そこで、続々と戦略を打ち出すAKBを追う、他のアイドルグループの戦略の今を追ってみた。
「AKBに最も近いアイドルグループは、Sでしょう。A社による1万人近かったオーディションから10数名を選んで、一昨年にデビュー。出遅れると見るや、いち早くCD予約1枚につき握手1回、という特典をつけた。そんな選ばれた子を見守るオヤジ心を掴もうとしているところなどそっくりな売り方でしょう。衣装も似ています」(芸能誌記者)
特典DVD映像などは、AKBに勝ろうという豪華さだという。
とはいうものの、「確かに、AKBの真似で売り上げが伸びる特典は、いまや誰もが知っているAKBの個別握手会を模した、ふれあい企画くらい。生写真1枚~数枚封入などのいわゆる“コンプリート商法”は、相当人気がないと成り立たないはずでは? 楽曲の配信だって、特典画像が数バージョンあるくらいで何度もダウンロードするのは、AKBだからだよね」(40代のAKBガチオタ氏)という厳しい面もあるようだ。いっぽう、後追いならではの戦略もある。
「夢を追いかける、というコンセプトを売りにするため、店頭イベントなどの小さな活動でAKBに対抗しているアイドルは多いですね。前出Sはそうだし、AKBの対抗馬一番手と目されているMは“週末ヒロイン”(注「週末に活動する、身近なアイドル」という意味のようだ)というキャッチフレーズで、握手会に加え、まさにドサ周りイベントをやっている。すると、『初めての○○ホールでのコンサート決定!』などと言われると、ファンが一緒になってその成長を…泣けるじゃないですか」(前出記者)
これはまさに、たかみなが西武ドームを一つの到達点として繰り返しアピールしていた戦略(?)ともよく似ているかも。
しかし、「ファンに直接CDの複数枚購入を呼びかけてオリコン1位を獲得したグループもあるようです。また、“DVD何枚買えば食事”、とか援助交際まがいの商法を打ち出しているアイドルグループもあるみたいですよ(笑)」(週刊誌記者)
ということで、AKB包囲網はますます過激になっていく可能性もある。