社会
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社会 2017年03月04日 11時00分
中国警戒! 英国が担ぐ金正男の息子・ハンソル「亡命政権」樹立
裏切り者を除去し、政権基盤を盤石なものにしようと企図した金正恩・朝鮮労働党委員長だったが、想定外の事態に陥りそうだ。中国が北朝鮮からの石炭を禁輸にし、米国は金融制裁の強化とテロ国家再指定に動き始めた。数少ない友好国マレーシアとインドネシアも、国交断絶の声が日増しに高まっている。まさに、完全な孤立無援状態だ。 金正男氏暗殺事件の後、米中それぞれに大きな変化が起きた。 「中国は不測の事態に備え、中朝国境に配置している第一線哨戒兵員を1000人増強しているし、最大の変化は北朝鮮からの石炭輸入を年末まで停止すると発表したことです。昨年の北からの中国への輸出量は、ドル換算にして約12億ドル。北の'15年の輸出総額が約27億ドルですから、外貨の4割を失うことになるのです。これは“日干し”にされるのに等しい」(国際経済に詳しいアナリスト) 一方、米議会の出資によって設立されたRFA(自由アジア放送)は、トランプ政権に《北朝鮮のすべての銀行を例外なく特別指定制裁対象リストに載せ、国際金融システムから完全に除外せよ》と要求し、トランプ大統領もこれを飲む可能性が高い。しかも正男氏暗殺では、化学兵器禁止条約で製造・保有・使用が禁止されているVXガスが使用されたことが明らかになった。これに怒った米議会に、2008年に解除したテロ支援国家の指定を再検討する声も強まっているのだ。 「再指定されれば、そのダメージは現行の経済制裁どころではありません。テロ国家と対話する国はなくなり、核・ミサイル開発で米国を揺さぶり、交渉のテーブルに引っ張り出そうとする正恩のもくろみは吹っ飛ぶことになります。これは孤独な独裁者が最も恐れるシナリオです」(北朝鮮ウオッチャー) ただ中国は、いかに習近平国家主席と正恩委員長の相性が悪くても、中国サイドから北朝鮮を見放すことはできない。北を生かさず殺さずに維持することは、朝鮮半島の“NATO化”を阻止するための絶対条件だからだ。 一部報道によると、マレーシア警察および国際刑事警察機構担当官が正男氏の長男、漢率(ハンソル)氏のDNA提出を求めたが、家族側は『特殊で微妙な身分のため外国へのDNA提供は難しい』と答えたという。中国にとっては、北の犯行と断定されるとまずいと考える勢力があるのも事実なのだ。 「正恩の計算違いはもう一つある。儒教色が残る北朝鮮では、ご法度中のご法度である『兄殺し』が国民の間にまで知られるようになって、ただでさえ求心力の弱い正恩から人心が離れつつあることです。正恩は、正男-漢率親子の自由な考え方を危険視し、かつ自分を独裁者と断じた漢率に激怒しているのは間違いない。恐らく父親を暗殺され、恨みを抱いているはずの漢率を、『返り討ちにしてやる』と考えているでしょう」(同) 漢率氏は1995年生まれ。その名前がメディアで初めて報道されたのは、ボスニア・ヘルツェゴビナのインターナショナルスクールに在籍した16歳のときだ。卒業後の'13年にはパリ政治学院に進学、昨年9月から英国のオックスフォード大学大学院に留学する予定だった。 「ところが、中国の治安当局者は『暗殺の危険性があるためマカオにとどまるように』と説得し、同大学院への進学を断念させたのです。しかし、北の工作員も出入りするマカオより英国の方が治安が悪いとは思えません。なぜ中国がマカオ滞在にこだわるかと言えば、もし脱北者が多い英国に留学させ、漢率がある日、脱北を決意して北の民主化運動に立ち上がるかもしれないからです。そうなれば、正男ファミリーを中国の管理下に置き、いつでも利用できる状況を維持したいという中国の思惑は崩れてしまいますからね」(在日米国人ジャーナリスト) 漢率氏は母親や妹と一緒に、マカオの集合住宅で暮らしている。 「仮に北のスナイパーがマカオで漢率暗殺を決行する場合は、正男のように毒物を使うか、交通事故に見せかけて車で轢き殺すかのいずれかです。北の高官がよく交通事故で死亡しますが、あれは実際には粛清ですから」(軍事ライター) 実は、欧州には現在約1200人の脱北者がいるが、そのうち英国には約700人が居住しており、韓国に次いで脱北者が多い国だ。同国には、'13年5月に永住権を取得した金主日(キム・ジュイル)氏という『国際脱北者連帯』の事務局長がおり、北朝鮮解放のために日々戦っている。 「同氏は、元人民軍第5部隊の小隊指揮官だった'05年8月に脱北した人で、これまで正男や金正日の異母弟、金平一チェコ大使を亡命政権のトップに担ごうと画策しましたが、断念したという経緯がある。亡命政権を樹立する地域が韓国の場合は中国が反発するでしょうし、中国の場合は米国が反対するはずです。最善の方法はヨーロッパに本部や支部を置くことでしょう。英国は日米韓と違い北に直接対峙する敵ではないので、北当局も英国に逃げた脱北者の親族関係者に対してはかなり寛容ですから、漢率擁立にはもってこいなのです」(前出・ウオッチャー) 本名で堂々と生きることができず、異国の地で非業の最期を遂げた正男氏は、今ひたすら漢率氏の決起を願っているのではないか。
