ドイツ
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社会 2020年10月04日 06時00分
ヨーロッパの自殺率が低い理由 芸能人へのバッシングも日本より少ない?
昨今、芸能人の自殺が相次いでいる日本。『経済協力開発機構(OECD)』が発表した2018年の日本の10 万人あたりの自殺率は14.9人で、世界と比べるとワースト1位の韓国、2位のリトアニアなどに次いで世界で7番目に自殺率が高い。結果からも分かるように、自殺は近年、日本のもっとも深刻な社会問題になっているが、日本より自殺率が低い国が多いヨーロッパでは、自殺に対してどのような意識を持っているのだろうか。 >>教師からショートパンツを穿かされるなどのいじめを受けていた男子生徒が自殺<< ヨーロッパの人々に話を聞くと、ヨーロッパで自殺率が低いのは宗教が関係しているようだ。ヨーロッパにはカトリック教徒が多く、カトリックの教えで自殺はいけないもの、恥ずかしいものと捉える人が多いという。そういった考えから、自殺の場合、家族が葬儀をしないことも多く、葬儀をする場合は自殺ということを隠して事故死と説明することもあるそうだ。 「特に、スペイン、イタリア、ギリシャといったラテンの国では、家族や友人の繋がりが強いので、周りに自殺者がいたら、家族や友人の絆が疑われます。そのため、身内や友人に自殺した人がいたら隠す傾向にあると思います」(30代スペイン人男性) とは言え、最近では自殺を隠す傾向は以前よりは薄れてきているという。その人が選んだ最期を尊重すべきという考えを持つ人が若者を中心に多くなり、「心の病は誰にでもあることで恥ずかしいことではない」という態度で、きちんと説明して葬儀をすることも増えているそうだ。 そんなヨーロッパでは、メンタルヘルスケアについても日本より進んでいて、社会では心の病は体の病と同等に扱われることが多い。精神科やセラピーにかかることも珍しくなく、仕事で悩んだ時や恋人と別れて辛い時など、幅広く利用されている。 「周りのドイツ人らに話を聞くと、ドイツでは、心の病で診断書を書いてもらって会社を休むという人も珍しくないようです。ちなみに、昨今増えてきたとは言え、『日本では心の病で診断書を会社に提出するのは、多いケースではない』とドイツ人らに話すと、『ただでさえ日本人は働きすぎなのに、追い詰められたら仕事を辞めるしかないの?』『会社に上下関係もあって大変そうなのに、会社はストレスを見て見ぬ振りをしようとしているのか』と驚かれました」(ドイツ在住日本人) なお、ヨーロッパでは芸能人も同様で、心の病を抱えていることや、心の病が原因で通院していたりセラビーを利用していることを隠す人は少ないようだ。また、メディアの前で常で笑顔でいることが必ずしもいいとされず、怒りの感情や悲しい感情を大っぴらに出すことも珍しくない。 「日本のように、芸能人は常に笑顔で、という雰囲気はヨーロッパにはないと思います。特に怒りの感情を顔や態度で示す芸能人や有名人は多いですね。SNSで反論することもしばしばあります。ですが、そういった反応に対して世間がバッシングすることは日本より少ないですし、感情を表に出したからといって世間が引くこともない。『人間ならそういう時もあるよね』と思う程度です」(ドイツ在住日本人) ヨーロッパの人の考え方を知ることは、日本の自殺率の減少に少なからず影響力を与えるかもしれない。記事内の引用について「Suicide rates」(経済協力開発機構(OECD))よりhttps://data.oecd.org/healthstat/suicide-rates.htm
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社会 2020年09月27日 06時00分
ドイツで“お試し”ベーシックインカム開始、現地の反応は? 毎月15万円の支給に応募が殺到
日本では、最近、全ての人に無条件で一定の金額を給付するベーシックインカムが注目され始めている。特に元総務大臣でパソナグループ会長の竹中平蔵氏が23日、『報道1930』(BS-TBS)に出演して、国民に毎月7万円を支給するベーシックインカムの導入を訴えたことも、ベーシックインカムが注目される大きなきっかけの一つとなっただろう。 >>ドイツ、コロナ禍で児童手当ボーナス支給 自動で受給のスピード感に日本人から関心の声<< そんな日本より一足先に、ドイツではベーシックインカムの導入に着手したようだ。ドイツでは8月中旬からベーシックインカムのトライアルが実験的に行われている。ドイツが実施する今回のトライアル版のベーシックインカムは、選ばれた120人のドイツ国民が3年間、毎月1200ユーロ(約15万円)を受け取れるというもの。