日本でも一時、「コロナウイルスは熱に弱く、26〜27度のお湯を飲むと殺菌効果がある」と話題になり、その後、その情報は間違いであると各所で報道されたが、ドイツでも全く同じ情報が拡散された。ドイツでは、お湯を飲むと殺菌効果があるということに加え、「水は飲まない方がいい」というデマの情報が一部で広がったのだ。また、「新型コロナウイルスは太陽に弱く、日光浴をすることで殺菌できる」という情報も広がったが、デマであると一部の専門家が否定している。
「こうした情報のソースは、“中国の病院で働いている友人の叔父”や“政府の機関にいる知人”など様々です。中には、信用している人もいるようで、『今日は太陽が出ているから日光浴をした方がいい』と呼びかけ、実際にしたと写真付きで紹介していた人もいました。ドイツでも学校が休校になるほか、ホームオフィスを推奨する会社が増えています。状況が変わったことで、感染を恐れ敏感になっている人が多いのかもしれません」(ドイツ在住日本人)
一方、ドイツでも日本と同様、買い占めが進んでいるが、日本とは異なり、買い占めを推奨する雰囲気にある。メディアでは2週間ほど家にいても生活ができるような買い占めるべき物資のリストが紹介され、パスタや缶詰、ラスクなどの長期保存ができるものの確保を呼びかけている。自宅で過ごす時間が多くなることを予想して、雑誌類が品薄になっている店もあるようだ。
「ドイツでは緊急時など、必要な際は、政府が国民に買い出しの推奨を促すシステムがあるそうですが、今はまだ推奨はされていません。冷静な行動を訴える人はいるものの、必要最低限の備蓄はすべきという考えの人の方が多いようですね。日本のように、買い占め防止を呼びかける人はあまりおらず、日本人の『必要な人に必要なものが行き渡らないから買い占めをやめよう』と呼びかける文化を見て、『周りのことを考えられる国民』と、感心する人もいます。とは言え、今はまだ怖がって自宅に篭るべきでないと考える人が多数で、万が一に備えるけど、普段の生活をして必要以上に怖がらないというところでしょう」(前出・同)
デマに踊らされず、正しい情報を見極めて行動したいものだ。