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社会 2017年03月03日 17時30分
安倍首相が本気になった小池都知事潰し衆院・都議ダブル選挙
豊洲市場移転問題で、ついに石原慎太郎元都知事を百条委員会にまで追いつめた小池百合子都知事。昨年の都知事選、さらには千代田区長選挙と、小池氏の前に実に連敗中の自民党は、夏の都議選前に防戦一方だ。 「このまま行けば自民都議の離脱はますます続く。都議選で事実上の小池新党となる地域政党『都民ファーストの会』の単独過半数64議席獲得も、現実味を帯びてきた」(都議会関係者) この事態に「都議選と国会は別」と、あくまで冷静沈着を装ってきた安倍自民党も、いよいよ「放置すれば国会まで乗っ取られる」と尻に火がつき対策に動き出したともっぱら。そこで“小池潰し”として急浮上しているのが、衆院選と都議選の“ダブル選挙”なのだという。 つい最近まで、「解散はあっても年末」というのが永田町の“常識”だった。だが、小池ブームのあまりの勢いに、永田町界隈では「近い将来の首相筆頭候補」との声も出始める始末。自民党が危機感を強める一方、それにも増して怯えきっているのが、創価学会を支持母体に持つ公明党だ。 「これまで学会と公明党は、選挙体制が追いつかないため衆院選と都議選の時期が近いのは困るとしていたが、ここへ来てダブル選挙容認の構えになり始めている。公明党は、支持者らの強い声で自民党とは距離を置き、小池氏に同調する動きを加速させていた。小池氏も1月6日に公明党本部で行われた賀詞交歓会に出席し、共闘をアピールしている。しかし、その公明党が小池旋風のあまりの強さにおののき、再び方針を変えつつあるのです」(政界事情通) 公明党、創価学会にとって、都議会は国政以上の最重要拠点とされ、「公認候補23名の全員当選は至上命令」(公明党関係者)。しかし、現状の予測では小池新党に食われ、3人が当落線上でアップアップの状態だというのだ。 一方の自民党。都議会議席は60議席だったが、そこから3人が新会派を作り、さらに1月20日には山内晃都議(品川区)と木村基成都議(小金井市)が同会派と同時に自民党も離党、都議選では小池新党からの出馬を決めている。 「さらに自民党を離れようとしている自民党都議がおり、水面下で画策している。それもこれも、各種有権者へのアンケートで“次の都議選では小池新党に投票する”という比率が日に日に高まっているからです」(前出・都議会関係者) そのため小池新党とは対照的に、自民党は現状の57議席から23議席にまで激減するという分析さえある。 小池氏周辺関係者は言う。 「これに安倍自民党は、解散総選挙の時期を誤れば、小池新党が都議選の余勢を駆り衆院選でも大量の候補を擁立、自民党を食い潰すのではないかとビビっている。特に、小池さんは最近のインタビューでも『かつての日本新党をモデルにしたい』と発言しているでしょ。自民党内でも政権を失ったあの時の悪夢が蘇っているんですよ」 当時の自民党は、金丸信副総裁の東京佐川急便からの5億円献金疑惑などで揺れに揺れていた。そこへ細川護煕元首相が熊本県知事退任後、政治改革を唱えて'92年に立ち上げた日本新党は、ニュースキャスターから転身した小池氏も結党に携わり一大ブームを巻き起こす。'93年6月の都議選では22人を擁立し20人が当選という大躍進を果たし、その勢いで同年7月の衆院選で35人が当選。非自民勢力を結集して自民党政権を倒壊に導き、細川政権が誕生したのだ。 「今、なんとか小池新党の勢いを止めないと、24年前と同じことが起きかねない。そこで自民党内では、早い段階から都議選と衆院選のダブルを仕掛ければいいという案が出ていたのです。ただ、国政で与党を組む公明党がガンとして首をタテに振らなかった。今はその状況が変わり、事が動き始めたというのです」(政界事情通) では、衆院・都議のダブル選挙となれば、その潮目はどう変わるのか。 「まず世間の目先が変えられる。報道も国政優先になり、都議選、小池新党の注目度が弱くなることが大きい。また、約90%も値引きした学校法人森友学園への国有地売却問題で安倍首相は火だるま状態。ここをなんとか乗り切れば、支持率は再び上がる。今年後半よりも早い時点で解散を仕掛け、来年の改憲を睨みながら政権の絶対安定を維持したい。加えて、金正男氏暗殺で今後しばらくは北朝鮮情勢から目が離せず、国民の関心度も極めて高い。トランプ米大統領と組んで強気な安倍首相にとっては、有利な風が吹きやすい状況です」(政治部記者) 都議選ごと小池新党を埋没させ、ダメージを極力減らすことで、その先の国政与党の座を意地でも守りたい安倍政権。 「なにより衆院選が夏となれば、さすがに小池新党も候補者を擁立する余力と時間がない。それに自公は、今の民進党や共産党などの非自民勢力が相手であれば、解散しても衆院選で負けることはない。小池ブームも、都議選で自民が第一党を守り抜けば、一気に収束するのではないかと見る。ダブル選挙は今だから可能、かつ効果大の策と言える」(自民党関係者) 安倍首相の口から、仰天プランは飛び出すのか。
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社会 2017年03月03日 14時00分
