◇今週のこの1枚◇ビョーク「Vespertine」(2001年/One Little Indian)
歌姫という言葉がぴったりな女性ではないでしょうか。それにしては、とても個性的ですけどね。常に新しい様々なことに興味を持ち、ポップスの世界で飛躍してきたと思うのですが、もっと広く音楽全般を見据えて先を考えているような人に感じます。
アイスランドで幼少の頃から音楽を学び、早くから作曲も始めたみたいです。12歳でアイスランド童謡でアルバムデビューをして、国内で爆発的なヒットを記録し、“天才少女”と呼ばれますが、自作の曲が1曲しか入っていなかったため、レコード会社との次の契約を断ります。その後、punkの洗礼を受け、ザ・シュガーキューブスを結成します。インディーズながらも英語の歌詞が世界で受け入れられ、ワールドツアーなどの成功を収めます。その後、ソロ活動を開始し、その独特の世界が徐々に広まり、現在に至ります。
打ち込みを多用しながらも、その世界はとても繊細で優しく、耳を澄ませば澄ますほど色々な音が迫って、時には攻撃的にさえ感じるほどです。プログラミングされた世界なのに、逆に自然を感じるのが不思議ですね。個性的な声もコーラスワークも常に効果的です。
最近、「ビョーク×アッテンボロー〜バイオフィリア・ドキュメンタリー [DVD]」を購入したのですが、自然と音楽を融合した新しい試みを作る過程を追いかけたドキュメンタリーで、重力を利用した楽器を研究者と開発したりと、現在でも、世の中にない音楽を作ろうとするビョークの姿勢が見えました。
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