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世界で初めて宇宙へメッセージを送ったアレシボの巨大望遠鏡、最後のデータは地球に接近する小惑星を捉えたものだった

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 初めて宇宙へメッセージを送ったことで知られていたが、大規模な破壊に見舞われ廃棄が決定されたアレシボ天文台。天文台の望遠鏡が最後に捉えていたものは、地球に迫り来る小惑星だったことが判明した。

 プエルトリコのアレシボ、バリオ・エスペランサにあるアレシボ天文台は1974年に初の宇宙人に向けた信号「アレシボ・メッセージ」を送ったことで有名だ。しかし設備の老朽化がささやかれる中、2020年に地震の影響で設備が壊れ、望遠鏡が崩壊したことによってついにその役目を終えた。

 ​>>初めて宇宙にメッセージを送ったプエルトリコ・アレシボ天文台の電波望遠鏡、再建されない見込み<<​​​

 そんなアレシボ天文台の最後の研究成果が9月22日のPlanetary Science Journalに掲載されたのだが、そのデータは史上最大のレーダーベースの地球近傍小惑星レポートであることが明らかになった。太陽系に無数に存在し、地球の近くにやってくることもある小惑星。既知の小惑星の中でも特に地球に近づくものは191個あり、そのうちの70個が「潜在的な危険を有する小惑星」に分類されている。これは小惑星の中でも地球から1200万キロ以内の距離を通過するものが該当し、これは月までの20倍の距離に相当する。

 これらの小惑星のデータは遅延ドップラーというレーダー観測の技術を使って2017年から2019年にかけて丹念に集められたもの。その中には2017 YE5という小惑星を捉えたものもあった。この小惑星は、2つの別々の宇宙岩石が宇宙空間を移動しながら互いを周回する等質量小惑星として知られている。レーダー信号の反射率が高いため、科学者たちはこの岩に氷がある可能性を唱えている。

 アレシボの惑星レーダー科学グループの責任者で、共同研究者のフラビアン・ヴェンディッティ氏は「アレシボ天文台で収集された貴重なデータの量は他に類を見ないものであり、これらの結果は他の既存の施設では達成できなかったものです」と語る。

 アレシボ天文台からのデータは現在NASAが行っている惑星防衛の実験の一つ、探査機を用いて地球に接近する小惑星をコース外にたたき出すという「DARTミッション」にも貢献していることが分かっている。NASAは少なくとも今後100年間は、問題となりうる小惑星の衝突から地球は安全であるべきだとしており、今後も多くの小惑星が軌道を逸脱する可能性を考慮されながら注意深く監視されていくとみられている。アレシボ天文台はなくなっても、天文台の記録したデータは今後の研究に引き継がれていくのだ。

山口敏太郎
作家、ライター。著書に「日本怪忌行」「モンスター・幻獣大百科」、テレビ出演「怪談グランプリ」「ビートたけしの超常現象Xファイル」「緊急検証シリーズ」など。
YouTubeにてオカルト番組「アトラスラジオ」放送中
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Final report by huge wrecked telescope gives chilling last near-Earth asteroid warnin(The Daily Star)より
https://www.dailystar.co.uk/news/weird-news/final-report-huge-wrecked-telescope-28376489

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