スポーツ
-
スポーツ 2011年03月16日 19時00分
愛知県豊田市発! 名古屋グランパスSA、義援用飲料水集め
2011年3月15日、名古屋グランパスの準ホームスタジアムである「豊田スタジアム(愛知県豊田市千石町)」で、サッカーJ1・名古屋グランパスのサポーター組織「サポーターズアソシエーション(SA)」が2011年3月11日の東日本大震災の被災地に送るための飲料水を集めた。 対象は500ml以上のペットボトルで、水、お茶、スポーツ飲料のみである。また、救援物資が現地で迅速に展開できるようにペットボトルをケース単位での提供を新聞やインターネットなどで呼びかけた。15日、スタジアム南駐車場で午後3〜10時まで受け付けを行った。 名古屋グランパスSAでは、テレビ局を通じて義援金の受け付けが始まっているが、義援金以外に我々ができる即効性のあるご支援として、被災直後の厳しい状況に直面している方々が直接役に立てられることができ、さらに取り急ぎの物資として飲料水が不足している情報を聞き、「義援用飲料水」の提供を呼びかけることになった。 今回、「義援用飲料水」の提供を受けることにあたり、福島県災害対策本部に連絡を取り、個人としての物資の提供は混乱を招くため、提供された「義援用飲料水」をULTRAS NAGOYA及びグランパスSAが取りまとめ、しかるべき機関を通じて現地へ輸送することになっている。(写真:「豊田スタジアム」愛知県豊田市千石町7-2)(「三州の河の住人」皆月 斜 山口敏太郎事務所)参照 山口敏太郎公式ブログ「妖怪王」http://blog.goo.ne.jp/youkaiou
-
スポーツ 2011年03月16日 15時30分
日本人メジャーリーガーはどうなる? 「イチロー=マリナーズ」 今季は前人未到の記録と『ディケイド表彰』
今季、前人未到の11年連続200本安打に挑戦する。かなりの高い確率で記録は達成されるだろう。イチロー(37=シアトルマリナーズ)がメジャー10年間で放った総安打数は2244本。そのうち、内安打は527本。2244本のうちの23%強を「足で稼いだ計算」になる。現役メジャーリーガーの首位打者、アルバート・プホルスはイチローと同じ01年から10年連続で3割をマークし、計1900本のヒットを放った。しかし、内安打は120本程度しかない。内安打の総数から見て、いかにイチローが特異なバッターであるかが分かる。 また、昨季の成績を見ると、イチローは「俊足タイプ」から変貌しつつあるようだ。まず、1番バッターの勲章である『得点』が「74」まで激減した。イチローがヒットで出塁しても、後続のクリーンアップが不甲斐ないから本塁まで帰って来られないのだ。この得点効率の悪さは、チームに頼れる大砲タイプのバッターがいないことも表しているが、イチロー自身も出塁率、盗塁成功率も2年連続でダウンさせた。とはいえ、得点圏打率は相変わらず高い。こうした“近年の傾向”が『年間200本安打』の内訳も変えそうなのである。 「一時期と比べ、一塁ベースを駆け抜けるまでのスピードが遅くなった」 米メディア陣の1人がそう言う。これは個人の心象ではなく、MLBデータや対戦チームのアナリストの証言によるものだそうだ。「極端に足が遅くなった」という意味ではないが、今季38歳になる年齢的なものなのだろう。09年まで、イチローはバッターボックスから一塁ベースを駆け抜けるまで「3.7秒」とされていた。メジャーの左バッターの平均値が「4.1秒」だから、本当に足の速いバッターである。しかし、昨季は「3.8秒以上」と捉えられている。 この米メディア側の証言も加味すると、今後、イチローが内安打を量産する可能性は低い。おそらく、内野手の頭を越えるクリーンヒットを狙うバッティング・スタイルを強く意識してくるのではないだろうか。 09年、イチローが苦手としていた対戦投手はレッドソックスのベケット(18打数2安打)、ホワイトソックスのダンクス(18打数3安打)だった。しかし、翌10年、イチローを低打率に仕留めたのはメッツ・ロドリゲス(24打数2安打)、タイガースのJ・ベノア(34打数6安打)に変わっている。「苦手投手ができても、やられっぱなしで終わらない」のが、イチローの凄いところでもある。 昨季、出塁後のイチローを生かす2番打者として期待されたのが、エンゼルスから移籍していたフィギンズだった。そのフィギンズは極端な不振に陥ってしまった。イチローとの仲は「良好」とも聞いていた。しかし、 「エンドランやダブルスチールなど、今までになかった『イチロー・スタイル』も見られるのではないか?」 そんな地元ファンの期待は裏切られた…。 イチローの『得点』が一気にダウンしたのは、チームメイトの不振によるものである。 マリナーズはフィギンズを守備負担の多いセカンドからサードにコンバートさせ、打撃面での復活に期待を寄せている。また、大砲候補(クリーンアップ)として新加入したのがカスト。昨季まで在籍していたアスレチックスでは「対右投手用の指名打者」として使われてきた。