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スポーツ 2009年10月27日 15時00分
K-1MAX 武田 有終飾れず
“ラストサムライ”武田幸三は引退試合で、MAX初代王者のアルバート・クラウスにTKO負け。真っ向勝負で壮絶に散った。 これまでのMAX歴代チャンピオンの中で唯一対戦がなかったクラウスを“最後の介錯人”に指名した武田。長渕剛さんが魂を込めて再収録した「STAY DREAM」で入場した。 序盤から得意の左右のローキックで攻めたてるも、クラウスも負けじとローを返してくる。さらに左フックやワンツーを被弾すると、右のローでダウンを喫してしまう。 会場からの大「タケダ」コールの声援を受け、不屈の闘志で立ち向かっていくが、ドクターのチェックが入り2分19秒、TKO負け。 最後まで真っ向勝負にこだわったサムライは「長い間、ありがとうございました。生きて、家族のもとへ帰れることになりました」と語り、リングを去った。
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スポーツ 2009年10月27日 15時00分
DREAM “痛撃”桜庭やっぱり大みそか無理
「DREAM.12」で勝利した9選手が26日、大阪市内のホテルで一夜明け会見。前日に病院に直行した“IQレスラー”桜庭和志は、大みそか「Dynamite!!」(さいたまスーパーアリーナ)出撃を保留した。 25日のゼルグ“弁慶”ガレシック戦後、殴られたダメージの影響が懸念され、病院に直行、検査の結果、脳や骨に異常は見つからなかったものの「(ガレシックの打撃が)あまりの痛さにギブアップしようかと考えちゃいました」と振り返るように側頭部の腫れがまだひいていない状態。帰京してからもう一度再検査を受ける予定だという。 試合後の状態を判断し、大みそか出撃を考えていたが「今のところ厳しいんじゃないでしょうか」と消極的な姿勢を示した。 前日に桜庭の大みそか参戦を白紙としていた笹原圭一イベントプロデューサーも「未定ですね。あと2カ月あるので、ケガの治療の状況を見て、相談するしかないですね。」との見解を示した。
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スポーツ 2009年10月27日 15時00分
大日本 佐々木貴 BJWデスマッチヘビー級選手権の暫定挑戦者に
佐々木貴が大日本プロレス12・4横浜文体で行なわれるBJWデスマッチヘビー級選手権の暫定挑戦者となった。 26日、後楽園ホール大会における蛍光灯200本凶器持込3WAYタッグデスマッチを制した佐々木は、ベルト挑戦に名乗りをあげた。 だが、王者・宮本裕向は「俺が佐々木貴に挑戦した時(07年3月)、這い上がって来いと言われた。アイツはそれを忘れているんじゃないか。ベルトを奪いたいならお客さんを納得させて来い」とコメント。かつて自分が実践したように、ファンの支持を集め、王者を振り向かせる戦いを示すことが挑戦の条件とした。 これを受けて大日本は、11・20後楽園大会で2人が激突する6人タッグデスマッチをマッチメーク。横浜文体で宮本VS佐々木のタイトル戦を行うことも発表したが、宮本が佐々木を認めない場合は、王者の意向を汲んで挑戦者を変更する方針だ。 また、3WAY戦で激しく衝突した葛西純と伊東竜二が、11・20後楽園大会で待望の一騎打ちを行うことも決定した。
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その他 2009年10月27日 15時00分
編集局でハプニング 桜花の“パンチラ”キックがGAMIに命中
WAVEのGAMIと桜花由美が26日、リアスポ編集局を訪れ大会のPRを行った。 GAMIは11・1新宿FACEでデビュー20周年記念大会を開催するが、同大会には同期メンバーが集結。GAMI&紅夜叉(OG)&遠藤美月VSコマンド・ボリショイ&福岡晶(OG)&斎藤澄子(OG)という同窓会マッチが実現する。GAMIは「私の現在、過去、未来が詰まった大会になる」という。 また、あす28日、新木場で三田英津子&下田美馬のラスカチョと対戦する2人は「新人の頃、先輩がラスカチョにボコボコにされて、怖くて泣きながら試合を見たことがある。その怖さを肌で感じたい」(桜花)「アルシオン時代、けちょんけちょんにされた。最後は私らしいやり方で送り出したい」(GAMI)と意気込む。三田が11月1日のNEO後楽園大会で引退するため、ラスカチョの他団体参戦はこれが最後。当日は下田の要望で場外フェンスが設置されるが、鉄柵を凶器に暴れ回るラスカチョは新木場が見納めになる。
