>>感染者数1日400人以上も「普通の生活」を心がける人が急増 「withコロナ」を選択したドイツの現状は<<
しかし、日本とは異なり、ドイツでは旅行をしようとする雰囲気が強いという。ドイツのここ数日の新型コロナウイルスの新規感染者数は300〜500人。日本の新規感染者数とそこまで変わらないが、新型コロナウイルスを恐れるより、経済を回すことの方に重きを置いている人が多い。
ドイツ人は“旅行好き”で知られ、毎年1か月の休みを取って家族でバカンスに行くことも珍しくはない。今年は新型コロナウイルスの影響で控える人が多くなると思われていたが、ほとんどの人が例年と変わらず旅行の計画を立てているようだ。
「ドイツではコロナを恐れる時期は過ぎ、今は感染防止に努めるより、できるだけ例年通りの生活をし、普通の生活を取り戻すことが“いいこと”だとされています。ドイツ人は旅行にお金をかけるので、旅行に行くことで経済回復の手助けができると考えているようです」(ドイツ在住日本人)
そのためか、メディアでは夏前から、入国できる国の情報や飛行機の運行状況などが広く報じられてきた。現在、EU国内はほとんどの国が制限なく行き来可能になり、スーツケースを持って空港に向かう家族連れの姿も多く見受けられる。
「まだ慎重派の人ももちろんいますが、そういう人たちは国外ではなく国内旅行を計画していますね。旅行に行かない選択をする人は少ないです。コロナのピーク時に医療崩壊しなかったことで、何かあっても大丈夫と安心しているみたいです」(前出・同)
ドイツ国内の空港などでは航空会社が独自にPCRの検査場を設置したり、大きな空港では無料でPCR検査ができるような体制を整えているようだ。しかし、検査は人に感染させないというより、渡航先で何かトラブルがあった際に自身が陰性であると証明する意味合いが強い。
「国が渡航を許しているのだから、『旅行を自主的に規制すべき』という声や『旅行前に検査をすべき』という声はあまりありませんね。ドイツ人は法律に忠実に従うので、法律で旅行前に検査が必要だとされれば、多くのドイツ人は守ると思いますが、一方で、法律で決められていなければ、それ以上に議論されることはありません」(前出・同)
経済回復に目を向け始めたドイツだが、バカンス明けに感染者数が激増とならなければいいが…。