パワーヒッター・タイプのわりには出塁率が高いが(3割9分5厘)、近年は精彩を欠いている。 マリナーズが「イチローのチーム」と賞されて久しい。特別扱いなる皮肉で使われるときもあるが、この10年間、高い数値での安定した成績を残してきたのはイチローだけであり、「そのイチローをどう生かすか」がオフの補強テーマでもあった。フィギンズ加入が決まった昨季は『イチロー&フィギンズ』のコンビで機動力チームになると思われたが、失敗。今季は、そのフィギンズに復活の期待を寄せ、同時にイチローを本塁に帰還させるクリーンアップ候補として、カスト、ミゲール・オリヴォが加入した。シアトルの地元ファンは02年以降、長くチームが低迷しているせいか、冷めた眼で見ているという。 フィギンズが立ち直らず、新加入の2人が機能しなければ、イチローを1番から3番にコンバートする構想も再燃されそうだ。もっとも、イチローは「1番の打順」に強くこだわりを持っているとも聞くが…。 オールスター戦が開催されるころには、優勝戦線から脱落、次年度の補強に向けたベテランの放出…。そんな体たらくが毎年繰り返されているのに、集中力が途切れないイチローの精神力はやはり並大抵ではない。アメリカではディケイド(10年)ごとに、権威あるメディアが10年間のベスト選手を表彰しているが、このなかにイチローが選出されるのは必至であり、殿堂入りも確実と思われる。 11年連続の前人未到の記録達成ももちろんだが、優勝争いの緊迫した場面で打席に立つイチローが見たい。※外国人選手名などの方仮名表記は統一事例がありません。共同通信社刊「記者ハンドブック」の外国語用例集、及びベースボール・マガジン社刊『月刊メジャー・リーグ』を参考にいたしました。
-
スポーツ 2011年03月16日 11時45分
2011年センバツ大会特集 高校球児は被災地の勇気に…
3月15日、第83回選抜高校野球大会(以下センバツ)の組み合わせ抽選会が行われた。抽選会は例年とは違う異様な光景が衝撃的だった。抽選くじを引くために壇上に上がった出場校のキャプテン、会場入りした監督、部長、そして一部高校の野球部員たちは被災地の皆さんに対し、黙祷を捧げた。そして、震災地にある東北高校(宮城)は、抽選会に出席できない旨を伝えていたため、1回戦の最後となる第6日の第1試合に割り当てられた。 震災後の混乱もおさまっていないこの現状で、センバツ大会を無事に行うことができるのだろうか。 年長の監督たちは言葉を選びながらも、「人々が頑張ろうという気持ちになれば」と語ったが、表情は暗かった。東北高校・元指揮官でもある九州国際大付校(福岡)の若生正広監督は、「勇気と力を与えてほしい」と強く訴えた。光星学院(青森)が直前合宿から帰郷できず、そのまま大阪入りしたのは既報通り。同校・仲井宗基監督は「大変な地域同士の対戦になり、思いはお互い強いものがある。こうこう状況でも野球をやらせてもらえることに感謝し、いいプレーを」と語った。1回戦の対戦相手は茨城県・水城高校である。 会場入りできなかった東北高校だが、大会事務局を通じて、「今は野球のことは何も考えられない。昨日やっと寮に電気が通ったが、水は不足し、食料も後何日持つかという状況」と、切実な状況を吐露してくれた。 東北高校の野球部員は近くの避難所に出向き、給水活動を手伝っているそうだ。 年長の監督たちが語ってくれた「勇気」にも共鳴できる。しかし、切実な状況を聞かされると、出場校の部員たちがプレーに専念できるのかどうか、分からない。高野連は18日に予定している臨時運営委員会で開催可否を決めることを、改めて伝えてきた。 「この抽選会にしてもそうですが、高野連は大会スケジュールを動かさないことで、まずは混乱を防ごうとしたようです。被災地の状況を見極めながらになりますが、予定通り大会を開催したいと考えているようですね」 何人かの他社メディア陣とも話をしたが、そんな印象を持った取材陣は少なくなかったようだ。 被災状況の激しい東北地方からは、東北、光星学院、21世紀枠で大館鳳鳴(秋田)の3校が出場する。 同日の抽選会の限りでは、球児たちの家族に関する被災状況までは分からなかったが、「震災後、練習ができていない」と打ち明けてくれた学校(他県)もあった。 大会ナンバー1投手の呼び声も高い吉永健太朗(3年=日大三)、150キロ右腕・釜田佳直(3年=金沢)、強打者・牛崎洸太(3年=前橋育英)、2年生エース・川口貴都(国学院久我山)など、今大会は好選手も多い。阪神・淡路大震災が起きた95年、近畿・関西地区からは育英、神港学園、報徳学園、伊都、郡山など5校が出場。神港学園はベスト8に進む健闘を見せてくれた。代表32校の球児がベストコンディションで甲子園入りできるのかどうか…。だが、予定通り、23日に開幕するのなら、東北地区から出場する3校はもちろん、代表32校全ての球児の頑張りが被災地の皆さんの勇気になってもらいたい。(スポーツライター・美山和也)
-
-