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スポーツ 2009年10月27日 15時00分
「時代」を彩った男と女・あの人は今 元女子新体操選手・山崎浩子さん
女子新体操で名をはせた山崎浩子は、1960年1月3日生まれの鹿児島県出身。 3歳から中学校までは種子島で育った。新体操の名門・鹿児島純心女子高(東京・八王子にある東京純心女子高校とは同じ系列高)に入学と同時に新体操を始め、メキメキと頭角を表わし、そのセンスのよさが全国に広まった。 進学した東京女子体育大学では「新体操の女王」とまでいわれるようになり、79年から83年の5年連続で全日本選手権の個人総合優勝を果たした。この記録は今でも破られていない。 この偉業によって新体操が新たなスポーツ競技として話題になるきっかけとなって、一気にブームが訪れた。 84年のロサンゼルス五輪で新体操が初めてオリンピック種目となり、山崎はその代表として出場、個人総合で8位に入賞した。この入賞を機に新体操はブームから不動の人気種目となった。 山崎の世界選手権での個人成績は、79年のロンドン大会では20位。2年後のミュンヘン大会で12位。そして83年のストラスブール大会では34位と、もはやこれまでかと関係者は山崎の“限界”を感じていた。 ところが、ロス五輪での8位入賞で見事にカムバックを果たした。だが、その年に山崎は現役を引退。新体操スクールを開設し、タレントとしてもクイズ番組などで活躍した。 しかし、92年に歌手の桜田淳子やバドミントン選手の徳田敦子らと世界基督教統一神霊協会(統一教会)の合同結婚式に出席することが発覚、世間を驚かせた。しかし、93年4月21日に山崎は記者会見で結婚の解消と統一教会脱会を発表した。その後は、アテネ五輪強化委員会新体操強化副本部長、現在は日本体操協会の理事に就任している。◎桜田淳子は今も芸能活動休止 一般的には統一教会といわれる世界基督教統一神霊協会は、その本部を韓国に置き、その地で世界中から集めた男女が見合いを行う合同結婚式と霊感商法で社会的に問題なっている。 桜田淳子は92年6月に「2カ月後に行われる結婚式に参加します」と記者会見し、芸能界とスポーツ界に衝撃が走った。 だが、桜田は結婚した夫の地元である福井県敦賀市に移り住み、93年で芸能活動を休止して宗教活動に入った。94年に長男を出産し、96年に長女、98年に二女と3人の子どもに恵まれた。 00年には兵庫県西宮市に移り住み、04年に東京・世田谷に転居。桜田は統一教会の集会で講演するなどした。06年に14年の沈黙を破ってエッセー集を刊行。07年には女性雑誌のインタビューに応えた。しかし、芸能界への復帰は現在のところ行われていない。
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社会 2009年10月27日 15時00分
鳩山首相の所信表明に麻生前首相ニヤリ
26日午後2時から衆院本会議場で始まった鳩山由紀夫首相の所信表明演説。 冒頭で首相が「あの夏の総選挙の勝利者は国民一人ひとりです」と声高々に語れば、議会の過半を占める民主党議員らは拍手喝さい。逆に野党へと転落し、今や端に追いやられてしまった自民党議員らからは「具体的なことを言え!」「はやく仕事をしろよ」と激しいヤジが飛んだ。政権交代を象徴する光景だった。 その自民党議員らの最後列で腕を組みながらニヤリとほくそ笑んでいたのが麻生太郎前首相。理想の「友愛政治」を語り続ける鳩山首相を横目に、森喜朗元首相と言葉を交わす。その後、満面の笑みで鳩山首相に目を向けるかつての2人の首相。 「やれるもんならやってみろ。これからが大変なんだよ」。口角をつり上げたお決まりの表情を見せる麻生前首相からは、そんな言葉が聞こえてきそうだった。 約1万2900字の長文で、52分という異例の長さとなった所信表明に鳩山首相のヤル気は感じられる。しかし、これからの鳩山政権に問われるのは、その実行力にほかならない。
