この映画賞は日本各地で行われている映画祭の主催者達がノミネートした作品・人物を、審査委員長であるビートたけし氏が最終的に選考(もちろん独断と偏見も含む)し賞を与えるというもの。
開会のあいさつでたけし氏は「映画は最近3Dだとか、ネット配信だとかで昔ながらの劇場で楽しむというのが少なくなってきている」とチクリ。続けてたけし氏はパリへ行く途中の飛行機の中で『アバター』を観たというエピソードを語り「3D映画をあんな小さいスクリーンで観る感覚がわからんです」と近年の映画事情を交えたトークで笑いをさそった。
最初の表彰は「外国作品賞」。これにはたけし会長の「ばかばかしくていいじゃない」との理由で『第9地区』が選ばれ、授与式には映画に登場したエイリアンが姿を現した。
エイリアンの登場に大喜びのたけし氏はエイリアンを叩きながら「『北京原人』以来だ」とコメントした。
続いては『新人賞』。新人賞には『アウトレイジ』で暴力団組織の組長を演じた北村総一郎氏が受賞。『75歳で新人賞』の北村氏は「ムチャクチャ嬉しいです。新人賞というのは生涯で一回しかもらえない賞。ギネスブックに申請しようかと思います」と冗談を交えたトークで会場を沸かせた。
特別作品賞にはたけし氏の「よくぞ座頭市シリーズを終わらせてくれた!」との理由で『座頭市THE LAST』が受賞。授与式にはなんと監督を勤めた阪本順治氏が登場!
阪本監督は「欠席すると何言われるかわからないから来ました…是非たけしさんには今度、私の映画に出ていただいて、映画の中で死んでいただきたいなと思います」と終始テンションは低めであった。
なお、北野武監督作品『アウトレイジ』は作品賞、監督賞、助演男優賞(石橋蓮司、椎名桔平)、新人賞(北村総一郎)と賞を総なめにし、なんと奇跡の5冠を達成!!
記念すべき20回目の節目に偉業を成し遂げた北野監督は終始、ご満悦の様子であった。
(昭和ロマン探求家・穂積昭雪(多摩映画祭実行委員の経験もある24歳)山口敏太郎事務所)
【参照】山口敏太郎公式ブログ「妖怪王」
http://blog.goo.ne.jp/youkaiou