ドイツ
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社会 2020年05月30日 06時00分
「今のうちに楽しもう」コロナ感染2波を見越し、街中に人が溢れる 規制が緩和したドイツ、恐怖を感じる人も
新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、各国がロックダウンの措置を取り、いまだにロックダウンが解除されていない国も多い。日本の報道で、新型コロナウイルスへの対応が称賛されることが多いドイツ。3月中旬からロックダウンしたが、多くの州が5月8日から規制を緩和し、人数制限や社会的距離を保つなどの条件はあるものの、レストランやお店もオープンし始めた。しかし、通常の生活に戻りつつあることで、ドイツでは早くも気の緩みが見え始めているようだ。 ピーク時は1日の感染者が6000人を超えていたドイツだが、5月に入ってからは1日の感染者が100人ほどになる日も多かった。しかし、規制が解除されて10日が経とうとするあたりから感染者数が増加し、1日の感染者が1000人前後になる日が数日、見受けられている。公共の場で集まっていい人数は州ごとに決まっており、屋外の集会などのイベント事は最大50人まで、それ以外の日常での集まりは最大10人まで許可しているが、政府は数名で集まる際も社会的距離を保つよう促している。しかし、実際のところは保たれていないことが多いようだ。 「規制は解除ではなく、緩和なのに、解除されたかのような雰囲気があります。各地でパーティーが開かれ、警察が出動したというニュースもよく聞きますね。ちなみにうちのマンションでも、規制が緩和された週に若者が集まり、夜遅くまで音楽をかけてパーティーをしていました」(ドイツ在住日本人) >>ロックダウンから1ヶ月経ったドイツの今 小麦粉ではなくドイツならではの商品が品薄に?<< また、ロックダウン中は、マンションの庭で遊んでいると他の住人が注意する光景が見られるなど、慎重な人が多かったが、今では注意する人はほとんど見かけないという。「天気がいいせいか、多くの子供が外で複数人で集まって遊んでいますよ。明らかに10人以上なこともあります。もちろん社会的距離は保たれていませんが、注意する人はほとんどいないですね」(前出・同) さらに、ビアガーデンがオープンしたことで、より人々が外に出て集まるようになったという。ドイツのネット上では、ビアガーデンのオープンを喜ぶ声がほとんどで、「ロックダウン明けに飲んだビールが今までで一番美味しい」「ビールの美味しさに涙が出そうだった」などの声が挙がっている。 「ビアガーデンの再開が発表されてすぐ、ドイツ人の友人にビールを飲みに行こうと誘われました。まだ外出することに抵抗があると断ると、『天気がいいのにもったいない』『ロックダウンは緩和されたのに何を心配してるの?』と言われ、驚きましたね。日本人は感染して他人に迷惑をかけないように外出自粛をする人がほとんどだと思いますが、ドイツ人は法律で言われていたから外出自粛をしていた人がほとんどです。法律はきちんと守るドイツ人ですが、法律が全てという社会的雰囲気が悪い方に働いている気がします」(前出・同) そんな中、ドイツのメルケル首相は5月27日、国民に向けて「新型コロナウイルスは消滅したわけではない。急速な感染拡大はいつでも起こり得るため、十分な注意が必要だ」と呼びかけ、第2波が来る可能性を示唆した。しかし、ドイツのネット上では「2波はあるものだと思ってるし、規制が緩和されている今のうちに楽しもう」「2波を心配してたら何もできない。できるだけ普通に生活してたい」という声も多く見られ、緊張感が緩んでいることがうかがえる。 新型コロナウイルスに対する心配をする人が少なくなっているドイツだが、第2波が来ないことを願うばかりだ。
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社会 2020年05月17日 06時00分
規制が緩和され集会許可のドイツ、数千人規模のデモも勃発 その目的も物議に
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、3月16日からロックダウンしているドイツ。市民は、買い物や健康のための運動以外の外出は禁止され、街中に人はほとんどいなくなった。 しかし5月に入り、州ごとに外出禁止令が少しずつ緩和され、美術館や図書館が開館。レストランも人数制限を設けることや1.5メートルの距離を取って客が座ること、営業時間を午後8時までにすることなどを条件にオープンし始めた。ロックダウン後は、同居人以外の人と接触することが禁じられ、4月末に同じ家に住んでいる人にプラスして1人のみと接触することが許可されていたが、この度、緩和が見直され、同じ家に住んでいない他の世帯の人とも会うことが許可されている。小学校などは全員が少しずつ学校に戻れるように調整中だ。 また、規制が緩和されたことで、50人までなら屋外で集会をすることも許可された。しかし許可されると、各地で完全な規制撤廃を求めるデモが起こった。特に感染者が多く、規制緩和に慎重な姿勢を見せていたバイエルン州では、数千人単位の人がデモに参加したという。 