120人の選定は、政府が希望者を募り、希望者の中から無作為に選ぶ。18歳以上でドイツに住み生活の大半がドイツである人であれば、誰でもトライアル版のベーシックインカムへの参加を希望することが可能。政府は2021年春から、選定された120人に対してベーシックインカムを支払い、支払われていない人と比較して、時間の使い方や価値観、健康維持面の違いなどがどれほどあるか調査するそうだ。 「ドイツでもこのトライアル版のベーシックインカムは話題になっていました。参加したい人が多く、応募から4日でなんと約120万人の参加希望者が集まったそうです」(ドイツ在住日本人) 移民が流入し始めた1990年代からベーシックインカムの導入を訴える声が少しずつ挙がっていたと、現地ドイツではメディアを通して分析する専門家が多いが、今回のトライアル版のベーシックインカムの導入に大きな影響を与えたのは、芸術家や音楽家などのフリーランサーだろう。ドイツには多くのフリーランサーがいるが、コロナ禍で多くのフリーランサーが仕事を失い、生活が苦しくなったことで、精神的に追い詰められて、自ら命を断つなど万一の事態が起こり得ると知り、ベーシックインカムの必要性を強く訴えた。ドイツ在住のフリーランスのファッションデザイナーが立ち上げたベーシックインカム導入を訴える運動には、47万人以上の署名が集まり、ベーシックインカム導入を後押ししたと言える。 ベーシックインカム導入に前向きなのは、アーティストだけではない。『ドイツ経済研究所』が2019年4月に公表した調査結果によると、ドイツ国民2031人を対象に行ったアンケートでは、約半数の人がベーシックインカムの導入に賛成していたという。 「周りのドイツ人に話を聞くと、確かにベーシックインカムに賛成する人が多いですね。移民を受け入れてから治安の悪さを心配している人も多く、『貧富の差が狭くなれば治安が良くなるから良い』と言う人もいれば、『もともと派手な生活はしないし、中心部に住まないから1200ユーロは十分な額。お金の不安がなくなることはいい』と言う人もいます。さらに、ベーシックインカムがいいかどうか分からないからこそ、『政府が実験的に行うのはいい試み』『論じるためには試してみることは大事』と支持する人も多いですよ。反対派の人の多くは『働く意欲がなくなり経済が回らなくなる』と心配しています」(前出・同) ドイツのトライアル版のベーシックインカムの実施結果によっては、日本でもベーシックインカム導入論が強まるかもしれない。記事内の引用について「Wer kann der Idee eines bedingungslosen Grundeinkommens am meisten etwas abgewinnen? Studie zeichnet Profil der Befürworterinnen und Befürworter」(ドイツ経済研究所)よりhttps://www.diw.de/de/diw_01.c.618785.de/wer_kann_der_idee_eines_bed...rinnen_und_befuerworter.html
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社会 2020年09月14日 06時00分
ドイツ、コロナ禍で児童手当ボーナス支給 自動で受給のスピード感に日本人から関心の声
新型コロナウイルスの感染拡大によって経済が打撃を受け、世界中で貧困問題が深刻化している。消費減税を早々に決めるなど、いち早く新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けた経済の回復に着手したドイツでも、貧困は問題になっており、特に子どもの貧困は問題視されているようだ。 >>日本の「コロナ差別」に疑問? バカンス明けのドイツ、感染者急増も世間は冷静<< ドイツでも新型コロナウイルスの影響により仕事を失ったり、仕事量が減って貧困に陥った家庭が少なくはない。ドイツのニュースサイト『Tagesspiegel』によると、新型コロナウイルスの流行後、ドイツに住む5人に1人の子どもが貧困状態にあるというデータが出ているそうだ。一方日本では、厚生労働省が発表した国民生活基礎調査によると、2018年の日本の子どもの相対的貧困率は13.5パーセント。約7人に1人の子どもが貧困状態にあるという。厚生労働省の国民生活基礎調査は3年に1回行われるため、新型コロナウイルス流行後の子どもの貧困率は明かされていないが、悪化していると見る専門家が多い。 「ドイツでも子どもの貧困は注目されていて、子どもの貧困を取り上げるメディアも多いです。