スポーツ 2011年03月15日 17時59分
全日本プロレスから被災地の皆様にコメント
3月11日に起きた東北地方太平洋沖地震によりなくなられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災され不自由な生活を余儀なくされている皆様に心よりお見舞い申し上げます。 弊社全日本プロレスは、地震発生当日、石巻にて大会を行う予定でおりました。 選手は移動のバスの中、スタッフは大会会場である石巻市総合体育館にいました。 幸い選手・スタッフ全員無事でした。選手は翌日夜遅くに東京に戻ってくることができ、スタッフも避難場所を石巻高校に移し、昨日そこから移動し、本日全員帰ってくることが出来ました。 私たちは幸いにも全員無事に戻ってくることができましたが、被災地では多くの方々が今なお不安で困難な状況にいます。こうして助かった私たちが今何ができるのかを模索し、出来る限りの協力をしていきたいと思っております。 一人でも多くの方が救助され、一日でも早く心休まる日が来ることを祈るばかりです。 被災地で生きるために戦っている皆様へ少しでも力になれればと思い、各選手からのメッセージをお伝え致します。 希望を捨てることなく、頑張ってください。 全日本プロ・レスリング株式会社 代表取締役社長 武藤敬司<諏訪魔選手> 『被災地の皆さん、頑張って生きてください。今は生きることだけ考え諦めないでください。俺も今、自分自身に何をすることが出来るのか24時間考えてます。このコメントが一人でもいいので届いて力になれたら幸いです。皆さん、絶対に生きてください』<船木誠勝選手> 『希望を捨てず 自分の身を守る事に集中して生き延びて下さいこれ以上災害が酷くならない事 一刻も早い復旧を願います』<近藤修司選手> 『今回の被災は自分にとっても一生忘れられないできごとになると思う。まだ被災されてる方々、現地で大変な思いで救助されてる方々、現場を生で見ているだけに困難な状況だと思いますが、どうか無事で平穏な日々に戻ることを強く願っています。また、被災の少ない地域の住民の方々は少しでも協力できることがあったら進んで協力しましょう。僕からの切実なる願いをどうかお願いします』<大和ヒロシ選手> 『無事に帰ってこれたことに感謝すると同時に、無事であることをこれから少しでも役立てられたらと思います。私なんかに出来ることなどごく僅かかも知れませんが、それでもそのごく僅かなことに全力を尽くすつもりです。被災地の方々は、今本当に辛い状況だと思いますが、希望は絶対に捨てず、この状況に負けないで下さい! 被災地が早く復興することを、心から願っております』<カズ・ハヤシ選手> 『東北地方太平洋沖地震におきまして、被害に遭われた皆様に心よりお見舞い申し上げるとともに、犠牲になられた方々と、ご遺族の皆様に、深くお悔やみ申しあげます。今自分が出来る事を精一杯して助けあっていきましょう』<征矢学選手> 『被災から3日が立ちました、M9の大地震から余震が度々続いています。地震だけではなく津波、被ばくの恐れで不安を抱えていることだと思います。こんな時だからこそ人と人とが手をとり、お互いが助け合っていく必要があるのだと思います! 自分たちも今できる最大の助け合いをやっていきたいと思います! 今でも苦しんでいる被災地の皆様、簡単に言えないことですが、今は不安と戦っていると思います、希望を捨てずに生き抜きましょう。先ずは生き抜くことが第一だと思います!』<KAI選手> 『地震発生時、自分達は石巻に向かっている仙台南部インター手前の高速を走っていました。あの時に前日入りしてたら、もう少し早く海岸線を走っていたらと思うと…。今無事に横浜に帰って来た奇跡を感謝です。そして、被災されて避難所生活されている方々、想像もつかない苦労があり大変だと思いますが気を確かに頑張って下さい。全日本プロレス東北ツアーを今回見に来る予定だったファンの方達の為にも、いつの日か絶対に再開したいです。一日も早い復興を祈ってます』<KENSO選手> 『被災者の皆さんにお悔やみを申し上げます。現地では想像を絶する事態が続いている事と思います。依然石巻に残されている被災者の皆さん、又、わたくし自身も現地にいる親戚と連絡が取れず、今だ孤立し食べ物も届かず寒さに耐えている方々が大勢いるという報道に胸をえぐられる思いです。一刻も早く隅々まで救助の手が届くことを切に願うばかりです』<浜亮太選手> 『皆様、今は本当にこれから本当にこの街は復旧するのか、僕たち私たちは本当に助かるのかといった恐怖、不安な気持ちでいっぱいだと思います。まだ僕も31歳とゆう年齢の若輩者ですし、偉そうな事を言う訳ではありませんが、僕は人間何事も諦めない気持ちと気力だと思います。お先真っ暗な、イライラや漠然とした気持ちになるのもわかります。しかし焦っては事をし損じます。被災地では物資の不足や、ご親族の方々の安否も気になり心休まるときがないとは思いますが、こうゆう時こそ冷静になって、助けが来る、必ず復旧する事を信じて頑張って下さい! 