社会
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社会 2009年04月04日 15時00分
永田町血風録 今こそ政治家に求められる“清潔さ”
千葉県知事に、森田健作(無所属も自民党千葉県議の半数が支援)が当選したことで、民主党の小沢一郎代表の進退問題に絡んだバッシングが激しくなることは間違いない政界だが、やはり自民党にも悪(ワル)は数多くいる。 河村建夫官房長官は、保有株式の大量売却の責任を取って辞任した平田耕一前財務副大臣の後任に、自民党副幹事長で衆議院議員の石田真敏を充てる人事を発表した。石田は和歌山2区選出の代議士。和歌山といえば、あの経産相・二階俊博経産相(和歌山3区)と同じ出身地だ。 その二階は、いま問題の西松建設に和歌山の事務所の家賃を払わせていたことで集中攻撃を受け、立件されようとしている。二階は元々、自民党から国会議員になった小沢と常に行動をともにしていて、一時は小沢の側近として注目されていた。 自民党を10年間離れていた時代(新生党→新進党→自由党→保守党→保守新党)に培った公明党や民主党との太いパイプを活かす調整能力には定評がある。中国との密接な関係も政界トップ。平成15(2003)年に自民党に復党した。常に要職に就いていたことで、やっかみもあり風当たりが強いが、小沢流の政治手法を熟知していることもあって、対小沢への対応には貴重な存在だ。 「このところ政治ジャーナリズムは小沢バッシングばかりを繰り返している。自民党にも悪い連中がごまんといるのに、たまたま小沢が民主党の代表であり、政界の大物だから叩きやすいのか」と鳩山由紀夫幹事長はそう言って天を仰いだ。 それもそのはず。鳩山は民主党内で小沢を必要以上に庇っているから、党代表を辞めてもらいたくないのだ。 自民党でカネ絡みのスキャンダルが起きるたびに、「自民党は民主党のことばかり言っているが、自民党のほうがはるかに悪者が多い。それに、いつまでも政権にしがみついているから、いろんな悪いことが露見してしまうのだ」 コメントを求められた鳩山はこう切り返した。とどのつまりは「やはり、衆院を解散して国民に信を問うしかない。麻生(太郎)には解散する自信がないのか」と、やたら挑発を繰り返すのも、矛(ほこ)先が小沢にばかり向かないようにしたいからだ。自民党にも不祥事が発覚しているいまが、そのチャンスといわんばかりにである。 小沢の一件は、与野党に共通する。「あれは小沢がたまたま目を付けられただけのこと。政治とカネの問題は確実に国民を裏切る行為。すぐにも衆院を解散して国民に信を問え」と言う政治家は鳩山だけではない。 どの政党のどの政治家が一番クリーンなのか。そのクリーンさこそ、選良の尺度になる。 国会は自浄努力を全くしていないに等しい。任期いっぱい責務を果たすのも大事だが、やはり清潔であることは政治家に求められることでもある。(文中敬称略)
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社会 2009年04月03日 15時00分
麻生首相 赤っ恥夕食会
英ロンドンで2日に閉幕した20カ国・地域(G20)の第2回首脳会合(金融サミット)で麻生太郎首相が赤っ恥をかいた。各国首脳らが顔をそろえた1日の夕食会は、英国産食材を中心としたシンプルなメニューだった。昨年7月の北海道洞爺湖サミットでの豪華ディナーに英国内で批判が高まったためという。一流ホテルのバー通いを「安い」と言い張って譲らない麻生首相には、あてつけのような粗食ディナーとなった。 リッチ感ゼロといっていい粗食ディナーの献立は、英国人の有名シェフ、ジェイミー・オリバー氏(33)が手掛けた。 メニューにはキャビアやフォアグラといった高級食材はなく、魚と肉料理をそれぞれ1品ずつとありふれたデザート。魚料理は焼いたスコットランド産サーモンに野菜を添えたもの。肉料理はウェールズ産ラム肉のローストだった。デザートにいたっては、英国人になじみの深いカスタードクリーム添えのタルトでおしまい。あくまで国際会議の延長線上にある夕食会であって、これはディナーパーティーではないという明確なスタンスを感じさせた。 ほかにベジタリアン(菜食主義者)用料理が2品用意されたという。 若きオリバー氏は“英料理界の貴公子”と呼ばれる。その腕が織りなす料理は素材の味を生かすことに主眼が置かれ、高級食材に頼らない。