しかし、『コロナ禍による貧困の影響でバカンスに行けない子どもがいる』『月に1回以上、外食ができない子どもがいる』と論じられることもあり、ドイツではちょっとした贅沢ができないことも、貧困とみなされているようですね」(ドイツ在住日本人) このように、新型コロナウイルスの影響で子どもの貧困が注目されているドイツだが、こういった声がメディアやネットで挙がるとすぐに、政府は新型コロナウイルスの影響を受けた子どもを救うための政策を発表。子ども1人あたり、300ユーロ(約3万7000円)の児童手当のボーナスの支給を決定した。支給に必要な手続きなどは特になく、ドイツに住み、2020年に一度でも児童手当をもらった人は全員対象となる。 「ドイツ人は今はもう、コロナ前に近いような生活をしていて、コロナで騒いでいる人はあまりいません。子どもの貧困は問題視されていますが、世論の声がそこまで大きかったわけではないと思います。それにも関わらず、政府は速やかに児童手当のボーナスの支給を決めていたので、『政府のスピード感や政府が世論に押されなくても、いまだにコロナから目を逸らしていないのがすごい』との声が在独日本人からは挙がっていました」(前出・同) 新型コロナウイルスの影響による子どもの貧困を救うためのドイツの政策は、日本も参考にすべき点があるだろう。記事内の引用について「Warum bekommt die Politik das Problem nicht in den Griff?」(Tagesspiegel)よりhttps://www.tagesspiegel.de/politik/jedes-fuenfte-kind-in-deutschland-von-armut-betroffen-warum-bekommt-die-politik-das-problem-nicht-in-den-griff/26028542.html「2019年 国民生活基礎調査の概況」(厚生労働省)よりhttps://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa19/index.html
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社会 2020年08月28日 06時00分
日本の「コロナ差別」に疑問? バカンス明けのドイツ、感染者急増も世間は冷静
日本では新型コロナウイルスで打撃を受けた観光業界を支援するキャンペーン「GoToトラベル」が実行されるも、賛否の声が挙がっているが、ドイツでは政府がキャンペーンを打ち出すことなく、多くの人が連年通り、バカンスを楽しんでいるという。だが、7月の後半から8月の後半にかけてのバカンスシーズンが終わった今、1日の新型コロナウイルスの感染者数は、シーズン前の500人前後から1000-1600人に急増。確実に感染が広がっている。しかし、人々の間に心配する雰囲気はない。 >>コロナを恐れる時期はもう過ぎた? 感染数日本並みもドイツ人が今年もバカンスに出かけるワケ<< 「バカンス好きのドイツ人。数百人に聞いた独自の調査で、約70パーセントの人が例年通りバカンスに出かけたと報じるメディアもあり、混雑する空港の様子がテレビなどに映ることもあります。しかし、メディアも世間も冷静で、感染者の急増は『予想通り』という反応。今まで通りの生活に戻すことの方が優先され、バカンスに出かけた人を責めることも差別することもありません」(ドイツ在住日本人) バカンス先としてイタリアやスペインに行くドイツ人は多いが、他のEU各国などリスク地域から帰国した人たちに対しては、8月8日よりPCR検査が義務化された。だが、空港や主要駅への到着時に受診することは”推奨”にとどめられ、空港で検査をしなくても、入国後72時間以内であれば、最寄りの保健局での検査も認められている。検査結果が出るまでは、多くの州では自主隔離をするよう呼び掛けられているが、帰国直後に全員が検査をするわけではなく、空港から出た後に保健局で検査する人がいることも考えられるため、検査を受ける前に、バカンス帰りの人々がどれほど他の人と接触せずにいられるかと不安視する声も一部ではある。 また、バカンス明けの感染者の急増で、「第2波が来た」と警告する専門家もいるが、外出自粛をする人も、呼びかける人も少なく、公共交通機関内や店内ではマスク着用が必須であるにも関わらず、少しずつそのルールが薄れていると感じることもあるそうだ。それを察してか、政府は8月24日よりマスク着用義務の違反に対する罰則を強化。マスクをしなければならない場でマスクを着用していなかった人には250ユーロ(約3万1000円)の罰金が科される。 「元の生活に戻そうという動きとともに、人々の間には気の緩みが生まれている気もします。