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レジャー 2009年10月27日 15時00分
天皇賞・秋 スケールアップしたドリームジャーニーが打倒ウオッカへ出陣
連覇を狙う女王ウオッカ一色となった「第140回天皇賞・秋」(GI、東京芝2000メートル、11月1日)だが、牡馬の強豪も虎視たんたんだ。なかでも宝塚記念を制したドリームジャーニーが、秋の深まりとともに円熟度を増している。これまで実績のない東京コースだが、今の充実ぶりなら克服可能。4度目の挑戦となるウオッカを倒して、3つ目のGIを手に入れる。 ドリームジャーニーの課題はたったひとつ。コーナーが3つしかない東京2000メートルの克服だ。朝日CCを勝って勢い十分で迎えた昨年も、見せ場さえつくれず10着に大敗している。 まさに鬼門のコース。しかし、今年は勢いだけでなく、充実と円熟が加味された。2走前の宝塚記念で朝日杯FS以来、2年半ぶりのGI制覇を達成した。昨年は2歳王者のタイトルしかなかったが、今年はもうひとつ大きな勲章がある。上半期グランプリホースのプライドを胸に、府中の杜に立ち向かう。 「確かにコーナーが4つある方が折り合いもついて、レースはしやすいね。でも、今年は宝塚を勝っているように昨年より確実に力をつけている。それだけにコーナー3つの東京もクリアしてくれると思う」と池江寿調教師はうなずいた。 実際、昨秋の天皇賞でウオッカ相手にハナ+クビ差の接戦を演じたディープスカイを宝塚記念で完封した。成績が先細りになりがちだった2歳王者のイメージを一新、経験を積むにつれ、ぐんぐんスケールアップしている。いずれも晩成だった父ステイゴールド、母の父メジロマックイーンの血が、5歳にして輝き始めたのだろう。 鞍上の池添騎手もその充実ぶりに目を細める。「今年に入って体がとにかく良くなってきた。ひと回りパワーアップしている。すごく充実してきたね」 前走のオールカマーを叩いて状態も本番仕様へと仕上がった。1週前追い切りは池添がまたがって栗東ポリトラック。6F79秒8、ラスト1F11秒8の好時計をマークした。鞍上も宝塚記念とそん色のない仕上がりをアピールする。 「休み明けだった前走と違って息遣いがすごく良くなっている。動きも段違い。これなら胸を張って挑める」 同世代の女王ウオッカとは、ダービーをはじめ、過去に3度対戦したが、すべて負けている。リベンジに向けて機はようやく熟した。苦手の東京コース克服、その先に最強馬を打倒するシーンが見えている。
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レジャー 2009年10月27日 15時00分
天皇賞・秋 東京6勝のシンゲンが天下統一
東京巧者はウオッカばかりではない。当地ではメンバー最多の6勝を誇るシンゲンが、女帝への下克上を高らかに宣言した。 前哨戦のオールカマーは、マツリダゴッホの前に3着と後塵を拝しているが、相手は現役屈指の中山のスペシャリスト。「きょうはコースの上手な馬に勝たれた」と藤田騎手はサバサバした表情で振り返った。これだけ余裕をもって語れるのも、むろん「東京に行けば何とかなる手応えはつかめた」からである。実績のない中山で初めて手合わせした一線級を相手に0秒3差。視界はグッと開けた。 それにしても、今シーズンの充実ぶりは目を見張るものがある。重賞2連勝を含め、4戦3勝、3着1回。とりわけ、東京と同じ左回りの新潟・新潟大賞典は、芝2000メートル1分56秒9と破格のタイムを叩き出し、2着以下を0秒5突き放す圧勝劇だ。コースの違いや馬場差があるとはいえ、そのときの時計はウオッカの自己ベストを0秒3上回っている。 典型的な大器晩成型で、「夏を境に一段と進化を遂げている」と大上調教厩務員。とくに精神面の成長が顕著だという。「オンとオフの切り替えが上手になり、パドックでイレ込んでいても、馬場に出ると落ち着くんです」 6歳の秋を迎えて完成の域に近づいたとなれば、GI初挑戦で偉業達成のシーンも決して夢ではなくなった。状態もますます快調だ。 それを証明するように、1週前追い切り(22日、美浦ポリトラック)は終い重点に、6F82秒6→65秒3→50秒6→37秒3→11秒1(馬なり)をマーク。2馬身追いかけたミヤビタカラオー(古馬500万)を並ぶ間もなく捕らえ、逆に2馬身突き放した瞬発力はケタ違いだった。 ケイコ役の斎藤助手、大上調教厩務員は口をそろえ、「状態は間違いなく前走以上」と太鼓判を押した。そして、「相手にとって不足はありません。ポテンシャルはGI級だし、チャンスは十分ありますよ」と力強く締めくくった。 心・技・体ともに成熟したシンゲンが、遅ればせながら天下統一に動き出す。