三陽商会が過去最大赤字で再び浮上する身売り説
日本でも絶大な人気を誇る英国のファッションブランド『バーバリー』。一昨年6月、45年の長期にわたるその“キラーコンテンツ”とのライセンス契約を打ち切った大手アパレルメーカーの三陽商会が、苦境に立たされている。2月14日の決算発表で'16年12月期の連結純損益が113億6600万円の赤字と過去最大となったことを発表。売上高は前期比30.6%減の676億円まで落ち込んだ。 三陽商会はバーバリーの後継ブランドとして『マッキントッシュ ロンドン』を主力に展開。しかし、同ブランドの販売数は想定よりも大幅に下回り、その他のブランドも泣かず飛ばずの状態で業績悪化に歯止めがかからなかった。 「マッキントッシュは世界初の防水布を使用したゴム引きコートで人気を博し、英国上流階級の高級アウターブランドとして知られています。日本でマッキントッシュが売れない最大の理由は、知名度のなさにつきます」(アパレル会社幹部) コートは1着10万円〜20万が相場で、庶民にはなかなか手が出ない。日本人は認知度が低いブランドに対して、まだまだ財布のひもは固いのだ。 「業績悪化ばかりに目が向きがちですが、ポイントは別にあります。決算発表と同時に複数のリリースを発表しており、『敵対的買収防衛策の廃止』『単元株式数を1000株から100株に変更』『取締役の任期を2年から1年に短縮』など、社内体制に変化が起きている。これまで何度となく会社側は身売りを否定してきましたが、ここに来て買収しやすい環境に変えてきているのです。企業価値が下がる前のタイミングで身売りするのも一つの手段かもしれません」(エコノミスト) 危機的状況下にもかかわらず、現在、25億円を投じて本社隣接地に10階建ての新別館ビルを建設中の三陽商会。新たなビジネスモデルを模索する前に「経営陣の入れ替えも検討すべき」との声も聞こえてくる。
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社会 2017年03月03日 10時00分
人が動く! 人を動かす! 「田中角栄」侠(おとこ)の処世 第58回
政権浮揚を懸けた東南アジア歴訪も完全にウラ目、内憂外患これに尽きた感のある田中角栄は、昭和48年5月、東京・日本武道館における「田中総理を励ます新潟県人の集い」に出席した。郷土の英雄、総理ガンバレとの新潟県人による激励会であった。それにしても、あの日本武道館で激励会とは何とも“剛毅”な集いであり、郷里での田中人気の根強さを窺わせた。武道館は満員、熱気に溢れたものであった。 田中はこの支持者の熱い思いに生気を取り戻したように、時に顔を紅潮させ、熱弁を振るったものである。筆者はこれを取材しているので、いささか長いが、以下、演説の大半を記してみる。 「新潟県の皆さん! すっかりご無沙汰しております。日頃から、私のためにご支援ご鞭撻を頂いている皆さんが、このような形で私を励まして下さることは、本当にありがたいことである。私がこんな晴れがましい席で、公の形で激励を賜ることは、今から35年前ッ、昭和14年春ッ、私が現役兵として入営したとき以来、初めてのことであります。私は心暖まるふるさとの心に接し、しみじみたる思いであります。 私が皆さんの支援を得て、内閣を組織いたしましてから、2年の月日が経とうとしております。内閣総理大臣に就任した際、『前線に向かう一兵卒のような気持ちだ』と言ったことがありますが、それはつい昨日のような気がするのであります。そして、そのときの心境は2年後の今日も、まったく変わっていないのであります。国民の皆さんと手を携えて歩み、国民のための政策を勇断をもって実行していくことは、極めて重い責任を伴うのであります。私は過ぎ来し方を顧みながら、その重みを改めて心に刻みつつ、前進を続けてまいる決意であります! この2年間は、人類悠久の歴史の中にあっては、まばたきするほどの時間に過ぎません。しかしッ、世界が新たな転換の時代を迎えているときだけに、かつて私どもが経験したことのない激動が、相次いで起こった長い2年間であったとも言えるのであります。世界は緊張緩和の方向に進みながら、一方で新しい国際秩序の確立に、いわば産みの苦しみを味わっております。西欧先進国はいずれも転換期の困難に直面していますが、わが国も例外ではなく、物価、公害、エネルギーなどの諸問題の解決を迫られていることはご承知の通りであります」 「皆さん、私も人の子だッ。国の命運に関わる大問題を前にして、いかに国民生活の安定を図るかを思い悩み、眠られぬ夜を過ごしたことも、ままあったのであります! 昨年末には、顔面神経炎という病気にかかり、口が曲がり、皆さんにはずいぶん心配も掛けました。しかし、ご覧のように元通りになったし、健康は最良の状態にあります。 いかに難しい問題にぶつかろうとも、今すぐに『新潟へ帰りたい』などと泣き言は申しません。現在、新潟県に存在する者240万人ッ、全国に私と同じく出稼ぎに出ておられる方々260万人ッ、合計500万人もの皆さんが私とともにあることに勇気づけられ、私は新たな問題に精力的に取り組んでまいります。そして、私は理想の旗を高々と揚げつつ、当面する問題をひとつひとつ現実的に解決、国民皆さんの負託に応えてまいる決意であります。 私は先頃、56歳の誕生日を迎えました。