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不良生徒が優等生をナイフで刺殺! 裏側にあった意外な事実とは【衝撃の未成年犯罪事件簿】

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 原因は行き過ぎた「学生の自主性」だったのか……。

 1980年代前半、関西地方の某中学校で2年生、14歳の少年がクラスメイトにナイフで刺され死亡する事件が発生した。

 刺された少年は、クラスの学級委員や野球部でエースとして活躍していたA君で、刺した犯人は学校内の不良グループのリーダーBだった。

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 「優等生のA君が不良のBに刺された」ということで学校内では、不良グループの代表であるBが、目ざわりだったA君を殺したのではないか、と動機を追っていた。

 だが、クラスメイトへの聞き込みを続けると意外な事実が分かってきた。

 A君は非常に正義感の強い生徒でクラスの人気者だった一方、その正義感ゆえに「間違ったものは許せない」と日常的に暴力を振るうことがあったようだ。

 事件があったこの日は、不良グループ5人が乱れた服装をしており、見かねたA君が不良グループに「話がある」と昼休み、指定の場所に来るように伝えた。

 不良グループが姿を見せると、そこには野球部など体育系部活の部員が20名近くおり、「きさまらの態度が悪い」と不良グループに平手打ちを食らわせたという。

 体育系部員による粛清はしばらく続いたが、途中で教師が通りかかったために中止。だが一方的に粛清されプライドを傷つけられた不良グループのリーダーのBは頭にきて、一瞬のすきをつきA君のわき腹をナイフで刺したという。

 事件の背景にあったのは「生徒たちの自主性」だったようだ。

 この中学校は教育方針として風紀や部活動、生徒会の運営について教師が必要以上に指導せず、生徒自身がものごとの決定権を持つ自由な校風で知られていたという。

 そのため、風紀の乱れに対する注意は学級委員や生徒会が率先して行っていたのだが、次第に生徒会が教師以上に強い力を発揮するようになり、恨みを持つ生徒も少なくなかったようだ。

 事実、不良たちが持っていたナイフは護身用に持っていたものだという。「生徒の自主性」という言葉の裏には暴力と恐怖政治によって支配された学校社会があったのかもしれない。当時、この事件は教育関係者の間でも話題になり「生徒の自主性」の言葉の意味をもう一度考え直すきっかけになったという。

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