矢野監督は阪神・井上一樹一軍ヘッドコーチと共に生出演して昨季を振り返り、今季の開幕投手構想などについて話した。その中で、2021年8月25日・DeNA戦での佐藤輝明の守備に激怒したことを明かした。
この試合で矢野監督が激怒したのは、9回表無死で飛び出た佐藤のプレー。佐藤はDeNA・牧秀悟が右翼線へ放った打球を走って追ったが、ファールになると思ったのか途中で追う速度を緩め小走りに。ところが、打球はファール線の内側にポトリと落ちるヒットとなり、打球を処理する間に三塁へ到達した牧にサイクルヒットを許す結果となった。
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敵打者の快挙につながった佐藤の守備について、矢野監督は「テル(佐藤)がちょっと諦めたプレーに見えたんですよね。全力で諦めずにやろうというところでは、ちょっと残念だった」とコメント。最後まで全速力で打球を追わなかった佐藤の姿勢に失望を抱いたと振り返った。
「テルは(打球)判断を早くできるいいところもあるんですけど、逆に早くし過ぎて緩慢なプレーになることがある」と、打球判断の早さがあだになった面もあったという矢野監督。「(なので)『チーム全体としても、お前にとってもよくない』というのを話しました」と、タイミングには触れなかったが佐藤を注意したと語った。
矢野監督の発言を受け、ネット上には「あのプレーはファンから相当叩かれてたけど、矢野監督も裏で激怒してたのか」、「怠慢守備はチームの士気にも関わりかねないから、きっちりシメなきゃいけないって思いもあったんだろうか」と驚きの声が寄せられた。一方、「専門外の守備位置で使った方も悪いのでは?」、「佐藤じゃなくて、本職の外野手が起用されてれば牧のサイクルは防げたと思う」といった指摘も多数みられた。
「2020年ドラフト1位で阪神入りしたプロ2年目・22歳の佐藤は、プロ入り前の近畿大学時代は三塁を本職としていた選手。ただ、プロ1年目の昨季は同ポジションに主砲・大山悠輔がいた関係もあり、ほとんどの試合で外野として出場(外野で102試合、三塁で13試合出場)。この結果、規定試合数をクリアしたセ・リーグ外野手14名中11位の守備率(.983)に終わりました。このこともあり、矢野監督が激怒した佐藤の緩慢守備は、慣れない守備位置で起用した矢野監督自身の責任も大きいのではとみているファンも少なからずいるようです」(野球ライター)
10日放送の『虎たまプレミアム』(ABCテレビ)に生出演した際、今季の佐藤の起用法について「基本的に外野」と発言している矢野監督。一部からは「不慣れながら去年1年間経験したわけだし、今年は矢野監督から褒められるような守備を見せてほしい」と佐藤の成長に期待する声も挙がっている。
文 / 柴田雅人