前日まで「6勝5敗」の炎鵬はこの日、同じく「6勝5敗」の十両・島津海と対戦。立ち合い島津海は強く当たり胸を合わせると、右手で炎鵬のまわしの結び目付近をつかみ下手投げを仕掛ける。ただ、同時に炎鵬も左腕で首投げを繰り出しており、両者はほぼ同時に土俵下へ頭から転落。行司は軍配を炎鵬に上げたが、土俵下の勝負審判はすぐに物言いをつけ協議に入った。
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NHK中継では協議の間に取組のスロー映像が流れたが、この映像では両力士が土俵下に転落する際、炎鵬の右脇腹が土俵の角付近に先についている様子が映っていた。
また、落下の衝撃は相当なものだったようで、炎鵬は立ち上がってから協議が終了するまでの間、険しい表情を浮かべながら何度か右手で右脇腹を押さえる。また、島津海も立ち上がる際に左足を伸ばすなど下半身を気にするようなそぶりを見せた。
審判団による協議の結果、この取組は炎鵬の体が先に落ちていたとして行司軍配差し違えで島津海の勝利に。ただ、ネット上には取組内容への反応以上に「凄い角度で真っ逆さまに土俵下に落ちたけど大丈夫か」、「わき腹押さえる炎鵬も足伸ばす島津海もかなり痛そうだな…」、「2人とも明日以降が不安になるな、特に炎鵬は前日までのダメージもあるし」といった両力士の状態を心配するコメントが上がっている。
「炎鵬、島津海の両力士は取組後特に故障・休場情報は出ておらず13日目も出場予定ですが、転落のダメージが残りの戦いに尾を引かないか不安が残ります。特に炎鵬は10日目・栃武蔵戦で左肘、11日目・千代栄戦で右目をそれぞれ痛めており、右脇腹まで故障となるとコンディションとしては相当厳しくなるでしょう。島津海は勝ち越しまであと1勝、炎鵬もあと2勝に迫っていますので、可能な限りコンディション調整を行った上で何とか星を拾っていきたいところです」(相撲ライター)
投げの打ち合いで場内をどよめかせた両力士。翌13日目は島津海、炎鵬ともに勝利と転落のダメージを感じさせてはいないが、このまま今場所を完走することはできるだろうか。
文 柴田雅人