優勝直前の西武から聞こえるセカンドライフの在り方

スポーツ 2018年09月29日 06時15分

 埼玉西武ライオンズが11連勝で優勝マジックナンバーを「3」に縮めた(9月27日)。先駆けて会見を開いたベテラン・松井稼頭央(42)の引退表明も、チームの士気を高めたようだ。「優勝で先輩の花道を飾る」と――。今季の勝因だが、第一に挙げられるのは強力打線だろう。チーム打率、得点、総安打数、本塁打数はリーグトップ(同時点)。総三振数もトップと聞くと、大味な感じもする。犠打と右方向への進塁打を重ね、コツコツと1点を積み上げた80年代の黄金期とは異なるが、盗塁数もリーグトップである。「貪欲に次の塁を狙う姿勢」は変わっていない。

 新記録も樹立される可能性も高い。秋山翔吾・23本、浅村栄斗・30本、外崎修汰・18本、森友哉・16本、山川穂高・45本、中村剛也27本。外崎と森の本塁打数が20本に到達すれば、1シーズンで6人が20本以上の本塁打を放ったことになり、実現すれば、パ・リーグ史上初。「5人」は過去に例があるが、そういう観点からも今年の西武打線が優れているかが分かる。
「中村も35歳、故障が重なって苦しんだ時期もありましたが、見事に復活しました。その中村が下位打線にいるのが恐怖です」(プロ野球解説者)

 中村は開幕こそ一軍で迎えたが、打撃不振と左肩の故障で二軍降格も経験した。昨季も不振が長引き、4番を外されたこともある。復活は腐らずに二軍でしっかりと調整したおかげだが、考えてみれば、投打の主力選手のほとんどが昨季まで振るわず、二軍での調整を余儀なくされている。
 西武の二軍監督は潮崎哲也氏(49)だ。引退した翌05年以降、フロント業にまわり、07年に二軍投手コーチに就任。二軍監督に就任したのは13年。以後、一軍コーチやフロント編成部、一軍ヘッド兼投手コーチなどへの配置換えもあったが、長く二軍指揮官を任されてきた。

「渡辺久信氏が一軍監督を退いたのが13年のシーズン後でした。球団は潮崎を『ポスト渡辺』と位置づけ、勉強させるために二軍監督に配置換えしたんです」(関係者)
 だが、13年オフ、潮崎二軍監督は一軍指揮官への昇格を頑なに拒んだ。その後、伊原春樹、田辺徳雄、今日の辻発彦と一軍監督が変わったが、その度に潮崎二軍監督は「昇格」を辞退してきたという。
「長く二軍監督をやっているので、成績不振で降格してきた選手を扱うのはお手のもの。伸び悩んでいる若手投手をおだてたり、慰めたり、育成のサポートに徹してきました」(前出・同)
 そんな話を聞かされると、08年以降の優勝は潮崎二軍監督のおかげとも言えなくはない。人柄も温厚だという。強いチームにはそんな参謀役がいるものである。

「潮崎二軍監督が一軍指揮官を拒む理由は、黒子役に徹したいからではありません。一軍監督は結果が出なければ解雇、二軍は負けてもクビにならないという独自の哲学があるからです。一軍指揮官を打診されたとき、監督解任後のフロント入りを確約してほしいと言ったこともあります」(球界関係者)
 渡辺元監督は現場を退いた後、シニアディレクターとなり、現在は編成部長も兼任している。伊原春樹氏はシーズン途中での退任だったが、球団本部付アドバイザーの肩書を得た(現在は解説者)。田辺前監督もチームアドバイザーに就任している。
 現場を退いた後、フロント業に転じられるプロ野球選手は極めて少ない。勝負の世界である以上、「退路を断って」の気概も必要かもしれない。しかし、潮崎二軍監督のような人生プランも間違っていない。引退する松井稼頭央はどうなるのだろうか。今年の西武の優勝は、プロ野球選手のセカンドライフも考えさせられてしまう。(スポーツライター・飯山満)

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