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眠れない! 乾燥による肌の痒みを防ぐには

 冬を前にしたこの時期、気温が下がるとともに、空気が乾燥しやすくなります。空気の乾燥は人間の肌に大きな影響を及ぼします。そのひとつが“痒み”です。

 痒みにより集中力が落ちたり、睡眠の妨げになったりと、深刻な悩みも抱えている方も多い。こうした乾燥による痒みへの対策や改善方法などを、医師の小田切ヨシカズ先生に聞いてみました。

■どうして肌が痒くなるのか?
 「痒みの原因はいくつかありますが、実はまだ詳しいメカニズムは解明されていません。原因のひとつとして考えられているのが、肥満細胞という細胞から分泌される『ヒスタミン』によるもの。皮膚に刺激を与えることでヒスタミンが分泌。ヒスタミンが知覚神経を刺激すると、その信号が脳に伝わり、神経伝達物質である『神経ペプチド』を放出させます。すると、さらに肥満細胞が刺激を受け、ヒスタミンの分泌を促し、痒みの悪循環となります」

■乾燥による痒みの原因は角層の乱れ
 「皮膚は、表皮・真皮・皮下組織の3層からなり、カラダの表面を覆うのが表皮です。さらに表皮もいくつもの層に分けられ、もっとも外側にあるのが角層です。厚さは0.02mmほどで、外からの刺激や侵入物を防いだり、体内の水分を蒸発させないよう潤いを保つバリア機能が維持されています。空気が乾燥することで角層が乱れ、バリア機能が崩れて外からの刺激を受けやすくなります。すると、痒みが生じ、その部分を爪で傷つけてしまうとさらなる角層の乱れを招き、痒みが延々と続いてしまうのです」

■痒みを防ぐ方法と対策
 「痒みを防ぐためには、まずはバリア機能を回復させること。風呂あがりなど、化粧水やローションをつけて潤いを逃さないようにしましょう。また、肌が敏感になっている場合は、身につけるものにも気を遣う必要があります。チクチクした刺激をもたらす化学繊維ではなく、コットンやシルクといった肌触りのいい自然素材のものを選びましょう。食べものは、ビタミンAを多く含む食品がおすすめ。皮膚の粘膜を正常に働かせて、肌の潤いを保つ効果があります。レバーや卵などがそう。ただ、人によってアレルギー物質は違い、食べて痒みを悪化させることもあるので、確認が必要です。あまりに痒みがひどくおさまらない場合は、病院に行って抗ヒスタミン薬などを処方してもらってください」

 あまり痒みがひどくなり掻きむしってしまうと、色素沈着が起こってその部分が黒ずんでしまうことがあります。老けて見せてしまう要因になるので、注意して欲しいとのこと。

 痒みは、痛みと違って軽視されがちですが、常に感じて暮らしている人にとっては大きな問題です。早急に解決して、健康で平穏な生活を送って欲しいですね。

【取材協力】小田切ヨシカズ
湘南育ちのサーファー医師。ワークライフバランス重視の36歳。現在、横浜の内科クリニックに勤務中。

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