日本でいえば“若き道場六三郎”といったところか。かつて人気テレビ番組「料理の鉄人」で“和の鉄人”として活躍した道場氏は、冷蔵庫の残り物でアッと驚く料理をつくった。オリバー氏もまた手に入りやすい食材でシンプルな料理を作ることで知られる。 社会活動家でもあるオリバー氏は、失業などの問題を抱える若者をシェフなどとして育て、自立させることを目的としたレストランを立ち上げている。この日の夕食会では、同レストランで働く若者が麻生首相夫妻やオバマ米大統領夫妻らのため腕を振るったという。 オリバー氏が起用された背景には昨年7月の洞爺湖サミットがある。同サミットの主要議題は高騰する食料問題だったにもかかわらず、豪華ディナーを用意。それを食べながら食料危機を語るのは“いかがなものか?”と英メディアがこぞって批判した。あまりに偽善的だったとして反面教師にされたわけだ。 献立は英政府の方針で「景気後退の時代を反映させた安価なメニュー」(英紙タイムズ)となり、大衆紙デーリー・ミラーは「キャビアや年代物のシャンパンは献立から消える」と予告していた。同紙はオリバー氏の起用を「雇用を生み出すことで、景気後退に立ち向かう」という英政府の考えを示す意図があるとまで解説してみせた。 こうなると、華やかな夕食会の席も麻生首相夫妻には“針のむしろ”である。洞爺湖サミットは福田康夫前首相がホストを務め、福田氏夫妻が主催したディナーに麻生氏は関わっていない。しかし、“KYメニュー”を提供した日本の首相として、英国民の冷たい視線を浴びるほかなかった。 洞爺湖サミットでは、北海道の大自然の恵みをふんだんに使った豪華料理がずらり。利尻島のバフンウニやオホーツク海の毛ガニ、白糠の子羊肉、美瑛産のアスパラなど地元の高級食材をこれでもかというほど使った。それでも飽き足らずキャビアやトリュフまで…。ワインはブルゴーニュ産の白、カリフォルニア産の赤、デザートワインまで準備した。このディナーを英メディアは「キャビアやウニを食べながら指導者は食料危機を考える」(インディペンデント紙)などと痛烈に皮肉った。 今回の金融サミットは、世界不況の中で落ち込む国際貿易をどう回復させるかが主要テーマの1つ。資金不足が深刻化している新興国や途上国の貿易縮小を回避するため、日本政府は2年間で220億ドル(約2兆2000億円)の支援を決めた。豪華ディナーに舌鼓を打っている場合ではないのである。 民主党の“敵失”でちょっぴり支持率が上向いた麻生首相は“手土産”持参で意気揚々と乗り込んだまではよかったが、なんともホロ苦い夕食を味わうハメになった。
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社会 2009年04月03日 15時00分
経済偉人伝 早川徳次(シャープ創業者)(23)
徳次は、この漢字を記憶した経験からも学んだ。“仕事上も、ある程度の知識や技術を積み上げていくと加速度的に(転がる雪だるまのように)膨れ上がって行く”ことに気付いた。文字を覚えたことは、新聞・雑誌が読めるようになったことだけでなく、人生に大きなプラスになった。 芳松がようやく回復し、仕事場に復帰してきた。そんな頃、芳松に2、3日どうも元気がないことがあった。徳次が訳を尋(たず)ねてみると「5円ぽっちの金が今、都合がつかねえ。いろいろ工面しているができねぇんだ。本当にだらしねぇ」。投げ出すような口調で言う。さし当たって必要な地金の仕入金だということが徳次にはすぐにわかった。 外出したついでに近くの農工銀行(みずほ銀行の前身の一つ)に立ち寄り、僅(わず)かずつ貯めた9円の貯金の中から5円を引き出した。いつの頃からか、荷物の底にではなく、銀行に給金を預け入れるようになっていた。 下ろした5円は芳松に渡すつもりだった。ただ、どうやったら芳松に受け取ってもらえるか、徳次は悩んだ。出すぎた真似をするな、と怒られるかも知れないと心配だったのだ。渡す機会を見つけられないままに夜になった。寝る前になって決心し、5円を紙にくるむと芳松の寝床の下に入れた。 “これは今までにいただいた私の貯金です。私は今要りませんからどうかお使いください。徳次”と紙に走り書きして、中に添えておいた。 次の朝、徳次はおかみさんに「徳どん、ちょっと来ておくれ」と言われた。恐る恐る芳松の部屋に行くと、芳松は「徳や、ありがたい、この通りだ」と徳次の手をとって拝むようにする。徳次は何も言えないでいた。芳松は「せっかくお前が楽しみに貯めた金にまで手をつけることになって、本当にすまねえ。勘弁してくんな…。夜昼なしに働かして、その上まだこんな心配をかけて…。金はありがたく使わせてもらうぜ。お前の心持ちは一生忘れねえ」と、また徳次の手を持ち上げるのだった。おかみさんは傍で涙を拭っていた。