信じる者は必ず救われます。言うのは簡単だとお叱りになるかもしれませんが、僕は皆様に、地震が来る前の笑顔が戻る日が必ず来る事を信じています。 本当に辛いと思いますが、【人間我慢と辛抱!】僕が相撲界で学んだ好きな言葉です。 頑張って下さい!!』<BUSHI選手> 『東北地方太平洋沖地震におきまして震源地付近にて僕も経験をしました。幸いにも自分と家族は無事でした。被害に遭われた方の一人でも多くの方がご無事でありますように、そして失われた沢山の命に哀悼の意を表すると共に謹んでご冥福をお祈り致します』<中之上靖文選手> 『東日本大震災で被災された方々にお見舞い申し上げます。お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り申し上げます。被災地の方々の事を思うと心が痛みます。1日も早く心穏やかに過ごせる日が訪れるのを心より願っています』<真田聖也選手> 『今回の事で生きてる事の本当の意味を深く考えさせられました。まずは自分から何が出来るか考えます。今は一生懸命に。被災地の皆さんが一刻も早く楽しくなれますように…。今回の震災でお亡くなりになられた方に心よりお悔やみを申し上げます』<征矢匠選手> 『テレビで見て、驚愕しました。被災地の皆さん、今は出来ることを精一杯やって、希望を捨てずに頑張ってください。辛いかもしれません。でも、絶対に負けないで、生き抜いてほしい』
-
スポーツ 2011年03月15日 15時30分
キャンプ・オープン戦中間報告「阪神」 新人・榎田が先発人材難を救えるか…
真弓明信監督(57)は外野守備を大事にしている指揮官だと思った。昨年秋から、内野手の坂克彦(25)が外野の守備練習を始めたのは聞いていた。内野の現レギュラー布陣は「一塁・ブラゼル、二塁・平野、三塁・新井貴、遊撃・鳥谷」。平野恵一(31)は外野でスタメン出場しているように、何処まで守れるユーティリティー・プレーヤーではある。しかし、この内野布陣に割って入るのは並大抵ではない。坂の打撃には定評がある。近鉄、楽天時代から守備センスも買われており、「広い守備範囲の見込める選手」を外野で起用していくつもりなのだろう。 しかし、ベテランの多いチームだからか、キャンプは全般的にスロー調整だった。 新戦力は小林宏之(32=登録名は「小林宏」)、藤井彰人(34)、新人選手とトレード加入の新井良太(27)…。繰り返しになるが、近年は外部補強が多かったせいか、今季はプラス材料が少なく見える。昨季、終盤8回に81点も失った。一昨年が40失点だから、守護神・藤川球児(30)に繋ぐセットアッパー役として、小林宏之を得たのは大きい。しかし、もう1つの弱点は補われていないようだった。先発投手の頭数すら足らなくなるのではないだろうか。 久保康友(30=14勝)、能見篤史(31=8勝)、スタンリッジ(32=11勝)はともかく、4番手以降には不安要素が多すぎる。左肘の故障で昨季を棒に振った岩田稔(27)は、何処まで回復したのか未知数だ。新人の榎田大樹(24)は賛否両論。不振で中継ぎ、二軍落ちの屈辱も味わった安藤優也(33)、あとは、メッセンジャー(29=5勝)、昨季途中で息切れした鶴直人(23=2勝)、二軍スタートとなった秋山拓巳(19=4勝)くらいだ。不本意なシーズンが続いている上園啓史(26)、昨季途中からスリークオーターに転向した小嶋達也(25)、ベテラン・下柳剛(42)も候補に入れなければならないだろう。 しかし、阪神は「打撃のチーム」だ。絶対的な守護神・藤川もいる。たった1点でも、リードした状況で最終回の守りに入れば、なんとかなる。4番手以降の先発投手は「最低限の仕事」をしてくれればいいのである。「最低限の仕事」とは、責任イニングの5回を投げきること。昨季は5回までもたずに降板した試合が36試合もあった。うち、3回ももたなかった試合は13試合(12球団ワースト)。榎田の第一印象だが、ストレートはあまり速くない。キャンプ序盤のブルペンだったので、変化球はほとんど投げていなかったので、精度に関する論評は避けるが、コントロールは良い。低めにもしっかりと、「ストレートと同じ腕の振り」で変化球を投げ込んでくる。その点では、「実戦向きの左腕」であり、最低限の仕事はしてくれるはずだ。ただ、投球モーションが気になった。振りかぶった後、首をすぼめるようにして両腕を開く。179センチと恵まれた体格をしているのにダイナミックさが感じられない。プロ野球解説者たちが「投げてみなければ分からない」と言うのはそのせいだろうか。 高知県・安芸にキャンプ地を移した後だが、「凄い!」と思ったのが、ドラフト5位の荒木郁也(22=明治大)。投手と捕手以外は何処まで守れるユーティリティー・プレーヤーで、東京六大学でショートとセカンドの両方でベストナインにも選ばれている。「足が速いこと」はドラフト当時も伝えられていたが、ハツラツとしていて、中日・井端、西武・中島にも似たタイプだ。