と一発を宣言した。 上位拮抗と思われた先週のジャパンCも9番人気のスクリーンヒーローが快勝した。競馬はそう簡単には収まらない。
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