飲食店は従業員を守る意味で時短営業をしているところもありますが、休業を要請されてはいませんし、例年通り賑わっています。一方で、日本で今、問題視されているような“コロナ差別”は、都会、田舎に限らずほとんどありません。怖い病気というより、一種の風邪だと認識し始めている人が多いような気がします。『日本でコロナに感染した人が差別されることが問題になっている』とドイツ人の友人らに話したところ、『悪いのはコロナで感染者は悪くないのになんで?』と不思議がられました」(前出・同) バカンスシーズンが明け、ドイツは第2波の到来に備えなければならないのは確かだが、感染者が増えても、コロナ差別とは無縁なようだ。
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社会 2020年08月09日 06時00分
コロナ禍でも自粛警察がいない? ドイツ国民の意識を変えたメルケル首相の一言とは
コロナ禍で、日本では営業を自粛していない飲食店に嫌がらせをしたり、自粛に非協力的な人を過剰に批判する「自粛警察」と呼ばれる人々の行動が目立つとともに、感染者の個人情報を調べ上げ、感染者やその家族が嫌がらせ、バッシングを受ける「コロナ差別」が広がっている。新型コロナウイルスの感染防止への意識が高まる一方で、自粛警察やコロナ差別を問題視する人も増えているようだ。しかし、現在も新型コロナウイルスの感染者が日々増え続けているドイツではいわゆる自粛警察やコロナ差別のような存在がいないという。 >>「今のうちに楽しもう」コロナ感染2波を見越し、街中に人が溢れる 規制が緩和したドイツ、恐怖を感じる人も<< ドイツのここ数日の新型コロナウイルスの1日当たり新規感染者数は500〜800人前後だが、感染した人を過剰に批判したり差別する風潮はあまり見受けられないそうだ。その大きな理由の一つに、ドイツのメルケル首相が行った会見での一言がある。 ドイツで新型コロナウイルスが流行し始めたことを受けて開いた最初の会見で、メルケル首相は「ドイツの人口の6〜7割が新型コロナウイルスに感染する可能性がある」とはっきりと述べた。この一言で多くのドイツ国民が「新型コロナウイルスはほとんどの人が感染するものだ」という認識を高めたという。 「隣国のイタリアからじわじわと感染が広がり始めた頃、人々の間にはモヤモヤとした不安が募っていました。しかしメルケル首相の一言で、『ほとんどの人が感染するのだから感染した人が悪いわけではない』と腹をすえたドイツ国民は多いと思います。会見の中でメルケル首相は『完全な封じ込めは難しい』と何度も強調しており、ある程度コロナが存在する生活を覚悟する人も増えました」(ドイツ在住日本人) 初期段階でメルケル首相の一言があったせいか、ドイツでは新型コロナウイルスの感染を隠す人が少ない。それどころか、自ら告白する人もいるという。何万〜何十万人が集まるFacebookの地域グループでも、「コロナの症状があるけど、どこに連絡すればいいか」という投稿をしている人は多く、職場でも「コロナかもしれない」「コロナ患者と接触した」と隠さず伝えて休む。 また、ドイツ人は法律に従う国民性であるという点も大きいだろう。法律で決まっていることが全てのため、制限が緩和され、飲食店が営業し始めることが法律で許された今、わざわざ自粛を呼びかける人はいない。法律で決められている以上、外出する人を責められないと認識している人が多いようだ。 一方で、こういったドイツの国民性に不安を覚える日本人もいるという。 「日本人は、人にうつさないのはもちろん、周りの目が気になって、法律で決められていなくても外出を自粛する人が多いと思います。しかしドイツでは、現在、公共交通機関や店などではマスクをしなければならないなどの制限はあるものの、ほとんどの生活が元に戻っており、念のため自粛を心掛けているという人や自粛を呼びかける人を、私は聞いたことがありません。しかし心配する様子もなく自宅などでパーティーを開いている人もおり、日本人の周りの目を気にする体質を知っている在独日本人からは『周りの目を気にすればもっと感染者が抑えられるのでは』という声も聞こえてきます」(前出・同) ドイツではピーク時、1日の感染者数が7000人以上だったが、ロックダウンをしたことで200人前後に減った。ロックダウンの緩和後は食肉工場や野菜栽培農場でクラスターが発生した時以外は、今のところ感染者数の急増はなく、1日当たり500〜800人前後に抑えている。 メルケル首相の一言によって、ドイツ国民は新型コロナウイルスを“正しく怖がる”ことができているようだが、ドイツ人の性格を見ると、人の目を気にする日本人の性格が必ずしも悪いとは言えないようだ。