皆さんッ。私たちの祖先が日本人の歴史の一コマを切らなかったように、私たちもこれから未来に続く民族の一コマを切ってはならないのであります。私はそういう意味で、その責任を果たさなければならないと考えているのであります。 まぁ、新潟のふるさとも、次第に青葉も増し、緑濃くなっておりましょう。鮮やかな新芽が緑色を新たにするように、私は日々、決意と希望を新たにしつつ、国政に取り組んでまいります。私は、私に与えられた公の責任を果たすため、全力投球いたします!」 演説が終わると、武道館は割れんばかりの拍手に包まれた。 一方で、田中はこの間、日中航空協定を発効、公布させるなどいくつかの政策推進にも全力を挙げていた。中で、特筆できることに教員人材確保法の成立があった。田中は日頃、「大学の教授より、むしろ小学校の先生を大事にしなければならない。小学校の先生が白紙の子供を教えるのだから、その教育こそ国の大本であり、幼少時の教育こそ人材形成に大きな影響を及ぼす」との考えを持っていた。その実現のために、全国の公立の小・中学校教諭の給与を大幅にアップさせ、海外の知識などを広く求める必要性から、同じく教諭の海外派遣制度をも設けたのであった。 そうしたさなかの9月、田中のもとに“寝耳に水”、月刊誌『文藝春秋』が田中の「金脈」と女性スキャンダルを記事として掲載するとの情報が飛び込んできた。田中の周辺は、一気にざわめき始めた。(以下、次号)小林吉弥(こばやしきちや)早大卒。永田町取材46年余のベテラン政治評論家。24年間に及ぶ田中角栄研究の第一人者。抜群の政局・選挙分析で定評がある。著書、多数。
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社会 2017年03月02日 14時00分
北朝鮮・金正恩「斬首作戦」に米中GOサイン! 動き出した暗殺者(3)
実は正恩委員長がコンプレックスを抱く人物がもう1人いる。秘密警察である国家安全保衛省の完全監視下に置かれる前出の金平一チェコ大使(62)は、金日成とはウリ二つ。正真正銘の「白頭の血統者」だ。 1月1日、在英脱北者団体が仕掛けた「北朝鮮亡命政府に金平一擁立の声高まる」と書かれたビラが韓国から北朝鮮に向けて飛ばされた。また、米韓日など世界各国の18の団体のネットワークで構成された『人権と民主主義のための国際北朝鮮協会』は、亡命政府の指導者として正男氏を候補として挙げていた。 正男氏自身は過去に「世襲反対」を明言しており、亡命政府首班への推戴を受け入れないことを表明していたが、しかし、加担を疑われて正恩委員長に暗殺された可能性は捨て難い。 「それが証拠に反体制派や脱北者を摘発するはずの保衛省のトップ金元弘が1月下旬に突如解任され、次官級の幹部が多数処刑されています。国外にいる脱北者団体にやすやすと行動を起こされたことに、正恩が怒り狂ったからとみられています」(在日韓国人ジャーナリスト) それにしても、こうたやすく暗殺されたのには疑問が残る。正男氏には北京在住の本妻の他に2人の妻、子供が計4人いるとされ、いずれも中国当局の身辺警護を受けているとの報道もある。マレーシアには40代前半の中国系シンガポール人の“内縁の妻”が住んでおり、この女性に会った後マカオに向け出国するわずかな隙を狙われたようだ。 「中国当局は正男が東南アジアを移動する際には護衛チームを送り、万全の警護態勢を敷いていました。しかし、今回はなぜか護衛はいませんでした。そこで、中国側は護衛を外すことで、正男の暗殺をほう助した可能性があるのです。現地警察も今回の暗殺でカギを握るのは、マレーシア在住のこの“女”とみて、その行方を追っています」(在マレーシア通信記者) 折しもTHAADの韓国への配備決定で、昨年から中韓関係が悪化したことから、中国共産党内では北朝鮮との関係修復のため、年内にも正恩委員長を訪中させたいという思惑が広がっていた。 「それには二つ障害物を取り除かなければなりません。一つは北朝鮮が核実験をしばらく実施しない確約を取ること。もう一つは、正男に消えてもらうことでした」(在日中国消息筋) 中国政府が正男氏を手厚く保護したのは“金王朝の嫡男”を手元に置くことで、正恩委員長に「トップを正男に代える準備はある」と常にプレッシャーを与え続けることができるからだ。逆に言えば、それは関係修復の妨げになる。 一方、さもありなんと思わせる動機として、正男資金の強奪だ。彼は正恩委員長からの資金リストを携えての帰国命令を無視した。 「張成沢の死刑判決文には、『石炭をはじめとする貴重な地下資源をむやみに売り飛ばし、羅先経済貿易地帯の土地を50年期限で中国に売り飛ばすという売国行為もためらわなかった』という中国批判以外に『年間460万ユーロ(約5億5000万円)以上を秘密金庫から引き出した』とあり、このうち2億〜3億円が正男に流れていたと正恩は見積もったのです。また張成沢が、マレーシアやパナマのタックスヘイブンに逃避させた信託資金は2億1900万ドル(約220億円)にも及ぶとも信じられている。それに正日は、正男を後継者にできなかったことを不憫に思い、資産を海外に移したとも伝えられています。外貨不足に悩む北朝鮮にとって220億円は大金です。兄を殺した正恩は、今頃、彼の秘密資金を血眼になって探し回っているはずです」(前出・消息筋) カインとアベルは、旧約聖書『創世記』に登場する兄弟のことだ。カインはアベルを殺害するが、親の愛を巡って生じる兄弟間の心の葛藤を指す“カインコンプレックス”は、この神話から名付けられた。正恩委員長の心にも、それが根強く横たわっていたのだろう。