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レジャー 2009年10月27日 15時00分
丹下日出夫の若駒通信簿 ローズキングダムはクラシック級
京都開催3週目の昨年の新馬芝1800メートル戦はアンライバルド、リーチザクラウン、ブエナビスタのワンツースリーで決着をみたが、ご丁寧にも4着のスリーロールスが、何と3冠目の菊花賞を制覇。「伝説の新馬戦」なる形容が、あと数年はついて回るだろう。 本年のローズキングダムの走破タイムは、昨年のアンライバルドを2秒8も上回る1分48秒9。しかも、明らかに前年より速いペースで進みながら、上がり3Fのレースラップは、ゴール板が近づくにつれ、加速する形で11秒6→11秒3→11秒3(34秒2)。ローズ自身の上がりも33秒9(前年のアンライバルドは33秒8)。456キロとナリは小さいが、母はオークス、秋華賞、エリザベス女王杯のすべてで2着に踏ん張ったローズバドとあれば、血統的にも文句なし。これまでの新馬の通信簿では最上位の4.5をあげたいと思うが、どんなもんですかね? 勝ち馬に比べると、若干ロスがあった分、3/4馬身差だけ届かなかったが、となると2着のヴィクトワールピサ(半兄はアサクサデンエン)の役割は、リーチザクラウンになるのか(笑)。 東京芝1800メートルを大外一気の強襲で決めたレッドバリオスも1分50秒4、上がり3F34秒5という数字以上に印象は強烈。次走、時計を詰めてくるようなら、もうワンステップアップも十分。 クラシックの登竜門のひとつである東京マイルのいちょうSは、前半4Fが47秒8、5F通過が60秒2と、ややスロー寄りの単調な流れ。押し出される形で早々にアーバンウィナーが直線半ばで先頭に立ったが、フワッと息を抜いたところで、トーセンファントムが上がり3F34秒0の脚で強襲。1分34秒9まで数字を伸ばしてきた。ただ、3着のセイウンジャガーズも含め、展開次第では上位3頭の着順は入れかわっても不思議はない。 京都芝1400メートルのかえで賞は、1200メートル通過が1分8秒1という激流にアシストされた形とはいえ、コスモセンサーは1分20秒7のレコード。新潟2歳S時は、何だか抜け殻のようにしてパドックを周回していたが、これが本来の能力だろう。しかし、距離はマイルが限界。 初戦ゆえ、時計は見劣りするものの(1分21秒4)、いずれは前日の新馬を勝ったインプレッシヴデイに、とって代わられるかもしれないなぁ。
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トレンド 2009年10月27日 15時00分
「リアル・ミッション」オヤジの夢を追いかけて メタボ記者の挑戦
おのれの肉体を駆使し最速70キロのスピードを体感せよ。競輪のだいご味であるスピードを肌で感じようと、本紙競輪記者が自らレーサーを志願。今回は、競輪界のアイドルユニット「ラブナイン」と共にレースに挑戦。年齢制限が撤廃され、選手への門戸が再び開かれた今、“オヤジ”が夢をかなえるべく、バンクを爆走した。 四捨五入をすればとうに40歳。アラフォー世代の仲間入りを立派に果たした、自他ともに認めるメタボ記者が訪れたのは、11月7日に超一流レーサーたちが集う記念競輪(GIII)の開催を控えた群馬県にある「前橋グリーンドーム」。 振り返れば競輪との出会いは約20年前。高校生の時に初めてバンクを疾走する選手のスピードにあこがれ衝撃を受けたのは、今でも鮮明に記憶している。なぜあの時に選手ではなく、車券師の道を志してしまったのか…。そんな若かりし日の苦い思いを振り払いながら、前橋バンクに足を踏み入れた。数年前に年齢制限が撤廃。脚力さえあれば、誰でも競輪選手になれる。記者から競輪選手への転向。異色のレーサー誕生のサクセスストーリーがここから始まるはずだった…。 レース場でラブナインの女の子たち、プロデュサーの西沢モトさんと合流。会うやいなや、西沢さんから記者のメタボ腹を指摘される。この日のために100キロオーバーの体を少々絞ったのに…。