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大相撲トーナメント、夢の対戦カード続々? 炎鵬が白鵬振り回し投げ捨て、前回大会は師弟対決に大歓声

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画像はイメージです

 1977年に始まり、毎年2月上旬に開催されている日本大相撲トーナメント。昨年、一昨年は新型コロナの影響で中止となったが、今年は2月5日に3年ぶりの開催が予定されている。

 東京・両国国技館で行われる同大会は幕内、十両の力士がそれぞれ一発勝負のトーナメント戦で優勝を争うもので、今年は幕内39名、十両26名が参加予定。幕内トーナメントの優勝力士には賞金250万円と優勝杯が授与される。

 前回2020年大会は関脇・高安が初戦から決勝まで豊山、徳勝龍、正代、阿武咲、妙義龍の平幕5力士を連破し大会2連覇を達成。だが、ファンの間では大会結果以上に、トーナメント戦で初めて実現した“同部屋対決”が大きな話題となった。

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 注目が集まったのは、トーナメント3回戦で行われた横綱・白鵬対平幕・炎鵬の一番。共に宮城野部屋に所属する力士であり、本場所では優勝決定戦を除いては対戦が組まれない間柄。また、花相撲や巡業での対戦もなかったこともあり、取組前の仕切りの段階で場内からは大歓声が起こった。

 迎えた立ち合い、両名はほぼ同時に右足を踏み出したものの、それ以上は前に出ずその場でにらみ合う形に。炎鵬は左方向に動きながら隙をうかがい、正対する白鵬の左手を一瞬たぐりかけるも懐には入り込めなかった。

 すると、白鵬は炎鵬に対する余裕の表れか、炎鵬の額を左手で押さえながら棒立ちになるという体勢をとる。炎鵬は白鵬の左手を右手で払いのけるも、白鵬はそのたびに瞬時に手を置き直す。これを何度か繰り返した後、炎鵬は諦めたかのように両腕を下にダラリと垂らした。

 しかし、炎鵬はその2秒後に両腕で白鵬の左手を払い落とすと、そのままたぐって体勢を崩し遂に右下手をつかむ。さらに、間髪入れずに左手で白鵬の左膝裏付近を持つと、逆時計回りに動きながらの下手投げを繰り出し、こらえる白鵬を強引に地面に一回転させた。

 自身が内弟子としてスカウトした炎鵬に敗れた白鵬だったが、取組後は「2月9日は炎鵬も私も一生忘れない、思い出の一番になった」と感慨深げに語ったことが伝えられる。一方、“恩返し”で大歓声を浴びた炎鵬は「こういう機会はなかなかない。忘れないと思います」としつつも、「次は本場所で対戦できるように」と本場所・優勝決定戦での再戦を誓ったという。

 ただ、その後の両力士は本場所・花相撲で再戦の機会がないまま、2021年9月に白鵬が引退。これにより、2020年大会での一戦は最初で最後の同部屋対決という形となっている。

 3年ぶりの開催となる今大会は条件付きながら大関・貴景勝対平幕・隆の勝の同部屋対決(貴景勝は初戦、隆の勝は初戦・2戦目勝利なら)や、関脇・若隆景対小結・若元春の同部屋・兄弟対決(お互い初戦勝利なら)が実現する可能性がある。白鵬・炎鵬の同部屋師弟対決に匹敵するような取組は果たして実現するだろうか。

文 / 柴田雅人

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