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社会 2017年03月02日 10時00分
世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第211回 潜在成長率の倍増
昨年12月、内閣府は国民経済計算の統計手法を、国連の定める新たな国際基準である『2008SNA』に変更した(編集部注釈:国民経済計算とは、経済の全体像を国際比較可能な形で体系的に記録するために作成される基幹統計のこと)。結果的に、日本の名目GDPはいきなり約31兆円も増加したわけだが、同時に潜在成長率が倍増するという、興味深い結果をももたらした。 やや難しい話ではあるが、経済学者やエコノミストがどれほど奇怪な存在であるかが如実に分かる事例であるため、本稿でご紹介する。 潜在成長率とは潜在GDPの成長率を意味する。そして、潜在GDPとは、日本の労働力や資本がフル稼働した際に生産可能なGDPだ(これを最大概念の潜在GDPという)。 例えば、失業者は「稼働していない労働力」になる。失業者が雇用され、生産活動に従事するようになれば、当然ながらGDP(国内総生産)は増えるはずだ。すなわち、潜在GDPは完全雇用環境下におけるGDPと言い換えることもできる。 ところが、不思議なことに内閣府や日本銀行は、「労働力や資本のフル稼働」の値について、なぜか過去のリソース稼働の「平均」で設定する。最大ではなく平均の稼働率で見るため、潜在GDPが小さくなってしまうという弊害が生じている(これを平均概念の潜在GDPという)。 平均概念の潜在GDPを使用すると、デフレギャップ(総需要の不足)が小さく見える。結果、デフレ対策を打ちにくくなる。 さて、潜在成長率であるが、潜在GDPは以下の三つの要因によって決定されると考えられている。○労働投入量○資本投入量○TFP(全要素生産性) 例えば、労働投入量が増えるならば、論理的に日本の生産量は増えるはずだ。あるいは資本投入、言い換えれば投資の拡大もまた、日本の生産力を強化する。ここまでは分かる。 不思議なのはTFPだ。TFPとは何なのか? TFPとは、技術革新や技術の活用法の進歩、労働や資本の質向上などによる潜在成長率への寄与として定義される。果たして、「技術革新」「技術の活用法の進歩」「労働や資本の質向上」といった抽象的な概念を、数値データ化することができるだろうか。不可能だ。 例えば、日本の経済が5%成長したとしよう。その期間、労働投入量の増加によるGDP成長への寄与度が1%、資本投入量増加分の寄与度が2%とする。労働投入量や資本投入量“だけ”がGDPを決定するならば、日本の経済成長率は3%のはずだ。ところが、現実の成長率が5%だった場合、2%分、大きくなってしまう。 この“乖離分”について「TFPの向上によるもの」と考えるわけだ。 実は、TFPは事前には決定できない。あくまで、経済成長率が確定し、そこから労働投入量と資本投入量の寄与度分を差し引いたものがTFPであると計算されるわけである。 例えば、労働投入量と資本投入量に変化がなく、それでも実質GDPが拡大した場合、 「TFPが高まったため、潜在成長率が増えた」 と解釈されるのだ。 さて、内閣府のGDPの算出方法の見直しに伴い、日本経済の中長期の実力を示す潜在成長率が、これまでの0.4%から0.8%へと跳ね上がった。 GDPが統計手法の変更により成長したものの、労働投入量と資本投入量が劇的に変わるわけではない。労働投入量や資本投入量が変化していないにもかかわらず、いきなりGDPが31兆円も増えてしまった。というわけで、内閣府は、 「全要素生産性(TFP)の伸びとして潜在成長率の推計に反映された結果」 と、潜在成長率が倍増した理由を説明している。 ポイントがお分かりだろうか? 式で書くと、 【TFP=経済成長-労働投入量の寄与度-資本投入量の寄与度】 なのである。そして、 【潜在成長率=労働投入量の寄与度+資本投入量の寄与度+TFP】 である。 経済成長すれば、TFPは自動的に高まる。TFPが高まれば、潜在成長率は伸びる。労働投入量と資本投入量が伸びなかったとしても、経済成長しさえすれば、潜在成長率は上昇するのである。 逆に、経済成長しない場合、潜在成長率は低下する。わが国はデフレーションにより、1998年以降、経済が成長しない状況が続いている。結果的に、潜在成長力は下がって当たり前なのだ。 日本は経済成長していないために、潜在成長率が低い。ただそれだけの話なのだが、経済学者やエコノミストたちは低い潜在成長率を構造改革に利用してきた。 「日本の潜在成長率は低い。潜在成長率を高めるためには、労働投入量を拡大すればいい。そのためには、雇用の流動性を強化し、外国移民を受け入れるべきだ」 「日本の潜在成長率は低い。潜在成長率を高めるためには、資本投入量を拡大すればいい。