>>コロナを恐れる時期はもう過ぎた? 感染数日本並みもドイツ人が今年もバカンスに出かけるワケ<<
「バカンス好きのドイツ人。数百人に聞いた独自の調査で、約70パーセントの人が例年通りバカンスに出かけたと報じるメディアもあり、混雑する空港の様子がテレビなどに映ることもあります。しかし、メディアも世間も冷静で、感染者の急増は『予想通り』という反応。今まで通りの生活に戻すことの方が優先され、バカンスに出かけた人を責めることも差別することもありません」(ドイツ在住日本人)
バカンス先としてイタリアやスペインに行くドイツ人は多いが、他のEU各国などリスク地域から帰国した人たちに対しては、8月8日よりPCR検査が義務化された。だが、空港や主要駅への到着時に受診することは”推奨”にとどめられ、空港で検査をしなくても、入国後72時間以内であれば、最寄りの保健局での検査も認められている。検査結果が出るまでは、多くの州では自主隔離をするよう呼び掛けられているが、帰国直後に全員が検査をするわけではなく、空港から出た後に保健局で検査する人がいることも考えられるため、検査を受ける前に、バカンス帰りの人々がどれほど他の人と接触せずにいられるかと不安視する声も一部ではある。
また、バカンス明けの感染者の急増で、「第2波が来た」と警告する専門家もいるが、外出自粛をする人も、呼びかける人も少なく、公共交通機関内や店内ではマスク着用が必須であるにも関わらず、少しずつそのルールが薄れていると感じることもあるそうだ。それを察してか、政府は8月24日よりマスク着用義務の違反に対する罰則を強化。マスクをしなければならない場でマスクを着用していなかった人には250ユーロ(約3万1000円)の罰金が科される。
「元の生活に戻そうという動きとともに、人々の間には気の緩みが生まれている気もします。飲食店は従業員を守る意味で時短営業をしているところもありますが、休業を要請されてはいませんし、例年通り賑わっています。一方で、日本で今、問題視されているような“コロナ差別”は、都会、田舎に限らずほとんどありません。怖い病気というより、一種の風邪だと認識し始めている人が多いような気がします。『日本でコロナに感染した人が差別されることが問題になっている』とドイツ人の友人らに話したところ、『悪いのはコロナで感染者は悪くないのになんで?』と不思議がられました」(前出・同)
バカンスシーズンが明け、ドイツは第2波の到来に備えなければならないのは確かだが、感染者が増えても、コロナ差別とは無縁なようだ。