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社会 2009年04月02日 15時00分
北朝鮮ミサイル発射Xデーは4日早朝が濃厚
北朝鮮が「4月4〜8日の午前11時から午後4時の間」と通告した長距離弾道ミサイルとみられる「人工衛星」打ち上げのカウントダウンが始まった。“Xデー”を控え、日本列島は万が一の事態に備えて厳戒態勢に突入。国際社会はギリギリの段階まで「自制」を促す構えだが、北朝鮮が発射を断念する可能性は限りなくゼロに近い。 米シンクタンク科学国際安全保障研究所は先日、北朝鮮・舞水端里(ムスダンリ)のミサイル基地に設置されたミサイルの衛星写真を公開した。写真を分析した米シンクタンク「グローバル・セキュリティー」は、「3段式ように見える」としており、2006年に発射された2段式の「テポドン2号」の改良型と考えられる。一方で複数の米国防総省高官が「人工衛星の可能性が高い」と述べたともいわれ、結局は発射されてみないと判断がつかないのが実情だ。 さて、気になる“Xデー”はいつなのか? 日朝関係筋は「複数の北朝鮮関係者が『4日に打ち上げる』と述べていることから、4日と判断される」として次のように指摘する。 「打ち上げは多分にショー的要素が強い。このショーを完成させる表の主役がテポドン2号なら、裏のメーンキャストは天候だ」 気象庁は1日、北朝鮮が通告している4〜8日のミサイル基地周辺の天候が大きく崩れる日はないとの見通しを発表。これまでは、4日は曇りで午後から雨または雪。5日は雨で6日以降になってようやく晴れるとの予報だったため、Xデーは6日以降になるのではないかとの観測があった。予報が変わったことで4日早朝の可能性が高まってきた。 人工衛星であれミサイルであれ、北朝鮮はなぜこの時期に発射するのか。 北朝鮮国内の事情に目を向けると、9日には新・金正日体制がスタートする「最高人民会議(国会に相当)」第1回会議が開かれる。15日は故金日成主席の誕生日。国家的行事が目白押しの中、“祝砲”を意味するとの見方は根強い。北朝鮮が「激ヤセ」した金正日総書記の写真を公開したこともさまざまな憶測を呼んでいる。 対する日本はミサイル防衛(MD)を発動する「破壊措置命令」を受け、すでに自衛隊の地対空誘導弾パトリオット(PAC3)を各地に配備。自衛隊は発射による被害を絶対阻止する構えだ。しかし一部では、肝心の政府の足並みの乱れを危ぐする声もある。 政府は当初、「関係省庁一体の対応が不可欠」とする防衛省の求めに応じ、閣議決定を経て「破壊措置命令」を出す方向で調整していた。しかし外務省や内閣官房から閣議決定では「北朝鮮を刺激しかねない」との異論が出て、最終的に各閣僚が参加する安全保障会議を開いた上で防衛相が命令を下す案に落ち着いた。 ある政府高官はミサイルをゴルフボールに例えて「見えたらファーって言うのにな」と“おふざけ”。あまりに緊張感に欠ける発言であり、政府内のブレを象徴している。この政府高官は麻生太郎首相からお灸を据えられたという。 前出の関係筋は「政府内の足並みの乱れは日本のMDシステムが不完全であることを如実に示している。仮に迎撃に失敗した場合、政府および防衛当局に非難が集中し、ひいては内閣不信任につながる」と話す。この期に及んで“予防線”を張ること自体、北朝鮮に弱腰と取られかねない。 発射後の対応でも日本は後手に回りそうだ。麻生首相は1日、滞在先のロンドンで韓国の李明博大統領と会談。両首脳は「発射は明確に国連安全保障理事会の決議に違反する」との認識で一致した。しかし前出の関係筋は「安保理では結局、最も意味もなく拘束力もない、非公式の『報道声明』に止まるだろう」と悲観的な見方を示す。 またもや北朝鮮の巧みな外交戦術に翻弄される公算が高まっている。
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社会 2009年04月02日 15時00分