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社会 2020年08月01日 19時00分
近親相姦が噂されていた一家が惨殺、犯人は戦死したはずの幽霊?【未解決事件ファイル】
戦後間もない1922年3月31日、ドイツのバイエルン州で農場を営む一家5人と使用人1人が惨殺される事件が発生した。事件の特異性だけでなく、被害者家族の闇も深いことから、ドイツ史上最も不可解な未解決事件と呼ばれている。一体何が起きたのか。 >>水死体でCA女性、元交際相手のベルギー人神父が突如帰国した理由とは【未解決事件ファイル】 << 事件が発覚したのは4月4日。一家の姿を見かけないことを不審に思った近隣住民が農場を訪れたところ、納屋と母屋で死亡している6名を発見したという。被害者は農場主のアンドレアス・グルーバー(当時63歳)、妻のツェツィーリア(同72歳)、娘(未亡人)のヴィクトリア・ガブリエル(同35歳)とその長女ツェツィーリア(同7歳)と長男ヨーゼフ(同2歳)、そして使用人のマリア・バウムガルトナー(同44歳)の6人。すぐに住民は警察に通報し、翌5日にミュンヘン警察による捜査が開始された。 現場検証の結果、屋根裏に足音を消すためのわらが敷かれており、さらに犯人が寝ていたと思われる痕跡も発見された。また、何者かによって事件が発覚するまでの数日間、農場の家畜にえさが与えられていたことも判明。台所ではパンや肉を食べた跡が見つかり、近隣住民の中には週末の間、農場の煙突から煙が出ているのを目にした人もいたという。警察は当初、物盗りによる犯行という見方をしていたが、捜査が進むにつれて徐々に疑わしくなっていった。 警察は事件解決に向けて精力的に捜査活動を行ったが、排他的な村人たちからの反感を買ってしまい捜査は難航してしまう。当時ミュンヘン警察では霊媒術が採用されていたことから、霊能者に遺体の頭部を見てもらい捜査協力をしてもらっていたそうだ。結局こちらも具体的な成果は上げられず、1986年に捜査が打ち切られるまで事件に進展は見られなかった。 犯行現場に残り、家畜たちの世話をしたと思われる犯人の行動も謎だが、この事件では被害者家族にも大きな注目が集まっている。娘のヴィクトリアの夫は1914年から1918年まで続いた第一次世界大戦に出兵し戦死したのだが、ゆえに2歳の長男ヨーゼフは農場主・アンドレアスとの間の子供ではないかと疑われていた。以前からこの一家の近親相姦の噂は近隣住民に広まっており、近所付き合いはなかったという。 一体誰の犯行だったのだろうか。実は容疑者の一人として村に住む男性の名前が浮上した。彼はヴィクトリアと親密だったといい、長男ヨーゼフの戸籍上の父親ではないかという声もあった。結局、村長が彼の身の潔白を捜査員に訴えたことで容疑者リストから外されることになったそうだ。この村人以外には、ヴィクトリアの夫カール・ガブリエルも容疑者として噂された。第一次世界大戦で戦死したことになっているが、実は遺体を見たものはいないという。妻と義父の関係を知ったカールが逆上して犯行に及んだという噂が流れたが、真相は分かっていない。
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社会 2020年07月23日 06時00分
コロナを恐れる時期はもう過ぎた? 感染数日本並みもドイツ人が今年もバカンスに出かけるワケ
日本では新型コロナウイルスの経済対策として、政府が国内旅行の代金の半額相当を補助するキャンペーン「GoToトラベル」を発表した。だが、まだまだ新型コロナウイルスの感染拡大が懸念される中での旅行は控えるべきという声が多く挙がったり、東京への旅行や都民の旅行が対象外とされたりしたことで、「GoToトラベル」への批判は日々増えているようだ。 >>感染者数1日400人以上も「普通の生活」を心がける人が急増 「withコロナ」を選択したドイツの現状は<< しかし、日本とは異なり、ドイツでは旅行をしようとする雰囲気が強いという。ドイツのここ数日の新型コロナウイルスの新規感染者数は300〜500人。日本の新規感染者数とそこまで変わらないが、新型コロナウイルスを恐れるより、経済を回すことの方に重きを置いている人が多い。 ドイツ人は“旅行好き”で知られ、毎年1か月の休みを取って家族でバカンスに行くことも珍しくはない。今年は新型コロナウイルスの影響で控える人が多くなると思われていたが、ほとんどの人が例年と変わらず旅行の計画を立てているようだ。 「ドイツではコロナを恐れる時期は過ぎ、今は感染防止に努めるより、できるだけ例年通りの生活をし、普通の生活を取り戻すことが“いいこと”だとされています。