現地の報道によると、デモに参加した人は「我々は元の生活を取り戻す」というプラカードを掲げ、自由の権利を奪われることに抗議していたそうだ。ドイツでは、デモを行う時は、基本的には事前に各自治体に申請をしなければならず、この度行われたデモも、「50人以下の集まりであること」「マスクを着用すること」「社会的距離を保つこと」を事前に伝え、許可されていた。しかしデモが起こると、人がどんどん集まってきて警察も手に負えなくなったそうだ。 「バイエルン州の中でも一番人口が多いミュンヘンでは、最終的に3000人以上の人が集まってカオス状態だったそうです。社会的距離は保てず、ミュンヘンを拠点とするサッカーチーム、『バイエルン・ミュンヘン』の優勝パレードの時のようだと言う人もいましたね。最初は警察が注意をしていましたが、最後の方は諦めていたそうです。親に連れられ『学校に戻りたい』というプラガードを掲げた小さな子供もいました。これまでは在独日本人の多くがドイツ政府の対応を称賛していましたが、各地でデモが行われ始めたことに落胆し、日本に帰りたいと嘆き始めた在独日本人も少なくはありません」(ドイツ在住日本人) しかし、こういったデモに対しては、ドイツ人の多くが冷ややかな目で見ており、ドイツ国内のネット上では「みんな自粛して頑張っているのに考えられない行動。彼らのせいで自粛期間がまた2、3か月延びる」「自己中心的すぎる行為。元の生活に戻りたいならそれなりの行動をしろ」「感染者がまた増えたら責任を取れるのか」などの声が挙がっている。 実際、規制が緩和されて以降、感染者数は微増しており、緩和がされたとは言え、慎重になる必要がありそうだ。 政府は「新たな感染者が、1週間で10万人あたり50人を超えた場合、該当地域には再び厳しい規制を設ける」と明言しているが、ドイツはこれからが正念場となるだろう。
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社会 2020年05月03日 07時00分
ロックダウンから1ヶ月経ったドイツの今 小麦粉ではなくドイツならではの商品が品薄に?
日本では新型コロナウイルスの感染拡大を受け、4月7日に全国に緊急事態宣言が出されたが、日本より先に新型コロナウイルスの影響を受けたドイツでは、3月22日、飲食店の営業が禁止され、外出の制限がなされる、いわゆるロックダウンが発令された。ロックダウンの発令から1ヶ月が過ぎ、ドイツでは店内にいる人数を制限するなどの条件付きでスーパーマーケット以外の店もオープンし始めたり、一人までなら同居人以外の人と滞在が可能になったが、緩和には慎重になるべきとの声が多く、いまだにロックダウンが解除される兆しはない。そんなドイツの人々は今、どのような生活をしているのだろうか。 ドイツではロックダウンにより、外出が認められるのは、生活に必要な食料や日常品の買い出しに行く時と、健康を維持するための散歩などのスポーツをする時のみになった。そこで、日本と同様外出禁止になったことで、家でできる楽しみを見つけているようだ。例えば、自宅の庭でバーベキューをしたり、社会的距離を保ちながら散歩をしている人が多い。さらに、外出ができない代わりに家のバルコニーに寝転び、日焼けをする人もよく見られるという。 「日本と同様、パーベキューの人気は高まっていて、特に家族だと毎日のようにバーベキューをする人もいるほどです。ストレスがたまっている人ももちろんいるとは思いますが、殺伐とした雰囲気はあまりありません。バルコニーにいると向かいの家の人が手を振ってくれたりしますよ。曇りの日が多いドイツでは、天気がいいと人々はこぞって外に出るのですが、今年は天気がいい日が多いにもかかわらず、みなさん我慢しているようですね」(ドイツ在住日本人) また、トイレットペーパーを中心にしばらく品薄状態が続いていたスーパーマーケットでは、だいたいのものが揃うようになった。しかし、ドイツでも家にいる時間が長い分、時間がかかる料理に挑戦する人は多い。パン作りをする人が増え、ドライイーストはどの店にも置かれていない。しかしドライイーストの代用品には、ドイツならではの品が使われるようだ。 「スーパーではドライイーストがない代わりに『ビールからドライイーストを作る方法』という貼り紙が貼られています。貼り紙によると、ビールに砂糖、小麦を混ぜ、一晩置くと液体状のドライイーストができるそうです。一時、ドイツ語でドライイーストを意味する『Hefe』がドイツのツイッターでトレンド入りしましたが、この方法でドライイーストを作ったという報告が多く見受けられました」(前出・同) 一方、外出禁止が続く中で、ドイツ人の特徴がよく表れているのがビールの消費だ。海外ニュースサイト『Yahoo Finanzen』の4月25日の記事によると、4月のビールの売り上げは、2019年8月から2020年1月のビールの平均売り上げより26パーセント増加しているという。『キリンホールディングス株式会社』の2018年の調査によると、日本人の国民一人当たりのビールの消費量が約40リットルなのに対し、ドイツ人の国民一人当たりのビールの消費量は約101リットルだった。ドイツ人は日頃からビールを好む国民性だということが分かる。 「こんな時でもビールを楽しもうというのはドイツ人ならではでしょう。