森健&石原 “京葉ツープラトン”完成
千葉県知事選でリベンジVを果たした森田健作氏(59)は1日、東京都庁に石原慎太郎知事(76)を訪ね、公約の「東京湾アクアライン通行料値下げ」について協力を取り付けた。旧知の間柄とあってすぐに意気投合。首都圏自治体が連携する中、やたら個性的な知事による“京葉ツープラトン”が完成した。 知事応接室に先乗りして猪瀬直樹副知事(62)と談笑していた森田氏は、派手なパフォーマンスで石原氏を出迎えた。立ち上がると両手で両ももをパチンとたたき、その手を広げて「どうも都知事! 1周遅れ(前回落選)で参りました! ありがとうございました! お世話になりました!」と元気いっぱい。気圧された石原氏は「オーバーアクションだねえ」と苦笑いするしかなかった。 しかし、報道陣を追い払ったあとの会談は大いに盛り上がったようだ。森田氏によると、石原氏はアクアライン値下げについて「ぜひ、オレも応援する」と約束。森田氏は前日3月31日には麻生首相からも前向きに検討する確約を取り付けており、公約実現にまた一歩近づいたことになる。 そればかりか「なにしろ森田が千葉県知事になってこの首都圏は変わるよ、と過分な言葉までいただいた」という。 15分間の予定だったところを40分以上にわたって話し込む中、先輩知事からのアドバイスもあった。ところが森田氏はその内容について「気をつけろよ、役人はウソつきだから…とか、アッハハハ(笑)。これは冗談かもしれませんが、いろいろ教えていただきました。あとは言えません。密談ですから」と口にチャック。大阪府の橋下徹知事(39)が石原知事に就任挨拶をしたときと全く同じ反応だった。 石原氏は会談後、記者団に「(アクアラインを)首都高速なみの料金にすれば活用されるから千葉にも首都圏にも画期的なことになるでしょう。東京の人は観光地というと西に行きたがるけど、千葉は原野もあって素晴らしいところ。彼はそれを生かすんじゃないかな」と期待感を示した。 森田氏は2006年に映画「I am 日本人」を自主製作するなど愛国心にあふれ、その考え方は石原氏に近いとされる。1998年には、石原氏が議員辞職するまで地盤としていた衆院選東京4区から出馬して当選しており、そのころからの付き合いという。05年知事選では石原氏を筆頭に神奈川・松沢知事、埼玉・上田知事の応援を受けている。 ところが今回知事選では先月初旬の森田氏出馬表明を受け、石原氏は応援するかどうかについて「個人的には親しいけど、依頼が来ていないし、顔ぶれを見ないと分からない」と冷たい態度だった。約2年ぶりに石原氏に会ったという森田氏は「今回も応援に行ってやるぞと(話を)いただいたんです」と明かした。 まずは現行3000円(土日祝日のETC普通車は1000円)のアクアライン通行料を800円に値下げすることに全力投球するが、今後は東京マラソンを意識したアクアラインマラソンや、羽田-成田間のリニアモーターカー構想などで連携を模索していく。 さらに石原知事が号令をかけて神奈川、埼玉を含めた4知事で集まり、森田氏の当選祝いを兼ねた首都圏知事会合を持つ予定。森田氏は「2〜3カ月に1回のペースでやりましょう」と提案し、石原氏も前向きだったという。国を相手に“京葉知事コンビ”がひと暴れしそうだ。(高)
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社会 2009年04月02日 15時00分
趣味を持つのが成功の秘訣
石原都知事は1日、都内で開いた新人職員の入庁式で「仕事で成功しようと思ったら趣味を持つこと。悠々と趣味をしながら頑張って」と式辞を述べた。 石原知事は約1100人の新人職員を前に「これを変えたらいいという案があったら、どんどん出してほしい。それじゃなきゃ新人を迎える意味もない」と指摘。「趣味に熱心になることで頭が動いて、ひらめきが出てくる。それを私は期待している」とエールを送った。
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社会 2009年04月02日 15時00分
経済偉人伝 早川徳次(シャープ創業者)(22)