ドイツ人は旅行にお金をかけるので、旅行に行くことで経済回復の手助けができると考えているようです」(ドイツ在住日本人) そのためか、メディアでは夏前から、入国できる国の情報や飛行機の運行状況などが広く報じられてきた。現在、EU国内はほとんどの国が制限なく行き来可能になり、スーツケースを持って空港に向かう家族連れの姿も多く見受けられる。 「まだ慎重派の人ももちろんいますが、そういう人たちは国外ではなく国内旅行を計画していますね。旅行に行かない選択をする人は少ないです。コロナのピーク時に医療崩壊しなかったことで、何かあっても大丈夫と安心しているみたいです」(前出・同) ドイツ国内の空港などでは航空会社が独自にPCRの検査場を設置したり、大きな空港では無料でPCR検査ができるような体制を整えているようだ。しかし、検査は人に感染させないというより、渡航先で何かトラブルがあった際に自身が陰性であると証明する意味合いが強い。 「国が渡航を許しているのだから、『旅行を自主的に規制すべき』という声や『旅行前に検査をすべき』という声はあまりありませんね。ドイツ人は法律に忠実に従うので、法律で旅行前に検査が必要だとされれば、多くのドイツ人は守ると思いますが、一方で、法律で決められていなければ、それ以上に議論されることはありません」(前出・同) 経済回復に目を向け始めたドイツだが、バカンス明けに感染者数が激増とならなければいいが…。
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社会 2020年07月12日 06時00分
感染者数1日400人以上も「普通の生活」を心がける人が急増 「withコロナ」を選択したドイツの現状は
新型コロナウイルスの収束はいまだに見えていないが、安全面を最優先する国がある一方で、経済活動を停止させないことを最優先させる国もある。早々にロックダウンし、安全面を優先していた国の一つがドイツだが、ここへ来て、ドイツは新型コロナウイルスとともに生活する「with コロナ」を選択したようだ。 ロックダウンされた3月中旬から4月にかけてこそ、多くの人が自宅にこもり、通りで人を見かけることはほぼなかった。ここ数日のドイツ国内の感染者数はドイツの総人口8302万人に対し、4-500人前後。4月に入ってからは数千人単位で感染者が増える日々が続いていたため、それに比べると減ってはいるが、感染者がいないわけではない。それにも関わらず、7月に入ってからというもの、ドイツでは多くの人が外出し、すっかり新型コロナウイルスが流行する前の生活が戻りつつある。 >>ロックダウン再開のドイツ、原因となった工場の劣悪な労働環境が現地で話題に<< 「ドイツでは、最近はコロナが『落ち着いてきた』というメディアがほとんどです。それに安心しているのか、コロナを怖がっている人はほとんどいませんね。デパートなども再びオープンしていますが、現地メディアによると、国民の6割がロックダウンが緩和されたことに賛成しているといいます。コロナに翻弄されず、できるだけ普通の生活をしていこうという人が多いですね」(ドイツ在住日本人) そういった雰囲気もあってか、飲食店は例年通りの賑わいを見せている。飲食店では座席を1.5メートル以上離さなければならないという決まりがあり、店の入り口などには座席を1.5メートル離す対応を取っているという張り紙がされているが、実際は守られていないことが多い。客も気にせず食事やお茶を楽しんでいるようだ。 「飲食店ではマスクの着用についても引き続き義務となっています。マスクについてはかなり厳しく、客はマスクがないと入店させてもらえませんが、マスクをしていればいいという感じで、きちんと装着されているかについては気にされていません。店員でさえ、マスクはしているものの、あごの方に下がっていて、その状態でオーダーを取る光景も珍しくはないですね」(前出・同) また、ドイツでも日本と同様に、新型コロナウイルス感染症の陽性者と接触した可能性がある場合に通知を受け取ることができるアプリケーションが、6月16日にリリースされた。しかし、実際に使っている人は少ないようだ。 ドイツを中心とした様々なデータを収集する機関『Statista』の発表よると、アプリの総ダウンロード数は約1540万件(7月9日時点)だという。日本は6月19日にアプリがリリースされ、『日経クロステック』(日経BP社)によると約582万件(7月6日午後5時時点)がダウンロードされたそうだ。ドイツの方が圧倒的にダウンロード数は多いが、ドイツで使っている人を見たことがないという声もある。 「私の周りではダウンロードをしているものの、使っている人は見たことがないです。ドイツ人は慎重な人が多いからか、個人情報が漏れる心配をしているようですね。