この時期は例年、ビアガーデンがオープンして朝から晩までにぎわうのですが、今年は外に出られない代わりに、自宅でビールを楽しもうとしているのだと思います。スーパーではビールを何ケースも買い、車に積む人をよく見かけますね。在庫がもともと多いのか、品薄にはなっていません」(前出・同) 4月27日からホームセンターの営業が許可されるなど、少しずつ規制が緩和されつつあるが、いまだに外出は制限されている。しかしドイツ人は自分たちなりに自宅での楽しみを見つけているようだ。記事内の引用について「Der Toilettenpapier-Hype ist vorbei – jetzt boomen andere Produkte」(Yahoo Finanzen)よりhttps://de.finance.yahoo.com/nachrichten/toilettenpapier-hype-vorbei-boomen-andere-144455635.html「2018年 世界主要国のビール消費量」(キリンホールディングス株式会社)よりhttps://www.kirinholdings.co.jp/news/2019/1224_01.html
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社会 2020年04月20日 06時00分
称賛されるドイツのコロナ対策、一部で不満の声も? 国民の約70パーセントは政府の対応に満足
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、日本では政府が緊急事態宣言を出して対応を進めているが、PCR検査は希望すればすぐに受けられるわけではないことなど、対策に批判の声を挙げる人は少なくはない。そんな日本では、ドイツ政府の対応が比較され、報じられることがあるが、ドイツが大規模検査を実施し、死亡率が少ない点が評価されているようだ。だが、実際のところは、日本でされている報道とは異なる部分もあるという。 ドイツではドライブスルー検査が各所で行われ、基本的には誰でも検査が可能。『日本経済新聞電子版』(日本経済新聞社)の4月5日に報道によると、日本の1日当たりの検査数が約2千件であるのに対し、ドイツの1日当たりの検査数は5万件に及ぶという。また、ドイツでは医師が防護服を来て自宅に訪問し、検査をする体制も整っており、ドイツのメディアは「症状は出ていないものの感染した人を囲い込む、感染拡大の防止ができている」と報じることも多い。しかしながら、検査までのハードルは決して低くはないと言う。 「ドイツでは感染が疑われた場合、政府が設置した専門の電話番号に電話を掛け、指示に従うのですが、ドライブスルー検査をするように言われることがほとんどのようです。病院に直接出向くと感染が広がる可能性があるためだと思いますが、車がない人は検査ができません。その場合は、医師が訪問しますが、高齢者が優先になるので、順番が回って来るのは1週間以上後になると聞いたことがあります。ただし、その時の検査数の多さや住んでいる州の人口にもよるので、一概には言えない部分はあります」(ドイツ在住日本人) また、ドイツではホテルなどを療養施設にすることで、新型コロナウイルスのための病床数を1万床以上確保すると同時に、軽症だと思われる人は自宅療養することで、医療崩壊を防いでいる。だが一方で、よほど切羽詰まった状態でないと入院はできない現状があるようだ。 「知り合いの40歳の女性が新型コロナウイルスに感染し、高熱、息苦しい、だるいなどの症状があったそうです。しかし、病院は入院を拒否。自宅で療養するように言われたそうですね。女性は3週間ほど症状が続いていますが、それでも入院はさせてもらえません。もちろん病院の状況によるので、この例がすべてではないですが、一刻を争う状況でないと入院はさせてもらえないと言われたそうです。入院できる人を厳しく限定することで、医療崩壊を防いでいるのだと思います」(前出・同) しかしながら、ヨーロッパの世論を調査する機関『YouGov』が4月11日に発表した報告によると、ドイツ国民の66パーセントが新型コロナウイルスに対する政府の危機管理能力に満足していると答えているようだ。感染者数の増加も少しずつ減ってきており、政府の対応と国民の協力が実を結んだ結果と言えるだろう。4月15日に行われた議会では、感染者の少ない州は5月より、受験がある重要な学年のみ少しずつ学校の再開を検討していくことになったが、教室内の人数を制限するなどの対策を取るそうだ。 こういったバランス感覚に優れた対応も、国民からの信頼を得ている要因の一つだろう。記事内の引用について「ドイツ、1月6日の初動カギ コロナ大量検査可能に」(日本経済新聞電子版)よりhttps://www.nikkei.com/article/DGXMZO57681220U0A400C2EA1000/
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社会 2020年04月08日 06時00分
7年前に家族が川に放った手紙入りのボトル約1万8000キロ離れた場所で発見され、返事が届く