水天宮で知り合った、文房具を売る若い男とは各地の夜店でよく会った。彼は徳次の鉛筆を自分の商い用によく買ってくれ、最後には残りの鉛筆をまとめ買いしてくれた。 こうして鉛筆が片付くと、今度は仕事の少ない夏の時期を利用して、灯籠(とうろう)をブリキで造ってみた。9センチ四方くらいの小型のもので、四面にガラスを嵌(は)め込んだ。近所の絵師に1枚3厘の割で美しい絵を描いてもらった。屋根のついた灯籠の中には、ごく小さなカンテラ(携帯用の灯油ランプ)の灯を入れる。なかなか体裁のよい出来上がりだ。 この灯籠を2個のビール箱いっぱいに入れて深川八幡の縁日に出店した。ビール箱の1個は徳次の腰かけになり、1個は前に置く。これに2本の竹竿を左右に立てて、2段に針金を引き渡して灯籠をいくつも吊り下げた。 数々の絵入り灯籠が徳次の夜店を飾った。1個12銭。針金に掛けるとすぐ売れた。毎晩15個、20個とほとんど全部の品が捌(さば)けた。 灯の下は明るく、徳次は客のいない時は書物を読んだ。夜店に出る合間を縫って夜学にも通った。夜学では主に算盤(そろばん)と漢字を学んだが、職人には付き物の夜業もあり、なかなか通い続けることは困難だった。 そこで、教科書代わりの“千字文”(千の異なった文字が使われている漢文。子供に漢字を教えるのに用いた)から毎日1字ずつ、漢字を覚えることにした。1日1字で1年365字、3年で1095字になるから、3年経てば千字文も暗記できるというのが徳次の考えだった。 これは思ったようには進まなかったが、それでも夜店で客がいない時を見計らって暗記するなど苦心惨憺(くしんさんたん)した挙句、何とか実行した。 この苦労の最中に、文字には関連性があるということに気が付く。1字の記憶はやがて類似の2字、3字とつながっていくのだった。
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社会 2009年04月02日 15時00分
永田町血風録 自民党に多い“二階のような政治家”
与党も野党も、それぞれ一人の政治家の不祥事に「辞めろ」コールが吹きまくっている。言うまでもなく中堅ゼネコン、西松建設による政治資金絡みの政治とカネがその根源だ。 民主党の小沢一郎代表は、旧自民党の田中角栄、金丸信という常にカネがまとわりついていた政治家2人の悪い面をそのまま引き継いで、分が悪くなると今回のように辞任するかどうかは、側近にゲタを預ける姑息ぶり。 これは、小沢流の政治手法の1つといえる。側近から「辞めるな」コールが起きることを、あらかじめ読みきってのこと。 民主党内には、反小沢が少なくない。とくに左翼陣営から加わった政治家は早く辞めてほしいと、それこそ願掛け状態だ。 自民党は「もっと責任説明をすべきだ」と攻勢をかけている。 民主党は守勢一方。「われわれで、しっかりガードしよう」と小沢支持グループはしばしば会合を開けば、「小沢で選挙をしよう」と菅直人代表代行までも言い出している。 そんな矢先、自民党も二階俊博経産相の西松建設絡みの疑惑が発覚。 「自民党は民主党の小沢のことばかり、ああだこうだと言っているが、二階のような悪い政治家はむしろ自民党の方がはるかに多い」と共産党の市田忠義書記局長が指摘。 それを裏打ちするかのように、平田耕一財務副大臣の株の売却が物議をかもした。平田は「この時期だから…」と自ら辞任するためにマイクを握り、「このままだと政界に混乱を招くから」と発言した。 平田は辞任会見の前に、政界の先輩に「どうしたらいいのでしょうか」とお伺いを立てている。 「選挙も近いし、ゴタゴタしたら選挙も不利になる。この際、潔さが肝要だ」と諭されたようだ。 小沢のように、いつまでもメソメソしているようでは男らしくない。そんなアドバイスを受けてのものであった。 小沢のほうも、両院議員総会を開いて、みんなの意見を聞いて決断したという。その際、公然と辞任を促す議員もいた。世論調査でも首相候補に麻生が逆転支持されている。それが国民の総意なのだ。 政権をこの手に握るまで辞めない、そして議会制民主主義を確立するまでは政治家を辞めない。と、突っぱねてきていた小沢は辞任包囲網にがんじがらめにされつつある。それでも強行突破しようとしているのは、政治家としての執念なのか。それとも検察庁に対する意地なのか。 一方、自民党の二階に「あなたも辞めなさい」とは絶対、言い出せない。魑魅魍魎(ちみもうりょう)が跋扈(ばっこ)する政治の世界に、世間の常識は通じないということか。(文中敬称略)
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社会 2009年04月02日 15時00分
