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西田隆維の映画今昔物語 第28幕 舞台『トライフル』

 <今日のテーマ>テンポというものを考える

 プラスイズムプロデュース公演の舞台『トライフル』が、東京・池袋の「池袋シアターグリーン」で7月27日から8月1日まで行われました。私は7月31日の18時から公演の舞台を観賞しました。
 この舞台は、毎日一名のスペシャルスーパーゲストが登場することになっており、私が行った日は、津田寛治さんがそれでした。
 作品はコメディタッチで前半から楽しい雰囲気の中、中盤以降は笑いが絶えず90分があっという間でした。もちろん絶妙な対話のテンポやそれに伴う動きなども演じている役者さんたちは、常に意識と緊張感を相手と自分にそれぞれ集中させながら演じていました。動きながらなので余計難しいんですよね、私もよく分かります(汗)。

 今回、主演を演じた西村ミツアキさんの役柄は天才パティシエ。しかし、天才パティシエはスイーツ作り以外は全くの無知。それもとんでもなくぶっ飛んだ無知です。
 その天才パティシエがフランスから帰国してきたところからこの物語は始まります。天才パティシエは日本で契約を結んでたお店がありましたが、本人の間違いで違うお店で働くことになったのです。
 そのお店、コーヒーは凄く美味しいのですがケーキは不味いのです。お店では天才パティシエの存在を知ることもなく、まずはその天才パティシエにモップがけをさせるのです。続々とクセのあるお客が来店し、その対応に四苦八苦する天才パテシィエ…。

 一方、契約をしていたお店では天才パティシエをVIP待遇で心待ちしています。しかし、天才パティシエが来る様子がなくイラつく店長。そんな状況の中で、天才パティシエを取材するために訪れていた記者が、偶然にもほかのお店で働く天才パテシィエを発見してしまったのです…。
 ここから舞台上にある2つのお店の店員とお客が交わり、さらにはスペシャルスーパーゲストの登場で天才パティシエの過去とその発見、そして今後の展開へとすべてが繋がり、そのテンポそのままに一気にクライマックスへ…。
 主演を演じた西村ミツアキさんは舞台全体を動き回りながら顔の表情や視線、体を存分に使って演じ切っていました。そして最後にはアクシデントが…。
 楽しく温かい時間を与えてくれたテンポある舞台は、あっという間に過ぎてしまいました。

*注:「トライフル」とは固めのカスタード、フルーツ、スポンジケーキ、フルーツジュース、泡立てたクリームで作るイギリスのデザート。

<作品プロフィール>
作・演出/羽仁修

出演/西村ミツアキ 阿部薫 森本しのぶ 青柳尊哉 AKINA 今野莉菜 藤森麻由 奥田努 笠原紳司 鷲尾昇

<プロフィール>
 西田隆維【にしだ たかゆき】1977年4月26日生 180センチ 60.5キロ
 陸上超距離選手として駒澤大→エスビー食品→JALグランドサービスで活躍。駒大時代は4年連続「箱根駅伝」に出場、4年時の00年には9区で区間新を樹立。駒大初優勝に大きく貢献する。01年、別府大分毎日マラソンで優勝、同年開催された『エドモントン世界陸上』日本代表に選出される(結果は9位)。
 09年2月、現役を引退、俳優に転向する。10年5月、舞台『夢二』(もじろう役)でデビュー。ランニングチーム『Air Run Tokyo』のコーチも務めている。

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