非凡な能力を秘める3歳馬3頭に加えて、藤沢和厩舎の隠し玉、そして昨年の秋華賞3着馬が参戦と、アイルランドTは実質GIIIクラスのメンバーが顔をそろえた。
2週後の富士S(GIII 芝1600m 東京)も要注目だが、もしかしたら、ここからマイルCSの覇者が生まれるかもしれない。準オープンといえども見落としはご法度だ。
人気は覚悟。NHKマイルC3着馬のキンシャサノキセキに負けは許されない。
新馬勝ち直後に、いきなりオープンのジュニアCを制して2連勝。もともとのポテンシャルは確かだし、そのとき破ったのが今回も人気の一角を形成するアドマイヤカリブだから価値は高い。カリブは函館2歳S3着の実績ほか、その後のクロッカスSでは、あのステキシンスケクンを撃破している強豪だ。
ちなみにキンシャサはアーリントンC(6着)でシンスケクンに敗れているものの、このときはスタート直後に他馬にぶつけられる痛恨の不利があった。さらに2角でも外に振られるなど、まったく競馬をさせてもらっていない。単純にカリブを物差しにすると、キンシャサはシンスケクンと同等以上の力を持っていると踏んでいい。
三段論法チックになるが、同等以下のシンスケクンが古馬相手に京成杯AHを勝っているとなれば、準オープンなど障壁にならないことは明白。ここも通過点にすぎないだろう。
ひと夏を越しての成長も目を見張るところ。「トモなんかに幅が出てきたし、ドッシリしてきた印象。間違いなく体重は増えていると思うが、すべて成長分と考えてもらっていい」とは堀師。南半球産で遅生まれのため、他の3歳馬よりも大きな上積みが見込めるのも頼もしい。新馬勝ちを収めていることから初戦から能力を出せるタイプだし、5カ月ぶりも心配無用だろう。
舞台はNHKマイルCと同じベストの東京1マイル。前記の通り南半球産のため、斤量も54kgと1kg恵まれたことも大きな強調材料。毎日王冠に出走しても人気を得るような馬が、ここで足踏みすることはありえない。