ボトルの中に手紙を入れて、海に放ち、誰かが見つけるというのは本や映画の中ではよくある話だが、現実でも起こったようだ。 ドイツ・ボンで2013年、とあるドイツ人家族が同州に流れるライン川に手紙入りのボトルを放ったところ、約7年後の2020年、ニュージーランド・オークランドで手紙入りのボトルを受け取った人がいたと、海外ニュースサイト『The Times Now』と『Atlas Obscura』が3月4日までに報じた。 報道によると、2013年、当時4歳と7歳の娘たちとその両親は、「これを見つけたら私たちに手紙を送ってください」というメッセージとそれぞれの名前、住所を書いた手紙をボトルに入れ、ライン川に投げ入れたという。約7年後の2020年2月、ドイツ人家族は、ニュージーランド・オークランドから「親愛なる皆様へ。あなた方の投げたボトルは見つかりましたよ。この手紙はニュージーランドのオークランドから返信されています。長い道のりです。どうぞ、体に気をつけて」という手紙を受け取った。ヨーロッパからオセアニアという、海を越え約1万8000キロメートル離れた地域で見つかったという。 受け取った手紙には、差出人の住所が書かれていなかったため、父親が自身のFacebookに受け取った手紙の写真を添え、「私たちが約7年前にライン川に放った手紙がニュージーランドのオークランドに行き着き、オークランドから返信の手紙が届きました。しかし、そこには差出人の情報がありません。私たちは、私たちの手紙を受け取った人を見つけたいと思っています。どうかこの写真をシェアして、私たちに力を貸してください」とコメントした。投稿は4月7日現在までに、1800件以上シェアされているが、ドイツ人家族が手紙を受け取った人とコンタクトが取れたという情報はない。 このニュースが世界に広がると、ネット上では「ボトルが漂流するのは映画の中の世界だけだと思っていたから驚いた」「素晴らしい物語! ドイツの家族がボトルを受け取ったオークランドの人と出会えたら嬉しい」「7年で地球の反対側に届くなんて意外と短くてびっくり」「私も小さい頃に海に手紙を放ったけど、どこかに届いたのだろうか。考えるとワクワクする」などの声が挙がっていた。海外には他にも、海に放たれた手紙が他の国に届いた例がある。 アメリカ・ボストンで2010年、当時10歳の少年がボトルに手紙を入れて海に放ち、その手紙が約9年後の2019年、フランスのコンティス海岸で見つかったと、海外ニュースサイト『National Post』が2019年11月に報じた。同記事によると、当時、少年は手紙に「僕はリンゴと動物、車とビーチが大好きです。この手紙を受け取ったらお返事をください」と書き、自身の住所も書いたという。 約9年後の2019年10月、2010年当時10歳で、2019年には大学2年生になった男性は、フランスから手紙を受け取ったそうだ。手紙には「あなたの手紙はフランスのコンティス海岸で発見されましたよ。あなたが住んでいる場所から私が手紙を受け取った場所までは約6000キロメートルあります」と書かれていた。 海が続いている限り、海や川に放たれた手紙入りのボトルがどこかの国に辿り着く可能性はあるようだ。記事内の引用について「'What a trip!': Message in bottle sent from Germany gets reply from New Zealand」(The Times Now)よりhttps://www.timesnownews.com/the-buzz/article/what-a-trip-message-in-bottle-sent-from-germany-gets-reply-from-new-zealand/558920「Found: A Message in a Bottle That Went Clear Around the World and Back」(Atlas Obscura)よりhttps://www.atlasobscura.com/articles/message-in-a-bottle-germany-new-zealand「U.S. student's message in a bottle found in France — nine years later」(National Post)よりhttps://nationalpost.com/news/world/u-s-students-message-in-a-bottle-found-in-france-nine-years-later
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社会 2020年04月06日 06時00分
コロナ自粛でアーティストに月105万円の支援を決めたドイツ 「創造性は勇気を与える」文化相に感動の声