そのためには、各種の規制を緩和し、企業の投資を促せばいい」 と、日本国内で構造改革が推進され、さらに緊縮財政でデフレが深刻化すると、経済成長率は低迷する。すると「潜在成長率が低い。構造改革が必要だ」という話になり、またまた構造改革が…。 現実には、日本がデフレから脱却し、経済成長率が上昇すれば潜在成長率もまた高まる。実際に内閣府が統計基準を変更し、GDPが約31兆円増えた結果、潜在成長率が倍増したわけである。 ところが、経済成長すればTFPが向上し、潜在成長率は高まるという単純な事実を、経済学者やエコノミストは認めようとしない。どれだけ頭が悪いのか。 繰り返すが、日本は潜在成長率が低いため経済成長しない、のではない。デフレで経済成長していないから、潜在成長率が低いのである。 この当たり前の話を国民が理解し、潜在成長率の低迷を構造改革に利用させないようにしなければならない。日本がデフレから脱却し、GDPが堅調に成長を始めれば、TFP向上により潜在成長率も勝手に上がっていくのである。みつはし たかあき(経済評論家・作家)1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、分かりやすい経済評論が人気を集めている。
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社会 2017年03月01日 14時00分
北朝鮮・金正恩「斬首作戦」に米中GOサイン! 動き出した暗殺者(2)
中国とて正恩委員長をこのままにしておけば、米軍の最新鋭迎撃システム『THAAD(高高度防衛ミサイル)』の韓国配備をみすみす許してしまうことになる。しかも、正恩の中国に対する非礼ぶりからすると、北朝鮮の核が中国に向けられるかもしれないのだ。 「中国政府は米軍が侵攻する前に自分たちの手で決着をつけようと考えているフシさえある。この選択の方が後々、北朝鮮に影響力を行使できるからです。中国人民解放軍が北に侵攻する場合に備え、中朝国境の鴨緑江に橋を完成させたのもこのためです。橋を渡れば平壌までわずか200キロですから。とはいえ、いくら北朝鮮相手でも他国のトップを殺したらさすがに国際社会から批判される。そこで採られるのが、北の人民軍を動かしてクーデターを起こさせる作戦です。実は、中国からは公安のスパイが貿易会社社員などになりすまして北に潜入している。彼らが人民軍を裏から操って正恩の宮殿に突入させ、逮捕すれば一瞬で政権が転覆します。暫定クーデター政権が、国内の裁判で死刑判決を下せば、国際社会からの批判も免れる。その場合、正恩の後任は、金正日に排除された異母弟で、チェコ大使の金平一か、正恩の実兄の金正哲を据える腹でしょう」(日本在住中国人ジャーナリスト) ただし、中国は今秋に5年に1度の共産党大会を開かなければならない。すぐに動けるかどうかは微妙な情勢だ。 2013年12月に叔父の張成沢を処刑し、'15年4月にも当時の玄永哲人民武力部長、同5月に崔英健副首相を処刑した。昨年7月には金勇進副首相を「座る姿勢が悪い」という理由で処刑している。もはや気に入らない奴は片っ端から処刑するという状況の中で起きたのが今回の正男氏暗殺だが、血のつながった兄殺しは彼らの処刑とは意味合いが異なる。 北朝鮮では「建国の父」として神格化された故・金日成主席の一族を「白頭の血統」と呼び、最高権力が世襲されてきた。正恩委員長の権力の基盤は唯一、金日成の血統であるということだけだが、実はこれが砂上の楼閣にすぎないのだ。 「正恩の母親の高英姫は、大阪生まれの在日帰国者で“出身成分”が低いことから北朝鮮国内では彼の出自は秘匿されている。'11〜'12年頃に北朝鮮に帰国した正男は、『正恩は白頭の血統か? 富士の血統じゃないか』と皮肉ったこともあります。ですから、出生も公にされず、祖父の金主席とも会ったこともありません。『富士山の血統』発言は相当頭に来たようで、正恩政権が発足した直後の'12年から『場所、手段を選ばず正男を除去せよ』との指令が出されていました」(在韓脱北者団体) 従って正男氏と正恩委員長は面識すらない。これは“金正日の料理人”こと藤本健二氏が「王の宮廷内で正男を見たことは一度もなかった」と証言していることからも分かる。
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社会 2017年03月01日 10時00分
森永卓郎の「経済“千夜一夜”物語」 したたかなトランプ戦略
2月10日に行われた日米首脳会談は、トランプ大統領の対日強硬姿勢がすっかり封印され、「満額回答」や「ホームラン」との評価が新聞紙面に踊った。安全保障関連では、尖閣諸島が日米安全保障条約5条の適用対象であることが確認され、経済関係でも、為替や通商政策で具体的な要求を突き付けられることがなかったからだ。 しかし、今回の首脳会談をみて、私にはむしろトランプ氏のしたたかさが印象づけられた。 まず、尖閣諸島への安保条約適用は、これまでも米国が繰り返し表明してきたことで、米国は何ら譲歩をしていない。しかも、日本の施政権、すなわち実効支配を追認しただけで、日本の領有権は認めていないのだ。 従来から米国は、尖閣諸島の領有権は日中間の話し合いで解決すべきだとして、中国の主張に配慮する立場だった。 