守備、走塁では即戦力なだけに、もうちょっと打撃力が欲しい。センターでのスタメンが予定されている藤川俊介(23=登録名は「俊介」)、前田大和(23=登録名は「大和」)もそうだが、スピード感のある若手もいる。坂の外野コンバートもそうだが、真弓監督は『俊足、堅守チーム』の近未来像を描いているのではないだろうか。 打線は主砲・金本知憲(42)が何処まで回復してくるのか分からない。4番は新井貴浩(34)で固定すると思われるが、気になる点も1つ。城島、鳥谷、平野などレギュラー陣は昨季、過去最高の数値を残している。マートンにしても、大きく沈むとは考えられないが、2年連続200本安打までの期待はできない。新・1番として期待の掛かる藤川俊介が「3割5分強の出塁率を記録すれば」とは思うが、林威助(32)、葛城育郎(33)、桜井広大(27)らの放つ打球はフリー打撃でも「伸びる」。彼らとの併用になるのではないだろうか。林たちが成績ダウンの予想される城島たちをどう補うか、注目したい。 その城島健司(34)は急ピッチで調整を続けており、開幕戦も「出る!」と言っているらしい(3月12日時点)。長期化も懸念された左ヒザの状態はかなり良いらしいが、FA獲得した藤井を使わないのはもったいない気もする。藤井は楽天時代、“岩隈のご指名”を受ける日も多かった。リード面に優れた捕手というより、「投手が投げたいと思っているボールを投げさせるタイプ」だと聞く。一昨年までの矢野燿大(現評論家)、城島は「オレに付いて来い」のタイプ。違うタイプの捕手が入ることで不安要素の多い先発投手陣が覚醒するかもしれない。不振の安藤、野口寿浩喪失後(現・評論家)、精彩を欠く上園あたりとは相性を試してみるべきだろう。その藤井がキャンプ中、声を出すなど存在感をアピールしないのはちょっと気になったが…。 オープン戦の打撃陣の不振は、真弓監督も覚悟していたと思う。ベテランの多いチームは調整だけでなく、本領を発揮し出すのも遅い。前半戦は勝率5割。交流戦半ばから打線に火が点くのではないだろうか。 4番手以降が先発する日はそれなりの失点を覚悟しなければならない。打線は昨季ほどの爆発力はないものの、「機動力」を持った俊介、荒木が頭角を現しつつある。技巧派左腕・榎田が千葉ロッテの成瀬のような変幻自在の投球術を見せてくれれば、阪神は中日の連覇を阻む最有力候補だろう。(スポーツライター・飯山満)
-
-
スポーツ 2011年03月15日 15時30分
日本人メジャーリーガーはどうなる? 「松井秀喜=アスレチックス」 100打点のノルマ克服で復活を目指す
復活のシーズンになるのではないだろうか。キャンプでは全力疾走していた。違和感もなく…。昨年の今頃は手探り状態だった。関係者によれば、メスを入れた左膝の痛みが再発するのを恐れて、ほとんどバットを振らないまま、エンゼルスのキャンプに合流したという。だが、今季は違う。左膝の違和感もなくなり、相当量の練習をこなして新天地・オークランドアスレチックスに合流したという。 アスレチックスが37歳を迎える松井秀喜を獲得した理由は、前年のエンゼルスと同じである。中核を任せられる強打者が欲しかったからだ。しかし、アスレチックスのビリー・ビーンGMが松井に寄せる“期待”は、もっと具体的だ。 「100打点を期待している」 昨季、アスレチックスはメジャー30球団中トップのチーム防御率3.56。指名打者制のアメリカンリーグ内で見ても、リーグ2位のチーム防御率がレイズの3.78だから、「投手力の優れたチーム」と言っていい。それでも、中地区2位勝率5割と成績が振るわなかったのは、打線が貧弱さに尽きる。昨季、松井はエンゼルス敗退の戦犯のように扱われたが、84打点を稼いでいる。アスレチックスでもっとも多く打点を稼いだのがクーズマノフ、スズキの71打点だから、入団した時点で松井は『チーム打点王』になったわけだ。 松井は復調するか−−。昨季の成績を前半と後半に分けてみると、その兆しが窺える。年間成績は、打率2割7分4厘、本塁打21、打点84。前半戦は打率2割5分2厘、本塁打10、打点47。後半戦は打率3割9厘、本塁打11、打点37。後半戦の出塁率は4割を越えており、年間で見たその数値は3割6分1厘だから、尻上がりに調子を上がってきたかが分かる。しかも、年間OPSが8割2分0厘なのに、後半戦では9割5分5厘(OPS=出塁率プラス長打率)という高い数値を残している。巨人時代からスロースターターではあったが、ここまで前半戦と後半戦で数値が違うシーズンは近年見られなかったはずだ。 エンゼルスが調子を取り戻した松井をスタメンから理由は1つ。マイク・ソーシア監督は2018年までの長期契約を交わしている。夏場、優勝戦線から脱落しかけた時点で若手中心の来シーズンに向けた戦い方に切り換えてしまったからだ。もっとも、優勝戦線から脱落した原因の1つに「松井のスランプ」もあったわけだが…。 こうした尻上がりに成績を高めてきた松井を見て、ビーンGMは「松井は完全回復した。