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、日本では多くのアーティストがコンサートやライブの中止を発表している。アーティストらの決断に世間から称賛の声が挙がる一方で、多大な損害を被っても保険が適用されないことを元HKT48の指原莉乃がテレビで指摘したり、政府からの支援がないことに対し西川貴教が自身のTwitterで苦言を呈していた。海外でもコンサートなどの自粛が続くが、ドイツでは新型コロナウイルスの感染拡大を受け、すぐさまアーティストらへの支援を発表したようだ。 海外ニュースサイト『The Local』とベルリン投資銀行(IBB)のホームページによると、ドイツ政府は音楽家や画家といったアーティストらに金銭面で支援することを3月25日に決定したという。記事によると、従業員5人までの企業は3カ月間、最大9,000ユーロ(約105万円)、従業員が10人までの企業は、3カ月間、最大15,000ユーロ(約176万円)をそれぞれ受け取ることができるそうだ。受け取りの対象には、自営業者のほか、音楽関係の企業や個人で活動している音楽家、画家などのアーティストなども含まれる。 個人で活動しているアーティストらは、多くの場合、前者の従業員5人までの企業に含まれ、3カ月間、最大9000ユーロの受け取りが可能となる。返済の必要はない。なお、ドイツには約500万人のアーティストがいるという。 「ドイツで新型コロナウイルスが目に見えてはやり出したのは3月中旬頃。しかしアーティストたちは新型コロナウイルスの感染者がまだ数十人だった3月初旬からクラッシックの音楽家やポップアーティストが支援を求める署名活動をしたり、SNSで支援を訴えたりしていました。そういった動きがあってから政府はすぐに動き出し、支援を発表。署名活動が始まってから対応に至るまで、かなり早かった印象です」(ドイツ在住日本人) この政府の決定を多くのアーティストが支持しており、SNSではアーティストらから「ロックダウン中だけど安心して今後のことを考えられる」「ドイツで活動してきて良かったし、これからもそうしようと思う」「十分な金額ではないけれど、支援が決定したことは安心材料」といった好意的な声が挙がっていた。支援を発表したドイツの文化相の「我々は、画家も音楽家も作家も全てのアーティストが生き残ることを望んでいます。アーティストの方々から発せられる創造性やアイデアは、困難に直面している我々を勇気づけるものです。アーティストの方々の活動は我々が生きていく上で必要なものなのです」という声明に感動したアーティストも多かったようだ。 「自分たちは支援を受けるべきではないと思っているのか、有名なアーティストはSNSでは支援についてあまりつぶやいていないようです。ドイツではフリーの画家や音楽家など、細々とやっているアーティストがほとんどなので、そういった人たちに行き渡るべきだと思っているのかもしれません。現在の文化相は、文化に対するリスペクトが特に強いという点もありますが、ドイツでは国民の声や不安に対し政府が素早く対応する姿勢が整っている印象です」(前出・同) ドイツではアーティストが市民の生活に欠かせない存在だと認識されているようだ。記事内の引用について「Germany agrees on economic package worth hundreds of billions in coronavirus fight」(The Local)よりhttps://www.thelocal.de/20200323/germany-agrees-on-economic-package-worth-hundreds-of-billions-in-coronavirus-fight「Liquiditatsengpasse wegen Coronavirus」(IBB)よりhttps://www.ibb.de/de/wirtschaftsfoerderung/themen/coronahilfe/corona-liquiditaets-engpaesse.html
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社会 2020年03月27日 06時00分
ドイツ市民がイタリア人に向けてバルコニーで歌った歌が話題に「涙が止まらない」との声も
新型コロナウイルスの感染拡大により、各国で多大な被害が出ているが、海外では、被害に苦しむ他国に歌を届けた人たちがいると話題になっている。 ドイツ・バイエルン州で、新型コロナウイルスにより多くの死者を出したイタリアに向け、隣人が集まり、歌を歌っている動画が話題になっていると、海外ニュースサイト『Classic FM』が3月20日に報じた。同記事によると、近所の人、数人がそれぞれの家のバルコニーに座り、イタリアの軍歌民謡『さらば恋人よ(ベラ・チャオ)』を歌ったそうだ。動画は歌を歌ったうちの男性の一人がYouTubeに投稿したという。『さらば恋人よ』は、反ファシズムの讃歌として知られる歌で、第二次世界大戦中に自由の賛美歌として歌われていた。 YouTubeで公開されている動画では、冒頭で男性が、手元のメモを見ながらイタリア語で「私たちの親愛なるすべてのイタリア人へ。この困難な時期に私たちはあなたと共にあることを知ってほしいです。私たちはあなた方がバルコニーで一斉に歌を歌っている姿に感銘を受けました。だから、私たちはあなた方のために『さらば恋人よ』を歌います」と語っている。イタリアでは、新型コロナウイルスでの死亡者が激増したことを受け、外出禁止措置が取られているが、外出禁止措置を受けてオペラ歌手や市民がバルコニーで歌を歌う姿が話題になっていた。 