今回の動画で中西氏は、6~14日の9連戦で「4勝5敗」と負け越した阪神の戦いぶりをテーマにトーク。6日・ヤクルト戦で起こったサイン盗み騒動への見解や、11日・巨人戦で目についたもったいないプレーなどを語った。
その中で、中西氏は12日・DeNA戦後に矢野燿大監督が涙を見せたことについて言及。同戦の阪神は9回表まで「0-3」と劣勢だったが、9回裏に一挙4点を挙げサヨナラ勝ち。試合後にインタビューに臨んだ矢野監督は目を赤らめ、一時言葉を詰まらせながらも「いやもう、全員の気持ちだと思います」と選手たちを称えた。
>>阪神・矢野監督の涙に心配の声「精神崩壊してない?」 劇的勝利後のインタビューが物議、相次ぐ逆風への苦悩は深刻か<<
ただ、この矢野監督の涙に対し中西氏は「まだ泣くところではない」と、前半戦の段階で監督がとるような行動ではないとコメント。「それ(泣く)よりも選手に『8回まで何してたんだ』、『もっと攻めていかなきゃいけないだろ』っていうような(ことを言うべきだった)」と、8回まで劣勢をしいられた点を反省するべきだったと指摘した。
中西氏は続けて「原(辰徳巨人)監督とかそのへんに比べたら(精神面が)まだまだこれから(という印象)」と、矢野監督は原監督ら経験豊富な他監督に比べるとまだ精神的にもろいところがあると指摘。その上で、「矢野監督とはいろいろ会話したり(して)心中も察してる。(だけど)頑張ってほしいから言ってる」、「(五輪で中断する8月)12日まで休んでしっかり英気を養って、新たにスタートを切ってもう一度(巨人に)ゲーム差を放すような勢いで(いってほしい)」と後半戦の采配に期待を寄せた。
中西氏の発言を受け、ネット上には「変なケチをつけるなよ、それぐらい1つの勝利にかけてるってことだろ」、「サヨナラの後はグチグチ文句言うより、素直に喜びを表した方が選手のモチベーションにもいい気がする」、「勝ったのにこんな叩かれ方をされたら矢野監督もたまったもんじゃないな」と苦言や批判が寄せられている。
一方、「泣く暇があるなら選手の尻を叩けって言い草は分からなくもない」、「確かに精神的に未熟な面は直す必要があると思う、原監督とかが試合後に泣いてるところ見たこと無いし」、「首位に立ってるとはいえ、投打で不安を抱えてて余裕は無いからなあ」と理解を示すコメントも複数見受けられた。
「阪神は14日終了時点で『48勝33敗3分・勝率.593』と、2位巨人に2ゲーム差をつけて首位に立っています。ただ、チーム打率はリーグ5位(.251)、救援防御率はリーグ6位(4.09)と投打に課題を抱えており、7月は『5勝8敗』と失速気味。後半戦もこの調子だと巨人に抜かれるのも時間の問題となってしまうため、矢野監督には今後勝っても負けても毅然とした態度で選手の気を引き締めてほしいと考えているファンも少なくはないようです。矢野監督は今季が監督歴3年目(優勝0回・Aクラス2回・Bクラス0回)でセ・リーグでは中日・与田剛監督(優勝0回・Aクラス1回・Bクラス1回)と並び2位タイの長さなのですが、1位の原監督(監督歴15年目/優勝9回・Aクラス13回・Bクラス1回)には経験・実績ともに遠く及ばず。この差をどのように埋めるのかは今後の注目点といえそうです」(野球ライター)
巨人に今季最大の8ゲーム差をつけた6月18日(終了時点)から、約1カ月で6ゲーム差を詰められている阪神。このまま後半戦で追い抜かれるのか、それとも再び突き放せるかは矢野監督の振る舞いにもかかっているのかもしれない。
文 / 柴田雅人
記事内の引用について
中西清起氏の公式ユーチューブチャンネルより
https://www.youtube.com/channel/UCMokupGPVCIvM99XLMnKbQQ