ところが、そういった方でも、手が乾燥していたり荒れている場合があります。手というのは、顔と同様に年齢のでやすい部分です。ふとした瞬間にする、口元に手を添えるような仕草などから、目につきやすい部分でもあります。だからこそ、手のケアは疎かにしてはいけません。
今回は、アンチエイジングについて造詣の深い看護師の大木アンヌさんに、“若さを保つための手のケア方法”についてお聞きしました。
■手は角質が厚いので念入りなケアを
「手や足はカラダの他の箇所に比べて、皮膚の角質が厚くなっています。よくお風呂に長く入りすぎたときなど、ふやけてシワシワになることがあると思いますが、あれは角質層が水を含んで膨らんだために起きる症状です。
角質が厚いということは、外部からの刺激に強いということになりますが、そのぶん化粧水やローションなどをつけても、深部にまで浸透しにくいということ。ですから、ケアはこまめに行う必要があります。
乾燥対策としては、まず濡れた手をそのままにしないこと。しっかりと拭き取らないと、さらなる皮膚の水分の蒸発を招きます。拭き取ったら、しっかりハンドクリームを塗ってケアをしましょう」
■手汗による手荒れの対処法
「体質によって、手汗をよくかくという方もいらっしゃるかと思います。それが原因で、手荒れが生じてしまうことも。あまり酷い場合は、『手掌多汗症』である可能性があります。
原因はいくつかありますが、自律神経の交感神経が敏感になり、発汗を促してしまう精神的な要因や、ホルモンバランスの乱れにともなった自律神経の乱れなど。また、肥満によってカラダが脂肪で覆われてしまうことで熱の放出がうまくいかなくなり、大量の発汗につながってしまうケースなどが挙げられます。
なかには、手汗が垂れてしまうぐらい酷い症状を訴える方もいます。生活に支障が出るレベルのようであれば、お医者さんに診てもらうべきでしょう」
■むくみによる老化も注意
「手や指先は、カラダの末端にあたり血液が行き渡りにくくなっているため、むくみを起こしやすいです。そのせいで指輪が外れなくなってしまった経験のある方もいらっしゃるでしょう。血行の悪化は、もちろん老化につながるので改善が必要です。
まずはマッサージ。手のひらを交互に揉みます。指は、反対の手で包み込むように握って引き抜き、これを1本ずつ数回行なうこと。あとは、両腕を伸ばした状態で上げ、バンザイのような姿勢になって血行を促す。また、手首をグルグル回したりするのも効果ありです。
むくみの原因は他にも、塩分や水分の摂り過ぎ、タンパク質の摂取不足なども挙げられるので、食生活の見直しも必要です。改善が見られない場合は、心臓病や肝臓病などの可能性も考えられるので、注意して見るようにしてください」
手だけではなく、肘などもケアを怠りやすく、年齢を感じさせやすい箇所なのだそうです。確かに、肘の状態は自分では目につきにくいですね。机の上などについて刺激を受けやすく、黒ずみなどもできやすいので、手と一緒にケアするといいかもしれません。
【取材協力】大木アンヌ
ルーマニア人ハーフの看護師。家庭や恋人同士で使える簡単な医療の知識を少しでも伝えていくため、ライターとしても活動中。