あのテレンス・マリックのブランクをも超える期間を経て、その名のとおり地獄からの帰還を果たしたヘルマン(HELLMAN=地獄男)。『果てなき路』は今まで誰も観たことのない、映画という媒体にしか成し得ない、全映画ファン必見&驚愕のロマンティック・ミステリー。
間違いなく、もう一度、もう一度…と何度も観たくなる映画である。こんなにひきずる映画はここ10年なかったのではと思えるほどだ。
またそんなヘルマンの代表作にして、世界中の映画監督やクリエーターたちの憧れであり続ける、史上もっとも純粋なアメリカン・ロードムービー、『断絶』(1971年)も初公開から40年を経て35mmニュープリント版で同時公開!
米公開当時『イージー☆ライダー』の再来として大きな期待を集めながら、その興行惨敗によりヘルマンがハリウッドを追われたいわくつきの作品だ。
ここ日本では『断絶』以来ヘルマン作品は公開されず、『果てなき路』がなんと40年ぶりの公開作となる。
『果てなき路』は、若い野心的な映画監督が実際に起きた事件を映画化する過程をミステリー仕立てに描いた作品。
その若手監督は劇中の女優と恋に落ち、翻弄されていくが、この監督こそがモンテ・ヘルマン自身である。
40年前に『断絶』を演出中に出演女優のローリー・バードと同じ状況になったヘルマンは、新作をバードに捧げている(ローリー・バードはその後アート・ガーファンクル宅で自殺)。
『果てなき路』はヘルマンの映画製作の経験のすべてを投影した、自身の集大成ともいえる作品となっている。
「果てなき路」:渋谷シアター・イメージフォーラムにて1月14日よりロードショー! 全国順次公開
「断絶」:渋谷シアター・イメージフォーラムにて1月14日よりモーニング&レイトショー! 全国順次公開