『買い』だ」と判断したのである。 アスレチックスは松井に「100打点を稼がせる」チームとも言える。 まず、1番が予定されている中堅手のココ・クリスプ(本名はコペリ)は「ア・リーグ盗塁王候補」で、出塁率過去9年間で出塁率3割を切ったシーズンは1回しかない。昨季は左手の骨折や肋間筋炎症などで75試合しか出られなかったが、32盗塁をマークした。2番候補のダリック・バートンは「四球生産マシン」のニックネームもあり、3割9分3厘と高い出塁率を誇る(昨季リーグ5位)。二塁打量産のギャップヒッターだが、バントも巧い。 3番にはギャップヒッターで出塁率の高いディビッド・デヘスースか、大砲タイプのジョシュ・ウィリングハムが入る。クリスプが出塁して盗塁し、バートンがチャンスメイクして、4番の松井へ−−。 これが、ビーンGMの描く2011年の攻撃スタイルだ。昨季はクリスプ、バートンがチャンスメイクしても、クリーンアップが機能しなかったのである。大砲は2人いれば、一方が打ち損じてもチャンスは途切れない。アスレチックスナインは松井とウィリングハムの加入を歓迎している。 ただ、松井がホームランを量産することは考えにくい。アスレチックスの本拠地『オークランド・アラメダ・カウンティ・コロシアム』は、投手有利の「ピッチャーズパラダイス」と捉えられている。両翼101メートルと外野フェンスまでの距離も確かに長いが、この球場の特徴はファールグラウンドが広いこと。「松井のようなフライバッターはファールフライ・アウトの数も増えるのでは」というのが、米メディア陣の意見である。 昨季は左膝の影響で調整が遅れ、練習不足がそのまま前半戦の不振に直結してしまった。オフからキャンプインにかけ、松井は相当量の練習もできたらしいが、レフトが予定されているウィリングハムは守備がヘタだ。本当は指名打者タイプだという。状況によっては「左翼・松井、DH・ウィリングハム」という試合もあるかもしれない。 松井には1度、スランプにはまると長期化する悪癖もあるが、ボブ・ゲレン監督は松井をスタメンで使っていくという。その期待に応えてほしい。チームが優勝戦線から脱落した場合、ビーンGMはその時点でベテランを放出し、来季に向けた補強を行う。チームを優勝に導くか、シーズン途中で放出されるか…。松井は責任重大である。パワー勝負できる日本人メジャーリーガーは今のところ、松井しかいない。(スポーツライター・飯山満)※外国人選手名などの方仮名表記は統一事例がありません。共同通信社刊「記者ハンドブック」の外国語用例集、及びベースボール・マガジン社刊『月刊メジャー・リーグ』を参考にいたしました。
-
スポーツ 2011年03月12日 18時00分
日本人メジャーリーガーはどうなる? 「西岡剛=ツインズ」 米国版「和の野球」で、100得点&三塁打量産も
ミネソタツインズとは、どういうチームなのか−−。ロン・ガーデンハイア監督は、昨季の『アメリカンリーグ最優秀監督』にも選ばれた名将だ。就任9シーズンで6度の地区優勝を果たしているが、プレーオフでは結果を出し切れていない。そんなツインズが西岡を獲得したのは「当然」と思えると同時に、ちょっと「意外」でもあった。 ツインズの昨季のチーム本塁打は「142」。30球団平均は「158」だから、長距離タイプの補強も考えられた。しかし、チーム総得点は「781」。この数値はアメリカンリーグ中地区1位であり、強力打線を誇る同・東地区のヤンキース(=859得点)はともかく、レイズ(=802)、レッドソックス(=818)と比べても大差はない。ヤンキース、レッドソックスはチーム本塁打数が200本を越えているが、30球団トップの257本塁打を放ったブルージェイズのチーム総得点は「755」だから、「142本、781得点」のツインズが、いかに得点効率の高い攻撃をしているかが窺える。だが、ツインズの「チーム総盗塁数は68」。これは中地区ワーストだ。俊足タイプの野手が少なくても、ツインズの高い得点効率には影響しなかったとも言える。 オフの補強で「長打力のあるバッター」を補うか、「盗塁」のできるスピードプレーヤーを獲るのか…。ビル・スミスGMは大方の予想を裏切って、「スピードプレーヤー=西岡」のポスティングに参画したのである。 いや、当然か…。2010年、ツインズは本拠地を『ターゲット・フィールド』に変更した。ドームから屋外に、人工芝から天然芝に変わった。旧本拠地『メトロドーム』は東京ドームのモデルともなったスタジアムで、アメフトなどの他競技にも使用されてきた。そのメトロドーム・ラストイヤーの2009年のチーム本塁打数は「172本」。メトロドームと『ターゲット・フィールド』の広さはほとんど変わらない。なのに、本塁打の減少したのは、「野外になってボールが飛ばなくなったからだ」という。確かに、『ターゲット・フィールド』元年の昨季、同球場でマークしたツインズナインの本塁打数は52本。年間チーム総本塁打数は「142本」だから、90本をアウェイ(他球場)で放った計算になる。 