その後、動画には、20人ほどの老若男女がベランダに出て、『さらば恋人よ』を歌っている姿が映っている。ピアノを伴奏する男性のほか、タンバリンを鳴らす女性の姿や、ギターを弾く女性もいる。紙に印刷された歌詞を見ながら歌っている子供の姿や、イタリア国旗をかざす子供の姿もある。動画は3月26日現在までに67万回以上再生されている。 この動画が世界に広がると、ネット上では「ドイツも大変なのに他の国のことを思いやれる心が素晴らしい」「私はドイツ人だけど、あなたたちはドイツ人の誇り」という声が挙がり、イタリアからは「ドイツの友人よ、ありがとう。私の目は涙でいっぱいです」「今は禁止されているけど、騒動が治まったらあなたたちを抱きしめたい。あなたたちも気をつけて」などの声が届いていた。ドイツでも、新型コロナウイルスの感染拡大が進み、外出禁止措置が取られているが、SNS上では一部の人から、被害が最も大きい隣国のイタリアに対し、「ドイツに余力があれば助けてあげて欲しい」「マスクなど送れないものか」という声が挙がっている。また、実際にイタリアの重症患者を受け入れる準備も進んでいるようだ。 「地元紙の情報では、バイエルン州の病院がイタリア人の重症患者を受け入れたいと申し出ているそうです。地元紙は、受け入れについては閣議で決定されなければならないものの、重要な案件として取り扱われると報告しています」(ドイツ在住日本人) 外出禁止措置が取られてから、ドイツ人の多くが買い占めに走り、スーパーには生鮮食品を含めほとんどの物がなかったが、外出禁止措置から2週間ほど経った現在は少しずつ食料品が揃い始めている。外出禁止が続くことでストレスを抱える人も多いようだが、SNSを通じて知らない人同士が励まし合う光景も見られている。スーパー開店後の最初の1時間は、「お年寄りだけが入店できるようにすべき」といったような声も挙がり、お年寄りを思いやる余裕も出てきているようだ。 新型コロナウイルスの収束を願い、国境を超えて多くの人が手を取り合っているようだ。記事内の引用について「Germans sing ‘Bella ciao’ from rooftops in solidarity with Italians under coronavirus lockdown」(Classic FM)よりhttps://amp.classicfm.com/music-news/coronavirus/germans-sing-solidarity-italian-neighbours/
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社会 2020年03月21日 09時00分
確認したい、新型コロナ問題の影響によるストレス症状 解消法は
新型コロナウイルスの感染拡大防止対策として政府が国民へ不要不急の外出を控えるよう呼びかけている中、今後長期間にわたる外出の自粛によって、ストレスを抱える人の増加が懸念されている。 パンデミックがもたらす不安感と気兼ねなく外出できないという2つのストレス源が人体に及ぼす影響は大きく、終息が長引くのに比例して蓄積していく可能性は高い。 高ストレス状態が続くと、身体症状やネガティブな心理状態として表れてくることがある。 例えば、「なぜか食欲がわかない」「食べ過ぎたわけでもないのに常に胃がもたれているような感覚がある」「ここのところ便通が悪い」など、食欲不振や消化機能の低下は、高ストレス状態における代表的な身体症状だ。 これらの症状は、外出の自粛によって生鮮食品の購入頻度が落ちて栄養が偏りがちになったり、慢性的な運動不足などによって特に表れやすくなるかもしれない。 また、「ベッドに入ってから何時間も眠りにつけない」「ぐっすり眠った感覚がない」「夜中に目が覚めて、そこから眠れなくなる」といった睡眠障害の症状が長く続く時は注意が必要である。 「睡眠不足は万病のもと」とも言われるように、長く続くと抵抗力が落ちやすくなる。そのため、感染症などにかかりやすくなったり、自律神経系に不調を来したり、うまく眠れないこと自体がさらなるストレッサーとして精神的疲労に輪をかけてしまう場合もある。 外出自粛による運動不足や日光浴不足で概日リズムが崩れやすくなると、睡眠不足を引き起こすリスクは高くなる恐れがある。 あるいは、アレルギー症状が悪化することもある。不安感や外出自粛のストレスによって、「目や鼻がかゆい」「鼻水が止まらない」といったアレルギー性鼻炎や花粉症、またはアトピー性皮膚炎などの持病のアレルギー症状が悪化しやすくなる場合がある。 高ストレス状態において引き起こしやすいネガティブな心理状態の代表的なものには、「やらなければいけないことがあるのにやる気が出ない」「ちょっとしたことでイライラしやすい」「人とのコミュニケーションがおっくうになる」などがある。 こうした、完全に解明されていない未知のウイルスによる不安感や外出の自粛がもたらす身体症状、またはネガティブな心理状態を重篤化させないために、以下のような対策も有効だろう。 まず、不安感が強い時には、不安を煽るような報道から一時的に目を離すといった方法も効果がある。 また、信頼できる人に自分の不安な気持ちを話すだけでも不安な気持ちが軽くなる場合がある。 