鉛筆けずり入社式
先の見えない業績不振が深まるなか企業各社は1日、一斉に入社式を行った。雇用削減の嵐で不安を胸にしながら入社式を迎える新社会人も多いが、三菱鉛筆(東京都品川区、数原英一郎社長)では新入社員が鉛筆をけずるという一風変わった入社式が行われた。 この「鉛筆けずり入社式」は昨年に同社の人気商品「uni」が発売50周年を迎えたのをきっかけに行われ、今年で2回目。 数原徹郎専務取締役の「入社したら辛いことや嫌なことの方が多いと思います。だが、鉛筆もけずらなければただの棒。皆さんも自らを研さんし磨き上げてほしい」との言葉で、23人の新入社員が一斉にナイフを手にぎこちない手で鉛筆をけずりだした。 参加した福田千絵さん=写真右=は「家には電動の鉛筆けずりが何台もあるんですけどね。慣れないから血まみれになりそう」と笑いながら、鉛筆本来の木のぬくもりを再確認していた。 就職難に見事入社を果たした23人は今後、社会の荒波でけずられどんな精鋭たちに育っていくのだろうか。
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社会 2009年04月01日 15時00分
内外流みんなの投資大作戦 イラクディナールが数百倍に!?
米オバマ大統領がイラクからの撤兵計画を発表したのを機に、にわかに注目されているのがイラクの“復興特需”。まだ治安状態に問題は残るが、日本からも経済人が現地入り、経済協力を協議している。ちまたの投資家にもチャンス到来は近いと見てよく、中でもお勧めは通貨イラクディナールの値上がりに期待する投資術。4、5倍はおろか数百倍になる可能性があるのだ。 オバマ大統領のイラク撤兵計画によれば、9月までに1万2000人の兵隊を引き上げ、2011年までには完全撤兵することになっている。それに伴って、企業や民間の間にイラクの経済復興、いわば“復興特需”への期待が高まっている。 国際通貨基金(IMF)は、08年のイラクのGDP成長率は9.8%、09年は7.7%になると推定。実質的に経済は回復軌道に乗ると推測している。08年の経済規模では中国の約47分の1にすぎないが、成長率は上回っている。世界同時不況、先の見えない泥沼にはまっている国が多い中で、変動要因は大きいが比較的、見通しは明るいのがイラクといえる。 海外の企業もイラクの成長を見越し、取引の拡大を図っている。米ゼネラルエレクトリック(GE)は発電機の納入を決め、ロイヤルダッチシェルはガス田開発への参入を決定している。中国は相変わらず油田開発を進めている。日本外務省も「撤退に伴い、治安は改善するだろう」と楽観的だ。 治安さえ回復すれば、世界第3位の石油埋蔵量を誇るイラクの経済成長は、長期的な資源価格の上昇を考えれば充分に想定できる。 そして、個人投資家の間で話題になっているのが、イラク通貨への投資だ。イラクの通貨、イラクディナールを購入し、イラク経済の回復を期待するものだ。 イラクディナールは現在、最安値にあるといってよく都内の一部の両替商で購入できる。 現在の価格は2万5000イラクディナール札1枚が8800円前後である。それが経済成長と共に高騰し、1990年のレベルまで戻ると、なんと400万円を越えることになる。実に450倍だ。ネットでも購入可能、円への換金証もついている。 ジョークに近い話だが、「上野公園あたりのイラク人から買ったほうがまし」という声もある。その方が、より円に有利な交換レートになるらしい。 また、「1、2年では回復し切らないだろうが、長期保有するつもりなら宝くじを買うより確率は、はるかに高い」との見方もある。 ある両替商は「経済が復興しても、300倍は無理。行っても数倍程度でしょう」と冷静だが、イラクディナールを求める顧客は確実に増えている。当然、リスクを説明した上で販売しているが、昨年9月と比較して月間取扱量は20倍になっているという。 テロなどによる死亡者数は減ったといっても、まだ月500人の水準が続いている。治安回復が海外からの企業や資本の参入には必要不可欠になる。 3月1日、三菱商事や石油資源開発など日本企業12社の代表が、政府代表と共にバクダットを訪問。石油権益や治安状態などについて活発に意見交換した。 オバマ大統領のグリーン・ニューディールに関しては、その効果を疑問視する声が多い。その一方、イラク撤退後の経済成長は期待大だ。