「ホームランが減ったことでツインズナインの新球場に対する評判はあまり芳しくない」 米メディア陣の1人がそう言う。 屋外の新球場をもろともしない『大砲』を獲る−−。そんな見方が支配的だったため、西岡の獲得は「意外」に見えたのだ。おそらく、ガーデンハイア監督は本塁打の出にくい新球場の利点を生かすため、俊足タイプの1番バッター候補が欲しかったのだろう。 「相手チームをナーバスにさせたい」 これは、ガーデンハイア監督が西岡の獲得が決まった直後、米メディアに寄せたコメント。「ナーバスにさせる」の真意は、単独スチールだという。 西岡の役目は「盗塁」。そのためには「高い出塁率」も同時に求められる。あくまでもデータ上の結果論だが、千葉ロッテ時代の西岡は単独スチールの成功率が高い選手ではなかった。それでも、「西岡が対戦投手をナーバスにさせられる」と、スミスGMとガーデンハイア監督が期待を寄せるのは、『日米間の野球の違い』も計算してのことのようだ。 一般論として、メジャーリーグの投手は日本人投手のようにクイックや牽制が巧くない。また、パ・リーグ5球団のスコアラーも指摘してきたが、西岡は「ベースランニングの巧い選手」でもある。某在京球団スコアラーによれば、バッターボックスから三塁ベースに到達するまで「11.0秒〜11.2秒」とのことで、「メジャーリーグに入ってもトップレベルの数値だ」と話していた。 スピードプレーヤーが対戦投手をナーバスにさせる打順は「1番」である。昨季まで1番に入ることの多かったスパンを2番か、7番に下げ、西岡は「1番・セカンド」でメジャー・デビューすることになるだろう。 盗塁を強く意識する西岡。一塁から一気にホームまで走り抜けるベースランニング。ガーデンハイア監督は「西岡1人で100得点、三塁打量産」の期待をかけているという。千葉ロッテ時代とは少し違うスタイルを見せてくれそうだ。 懸念材料もいくつかある。メジャー投手は確かに日本人投手のように、クイックも牽制も巧くない。しかし、左投手は「ボークと紙一重」のようなトリッキーな牽制球を投げてくる。日本の高校野球的な目線で見れば、そのほとんどは「ボーク」だろう。西岡が日本時代の目線を捨てられるかどうかが、ポイントとなる。また、「スピードプレーヤー」の先輩であるイチローが、年間50個以上の盗塁をマークしたのは、01年のみ。「1番バッター・イチロー」が積極的に走ろうとしない真相を考えてみる必要もありそうだ。 守備に関する不安要素もないわけではない。身体能力の理由で、日本人にはメジャーで遊撃手は勤まらない」との声は多く聞かれた。その点は二塁手でデビューすれば問題はないが、メジャーにおける併殺プレーは“危険”だ。身体が頑丈でガッチリしている岩村明憲も、併殺崩しを狙った一塁走者にスライディングで吹っ飛ばされている。西岡もそんな“洗礼”を浴びせられるのではないだろうか。守備の巧い選手だから仕方ないのかもしれないが、千葉ロッテ時代は片手捕りの緩慢プレーも多かった。ガーデンハイア監督はそういうプレーを嫌う。 打撃面で不安材料を挙げるとすれば、一時期的にメジャー独特のムービングボールに戸惑うこともあるだろう。ただ、西岡は俊足なので、それを内安打に変えてくれるはずだ。 日本人内野手を振り返ってみると、松井稼頭央は苦しみ、井口資仁、岩村は成功したが、長くは続かなかった。米メディアは「接触プレーを考えると、日本人内野手は体格差で厳しい」「人工芝球場の影響で打球を待って捕る悪癖もある」と勝手に思い込んでいる。否定できないところも確かにあるが、日本人のような俊敏な動きのできる内野手は、米国でも決して多くないはずだ。肩の強さでは確かにかなわないが、一塁送球のコントロールなら、日本人の方が上だ。西岡には2年以上続けて活躍してもらいたい。そうすれば、米国側の日本人内野手に関する一方的な誤解も解けるのだが…。(スポーツライター・飯山満)
-
スポーツ 2011年03月12日 17時00分
ディアナ旗揚げ記念イベント『井上京子&野崎渚サイン会 in T-1』が延期
3月13日(日)に東京・水道橋の「チケット&トラベルT-1」で開催予定のディアナ旗揚げイベント『井上京子選手&野崎渚選手サイン会&撮影会&ミニトーク』ですが、11日の大地震の影響により、延期となった。代替日程は後日発表。【お問い合わせ先】チケット&トラベルT-1 URL:http://www.t-1.jp/ワールド女子プロレス・ディアナ URL:http://www-diana.com/index.php
-
スポーツ 2011年03月12日 10時30分
ガッツワールド・プロレスリング蕨大会開催が延期
12日に開催予定だったガッツワールド・プロレスリング蕨大会は、地震の影響により延期となった。代替日程は後日発表。
-
-
スポーツ 2011年03月11日 15時30分
日本人メジャーリーガーはどうなる? 「建山 義紀=レンジャース」 スライダーのキレがダルビッシュの落札金を変える?