しかも、トランプ氏は日米首脳会談の前日に中国の習近平国家主席と電話会談を行い、台湾を中国の一部とみなす「一つの中国」原則を尊重する意向を伝えたのだ。つまり、トランプ政権は、反中国ではないことを示して、日本に無言の圧力をかけた。 そして、決定打は、通商関係に関して、麻生財務大臣とペンス副大統領の下に置かれる「日米経済対話」の枠組みで行われることにしたことだ。 この枠組みに異常さを感じないだろうか。通商関係の交渉は、経済産業大臣の所管となっている。ところが、今回の首脳会談に、当初同行予定だった世耕経済産業大臣は、安倍総理に帯同しなかった。米国側は、麻生大臣の同行を強く求めたのだ。 麻生大臣の下で通商交渉を行うことは、米側に二つのメリットがある。 一つは、麻生大臣の所管にすることで、通商交渉に手慣れた経済産業省の官僚を遠ざけることができること。そして、もう一つは、通商交渉の場面で、為替を人質に取ることができることだ。 歴史を振り返ってみよう。レーガン政権の時代、当初米国は、「強いドル」を掲げた。しかし、結局、財政赤字と貿易赤字という双子の赤字が生まれて、その政策は、決してうまくいかなかった。そこでレーガン大統領は、ニューヨークのプラザホテルに先進5カ国の財務大臣、中央銀行総裁を集め、協調介入によって日本を急激な円高に誘導する政策に出たのだ。日本経済を集団リンチにかけるような事件だった。 レーガン元大統領を心から尊敬するトランプ大統領が、そのことを知らないはずがない。為替介入の実行者は日本銀行だが、指図をしているのは財務省だ。つまり、麻生大臣を日米経済対話のトップに据えた理由は、第二のプラザ合意という脅しをかけるためだったのだろう。 麻生大臣は、ある程度の円高を受け入れざるを得ない。しかし、急激な円高というシナリオを呑むわけにはいかない。そのため、今後の二国間交渉の中では、TPPのときよりも、さらに踏み込んだ譲歩を迫られることになる。 お隣の韓国では、米韓FTAの締結によって、すでに畜産や医療などの分野で大きな被害が出ている。日本にも、より深刻な影響が出るだろう。
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社会 2017年02月28日 14時00分
北朝鮮・金正恩「斬首作戦」に米中GOサイン! 動き出した暗殺者(1)
日米首脳会談に合わせた北朝鮮の新型弾道ミサイルの発射に、トランプ大統領の顔は引きつった。そこへ飛び込んできたのが、金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄である金正男氏(45)が、2月13日にマレーシアのクアラルンプール国際空港で殺害された一件だ。怒り狂ったトランプがついに“金正恩斬首作戦”に動き出す。 米国では昨年9月、マイク・マレン元統合参謀本部議長らによって、金委員長を排除するための先制攻撃シナリオが公然と練られた。また、トランプの外交顧問だったピーター・フックストラ元下院情報特別委員長は「大統領はいかなるオプションも排除しない」と断言している。 歴代米政権は極秘の「朝鮮戦争ファイル」を尊重してきたという。1950年6月25日に勃発した朝鮮戦争で、米国は北朝鮮軍の恐ろしさを身に染みて分かっているからだ。後続兵は素手で突撃し、先兵が倒れるとその銃を持って米軍(国連軍)に襲い掛かってきた。このムチャな戦いぶりは米軍をして「地上戦はやらない」という不文律になったが、トランプにはこのファイルの警告が通じない。 「2月行われた韓国の韓民求国防相とマティス国防長官との会談では、来月から始まる米韓合同軍事演習で、北朝鮮の挑発を抑え込むための訓練を例年より強化することで一致しており、より実戦を想定した訓練になるはずです。これを踏まえ、3月にも米軍が北に攻撃を仕掛けるのではとの観測も流れている。バンカーバスター(地中貫通爆弾)などによる空爆ではなく、シールズやデルタフォースのような特殊部隊が、金委員長の首を取る作戦です。今回の正男暗殺事件で、同氏を庇護してきた中国も“正恩抹殺”を黙認せざるを得ません。しかもトランプ大統領は、シリアやイランと違い東アジアの超独裁国家をつぶすことは国際的にも評判を上げるとソロバンを弾いている。ただ、実行に当たっては、安全保障問題の司令塔であるマイケル・フリン大統領補佐官が辞任したのは不安材料ですが」(軍事アナリスト) 2月12日に発射した新型弾道ミサイル『北極星2号』(ムスダン改良型:射程2500〜4000キロ)は、固形燃料で飛ばすことができ、移動車両もタイヤではなくキャタピラー式の車両へと改良されたため発射の兆候を把握するのが難しい。しかも、発射ボタンを押せば10〜20分で発射できる。米軍が空から破壊できない可能性が高まり、米国の準州であるグアムも射程に入ることで、米韓軍の戦略の柱である“キルチェーン(発射兆候から30分以内の先制攻撃)”を無力化させられたのも同然だ。 「北朝鮮の新型ミサイルは、米韓軍が第1撃を封じ込めたとしても任意の水域にいる潜水艦からSLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)で第2撃の報復攻撃を可能にする能力があるとみられています。北朝鮮はすさまじい勢いで技術革新を進めているわけで、国際社会による経済制裁も、技術流入を食い止める圧力も、中国による“ガス抜き”で効果を持ちません。トランプはそこに激怒しているのです」(同・アナリスト)