政府はHPなどで安全性をアピールしていますが、『コロナより個人情報の漏洩の方が怖い』という人も多いです。日本の感染者数はドイツに比べたらまだまだ少ないですが、アプリを導入して警戒心を高め、マスクをしていない人を見たら白い目で見られたり、映画館やライブの人数を制限しているのを聞くと、暮らしにくいなという印象を受けます。しかし一方で、緩和と同時にたがが外れ大人数で集まっているドイツ人を見ると、周りの目を気にすることができるのは悪いことではなく、むしろ日本人のいいところだなとつくづく思います」(前出・同) 新型コロナウイルスの収束の目処が立たない状態で経済活動を再開させたドイツ。新型コロナウイルスの恐怖は人々の間で薄れつつあるようだが、今後、再び感染者数が激増しないことを願うばかりだ。記事内の引用について「Anzahl der Downloads der Corona-Warn-App über den Apple App Store und den Google Play Store in Deutschland im Juli 2020」(Statista)よりhttps://de.statista.com/statistik/daten/studie/1125951/umfrage/downloads-der-corona-warn-app/「接触確認アプリ「6割普及は正直かなり厳しい」、有識者委員が語る」(日経クロステック)https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/01353/070600002/
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社会 2020年06月28日 06時00分
ロックダウン再開のドイツ、原因となった工場の劣悪な労働環境が現地で話題に
ドイツでは、新型コロナウイルスのロックダウンの規制が4月23日から徐々に緩和が解除され、5月初旬にはほとんどの州でレストランが再開。そして6月末までには全ての学校が再開されると発表されたが、その矢先の6月17日、ドイツ西部のノルトライン・ウェストファーレン州の食肉工場で、1000人以上が新型コロナウイルスに感染するクラスターが発生した。このクラスターによる感染者数はまだまだ増えると言われ、州は即座に外出を制限するなどの規制を再開。予断を許さない状況である。 >>評価は日本と正反対? 国内では批判も、ドイツから称賛を浴びた日本政府のコロナ対策とは<< しかし、現地で注目されているのは、新型コロナウイルスの感染拡大より、今回クラスターが起きた食肉工場の労働条件の悪さのようだ。現地の報道によると、労働者はルーマニアやブルガリアなど東欧からの労働者で、狭い部屋に10人ほどが閉じ込められ、そこに寝泊りして働かされていたという。衛生状態も悪く、「毎日奴隷のような生活をさせられていた」と証言する労働者もいるほどだ。 「ドイツでは、クラスターが起きたことより、労働条件の悪さがピックアップされ、報道されることの方が多いです。労働者が寝泊りしていた部屋の大きさは報道では具体的には明かされていませんが、2段ベッド4、5台が部屋いっぱいに敷き詰められるほどの大きさで、その中で生活している労働者の自分のプライベート空間はベッドのスペースのみだったという話も聞きました。人権侵害だと批判する人も多く、安価な商品の裏には安価で雇われている人がいることに目を向けるべきだという声が出ています。一部では、安価な製品の不買を訴えている人もいますね」(ドイツ在住日本人) こういった背景もあり、クラスターが発生した地域の人の多くが新型コロナウイルスの第2波を心配しているわけではなさそうだ。SNS上に上がった現地の人の声を見ると、「散歩は許されているけどそれもしたくない。外出が怖い」と警戒している人がいる一方で、「食肉工場での出来事なのにそれ以外の人も再び行動が制限されるなんておかしい」と、人ごとのように思う人もいる。新型コロナウイルスに対する警戒心が強い人とそうでない人の意識の差が大きく開いていることが分かる。 「心配している人はスーパーへの買い出しの回数を減らしたり、買ったものにも消毒をするなどかなり気を使っていますが、一度ロックダウンの規制が緩和したことで、気が緩んでいる人も多いです。同州では6月26日現在、3人以上で集まることは禁止されていますが、SNSを見るとこっそり集まってパーティーをしている人もいるようです」(前出・同) また、クラスターが発生していない地域はというと、対岸の火事という雰囲気があるという。ロックダウンが最初に緩和されてから1か月が経つが、緩和から1週間は道路などでも社会的距離を取る人が多かったが、今では人々はこれまで通りの距離感ですれ違い、レストランも賑わっている。 「いまだに警戒している人もいますが、全員で気をつけようというより、警戒している人が外に出なければいいという雰囲気です。夏の旅行の計画を立てている人も多いので、数か月後が心配になります。日本の方が慎重に行動している人が多い気がします」(前出・同) ドイツでは、新型コロナウイルスへの意識が薄れている人も多いが、再びクラスターが発生しないことを願うばかりだ。