エアロビクスで全日本チャンピオン(1990年)まで上りつめた西沢さんから見たら、記者のまだたっぷんたっぷんした体が、気にならないはずはない。分かっているけどテンションはちょっと下がり気味。 そんな中でラブナインにあいさつを済ませると、美人レーサーたちは手なれた様子で競技用の自転車を組み立て始める。これまで同じような光景を何百回と眺めてきた記者だったが、いざ自転車を組み立てるとその手はおぼつかない。かわいい女の子たちの前で醜態をさらし、“ヘタレキャラ”が定着…。 今度は西沢さんのアドバイスを聞いて、組み上がったリーダー・トモミちゃんの競技用の自転車を借りライドオン。風の抵抗が少ないドームの屋内バンクは、実に走りやすく気持ちがいい。俗に33バンクと呼ばれる1周が335メートルのコースは、400メートルが一般的な競輪場においては小回りの部類。その分、コーナー部分に設けられたカント(傾斜)はきつい。バンクでの走行初体験の記者にとっては、このカントが最大の難関だった。 「まずは内側の傾斜がないところで慣れるまで走ってみましょう」と西沢さんに命じられるままバンクの内側を走行。“ママチャリ”と違う前傾姿勢での乗車スタイル。おなかの肉に多少、違和感を覚えながらも、余裕で約10周(3キロメートル)を消化。ラブナインのかわいいお尻を追いかけながらの周回練習。女の子に交じってのニヤニヤ走行で心臓の負担も軽減され、どこからか妙な自信もわいてきた。この時の体感スピード約20キロ…まだまだいける。 しかし、これまでは足ならしだった。いよいよ、ここからが本番。選手がレースで使用しているカントのあるコースに挑戦。 「コーナーではスピードを出して、ハンドルは無理して切らないこと。傾斜があるので自然と曲がっていきます」と西沢さん。ラブナインの女の子たちは、普段の練習通りバンクの上と下を行ったり来たりと、スイスイと走路内を縦横無尽。が、記者は傾斜36度のコーナーにビビって、なかなかバンクに上がれない。36度って、スキーやスノボー体験者なら分かると思うが、イメージとしては、前に壁があり絶壁のコーナーに向かって自転車を踏み上げて行っているような感覚になる。 ペダルを目いっぱい踏み込むが、記者の重い体にかかる重力がジャマをして、なかなかうまく走れない。 それでも恐怖心と闘いながら、やっとのことで10周を走り抜くことができた。この時の体感スピード約30キロ…ヤ、ヤバいかも…。 総仕上げとして、西沢さんがセッティングしてくれたのが、ラブナインのメンバーに記者を加えた先頭交代練習。10人が一本棒になって走り、1周ごと先頭が入れ替わる。っていうことは最低でも10周しなければ、終わらない…。もうこの時には競輪選手への夢はとっくに断念。へたばる記者とは対照的に息のまったく上がっていないラブナイン。とにかく早く終わってくれという思いだけで、再び自転車にまたがった。 ラブナイン切っての実力派・サトコちゃんの後位追走を試みるが、ラブナインのハイペースに記者だけが遅れるお粗末なランデブー走行。10周目にやっとめぐってきたトップ周回では、脳に酸素が回らず酸欠の金魚のように口をパクパク。思考回路は停止し、目の前はもう真っ白。この時の体感スピード40キロ未満…ラブナインのすごさを知った貴重な体験はプライスレスでした。◎突撃後記 今回バンク練習に参加させてもらった「ラブナイン」は、走る! 踊る! 歌う! と3拍子そろった競輪界のアイドルユニット。2007年に松戸競輪からデビューを果たした彼女たちは、現在では20数カ所に及ぶ競輪場でパフォーマンスを行う全国区のアイドルに成長。追っかけができるほど、競輪ファンには認知されている。セクシーなユニフォームに包まれた彼女たちのボディーは、一見華奢(きゃしゃ)な印象を受けたが、決してそんなことはなかった。彼女たちの肉体はその道を極めた西沢さんからトレーニングされたアスリートのそれだった。 「競輪の活性化と今の時代に沿ったエコである自転車の魅力をさまざまな場所で伝えていきたい」とラブナインが目指すものは大きい。31日と11月18日にはホームバンクの松戸ナイター競輪決勝日にパフォーマンスが行われる。来年3月のGI松戸ダービーでの出演もすでに決定。ビッグステージでの迫力ある走りとラブパフォーマンスに、これからも期待しよう。
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