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三陽商会が過去最大赤字で再び浮上する身売り説

 日本でも絶大な人気を誇る英国のファッションブランド『バーバリー』。一昨年6月、45年の長期にわたるその“キラーコンテンツ”とのライセンス契約を打ち切った大手アパレルメーカーの三陽商会が、苦境に立たされている。2月14日の決算発表で'16年12月期の連結純損益が113億6600万円の赤字と過去最大となったことを発表。売上高は前期比30.6%減の676億円まで落ち込んだ。

 三陽商会はバーバリーの後継ブランドとして『マッキントッシュ ロンドン』を主力に展開。しかし、同ブランドの販売数は想定よりも大幅に下回り、その他のブランドも泣かず飛ばずの状態で業績悪化に歯止めがかからなかった。
 「マッキントッシュは世界初の防水布を使用したゴム引きコートで人気を博し、英国上流階級の高級アウターブランドとして知られています。日本でマッキントッシュが売れない最大の理由は、知名度のなさにつきます」(アパレル会社幹部)

 コートは1着10万円〜20万が相場で、庶民にはなかなか手が出ない。日本人は認知度が低いブランドに対して、まだまだ財布のひもは固いのだ。
 「業績悪化ばかりに目が向きがちですが、ポイントは別にあります。決算発表と同時に複数のリリースを発表しており、『敵対的買収防衛策の廃止』『単元株式数を1000株から100株に変更』『取締役の任期を2年から1年に短縮』など、社内体制に変化が起きている。これまで何度となく会社側は身売りを否定してきましたが、ここに来て買収しやすい環境に変えてきているのです。企業価値が下がる前のタイミングで身売りするのも一つの手段かもしれません」(エコノミスト)

 危機的状況下にもかかわらず、現在、25億円を投じて本社隣接地に10階建ての新別館ビルを建設中の三陽商会。新たなビジネスモデルを模索する前に「経営陣の入れ替えも検討すべき」との声も聞こえてくる。

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