同居する家族とのコミュニケーションや、会えない友人とのメールや電話、SNSなどでの交流にも不安によるストレスを緩和する効果が期待できる。 睡眠障害対策としては、日中は室内に日光を取り入れるようにしたり、なるべく昼夜が逆転しいように生活リズムを整えるような心がけが必要だ。 運動不足を解消するための方法としては、ダンスや筋トレ、踏み台昇降運動といった、室内でできる運動を取り入れるのがおすすめだが、ジムの閉鎖が続く中、自宅での実施が難しい場合は簡単なストレッチだけでも効果は期待できる。 ただし、どうしても眠れない時は、眠れないことにあまりこだわり過ぎない方が良い場合もある。 その他、DVD鑑賞や家族でできるゲーム、模様替えや整理整頓など、家の中でも楽しめることを見つけるようなポジティブな努力が、心理的に良い効果をもたらしてくれるだろう。文:心理カウンセラー 吉田明日香
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社会 2020年03月20日 06時00分
SNSでは「#Stay Home」がトレンドに医療従事者にバルコニーから拍手を送る運動も
新型コロナウイルスの感染拡大により、日本では全国一律で小中高校などの休校要請が表明されたが、日本以上に感染の拡大が心配されているヨーロッパでも、次々と学校が休みになっている。数週間前までは冷静な人が多かったドイツでは、連日の感染者数の増加により、冷静さを失う人が多くなっているようだ。 流行が拡大して以降、ドイツでは政府からの要請により多くの州で4月19日まで学校が休みになったり、企業が自宅勤務を指示したりしているが、そういった状況になってからというもの、ドイツでも多くの人が買い占めに走った。食べ物がなくなるという恐怖感から買い占めに走る人もいるが、多くの人が、食糧を買い占め、できるだけ外に出ずに自宅に引きこもろうとしているという。 「場所にもよりますが、ドイツの多くの地域では、とにかく外に出ないようにという雰囲気が強いです。今、スーパーは人混みを作らないように営業時間を通常より延ばしていますが、開店と同時に食料を買う人で溢れ、その後はガラガラ。商品が豊富な朝のうちに買い占めて、あとはしばらく外出を控えようということでしょう。今は車もほとんど通っておらず、外に出て散歩をしただけでも軽蔑されそうな雰囲気です」(ドイツ在住日本人) こういった傾向はインターネット上でも強く見られる。ドイツに住んでいる人のFacebookのプロフィール写真には「#Stay Home,It could save lives(もし生きたければ家にいよう)」と書かれたフレームを付け、外に出ないことを呼び掛ける人が多くいる。SNSなどで外に出たいなどと書いた時には、多くの人に叩かれるようだ。 「ネット上では、『家にずっといて子供が可哀想だから外に出たい』と書いた人が、『状況を分かってない』『家でできる遊びを考えろ』とかなり批判されていました。家の庭やマンションの中庭で遊ぶ子供はいるものの、公園で子供はほとんど見かけませんね」(前出・同) そんな中、今、ドイツのSNS上で広がっているのが、「ZUSAMMENHALTEN」という運動だ。日本語に訳すと「一緒にいよう」といったような意味を表す。「ZUSAMMENHALTEN」は、夜の9時にバルコニーに出て、感染の拡大で人々が外出することを恐れる中、働いている医療従事者や警察、スーパーの従業員らに対し、みんなで拍手をし、感謝しようというものである。特に住宅が密集した地域では、通りに響き渡るほどの拍手が1分ほど聞こえることもあるようだ。 「ドイツの『Yahoo!』もこの運動について呟き、人々の間で話題になっています。イタリアとスペインでも同じ運動が起きているようで、ドイツではしばらく毎日続けようという声が多いですね。ドイツでは盛り上がるというより、皆さん、粛々と拍手をしていました」(前出・同) 医療従事者などをいたわる一方で、ドイツでは多くの人が新型コロナウイルスに対して恐怖を抱いていることがうかがえる。
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社会 2020年03月07日 06時00分
品薄状態続くも、買い占めを推奨? 新型コロナ感染拡大でドイツでも“ありえないデマ”が拡散中
日本では、新型コロナウイルスの感染が広がるにつれ、SNSで多くの情報が巡り、「トイレットペーパーの原料がマスクに使われるため品薄になる」という噂が広がって、トイレットペーパーの買い占め騒動が起こった。しかし、こういった状況に陥るのは、日本だけではないようだ。現在、新型コロナウイルスの感染が広がりつつあるドイツでも様々なデマが流れつつある。 日本でも一時、「コロナウイルスは熱に弱く、26〜27度のお湯を飲むと殺菌効果がある」と話題になり、その後、その情報は間違いであると各所で報道されたが、ドイツでも全く同じ情報が拡散された。ドイツでは、お湯を飲むと殺菌効果があるということに加え、「水は飲まない方がいい」というデマの情報が一部で広がったのだ。また、「新型コロナウイルスは太陽に弱く、日光浴をすることで殺菌できる」という情報も広がったが、デマであると一部の専門家が否定している。 