−−秋初戦の神戸新聞杯では惜しくも2着に敗れてしまいました。
「ちょっと休み明けで気合が空回りしていましたが、ホント負けるとしたらあの形しかないという競馬をやられましたからね。それに、内枠で狭いところへ外から次々にかぶされる展開でムキになって走っていた。でも、いったん抜け出たフサイチリシャールを差し返したし、並んでから抜かせないサムソンの勝負根性を見せてくれた。石橋さん(石橋守騎手)も馬の口を取りにいったときはサバサバとした表情でしたから、決して悲観する負け方じゃなかったと思いますよ」
−−前走後の様子はいかがでしたか?
「僕と同じで自分のリズムを崩されると、すごく怒って反抗するんですが、神戸新聞杯のときはこの馬にしては珍しく従順すぎましたからね。その点、今は力をみなぎらせるときがあるかと思えば、まったりとリラックスするところを見せたりと、春のダービー前と同じサムソンになっていますよ」
−−春から比べての成長度はいかがですか?
「もともと緩い馬で甘やかすとボテボテの体になっちゃう体質の馬だったのですが、この夏は普通の調教を終えた後に連日、プールで泳がせましたからね。しかも、泳ぎが速くて必死の形相でプール調整をこなしてくれた。今のパワーみなぎるサムソンを見ていると、この夏やってきたことが無駄ではなかったとあらためて思う」
−−その言葉通り、12日の1週前追い切りでは、マルカジークを1秒も追走して半馬身先着。DWコースで、6F78秒0→64秒0→52秒2→38秒0→12秒5(一杯)と出色の時計を叩き出した。
「2日前の火曜日の時点で『今週はビシッとやる』と先生(瀬戸口師)がおっしゃっていた通り、DWでハードな追い切りを敢行しましたが、折り合いを欠くことなく落ち着いていて、最後までしっかりと伸びていました。またがっていた石橋さんも気分が良かったのか、ニコニコして戻ってきたし、もう何も言うことはないでしょう。もう直前はおそらく単走になるでしょうね。追い切り後の計量で528kgだったし、前走より4-6kgは絞れるはず。見た目も随分と引き締まりましたからね」
−−最後に史上7頭目の3冠馬に向け、抱負を聞かせてください。
「これほどまでにパワーを付けたサムソンにとって、広い京都コースにかわるのは間違いなくプラスだと思うし、先生の最後(来年2月で定年引退)のクラシックを2冠馬で挑めるこの一瞬はとてもうれしい。ほかの17頭全馬が相手だと思うが、サムソンがサムソンの競馬さえしてくれれば、おのずと結果は出せるでしょう」