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阪神がわりで明暗分かれた JCダート カネヒキリが王座復権

 装い新たに今年から阪神競馬場に舞台を移して行われた「第9回JCダート」(GI、ダ1800メートル、7日)は、4番人気のカネヒキリが2005年以来となる2度目のJCD制覇を成し遂げた。勝ち時計は1分49秒2(良)。2着には7番人気の人気薄メイショウトウコンが突っ込み、1番人気ヴァーミリアンは3着に終わった。幅員の狭さ、短い直線などの“特殊性”をはらむ阪神のダートコースで際立ったのは位置取りの有利不利。東京時代とは違い、鞍上の“技”が問われる一戦に様がわりした。

 カネヒキリが見事、ダートの頂上決戦で復活劇を演じてみせた。
 好発を切り、道中は4、5番手をキープ。そして、3角過ぎでインにもぐり込んだ。結果的にこれが吉と出た。逃げた外国馬のティンカップチャリスが直線でフラつき、外に出したカジノドライヴなどが不利を被った。

 一方、カネヒキリは運も手伝い、前がポッカリとあく。後はルメール騎手の“叱咤”に応えるだけ。メイショウトウコンの猛烈な追い込みをアタマ差しのいで、2005年以来となる2度目のJCダート制覇を飾った。

 先月のエリザベス女王杯(リトルマポーラ)に続き、またしても自身の判断がピタリとハマッたルメールは「スミイセンセーがきちんと仕上げてくれた。スタートが良かったし、スペースがあいたので、そこをうまく使えた。短期間で2つもGIを勝つなんて滅多にないからね。ベリーハッピーだよ」としてやったりの表情。

 一方、角居調教師は「一時は引退を考えた馬なので、今日は素直に感動した。よくぞ復活してくれた、という感じ。鞍上には『好きなように乗ってくれ』とだけ伝えた。ルメールで、ここ一番を迎えられたことが最大の勝因だろう」と鞍上の“腕”を手放しで賞賛した。今後については「脚元と相談して決めたい。海外挑戦? 迷惑をかけたくないので、国内に専念すると思う」と、一戦一戦が勝負となる愛馬の境遇をおもんばかり、手堅くいく方針だ。
 それにしても、右前脚の屈腱炎を発症し、2度の手術をした“元王者”にダートの最高峰レースを簡単にさらわれるようでは、現有勢力もだらしがない。これでは新旧交代どころか、“旧新交代”である。

 また、まぎれの少ない東京から、小回りの阪神に舞台を移したことで、コース取りの有利、不利がかなりのウエートを占めることを今回のレースが如実に示した。関西のファンには願ってもない“衣がえ”が、日本最高峰のダートレースの権威を薄くしてしまった…といったら言い過ぎだろうか。

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