「こうした情報のソースは、“中国の病院で働いている友人の叔父”や“政府の機関にいる知人”など様々です。中には、信用している人もいるようで、『今日は太陽が出ているから日光浴をした方がいい』と呼びかけ、実際にしたと写真付きで紹介していた人もいました。ドイツでも学校が休校になるほか、ホームオフィスを推奨する会社が増えています。状況が変わったことで、感染を恐れ敏感になっている人が多いのかもしれません」(ドイツ在住日本人) 一方、ドイツでも日本と同様、買い占めが進んでいるが、日本とは異なり、買い占めを推奨する雰囲気にある。メディアでは2週間ほど家にいても生活ができるような買い占めるべき物資のリストが紹介され、パスタや缶詰、ラスクなどの長期保存ができるものの確保を呼びかけている。自宅で過ごす時間が多くなることを予想して、雑誌類が品薄になっている店もあるようだ。 「ドイツでは緊急時など、必要な際は、政府が国民に買い出しの推奨を促すシステムがあるそうですが、今はまだ推奨はされていません。冷静な行動を訴える人はいるものの、必要最低限の備蓄はすべきという考えの人の方が多いようですね。日本のように、買い占め防止を呼びかける人はあまりおらず、日本人の『必要な人に必要なものが行き渡らないから買い占めをやめよう』と呼びかける文化を見て、『周りのことを考えられる国民』と、感心する人もいます。とは言え、今はまだ怖がって自宅に篭るべきでないと考える人が多数で、万が一に備えるけど、普段の生活をして必要以上に怖がらないというところでしょう」(前出・同) デマに踊らされず、正しい情報を見極めて行動したいものだ。
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社会
ドイツ市民がイタリア人に向けてバルコニーで歌った歌が話題に「涙が止まらない」との声も
2020年03月27日 06時00分
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社会
確認したい、新型コロナ問題の影響によるストレス症状 解消法は
2020年03月21日 09時00分
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社会
SNSでは「#Stay Home」がトレンドに医療従事者にバルコニーから拍手を送る運動も
2020年03月20日 06時00分
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社会
品薄状態続くも、買い占めを推奨? 新型コロナ感染拡大でドイツでも“ありえないデマ”が拡散中
2020年03月07日 06時00分
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社会
日本と真逆? ドイツ政府のコロナ対策に称賛の声の一方、スーパーでは必需品が品薄に
2020年03月05日 06時00分
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社会
ドイツには痴漢がいない?「変態」を生みにくい国民性も影響か
2020年02月25日 09時00分
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芸能ニュース
家の中が丸見えでもドイツ人が家にカーテンをつけない理由 国民性だけじゃない?
2020年02月09日 09時00分
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社会
50点でいいドイツ人と100点を目指す日本人ドイツ人から見た日本の育児の不思議
2020年01月26日 06時00分
特集
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少年隊・錦織、東山ジャニーズ新社長就任に意味深投稿? 植草とのYouTubeもストップ、現在の活動は
芸能ネタ
2023年09月18日 12時00分
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ジャニーズ最大のタブー? 嵐メンバー4人と“男女の仲”報道、セクシー女優の死【芸能界、別れた二人の真相】
芸能ネタ
2023年09月17日 12時00分
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Snow Man向井、ジャニー氏お小遣い秘話が拡散? グループ不仲説の真相は<実は不仲?【犬猿の仲】の有名人>
芸能ネタ
2023年09月16日 12時00分
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一転しジャニーズ契約継続なし、モス広告Snow Manの顔を紙で隠した画像が拡散「イジメ」「涙出てきた」ファン怒り
芸能ニュース
2023年09月13日 18時00分
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株上げた井ノ原快彦、年下に嫌われていた? 森田剛から「嫌い」緊張関係続く<芸能界【犬猿の仲】の有名人>
芸能ネタ
2023年09月10日 17時00分