そんななか若い世代の間では、当然のようにインベーダーゲームに関する犯罪が繰り返されていた。
特に若い世代で流行していたのが「合鍵の複製」であった。インベーダーゲームの筐体に付いている鍵のコピーが出回り、タダでゲームを遊ぶ若者の集団が出てきたのだ。
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1979年6~7月にかけ、神奈川県警はインベーダーゲームの複製した鍵を持っていた高校生67人を補導している。
鍵の出所は不明だが、ある中学生の自宅から出回ったようだ。
この中学生の父親はゲーム機製造工場に勤務していたが、会社に行く際、インベーダーゲームの鍵を自宅に置き忘れてしまった。それを中学生の息子がコピーして、同級生に1つ500円で販売していたという。
当初は、その中学生の周辺にしか鍵のコピーは出回っていなかったが、ある中学生が高校生から「カツアゲ」を受け、鍵を奪われたことから、高校生の間にも鍵のコピーがじわじわと流通し始め、インベーダーゲーム界の秩序が大きく乱れてしまったという。
そのため、事態を重くみた警察は、違法コピーの鍵を持つ高校生たちを一気に検挙。一夜にして67人が補導され、計53個の鍵が見つかったという。
鍵は3種類あり、中学生から出回ったものの他に、2種類の親鍵の存在が確認されたが、その出所は不明だという。
その後も鍵が複製される事態は何度か起き、その攻防戦はブームが終わるまで続いていたという。