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社会 2017年02月28日 10時00分
小池百合子都知事に命乞い“落ち目の三度笠”石原ファミリー
石原慎太郎元東京都知事がついに完全屈服し、密かに小池百合子知事に“命乞い”を始めた――。そんな情報が永田町、都庁周辺に飛び交っている。 「豊洲市場移転問題から逃げ回っていた石原氏が一時、記者会見まで匂わして強気になっていた理由も分かっている。しかし、今は一転して弱気になっており、小池氏に何とか怒りを納めて見逃して欲しい――石原氏がそんな思いで今、奔走しているとの噂が飛び交っているというのです」(全国紙政治部記者) まず、石原氏が突如、強気な行動に出た理由は何だったのか。 小池氏周辺関係者はこう言う。 「石原さんは2月上旬、浜渦武生元副知事ら豊洲移転関係者と集まり、話し合いの場を持ったという。結果、石原さんにとって不明な点や記憶違い、忘れていたことなどが整理され、“責任はない”という意見も出たことが、自信につながったのでしょう」 その一部が『週刊新潮』(2月23日号)での独占インタビューで表れた。石原氏はそこで「築地の豊洲移転は、私が知事に就任した'99年の時点で既定路線となっていました。先代の青島(幸男)君からの“引き継ぎ事項”のなかに豊洲移転に関する項目があった」とし、「とにかく豊洲ありきだった。つまり豊洲移転への機運は私の就任前に既に整っていた」と話している。強気な発言はエスカレートし、小池氏には知事としての発想力とリーダーシップがないとバッサリ。 しかしその態度が一転、同誌の発売前日の15日になり、石原氏が14日に報道陣の前で「来週に開く」としていた記者会見を突如、中止にすることが判明した。 「鼻息荒かった石原さんを弱気にさせた理由はいくつかあった」とは、別の小池氏周辺関係者。 「一つは、石原さんのインタビュー記事が載った『週刊新潮』と同日に発売された『週刊文春』。そこには『石原慎太郎都政「血税豪遊」全記録』のタイトルで、海外出張に総額約5億円、豪華クルーズ出張にワイン1本3万9000円の宴席、四男の事業に補助金7億円などの疑惑が羅列された。会見を開けば、それらへの質問責めで火だるまになりかねない。そのため『都議会の参考人招致の日程(3月18日〜20日)が決まったため』と取って付けたような理由で会見を取りやめたのです。参考人質疑で扱われるのは豊洲問題だけに絞られるため、そちらの方が得策と判断したと思われます」 二つめは、ここへ来ての都議会自民党の動き。 2月16日、自民党都議11人が参考人招致ではなく百条委員会設置を求め、有志の会を結成。さらに20日には、議会運営委員会の理事会で、百条委員会設置について全会派で一致した。 「もちろん自民党都議の間には、ここで豊洲問題などを追及する姿勢を見せなければ、石原氏や、すっかりダーティーなイメージが付いた都議会のドン・内田茂議員と同じ穴のムジナと判断され、夏の都議選で落選に陥りかねない。この風向きはさらに拡大する勢いを見せており、自民から離党し小池氏になびく議員も出始めている。参考人招致でのらりくらり逃げようとしていた石原氏にとって、刑事罰もありうる百条委員会が現実のものとなった今、会見を開いている場合ではなくなったということです」(都政記者) 石原氏を弱気にした三つめの理由は、最後の拠り所だった長男・石原伸晃経済再生相の崖っぷち状態にある。伸晃氏は都知事選で小池氏に負け都連会長を降り、さらに先頃の千代田区長選でも前面に立ったが、また惨敗。この影響で、伸晃氏が会長で弟の宏高氏も所属する石原派15人が、分裂の危機に陥っているのだ。 「すでに同派閥の重鎮で事務総長の平沢勝栄自民党広報本部長が、退会の意向を固めているという。次期衆院選を睨み、危うい父親を抱え影も薄くなった伸晃氏に見切りをつけたと見られます。仲間数人と退会すると見られており、何と言っても平沢氏自身、自民党都連時代から小池氏と距離が近い。そのため、小池氏のバックアップと再接近の意味もあるとの憶測も呼んでいる」(全国紙政治部記者) ここへ来てファミリーごとピンチに追い込まれそうな石原氏は、かくして一時の強気から再び“弱気の虫”に取りつかれた。そんな中、ついに恥をかなぐり捨てた行動に出たという情報まで駆け巡っているという。 「1月10日、小池氏と安倍首相が会談した際にも話が出たようですが、小池さんは1兆8000億かかるとされる東京五輪経費において、何とか国の支援をもらいたい。これを受け安倍首相は、何をバーターにすれば得策なのかを考慮中だといいます。その状況を知る石原氏が最近、安倍首相に近い人物と密談し、小池氏の猛攻を抑えるよう、安倍首相に説得して欲しいと懇願したという話。これが事実であれば、果たしてこの“命乞い”を安倍首相が受けるかどうか。今後の動きで、その結果が垣間見えるかもしれません」(永田町事情通) 石原ファミリーの落ち行く先やいかに。
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