>>阪神・藤浪、復活を模索中も今季は居場所ナシ? 矢野監督は鈴木・桐敷ら新人左腕の起用を優先か<<
今回の動画は事前にスタッフから寄せられたプロ野球選手に関する疑問・質問に高木氏が回答していくという内容。その中で、高木氏は「阪神の藤浪投手はなんであんなに苦しんでいるんですか?」という質問を受け、近年の藤浪の不振の原因について見解を語った。
藤浪はプロ1年目の2013年から3年連続で2ケタ勝利をクリアし、2015年には最多奪三振(221個)のタイトルも獲得。しかし、2016年以降は昨季まで2ケタ勝利がゼロと低迷。同期間内に276与四死球(428イニング)を記録していることから、制球難が不振の原因ではという見方も根強い。
藤浪の不振について、高木氏は「イップスがあるもんね」、「投げる瞬間に(球が)抜ける映像がパーンと出てきたりだとかする時があるんだと思う。抜けた球が当たった時の映像まで、多分藤浪は分かってるんじゃないかなと思う」と発言。過去の抜け球・死球を引きずるあまり、投球面に悪影響が出ているのではと推測した。
藤浪は2015年4月25日・広島戦(黒田博樹に対して)、2017年4月4日・ヤクルト戦(畠山和洋に対して)など、抜け球・死球を投じ乱闘騒ぎを招いた試合が過去に何試合かある。高木氏はこうした過去の記憶が藤浪の投球を狂わせているのではとみているようだ。
「いいやつを上書きしていけばいいんだけど、悪いのがポーンと出てくるんだよ」、「そこの映像を上書き保存で消せるようになってくると(球が)抜けなくなるよね」と、いい結果につながった投球を意識するようにすれば抜け球・死球は減らせるのではと主張した高木氏。「もともと、ものすごく器用な選手だと思うんだよ。上書き保存していけば、(ストライクゾーンの)四隅に投げれるような投手だと思うし、ポテンシャルはあると思う」と制球難からの脱却に期待を寄せた。
高木氏の発言を受け、ネット上には「死球がメンタル面に響いてイップスのようになってるというのは分かる、昔当ててしまった選手と対戦する時はなおさら意識しそうだし」、「一触即発の事態を招いたことも何回かあるし、そういう過去の記憶がフラッシュバックしてる説はありそう」と同調の声が挙がった。しかし、「本人はイップス説否定してる以上、過去の死球が影響してる線は薄いだろ」、「藤浪は一昨年のオフに精神面じゃなく技術面が原因って言ってるぞ」と、高木氏の発言への反論も多数みられた。
藤浪は、2020年12月29日の『FRIDAY DIGITAL』(講談社)の記事内で、「『いやいやいや、自分は違う』といくら否定しても、『イップスを認めないことには次のステップに進めないぞ』とか『イップスは治らない』と聞く耳を持ってもらえない。ふざけんな、誰がイップスや!と本当に悔しかったですね」とイップスにはなっていないと主張。同時に、「フォームの修正に手を付け、評判のいいトレーニングを取り入れるなかで、本来のフォームを見失ってしまった」と、不振の原因は技術面にあると語っている。このことから、イップス状態に陥っているという高木氏の主張に首をかしげたファンも少なからずいるようだ。
今オフは巨人・菅野智之の自主トレに志願参加し、投球フォームの改善やフィジカル面の向上などに努めている藤浪。悔しさを晴らす復活を今季遂げることはできるのだろうか。
文 / 柴田雅人
記事内の引用について
高木豊氏の公式ユーチューブチャンネルより
https://www.youtube.com/channel/UCgr5CkgytiVfdnk4C0M42nQ