テキサスレンジャースとの契約は、「実質1年」。翌年以降の2年間は、契約を延長するかどうか、球団が行使権を持つオプションとなった。手っ取り早く言えば、成績を見て、2年目の2012年、3年目の2013年シーズンに建山との契約を延長するかどうかを球団が決めるというものだ。年俸は80万ドル(約6800万円)。決して悪い契約ではないと思う。しかし、契約延長の行使権を2年目と3年目の両方に持ったのは、得意ケースと言っていい。 特異な契約となった理由は、メジャーがリリーフタイプの日本人投手に対し、「半信半疑」だからである。したがって、建山が成功するかどうかは米挑戦を考えている日本の後輩たちに「多大な影響」を与えるだろう。 そもそも、メジャーがリリーフタイプの日本人投手の獲得に二の足を踏むようになったのは、2008年オフ。07年、1人の日本人リリーバーがムーブメントを起こした。岡島秀樹である。注目は同期入団の松坂大輔に集まったが、「ワールドシリーズ制覇の影の立役者」と言われるほどの“大成功”をおさめた。メジャーからすれば、日本時代の岡島は無名に近かった。巨人、日本ハムで過ごした12年間の通算成績は34勝32敗41セーブ、防御率3.36(439試合)。日本のリリーフ投手の評価が高まった。その特需を受けて08年シーズンにアメリカに渡ったのが、小林雅英、薮田安彦、福盛和男である。しかし、彼らは失敗した…。日本のリリーフ投手に対する猜疑心が、08年オフ、三井浩二(元西武)のポスティング・システムに影響した。三井は同年オフに2度も制度行使したが、2度とも「落札球団ゼロ」の屈辱に見舞われた。 以後、「リリーフタイプの日本人投手の調査に慎重に…」という米スカウトの評価は変わっていない。2010年オフ、小林宏之、土肥義弘が米球界側との交渉に失敗したのもその影響だという。 建山義紀は昨季、自己最高の成績を残している。58試合に救援登板し、1勝2敗4セーブ25ホールド、防御率1.80。12年間、堅実にコツコツと実績を積み重ねてきた好投手であり、日本ハムのブルペンを支えてきた功労者でもある。しかし、本人には失礼かもしれないが、米球界では“無名”だ。その建山が「日本人リリーバーへの逆風」をもろともせず、FA権を行使してからさほど時間の経たない時期にメジャー契約を勝ち取ったのは、「情報収集の勝利」だろう。まず、レンジャースは“逆輸入投手”、コルビー・ルイス(元広島)が活躍したことになり、日本球界に対する興味をさらに強めていた。ルイスは広島移籍前、メジャー3球団を渡り歩いたが、その才能を開花できないでいた。『制球難の弱点』を広島で克服し、レンジャースに復帰した昨季、いきなり12勝(13敗)の好成績を挙げた。また、長く活躍できなかったが、日本人リリーバー・大塚晶則が『臨時クローザー』として大活躍したこともあった。 また、建山サイドもレンジャースを第一希望に考えていたのではないだろうか。現レンジャースは『投手力のチーム』でもある。先発スタッフはルイス以外にも、C・J・ウィリアムス(15勝)、ハンター(13勝)、フェルドマン(7勝)らがいて、救援スタッフも人材豊富なうえに、『リリーフ防御率』でもリーグ2位という好成績を残している。クローザーには40セーブで新人王のフェリースがいるが、「2年目のジンクスが心配」とのことで、ジョン・ダニエルズGMは「ブルペンスタッフのさらなる強化」をオフのテーマに掲げていた。 レンジャースは建山の他に、前レッズのアーサー・ローズも獲得した。ローズは昨季、メジャー最多タイの33試合連続無失点登板をやってのけたが、今季42歳になる。ロン・ワシントン監督は継投策に長けた指揮官でもあり、「ブルペンスタッフの数が多ければ多いほどいい」と考えている。リリーバーの人数が多いチームでも、フェリース、ローズともタイプの異なる『右サイドハンドの建山』にも十分な活躍の場が与えられるわけだ。 その建山が活躍できるかどうか−−。米国人メディアの1人にそう質問したところ、「可能性は高い」と言う。建山は「スライダー・ピッチャー」と紹介されたそうだ。「スライダー」は、建山の今季を占う重要なポイントの1つだ。一般論として、メジャーリーグのストライク・ゾーンは外角を広い。つまり、日本時代は「ボール」と判定された外角のスライダーが「ストライク」になる。スライダーがキレれば、建山は「日本時代よりもストライク・ゾーンが広い」と感じるだろう。そのストライク・ゾーンの違いによって、メジャーでブレイクしたのが斎藤隆でもある。建山は『第2の斎藤』になれるというわけだ。 また、建山の投球フォームは変則だ。オーバーハンドのような振りかぶり方、体重移動をし、その途中からサイドに変わっていく。この変則モーションも有利にはたらくのではないだろうか。ただ、建山のストレートは米国に行けば、「普通以下」だ。ワシントン監督は、7人のリリーバー体制で開幕戦に臨もうとしている。1試合で何人ものリリーバーをつぎ込む采配も見せるが、ローズ、オガンドなど人材が豊富なだけに、開幕枠からこぼれ、メジャー・デビューが遅れる可能性もある。 こうしたいくつかの不安要素もあるが、リリーバー・建山が成功すれば、救援タイプの日本人投手の評価が確実に変わる。古巣・日本ハムファイターズにはメジャー30球団が熱い視線を送るダルビッシュもいる。建山がダルビッシュの落札金をさらに高めるかもしれない。 日本人リリーバーの未来を変える可能性があるというのに、「お天気お姉さん」との浮名を流すとは…。そういう精神面での図太さを『レンジャース・ボールパーク・イン・アーリントン』のマウンドでも発揮してもらいたいものだ。(スポーツライター・飯山満)
-
スポーツ
生還小橋に捧ぐ 三沢 GHC奪還
2006年12月11日 15時00分
-
スポーツ
猪木 緊急提言 想定外プロレスをやれ!
2006年12月05日 15時00分
-
スポーツ
1・4東京D「レッスルキングダム」 新日本 全日本“乗っ取り”へ秘策 長州3冠戦出撃
2006年11月16日 15時00分
-
スポーツ
復活1・4東京D大会へ秘策 新日本最終兵器サイモン猪木 IWGP挑戦!?
2006年11月07日 15時00分
-
スポーツ
来春ビッグマッチ パンクラス芸能人最強決定戦 坂口憲二 今田耕司 押尾学
2006年10月31日 15時00分
-
スポーツ
大みそか参戦ほぼ決定 芸能人対決 金子賢vs押尾学
2006年10月10日 15時00分