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社会 2020年06月14日 06時00分
評価は日本と正反対? 国内では批判も、ドイツから称賛を浴びた日本政府のコロナ対策とは
新型コロナウイルスの流行に伴い、現在も各国は様々な対応を講じている。日本でも政府が対応に追われているが、日本国内では政府の対応に対し、批判の声がネットを中心に多く挙がっている。 一方で、海外の新型コロナウイルスへの対応を紹介する際、成功事例としてドイツの対応を紹介するメディアは多い。日本国内のコメンテーターの意見やネット上では日本の対策を引き合いに出し、ドイツの医療体制や経済支援を称賛する声が多く見受けられる。しかし、逆にドイツ国民が称賛する日本の対策もいくつかあるようだ。 日本では新型コロナウイルスの感染が拡がる中、4月1日、早々に安倍晋三首相が布マスクを全世帯に2枚ずつ配布すると表明し、4月7日にマスクの配布が閣議決定された。配布されるマスクは俗に「アベノマスク」とも呼ばれ、日本のネット上では当時、「各国は金銭的な補償をしているのに日本はマスクだけ」という批判が相次いだ。現在もまだいわゆる「アベノマスク」が届かない家庭もあり、政府に対する批判の声は止まない。 この一連の流れはドイツでも「アベノマスク」という言葉を使って、広く報道され、日本人から批判が殺到していることも伝えられていた。だが、ニュースを知ったドイツ人の反応は意外なものだったようだ。 「自分たちで用意しろ、ではなく、マスクを政府が配るからしっかりとマスクをしてくれという日本政府の姿勢に感銘を受けたドイツ人も少なくはないようです。ドイツではマスク文化がないのに、いきなり数日後から『スーパーや公共交通機関ではマスク着用』と発表されたので、日本の対応を親切と受け取った人が多いようですね。ちなみに、スカーフで口と鼻を覆うこともマスクの代用として認められていますが、ほとんどの人がマスクを着け、スカーフを代わりにしている人はあまり見かけません」(ドイツ在住日本人) さらに最近では、マスクの着用が新型コロナウイルスの感染拡大防止に役立つという研究結果をドイツ・マインツ大学などの研究チームが発表し、話題になっている。研究結果によると、マスク着用を義務化した地域は新型コロナウイルスの感染者数の増加が抑えられたというが、ドイツのネット上では「マスクを常につけているから日本では感染が抑えられている」「清潔なこととマスクの着用が日本を救っている」と、日本の国名を出して称賛する声が挙がっている。 「昨年末から、新型コロナウイルスが中国で流行り、その後、日本にも上陸した頃は、メディアが新型コロナウイルスのニュースを取り扱う際、アジア人の写真を使用していました。そういった事情もあり、その頃はアジア人というだけで新型コロナウイルスを連想するドイツ人は多かったですね。しかし最近では、アジアの新型コロナウイルスに対する対策も注目し始められ、アジアの中でも日本のマスク文化を紹介するメディアも多いです。そのため、今回、マスクが新型コロナウイルスの感染防止に有効だと発表された際も、アジア全体ではなく、アジアの中でも日本の名前を挙げて称賛する声が挙がったのだと思います」(前出・同) しかし一方で、在独日本人はドイツ政府の対応を羨んでいるようだ。 先日、ドイツ政府は新型コロナウイルスの影響で打撃を受けた経済を立て直すため、7月から12月までの半年間、消費税を19パーセントから16パーセントに引き下げ、食品などに適用されている軽減税率も7パーセントから5パーセントに引き下げると発表した。ドイツではすでに全ての企業がドイツ政府の融資を受けられるなどの大規模な経済対策が行われているが、ここへ来てさらに対策を進めた形だ。 「日本のように世論はそこまで消費税の減税を叫んでいませんでした。にも関わらず、ドイツ政府は消費税減税に踏み切りました。在独日本人からは『やることが的確』『世論に押される前に動くスピード感がすごい』といった称賛の声が挙がっていました」(前出・同) 自国から見る評価と他国から見る評価は違うようだ。
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