西洋では「占い」、日本ではキツネの霊を呼び出す「降霊術」と考えられてきた古い遊びの一種だが、1970年代中盤のオカルトブームで全国の子どもの間で大ブームになり、「コックリさん禁止令」まで出る学校も少なくなかったという。
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そんなコックリさんブームからしばらくたった1980年。大阪府の中学校で「コックリさん」がきっかけで中学2年生の女子が同じクラスの女子4人から集団リンチを受ける事件が発生したことがある。
当時の報道によると、ある生徒が被害者であるA子さんを含む4人を自宅に誘い、コックリさんを開始。その結果、A子さんを襲うよう指示する結果が出たらしく、定規や素手で殴る蹴るの暴行を加えたという。A子さんは顔が血だらけの状態で自宅に帰り、心配した両親が警察に通報して事件が明らかになった。
5人は小学生の頃から仲が良かったが、小学校時代にコックリさんに興味を持ち、度々5人で休み時間に遊んでいたという。
中学に入学してからも続き、暴行事件が発生する数カ月前には「A子を恨む」といった結果が出るようになり、日常的にA子さんを暴行していたという。
4人は「コックリさんのお告げだから」と悪びれる様子はなく、さらには「コックリさんをしたことを他人に話すと天罰が下る」と、たたりに恐怖を抱いていたという。
コックリさんは参加者の強い潜在意識(予期意向)が反映されるといい、「A子を暴行せよ」という結果から、参加者のうちの誰かがA子に強い恨みを抱いていた可能性が高いとされた。
オカルトブームが去っても、学生の間で「コックリさん人気」は持続していたということ。この事件をきっかけに学校でのコックリさんの取り締まりは、より強固になったという。